〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百十五話 信じている

翔「…やはり害特は当てにならねぇな。」

 

モニカからの連絡を受けた翔は、ため息を着きながら言う。

 

蜜璃「翔君、ため息を着いたちゃったら…」

 

翔「幸せが逃げる、だろ?逃げるなら捕らえれば良い…」

 

翔はそう言うと、目を閉じ…敵の気配を探り始めた。全身の神経を集中させ、ピンポイントで敵の位置が解る。それは、翔がアマゾンだからこそできる能力である。

 

翔「……。」バッ!

 

翔は目を閉じたまま、南口ホールの方向を指差す。

 

翔「…奴らだ。やはり来やがったか…」

 

ストライカー達の襲来をいち早く察知した翔は、目を開くとメンバー達の顔を伺う。

 

アヤ「ユキ、ヤマダ、動けるわね?」

 

ユキ「…はい。」

 

ヤマダ「キタキタ…傭兵稼業のご依頼っすねぇ…」

 

ユキもヤマダも準備万全なようだ。

 

レイナ「それから……ヒヨ、ナナミ。」

 

ナナミ「仕方がありませんね。不安はありますが、うまくやってみせますよ。」

 

ヒヨ「わかってる!すぐやっつけるんだね!」

 

ナナミとヒヨも、いつでも行けるようである。

 

レイナ「信じてるわ、私のチームB。どんな時にも美しく…あまり髪を乱さないようにね。」

 

翔「ったく、汚れ仕事は俺に任せりゃ良いものの……」

 

レイナ「ふふっ、それでは翔君への負担が大きくなってしまうわ?私達はいつでも、翔君の味方よ♪」

 

翔「あぁ。…助かるぜ、レイナ。」

 

翔は背中の短剣付きボウガン、左腰に短剣付き光線銃を装備している。彼はあくまでも、Dollsのサポートの為に戦うのだ。

 

レイナ「サクラも、行ってくれるわね?」

 

サクラ「で、でも…それじゃあライブが…!」

 

レイナ「バランス的にリーダー3人で始めるのが自然に見えると思うの。さっきも言ったでしょう?信じてくれて、大丈夫。私達はーー」

 

アヤ「そう、チームリーダー!!こういう繋ぎは任せときなさい!!」

 

チームリーダーの3人がライブに出て、自然な流れを作って戻って来るメンバー達に繋げる。彼女達はそう考えていた。

 

アヤ「そうよね、シオリ?」

 

シオリ「……えっ?あ、はい。もちろんです♪」

 

何やらボーっとしていたシオリ…

 

翔「……。」

 

そんな彼女を、翔は見逃さなかった。

 

ミサキ「……行くわよ、サクラ!」

 

サクラ「っ、はい!!」

 

ライブをチームリーダーに任せ、後のメンバー達は翔と共に現場へと向かった。

 

 

 

その頃、南口ホール付近では……

 

アコ「ここなら、人が居ないのだ。」

 

人が比較的少ないこの場所に、妖魔達を引き連れたストライカー達がやって来た。ライブ会場で迷惑行為を起こし、ライブそのものを滅茶苦茶にする。そうすることで怒った翔を誘い出し、彼を拐っていくという作戦だ。

 

イミナ「アタシ自作の火炎瓶…早く投げてやりたいな♪」

 

イミナの右手には、火炎瓶が握られている。まだ火は着けてないものの、アルコール度数が高い酒を使っている為、かなり危険な物だ。その時…

 

 

…ガシャッ!!

