〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
次の日、翔達は早起きし…レストランで朝食を済ませると、ホテルのロビーへと向かった。
翔「来たか、楓。」
楓「えぇ、やっと隊長さんの元に来れたわ。」
翔に笑顔を見せる楓。
愛「あっ、そうだ…ちょっと待っててね?」
何かを思い出した愛は、ホテルの受付に向かうと…従業員とやり取りをし始める。
彩羽「愛せんせ、何してるんだろ?」
カナ「さ、さぁ…」汗
愛の行動を気にするカナと彩羽をそっちのけにし、楓と会話をする翔。
翔「お前が良ければ、いつでもドールハウスに来たって良いんだぜ?」
楓「ウフフッ、来て欲しいのかしら?」
翔「人手が不足してんだ、信頼できる奴は多い方が良い。」
翔の考えとしては、楓をドールハウスに招き…元ストライカー達の仲間にしたいと思っている。だが、楓はまだドールハウスには行かず、陰で翔へ情報提供を続けるとのことだ。
愛「ふぅ、お待たせ!」
翔「どこへ行ってた?」
愛「オーナーさんのとこ、楓ちゃん…良かったらここに泊まって行きなよ♪折角なんだし、親睦を深めない?」
楓「あら、良いんですか?ちょうどビジネスホテルもチェックアウトしてきたので…」
翔「なら丁度良い、俺達の部屋に来い。」
愛はオーナーの元に向かい、もう1人の友人が来たことを伝えた。するとオーナーは、その友人を泊めても良いと言ってくれたのだ。部屋は翔達が泊まっている部屋になる。
カナ「私は南田 カナと申します。」
彩羽「アタシは青空 彩羽、翔君のお姉ちゃんだよ♪」
愛「アタシは片山 愛、これでも医師です♪」
楓に自己紹介を済ませた女性陣、そして…いざ、ユネッサンの楽園へと向かう。
更衣室で水着に着替え、神々のエーゲ海に集まった。
楓「お待たせ、隊長さん♪」
翔「…待ってねぇよ。」
シンプルな純白ビキニに身を包んだ楓は、周囲から注目されていた。特に男性から…
男性1「おい、あの娘めっちゃ可愛いじゃん…!お前行って来いよ…!!」
男性2「馬鹿、俺達じゃ相手にされねぇって…それに……」
今にもナンパしようとしている2名の男性…彼らが恐れているのは、眉間にシワを寄せ、こちらを睨み付ける翔だ。
男性1「あー無理だな…」
男性2「て、てっしゅーしまーす……」
やがて、2名の男性はそそくさとどこかへ去って行った。
翔「フンッ、度胸のねぇ臆病者め…」
楓「もしかして、ナンパから守ってくれたのかしら?」
翔「ほざけ。」
愛「お〜い、お待たせ〜♪」
楓をナンパ男から守った後、愛とカナと彩羽がこちらへやって来た。メンバー全員が揃ったところで、屋外エリアへと向かった。最初にやって来たのは、『超絶景 展望露天風呂』だ。全長が40cmと広く、そこからは箱根の山々が見渡せる絶景スポットとなっている。
愛「良いお湯だね♪」
彩羽「うん!それに、良い景色〜♪」
カナ「丁度良い湯加減と見所満載の絶景…あぁ、これは犯罪的に極楽です♪」
女性陣が湯加減と景色にうっとりしている中、翔は楓と会話をする。
翔「そーいや、お前とこうして出掛けたのは…いつぶりだ?」
楓「約4年ぶり、かしらね?」
翔「4年もの長い間、よく頑張ってくれたな。」
楓「ウフフッ、私はまだまだ頑張れますよ?」
翔「ソイツぁ良いことだが、休憩だって大事な任務だ……どこかの誰かさんが言ってたぜ?」
楓「その通りね…♪」
楓と会話をしていると、彩羽がこちらへ寄って来る。
彩羽「ね〜ね〜翔く〜ん?お姉ちゃんとも話そうよ~♪」
翔「お前と話すことなんてねぇよ。」
