〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
特訓を終えた翔は、彩羽とサクラとミサキに付き添われ、リハビリをしていた。
翔「おい…お前ら2人は、レッスンしなくて良いのか?ライブが近いんだろ?」
ミサキ「後程サクラとやるので問題ありません。」
サクラ「私も同じです!!ミサキさんとやるので大丈夫です!!」
翔「…そうか。」
平行棒で歩行の練習…階段で登り降りの練習……杖を使った歩行は、中々慣れなかったが…少しずつ、確実に慣れていっている。
翔(…コイツらも、化け物である俺を受け入れてくれている。それは幸せなことだ……)
ドールハウスに、最初は匿われる側になっていたが…そこでDollsを初め、様々な人々と関わって来た。特に、戦場までも共にしたDollsと育んできた絆は、彼の心の支えとなっていた。
彩羽「翔君…次は腕の筋力アップだよね?」
翔「あぁ…武器を振るうため、腕の力は維持していたい。握力もな……」
歩行訓練が終わり、次は手と腕の訓練だ……ダンベルを持ち、上げ下げを繰り返す。
ミサキ「翔さん…」
翔「…ん?」
ミサキ「翔さんは、その……」
翔「何だよ、言いてぇことがあんならはっきり言えよ?お前らしくねぇな…言ってみろよ?」
中々言葉に出さないミサキの背中を押す翔。そして、ミサキは漸く質問を言葉にして出す。
ミサキ「翔さんは…アマゾンになった事、後悔してませんか?」
翔「後悔がねぇって言うと、嘘になっちまうなぁ……だが、化け物になっても、居場所はあるんだって事を知ることができた。50%が後悔してる、50%は後悔してねぇ…ってとこだな。まぁ、なりたくてなったわけじゃねぇがな……」
サクラ「でも、翔さんは墨田区で沢山の人達を助けたんですよ、翔さんご自身の意志で!」
翔「それはお前達が俺を受け入れてくれたからだ…ま、化け物になったって…俺はこの世界を、守りてぇ。そう思えるぐらい、この世界は美しいモンだ……」
この世界で、国民的アイドルであるDollsを何度も危機から救ってきた彼は…様々な人から好かれる存在となった。他にも…アメリカ大統領と打ち解け、日本とアメリカの仲を再び良くしたのも翔だ。命を掛けて守り、信頼を得たのだ。
ミサキ「翔さんと育んできたこの絆…他の誰にも譲れない宝物です♪翔さん、貴方が来てからここは本当に賑やかになりましたね!」
翔「…あぁ、こういうのも悪くねぇ……」
サクラ「翔さん翔さん!怪我が治ったら…また、皆で遠くにお出かけしたいですね♪」
翔「…そうだな。」
彩羽「ちょいちょい!!」
ミサキとサクラと話すのに夢中になっていると、彩羽が首を突っ込んできた。
彩羽「皆して翔君翔君って…ズルいよぉ〜!アタシの可愛い弟なのにィ〜!!」プンスカッ!