 

 

イミナ「ぎゃあっ!?」

 

どこからか矢が飛んで来て、火炎瓶を割り…イミナの右手に突き刺さった。

 

ハヅキ「なっ!?ま、まさか……」

 

南口ホールの通路から…短剣付きボウガンを構えた翔が、Dollsと共に現れた。

 

 

翔「てめぇら…性懲りも無くまた来たのか。」

 

 

翔の近くにDollsが居るため、拐うのは困難であろう。

 

リョウコ「えっ、もしかして…私たちの作戦、バレてたの!?」

 

翔「俺がただの観客だと思ったのか?残念だったな…ただでさえてめぇらのせいでゆっくりできねぇんだ。ちっとぐれぇボコしたって、罰当たんねぇよなぁ?」

 

低い声を放つ翔は、目をギロッと見開き…ストライカー達を見下すように睨んでいる。

 

ヒヨ「ねー!!もう翔さんにめいわくかけるの、やめなよ!!」

 

ナナミ「翔さんだけじゃなくて、周りの人達も迷惑被ってるんですよ?何故それが分からないんです?」

 

ヒヨとナナミの言葉に、悠水が反論する。

 

悠水「うるさいうるさい!!隊長さんに思いを伝えて何が悪いのさ!?またやり直そうって言ってあげてるだけなのに…それの何が悪いの!?」

 

ヤマダ「人サマに迷惑掛けてる時点で、アウトなんすよ。」

 

ユキ「翔さんは、貴女達とやり直すのを…望んでいません……」

 

悠水の感情論を、冷静に切り捨てるヤマダとユキ。

 

フェイ「たいちょー!!そんなブス達よりもフェイちゃんの方がスタイル良いし胸だってあるんだよ!?なのに…なんでソイツらを選ぶの!?」

 

ミサキ「貴女ねぇ…スタイル良いだの胸があるだの、訳の分からない理屈並べて…恥ずかしいと思わないの?」

 

サクラ「大事なのは信頼関係です!!翔さんは私達を信じてくれているから、ここにいるんです!!」

 

フェイの言葉にミサキは呆れ、サクラは声を荒らげながら言い返す。

 

翔「てめぇらご自慢の白河隊長(笑)はどーした?てめぇら残して、一人だけオメオメと逃げたのか?」

 

ノエル「あんなスットコドッコイ、居ないほうがマシですわ!!」

 

ターニャ「私も、青空隊長が良いです……」

 

シャルロッテ「あんな役立たずより、伍長の方がワタシたちに相応しいデス。」

 

白河 昇…翔の代理として隊長になったものの、所詮は口先だけの偽善者であることをストライカー達に見抜かれ、完全に信頼されなくなっている。

 

翔「惨めだな…だが、俺は別に困らねぇし。それに、てめぇらの隊長となるのはまっぴら御免だ。」

 

翔はそう言うと、左手の杖をストライカー達に向けた。その瞬間、Dollsがストライカー達に向かって走って行く。

 

椿芽「今です!!隊長さんを連れ戻しなさい!!」

 

椿芽の指示により、妖魔達が翔を狙って突撃していく。すると……

 

 

ババーババース!バ・バ・バ・バース!エーックス!!

 

!!

 

 

バースX「それそれぇ!!」

 

仮面ライダーバースXが突如として現れ、カニアームから光弾を放つ。妖魔達は光弾の餌食になり、どんどん数を減らしていく。更に、Dollsからも斬られ、殴られ、風穴を開けられ…瞬く間に全滅した。

 

翔「遅ぇんだよ、姉貴。」

 

バースX「ごめんごめん!!」

 

バースXが翔の近くに立ち、ストライカー達は怯み始める。

 

昇「クッハッハッハッハ!!アッハッハッハッハ!!」

 

その時…笑い声が聞こえてきたと思うと、白河 昇が姿を現した。

 

昇「その妖魔達はただの囮…本当の戦力は、こちらにあるんですよ?行けぇ!!」

 

昇は右手を翔達に向けながら叫ぶが…特に何も起こらなかった。

 

翔「…?」

 

Dolls「「「…?」」」

 

昇「…おい、何をしている!?早く来い!!侵略型妖魔共!!」

 

中々増援が来ず、次第に焦り始める昇。

 

マッハ「へへ〜んだ、ソイツらなら俺達が全員ぶっ飛ばしちゃったもんね〜!!」

 

そこに、マッハ、キバーラ、サイガ、カイザが現れる。

 

