〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百四話 育んできた絆

特訓を終えた翔は、彩羽とサクラとミサキに付き添われ、リハビリをしていた。

 

翔「おい…お前ら2人は、レッスンしなくて良いのか?ライブが近いんだろ?」

 

ミサキ「後程サクラとやるので問題ありません。」

 

サクラ「私も同じです!!ミサキさんとやるので大丈夫です!!」

 

翔「…そうか。」

 

平行棒で歩行の練習…階段で登り降りの練習……杖を使った歩行は、中々慣れなかったが…少しずつ、確実に慣れていっている。

 

翔(…コイツらも、化け物である俺を受け入れてくれている。それは幸せなことだ……)

 

ドールハウスに、最初は匿われる側になっていたが…そこでDollsを初め、様々な人々と関わって来た。特に、戦場までも共にしたDollsと育んできた絆は、彼の心の支えとなっていた。

 

彩羽「翔君…次は腕の筋力アップだよね?」

 

翔「あぁ…武器を振るうため、腕の力は維持していたい。握力もな……」

 

歩行訓練が終わり、次は手と腕の訓練だ……ダンベルを持ち、上げ下げを繰り返す。

 

ミサキ「翔さん…」

 

翔「…ん?」

 

ミサキ「翔さんは、その……」

 

翔「何だよ、言いてぇことがあんならはっきり言えよ?お前らしくねぇな…言ってみろよ?」

 

中々言葉に出さないミサキの背中を押す翔。そして、ミサキは漸く質問を言葉にして出す。

 

ミサキ「翔さんは…アマゾンになった事、後悔してませんか?」

 

翔「後悔がねぇって言うと、嘘になっちまうなぁ……だが、化け物になっても、居場所はあるんだって事を知ることができた。50%が後悔してる、50%は後悔してねぇ…ってとこだな。まぁ、なりたくてなったわけじゃねぇがな……」

 

サクラ「でも、翔さんは墨田区で沢山の人達を助けたんですよ、翔さんご自身の意志で!」

 

翔「それはお前達が俺を受け入れてくれたからだ…ま、化け物になったって…俺はこの世界を、守りてぇ。そう思えるぐらい、この世界は美しいモンだ……」

 

この世界で、国民的アイドルであるDollsを何度も危機から救ってきた彼は…様々な人から好かれる存在となった。他にも…アメリカ大統領と打ち解け、日本とアメリカの仲を再び良くしたのも翔だ。命を掛けて守り、信頼を得たのだ。

 

ミサキ「翔さんと育んできたこの絆…他の誰にも譲れない宝物です♪翔さん、貴方が来てからここは本当に賑やかになりましたね!」

 

翔「…あぁ、こういうのも悪くねぇ……」

 

サクラ「翔さん翔さん!怪我が治ったら…また、皆で遠くにお出かけしたいですね♪」

 

翔「…そうだな。」

 

彩羽「ちょいちょい!!」

 

ミサキとサクラと話すのに夢中になっていると、彩羽が首を突っ込んできた。

 

彩羽「皆して翔君翔君って…ズルいよぉ〜!アタシの可愛い弟なのにィ〜!!」プンスカッ!

 

今度は彩羽が、ミサキとサクラに嫉妬していた。

 

翔「サクラ、ミサキ…お前達だけに教える。」

 

ミサキ&サクラ「「えっ?」」

 

そんな彩羽を見た翔は、姉弟として打ち解けられたことをサクラとミサキに話した。

 

翔「お前達も気付いただろうが…俺は青空 彩羽と……いや、姉貴とはとっくに打ち解けられているんだ。」

 

サクラ「やっぱり、そうだったんですね♪」

 

ミサキ「成る程…だから彩羽さんもスキンシップが過ぎて……」

 

彩羽「ふふん!きっかけは、リゾートホテルでストライカーを撃退したことなんだ!!このドライバーには、感謝しか無いよ。」ガチャッ…

 

元ストライカー達と共にリゾートホテルで夏休みを迎えた翔は、ストライカー達の襲撃に遭ったが……バースドライバーXを手にした彩羽により、ストライカー達は撃退された。それがきっかけで、翔は彩羽に漸く心を開くことができたのだ。

 

彩羽「翔君との絆は、ここから育んで行くんだ!ね、翔君♪」

 

翔「…あぁ、姉貴。」

 