今度は彩羽が、ミサキとサクラに嫉妬していた。
翔「サクラ、ミサキ…お前達だけに教える。」
ミサキ&サクラ「「えっ?」」
そんな彩羽を見た翔は、姉弟として打ち解けられたことをサクラとミサキに話した。
翔「お前達も気付いただろうが…俺は青空 彩羽と……いや、姉貴とはとっくに打ち解けられているんだ。」
サクラ「やっぱり、そうだったんですね♪」
ミサキ「成る程…だから彩羽さんもスキンシップが過ぎて……」
彩羽「ふふん!きっかけは、リゾートホテルでストライカーを撃退したことなんだ!!このドライバーには、感謝しか無いよ。」ガチャッ…
元ストライカー達と共にリゾートホテルで夏休みを迎えた翔は、ストライカー達の襲撃に遭ったが……バースドライバーXを手にした彩羽により、ストライカー達は撃退された。それがきっかけで、翔は彩羽に漸く心を開くことができたのだ。
彩羽「翔君との絆は、ここから育んで行くんだ!ね、翔君♪」
翔「…あぁ、姉貴。」
嬉しそうな顔を見せる彩羽と、少し苦笑いする翔。リハビリを終えて休憩していると、シオリ以外のDollsメンバーが入って来た。
レイナ「サクラ、ミサキ…ここにいたのね。」
翔「…もうレッスン終わったのか?」
レイナ「いいえ、もう少し残ってるわ。皆、翔君がいないと寂しいって言って聞かないのよ、フフ♪」
翔「…そうか。」
どうやら、場所を変えるために来たようだ。正確には、翔の顔が見たい…翔の声が聞きたい…そんな思いで、ここへ来たのだ。
愛「みんな〜♪スポーツドリンク作って来たから、休憩に飲んでね♪」
そこに、愛が入って来る。彼女はドールハウス専属コーチであり、専属医であるマルチな女性である。
愛「おっ、翔君♪翔君も飲む?」
翔「いや、結構だ。そうだ、片山さん…」チョイチョイ…
翔はそう言うと、愛に手招きする。そして、彼女の耳元で何かを囁く。それを聞いた愛は、嬉しそうな笑顔を見せる。
アヤ「ちょっ、ちょっと愛さん!?翔から何を聞いたの!?」
愛「良いことを聞いたんだよ、今話してくれるから♪」
ヒヨ「いいことなら、ヒヨもききたーい!!」
翔はDollsに彩羽と打ち解けられたことを話す。
翔「青空 彩羽…俺の姉貴と、漸く打ち解けられたんだよ。」
翔の隣では、彩羽が得意気な顔をしている。
アヤ「へぇ〜!良かったじゃない♪」
レイナ「お姉様との絆が戻ったのね、姉弟の絆は美しいモノよ♪」
ナナミ「妙に彩羽さんのスキンシップが激しいと思ったら…いつの間に……」
ユキ「翔さん…彩羽さんからのハグ…避けて、ました……」
Dollsも嬉しそうな顔をしている(一部メンバーを除いて)。
ヒヨ「サクラちゃんとミサキちゃんはしってたの?」
ミサキ「えぇ、先程翔さんが打ち明けてくれたのよ。」
サクラ「私もミサキさんと一緒に聞きました♪」
翔「おいおい、さっさと残りのメニューを終わらせちまえよ。その後に話でもしよーぜ?」
翔の言葉に、Dollsは残りのレッスンメニューをやってしまうことにした。
漸くレッスンが終わり、メンバー達はお待ちかね…大好きな翔と会話を弾ませることに。
ヤマダ「翔さんと彩羽さんは何歳差なんすか?」
翔「俺が今18で、姉貴はいくつだ?」
彩羽「23歳だよ?」
ナナミ「5歳差ですね。」
アヤ「てか彩羽さん…スタイル良いですよね~!」
彩羽「これでも鍛えてるから♪」
ヒヨ「ねーねー翔さん!港区ライブ、来てくれる?」
翔「あぁ、行くさ…墨田区でのライブ、来れなかったからな……だから、ぜってぇ行く。」
サクラ「ライブには、彩羽さんも来てくれるんですか?」
彩羽「もっちろん!アタシ、Dolls大好きだもん!!翔君の次にね♪」
ミサキ「翔さんがNo.1なのですね…」汗
翔「気を付けろ…姉貴はブラコンだ、それも重度のな……俺以外の男には興味ねぇんだとよ。」
レイナ「フフ、弟を大事にするお姉様…美しいじゃない♪」
翔「それが暴走してる時点で美しいもクソもあるか…」汗
レイナ「けれども…私達が育んできた翔君との絆は、彩羽さんに負けないわ。」
彩羽「えぇ〜!?どうやって育てて来たの!?」
Dollsの口から語られる翔との思い出…寝台特急に乗って北海道旅行をしたこと…ハワイアンズで夏を楽しんだこと……秋では温泉旅館でゆっくりしてきたこと……浄化ライブの打ち上げとして、ドールハウスでパーティーをしたこと等々、語ればいくらでも出て来る翔との思い出。
翔「そういや、シオリの姿が見えねぇが…どうしたんだ?」
レイナ「シオリなら、医務室で休んでいる筈なのだけれど…」
翔「……。」
翔(本当にそうか?何か変な胸騒ぎがするんだよなぁ……)