翔「よぉお前ら、やってくれたようだな。」

 

サイガ「大したことはない。」

 

ヒヨ「ほえっ!?紫ちゃん達、どうして!?」

 

カイザ「大事なダチからの頼みでな、断る理由なんてねぇだろ?」

 

キバーラ「そうです!翔さん、私達はまだまだ動けますよ♪」

 

マッハ「いやぁ、侵略型妖魔なんて…準備運動にもならねぇっての。」

 

サイガ「翔、頼ってくれてありがとうな。」

 

翔「バカ野郎、感謝すんのはまだ早え…」

 

4人のライダー達が加わり、翔は指示を出す。

 

 

翔「コイツらを撃退するぞ、手段は問わねぇ…但し、ライブ会場には1歩たりとも入れさせるな。」

 

 

翔の指示を聞いたDolls、5人のライダー達は構えを取る。

 

天音「上等じゃない…あんた達!!こんな奴らぶっ飛ばして翔を連れて帰るわよ!!足引っ張んないでよね!?」

 

ストライカー達はヤケクソになったのか、闇雲に突撃していく。Dollsはカイザ、サイガ、キバーラ、マッハと共に彼女達を迎え撃つ。

 

あおい「やっ!!」

 

ミサキ「甘い!!」ガキンッ!!

 

あおい「なっ!?」

 

あおいの刀を弾き飛ばしたミサキは、彼女の腹にハイキックを繰り出した。

 

ミサキ「たぁっ!!」ドゴォッ!!

 

あおい「ぐはっ!?」

 

ユキ「うしろ、あぶない……!!」

 

ミサキ「ッ!!はぁっ!!」

 

ユキの咄嗟の言葉に、ミサキは振り返りざまに右ストレートを繰り出す。

 

伊緒「がっ!?」

 

背後攻撃を仕掛けようとした伊緒を返り討ちにしたミサキ。

 

翔「ふんっ…」ヒュンッ!ヒュンッ!

 

翔は短剣付きボウガンから3本矢を発射し、ストライカー達を攻撃する。後から偵察型の妖魔が増援としてやって来たが…

 

サイガ「はっ!!」ズギュンッ!ズギュンッ!

 

カイザ「よっと!!」ズダァンッ!!ズダァンッ!!

 

キバーラ「えいっ!!」ズパッ!!

 

マッハ「おりゃあっ!!」ズダダダダッ!!

 

4人のライダー達によって、次々と討ち取られていく。翔に接近しようものなら…

 

バースX「えぇいっ!!」ドガガガガッ!!

 

バースXによって返り討ちに遭う。

 

ミサキ「よし!討ち漏らしはないわね!?」

 

ユキ「だいじょうぶ、です。」

 

ヤマダ「あ〜、これで全部っすな……傭兵稼業終了〜。」

 

襲い掛かってきたストライカー達は、Dollsと翔、そして仮面ライダーの活躍によって、襲撃は失敗に終わった。

 

ミサキ「…ユキ、注意してくれて助かった。あなたも怪我はない?」

 

ユキ「はい。」

 

ミサキ「良かった、あなたに何かあったら…アヤに合わす顔がない。」

 

ユキ「げんき、です。」

 

Dollsは皆、怪我もなく無事だった。

 

ユキ「でも、翔さんが……」

 

ミサキ「ッ!?」

 

慌てて翔の方を見るミサキ。

 

翔「バカ、俺は平気だ。」

 

翔はバースXの肩を借りながら、右手の短剣付きボウガンをクルクル回している。翔の無事が分かったミサキは、ホッと胸を撫で下ろす。

 

ミサキ「あなた達は……信じているのよね。アヤなら何を任せても大丈夫だって。」

 

ユキ「……はい。絶対、大丈夫です。」

 

ヤマダ「そりゃそうっショ。なんすか急に、脳筋キャラらしくないっすねぇ…」

 

ミサキ「……はぁ。いいことよね……」

 

一時は、決裂してしまった彼女達だったが……思いはいつも同じである事を理解し、再び1つになって元通りとなったのだ。決裂した彼女達に、口では「失望した」と言った翔……それでも、彼女達の事を想い、再び彼女達を繋げる架け橋となったのだ。

 

ユキ「……。」

 

ミサキ「武器を振るうのは、こんなに簡単なのに…なんの力にもなっていないのかしら。それとも私の力が、まだ……」

 

ヤマダ「おっと……こいつは重症だ……」

 

そう呟くミサキの元に、翔は向かう。そして……

 

翔「…しっかり、しろよ。」バシッ!!

