〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百八話 酔が覚めたら

ワイン風呂で酔っ払ったカナと愛を、水風呂へと放り込んだ翔と彩羽。その甲斐があったのか、カナと愛はすっかり酔が覚めたようだった。4人は現在、屋外エリアにあるフィンランドバスへと来ていた。

 

翔「…ったく、ドールハウス3巨頭と呼ばれるてめぇらが、揃いも揃って無様に酔っ払いやがって……」

 

愛「ぐ、ぐぅの音も出ません……」

 

カナ「す、すみません……」

 

先程までベロンベロンに酔っ払っていた愛とカナは今、サウナの中で翔からお叱りを受けていた。

 

翔「…苛つくのも疲れるし、ここまでにしとくか……だが、次はねぇと思え、良いな?」

 

愛&カナ「「はい…」」チーン…

 

彩羽「まぁまぁ、良い運動になったと思えば良いじゃん♪」

 

翔「お前は良いよな、お気楽で…」

 

穏やかな彩羽に対し、翔は負のオーラを出している。

 

彩羽「そうだ、ドールハウス3巨頭って…後もう一人は誰?」

 

翔「斑目さんだ。」

 

彩羽「あ、そっか…あの人は所長さんだもんね?」

 

翔「そうだ。」

 

ドールハウスに居る『斑目 セツナ』、この場にいる『南田 カナ』と『片山 愛』…彼女達3人でドールハウス3巨頭である。そんな3巨頭も、翔には敵わないのだ。

 

彩羽「ねーねーカナさん、愛さん?普段の翔君ってどんな感じなんですか?」

 

カナ「普段の翔君、ですか?いい子ですよ、ねぇ愛さん?」

 

愛「そうだね、いつもは厳しいんだけど…たまに見せてくれる優しさがキュンと来るんだよね。」

 

翔「バカ言え、俺は暴君だ。」

 

カナと愛の言葉を否定し、翔は言う。

 

翔「斑目さんに唯一反論できるのが俺だ…杖で引っ叩いたことだってあるんだぜ?自慢じゃねぇけどよぉ……」汗

 

カナ「そ、そんなことは無いですよ…!」

 

愛「そ、そうだよ翔君!暴君なんかじゃないって、流石に…!!」

 

翔「あくまで自分をイメージしただけだ…バカ正直に受けてんじゃねぇよ。」

 

ドールハウスの中で、所長である斑目に反論できる者は誰もいなかった。だが、翔だけは違った…言いたい事ははっきり言うタイプである彼は、ドールハウスで唯一斑目に反論できる者として、頼りにされている。そして、翔は斑目に対して物理攻撃することもできる。どんな者に対しても容赦ない彼は、敵であると判断すれば攻撃することも躊躇うことは無い。

 

愛「翔君はさ、自分の事を好きって思える?」

 

翔「考えた事ねぇな…」

 

窓からの景色を見ながら、翔は愛の質問に答えた。

 

カナ「私は、どんな翔君も大好きですよ?普段の翔君も、怒っている翔君も、笑っている翔君も、アマゾンの翔君もです♪」

 

翔「やめろ、んな事言ったって何も出ねぇぞ?」

 

先程まで緊張していたのはどこへ行ったのやら…翔の事を好きとはっきり言うカナ。彼女の言葉に、翔は無表情のまま「やめろ」と言った。

 

カナ「そろそろお腹も空く頃ですね。ランチにでも行きませんか?」

 

愛「賛成〜♪」

 

翔「もう11:50か、丁度良いかもな。」

 

彩羽「それじゃあ、フードコートへレッツゴー♪」

 

4人は昼食を摂るため、屋内エリアにあるフードコートへと向かった。やって来たフードコート・ファストフード『フォンターナ』は、ユネッサン『神々のエーゲ海』を間近にあり、水着のまま利用できるフードコートである。ここでは、翔の心情に配慮して、客の目の前で食事が作られている。

 

翔「…何だか、悪い気がするな……」

 

カナ「気にしなくて大丈夫ですよ、翔君。それに、目の前で作って貰えたら食欲が湧いて来ると思いませんか?」

 

愛「そーそー、カナちゃんの言う通り♪気楽にいこーよ、気楽にね♪」

 

翔「アンタらは気楽過ぎだ…」

翔(楓からの情報によれば…奴らは妖魔を使って強盗をし、資金を確保している、か……普通の人間では目視できねぇ奴もいるって訳だな……)

 