嬉しそうな顔を見せる彩羽と、少し苦笑いする翔。リハビリを終えて休憩していると、シオリ以外のDollsメンバーが入って来た。

 

レイナ「サクラ、ミサキ…ここにいたのね。」

 

翔「…もうレッスン終わったのか?」

 

レイナ「いいえ、もう少し残ってるわ。皆、翔君がいないと寂しいって言って聞かないのよ、フフ♪」

 

翔「…そうか。」

 

どうやら、場所を変えるために来たようだ。正確には、翔の顔が見たい…翔の声が聞きたい…そんな思いで、ここへ来たのだ。

 

愛「みんな〜♪スポーツドリンク作って来たから、休憩に飲んでね♪」

 

そこに、愛が入って来る。彼女はドールハウス専属コーチであり、専属医であるマルチな女性である。

 

愛「おっ、翔君♪翔君も飲む?」

 

翔「いや、結構だ。そうだ、片山さん…」チョイチョイ…

 

翔はそう言うと、愛に手招きする。そして、彼女の耳元で何かを囁く。それを聞いた愛は、嬉しそうな笑顔を見せる。

 

アヤ「ちょっ、ちょっと愛さん!?翔から何を聞いたの!?」

 

愛「良いことを聞いたんだよ、今話してくれるから♪」

 

ヒヨ「いいことなら、ヒヨもききたーい!!」

 

翔はDollsに彩羽と打ち解けられたことを話す。

 

翔「青空 彩羽…俺の姉貴と、漸く打ち解けられたんだよ。」

 

翔の隣では、彩羽が得意気な顔をしている。

 

アヤ「へぇ〜!良かったじゃない♪」

 

レイナ「お姉様との絆が戻ったのね、姉弟の絆は美しいモノよ♪」

 

ナナミ「妙に彩羽さんのスキンシップが激しいと思ったら…いつの間に……」

 

ユキ「翔さん…彩羽さんからのハグ…避けて、ました……」

 

Dollsも嬉しそうな顔をしている(一部メンバーを除いて)。

 

ヒヨ「サクラちゃんとミサキちゃんはしってたの?」

 

ミサキ「えぇ、先程翔さんが打ち明けてくれたのよ。」

 

サクラ「私もミサキさんと一緒に聞きました♪」

 

翔「おいおい、さっさと残りのメニューを終わらせちまえよ。その後に話でもしよーぜ?」

 

翔の言葉に、Dollsは残りのレッスンメニューをやってしまうことにした。

 

 

 

漸くレッスンが終わり、メンバー達はお待ちかね…大好きな翔と会話を弾ませることに。

 

ヤマダ「翔さんと彩羽さんは何歳差なんすか?」

 

翔「俺が今18で、姉貴はいくつだ?」

 

彩羽「23歳だよ?」

 

ナナミ「5歳差ですね。」

 

アヤ「てか彩羽さん…スタイル良いですよね~!」

 

彩羽「これでも鍛えてるから♪」

 

ヒヨ「ねーねー翔さん!港区ライブ、来てくれる?」

 

翔「あぁ、行くさ…墨田区でのライブ、来れなかったからな……だから、ぜってぇ行く。」

 

サクラ「ライブには、彩羽さんも来てくれるんですか?」

 

彩羽「もっちろん!アタシ、Dolls大好きだもん!!翔君の次にね♪」

 

ミサキ「翔さんがNo.1なのですね…」汗

 

翔「気を付けろ…姉貴はブラコンだ、それも重度のな……俺以外の男には興味ねぇんだとよ。」

 

レイナ「フフ、弟を大事にするお姉様…美しいじゃない♪」

 

翔「それが暴走してる時点で美しいもクソもあるか…」汗

 

レイナ「けれども…私達が育んできた翔君との絆は、彩羽さんに負けないわ。」

 

彩羽「えぇ〜!?どうやって育てて来たの!?」

 

Dollsの口から語られる翔との思い出…寝台特急に乗って北海道旅行をしたこと…ハワイアンズで夏を楽しんだこと……秋では温泉旅館でゆっくりしてきたこと……浄化ライブの打ち上げとして、ドールハウスでパーティーをしたこと等々、語ればいくらでも出て来る翔との思い出。

 

翔「そういや、シオリの姿が見えねぇが…どうしたんだ?」

 

レイナ「シオリなら、医務室で休んでいる筈なのだけれど…」

 

翔「……。」

翔(本当にそうか?何か変な胸騒ぎがするんだよなぁ……)

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