 

ミサキ「いっ……!?」

 

ミサキの背中に平手打ちをした。

 

翔「力になっているからこそ、今まで戦って来れたんだろ?そもそも、力がなけりゃ…ここまで生き残れてねぇ、そう思わねぇか?」

 

ミサキ「…翔さん。」

 

翔「俺だってなぁ、お前達を信じてるんだぜ?だからこそ、ストライカー共との戦いも、妖魔との戦いも任せられるんだ。」

 

ミサキ「翔さん…ありがとうございます♪」

 

翔の声掛けを聞き、次第に元気を取り戻していくミサキ。

 

ミサキ「後、背中が痛いです……叩くなら、もう少し優しく…」ヒリヒリ…

 

翔「そいつァできねぇ相談だ。俺は誰に対しても、容赦しねぇ男だからなぁ?」

 

ユキ「翔さん…私も、翔さんを……信じてます♪」

 

ヤマダ「ヤマダも、翔さんをいつまでも信じてますよ♪」

 

翔「わかってる、だから腕から離れろ…暑いだろ?」

 

ユキを腕から離し、戦闘不能になったストライカー達を見る翔。ライブ会場からは、アヤやレイナ、シオリの歌声が聞こえて来る。

 

ユキ「ライブ……始まりました…」

 

ミサキ「早く西と合流するわよ!!」

 

ヤマダ「え〜、もう諦めればイージャ〜ン…シオリさんが何とかしてくれるっすよ。てか、元ストライカー達がいるんじゃ?」

 

ミサキ「あんたねぇ……」汗

 

ヤマダの言葉に、思わずジト目を向けるミサキ。

 

翔「西は大丈夫だ、元ストライカー達がモノリスを既に破壊している。東は一海達(コイツら)が片付けた。」

 

ライブホール西口及び東口は、既に制圧されていた。

 

ミサキ「翔さん、まさか…」

 

翔「だからコイツらを呼んだんだよ。後、モニカから連絡が来てるぞ?ほれ、これ証拠…」

 

ミサキ「い、いつの間に……」

 

モニカからの連絡を見せると、ミサキは思わず言葉を失った。

 

翔「さて、と……」

 

翔はストライカー達の方を見ると、彼女らに冷たい視線を向ける。

 

 

翔「…さっさと失せろ、目障りなんだよ。

 

 

翔が低い声でそう言うと、Dolls達も冷たい視線でストライカー達を睨む。

 

カイザ「これ以上戦うっていうなら、それ相応の覚悟をしとけよ?」ジャカッ…

 

サイガ「我々も貴様らには容赦しないぞ?」カチッ…

 

キバーラ「次来ても、私達が勝ちます。」シャキンッ…

 

マッハ「てめぇらの為に使ったライダーシステムの事を思うと、反吐が出る…さっさと尻尾巻いて逃げろよ?」ジャカッ…

 

ライダー達が武器を構えると、ストライカー達は昇と共に立ち去って行った。それを見届けたライダー達は、変身を解除すると…元の姿に戻った。

 

一海「これで、一件落着だな。」

 

諒芽「あ〜つっかれたぁ〜!!」

 

紫「さっき準備運動にならぬと言っていただろ…」汗

 

友香「皆さん、お疲れ様でした。」

 

一海達も、怪我もなく元気である。

 

翔「そんじゃ、戻るぞ?お前達だって、ライブ出るんだろ?」

 

こうして、翔達はライブ会場へと戻って行った。

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