彩羽「えぇ〜!?何か楓ちゃんと対応違くない!?」
翔「楓には世話になっているからな…お前はそーでもねーよ。」
彩羽には塩対応の翔…それもその筈、彼女は超ブラコンであるが故、翔はそんな彼女に困っているのだ。
翔(姉貴と呼んだ事、今更ながら後悔している……ま、あの時…奴らから救ってくれたのは事実だが……)
南国リゾートにて、ストライカーの襲撃に遭った翔…そんな時、彼を助け出したのが彩羽だったのだ。翔が使う筈だったバースドライバーXで仮面ライダーに変身を果たし、ストライカーの撃退に成功したのだった。その日以来、翔は彩羽を信用できるようになり、『姉貴』と呼ぶようになった。姉貴と呼ばれるようになったのが余程嬉しかったのか、彩羽からのスキンシップが増えて来た。
彩羽「ねね、楓ちゃんってさ…財閥のお嬢様だったって聞いたんだけど、それって本当なの?」
楓「はい、山吹財閥の令嬢です…一応……」
翔「無理に答えなくたっていいぞ、楓…」汗
楓「折角隊長さんが信頼している相手だし、包み隠さず話しておこうかと。」
翔「誰にだって知られたくねぇことがあるだろ…ま、それでも話してぇなら止めねぇけどよぉ……」
楓「心配ありがとう、それじゃあここまでにしておくわ。」
翔と楓だが、年齢は楓の方が上である。元ストライカー最年長『雪代 マリ』と同い年なのだ。しかし、年上相手でも…翔は決して敬語を使うことはない。ストライカー達の隊長だった頃、初めは先輩ということで敬語を使っていたが、楓が「ため口で構わない」と言い、敬語を使わず話すようになった。それ以降、翔と楓の距離も縮まり、信頼しあえる仲に…
翔(コイツには、頭が上がんねぇな…)
楓のお陰で、ストライカー達の行動をいち早く予測し、対応することができた翔とドールハウスのメンバー達。
翔「おい楓、お前事務作業とかできるよな?」
楓「えぇ、ティエラさん…今は、ティエラね。雑務とかを手伝っていた事があったわ。」
翔「何か仕事探してるなら、ドールハウスにいつでも来たって良いんだぜ?」
楓「お気持だけ、受け取らせていただきます♪」
現在、楓は在宅ワークで収入を得ている。そのため、今は預貯金に困っていない。
カナ「楓さんは、何か趣味はありますか?」
楓「そうですね…隊長さんの武勇伝を聞いたり見たりすること、ですね。次はどんな活躍をしてくれるのか、楽しみで仕方ないんです♪」
愛「そうなんだ、翔君の武勇伝ならいっぱいあるよ♪」
翔「おい、からかってんのか?」
愛「からかってなんかないよ〜!」
眉間にシワを寄せる翔を宥める愛。
カナ「そうですよ翔君!これまでの戦いで、沢山の戦果を残してくれたのは事実です!!」
翔「バカ、声がでけぇ…!」
カナ「むぐっ!?」
カナの口を塞ぐ翔。
翔「ここは娯楽施設だ、戦いに関する話は控えろ…!」
カナ「そ、そうでした…」汗
普段は優しくて頼りがいのあるカナだが、翔のことに夢中になると頼り無い部分が出てしまうことが多い。そのため、メンバー達からイジられることも…翔からはお叱りを受けることも……
翔「ったく…」
楓「フフッ、皆さんも隊長さんの事を信頼しているんですね♪」
翔「度が過ぎてんだよ…」
迷惑そうな顔をする翔。
愛「ホントは嬉しいこと、アタシは知ってるぞ〜☆」
翔「ほざけ。」
カナ「フフッ、照れてる翔君も可愛いですよ♪」
翔「…黙れ。」
彩羽「うんうん、翔君の色んな表情が見れてお姉ちゃん嬉しいよん♪」
翔「いい加減にしろ…」
目を閉じ、そっぽを向く翔だが…仲間から信頼され、本当は嬉しかった。信頼できる者達と関わり、段々色んな表情を見せるようになっていた。