今、この瞬間…ストライカー共が襲撃して来るのでは無いかと、翔は警戒していた。スパイである楓と繋がっており、彼女から送られてくるストライカー共の行動や現状を瞬時に把握できる。

 

翔(こーゆー時だけは、来ねぇで欲しい…いや、2度と来ねぇで欲しいんだがな……)

 

彩羽「あたしこのカルボナーラスパゲッティにしよっかな?翔君と愛さんとカナさんは?」

 

カナ「そうですね、私はこの醤油ラーメンにします。」

 

愛「アタシはオムライスで♪」

 

翔「俺はハンバーグプレートで…」

 

メニューが決まった所で注文し、料理が4人の目の前でで作られる。

 

翔(流石に大勢の人がいる中で、異物混入なんてできねぇよな…?)

 

ストライカー達から奉仕と言う名の支配を受け、誰かの手料理を食べることが怖くなってしまった翔。愛が予約の際、翔の心情を事細かに伝えたため…このような配慮がされるようになった。やがて、料理が完成し、4人のテーブルの上に運ばれる。4人は互いに料理をシェアしたりしながら、ランチを楽しんだ。

 

 

 

ランチ後、屋内エリアにある『緑のテラス』で休憩をすることに…サンベッドに横になり、リラックスする4人。

 

ヴーッ、ヴーッ…

 

その時…翔のスマホが鳴った。通話ボタンを押すと、ビデオ通話画面に切り変わり…

 

深雪『翔く〜ん、楽しんでいますか〜?』

 

蜜璃『どう、色んな温泉入れた?』

 

深雪と蜜璃が電話越しから話し掛けてきた。

 

翔「あぁ、それなりに楽しんでるぜ?けどなぁ、ワイン風呂で南田さんと片山さんが酔っ払いやがったんだよ…今は覚めてるがな…」

 

深雪『あらあら、それは大変でしたね。』

 

蜜璃『えっ!?わ、ワイン風呂って酔っ払うんだ…』汗

 

翔「酒に(よえ)ぇ奴にはあまりオススメはできねぇな…んで、今はランチを済ませてちっと休憩してる最中だ。そっちはどうだ?特にシオリ…大丈夫か?」

 

深雪『シオリさん、バイタル上問題はありませんでしたが…』

 

蜜璃『何だろう…心に余裕が無いように思えるんだ。』

 

翔「…そうか。」

 

深雪と蜜璃からシオリの様子を聞き、口角を下げる翔。

 

深雪『翔君、皆さんのケアは私達に任せて、ゆっくりしてくださいね〜♪』

 

蜜璃『私も頑張るから!翔君は愛ちゃん達と思いっきり楽しんでんね!!』

 

翔「あぁ、ありがとな。」

 

通話を終え、サングラスをかける翔。

 

彩羽「翔君、写真撮ろー♪」

 

翔「…写真?」

 

彩羽「うん!折角来たんだし、思い出として♪」

 

翔「構わねぇが…」

 

彩羽と一緒に写真に写る翔。彩羽は撮影した写真を、早速SNSに載せた。間もなく、沢山のコメントと良いねが付いた。

 

『さややの水着サイコー!!』『翔様の水着も素敵〜!!』『姉弟と一緒、嬉しいね♪』『兄貴サングラス似合ってる!!』

 

翔「…おい、誰がSNSに上げて良いっつった?」

 

彩羽「ごめんごめん…でも良いじゃん、ほら…こんなにコメントが来てるよ?」

 

翔「…俺は静かに過ごしたいんだが……」

 

彩羽が上げた写真に、良いコメントばかりが寄せられるのだが…目立つことが苦手な翔にとって、迷惑だったようだ。

 

愛「翔君、アタシとも撮って〜♪」

 

カナ「でしたら私も♪」

 

愛とカナとのツーショット写真を撮った翔。撮影者は彩羽なのだが、何故か彼女は不服そうな顔をしている。

 

彩羽(愛さんもカナさんも綺麗だからなぁ、ヤキモチ妬いちゃう…)

 

何故なら、彩羽は超が付くほどのブラコンであり…翔が大好きなのだ。

 

翔「不服そうな顔すんなよ、さっき俺と撮ったろ?」

 

彩羽「ギクッ!?み、見られてた…?」

 

翔「アマゾンの観察力、ナメんなよ?」

 

カナ「写真、見ても良いですか?」

 

愛「見せて見せて♪」

 

撮影された写真には、左腕のアマゾンズレジスターを見せる翔と…その隣で嬉しそうな顔を見せるカナ、笑顔でサムズアップする愛が写っていた。

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