〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百二十一話 助けてくれた礼に

ドールハウスにある翔の自室にて……

 

諒芽「ぬぉおお!!こ、これは…無銘剣虚無じゃねぇか!!こっちにはミラーワールドウォッチもあるし!!」

 

一海「おい諒芽、勝手に触るなよ…!?」

 

翔「構わねぇよ。」

 

翔は助けてくれたお礼に、一海達に手料理を振る舞う約束をしていた。現在彼はキッチンに立ち、料理を作っている。

 

紫「翔、私達も何か手伝うぞ?」

 

翔「黙って座ってろ。」

 

友香「あのぅ、流石に何もしない訳には」

 

翔「馬鹿、俺らを助けてくれたじゃねぇか?その時点で何かしら貢献してるんだよ。」

 

手伝おうとする紫と友香を黙らせ、フライパンを動かす翔。

 

一海「なぁ翔、立ちっぱなしで大丈夫なのか?」

 

翔「料理に支障はねぇ、問題なしだ。」

 

右足でバランスを保ち、左足は宙に浮かせて料理をしているため…一海は翔を心配していた。

 

諒芽「ところで、何作ってんだ?」

 

翔「こっちに来たらぶっ飛ばすぞ。」

 

諒芽「ひぃ〜、怖ぇ怖ぇ。」

 

キッチンに来ようとする諒芽を目力で追い払い、仕上げに入る。完成した料理を皿に盛り付けると…

 

翔「ほら、出来たぞ?」

 

それらを一海達に渡した。彼が作ったのは、麻婆豆腐だった。大量に作ったのと、予め米を多めに炊いており、おかわりは十分にある。

 

翔「ソイツを平らげることができたら、褒美に良いもんくれてやる。」

 

諒芽「マジ!?いっただっきま〜す!!」

 

翔の言葉を聞いた諒芽は、山盛り麻婆豆腐とご飯を掻き込み始める。一海と紫と友香も山盛りの麻婆豆腐とご飯をいただく。

 

一海「…う、うめぇ!!」

 

紫「ピリッと来る辛みが程よい。」

 

友香「美味しいです!!流石ですね翔さん♪」

 

翔「褒めたって何も出ねぇよ。」

 

腕を組みながらそっぽを向く翔。

 

諒芽「んぐっ…おかわり貰えるか?」

 

翔「ほらよ。」

 

翔は空っぽになった茶碗に大量のご飯を盛ると、今度は空っぽの皿に大量の麻婆豆腐を乗せた。諒芽はそれを受け取ると、再びレンゲを進める。

 

諒芽「うんめぇ〜♪ここにセツナさんやカナさん手作りの中華スープがあればもっと美味くなるだろうなぁ!!」

 

翔「生憎だが、あの2人は多忙でな…別の機会に伺え。」

 

一海「俺もおかわり貰って良いか?」

 

翔「好きにしろ。」

 

一海もご飯と麻婆豆腐を山盛りにし、再びレンゲを進める。

 

諒芽「ふぃ〜、腹もいっぱいになってきたぜぇ。」

 

紫「そうだな。こんなに食べたのはいつぶりだろうか…」

 

友香「最近はお腹いっぱい食べられなかったので……」

 

彼らに話を聞いてみると、最近はアルバイト先で仕事が減り…暇な時間が多くなっている。そして、貰える給料も減ってしまって…食費に注ぎ込めなくなっているそうだ。そのため、スキマ時間を利用して何とか食費を稼いでいるようだ。一海はフードファイターとも言える程の大食いであるため、彼の食費は特に半端ない。自分の食費は自分で稼ぐと言い、他のメンバーよりも様々なアルバイトを掛け持ちしているのだ。

 

一海「いやぁ、翔が大量に作ってくれたから助かったよ。マジでありがとうな!!」

 

翔「それはこっちのセリフだ。お前達が俺の依頼を引き受けたから、Dollsの負担も減り、更には戦場で勝利を納められたんだ。礼なんか言ってんじゃねぇぞ…?」

 

一海「ったく、相変わらず素直じゃねぇな。」

 

翔「黙れ。」

 

やがて、大量のご飯&麻婆豆腐がすっからかんになった時…翔は冷蔵庫を指差した。

 

翔「開けてみろ。」

 

一海がそこを開けると…4つの大きな器に、杏仁豆腐があった。

 

一海「おいおい、これ…本当に食って良いのか!?」ジュルッ…

 

翔「当たり前だ。俺の手料理を全て平らげたんだ…褒美だ、早く食え。」

 

一海「よっしゃあ!!」

 

一海が杏仁豆腐を取ると、紫と友香と諒芽も彼に続いて杏仁豆腐を取った。

 

紫「翔、お前は食べなくて良いのか?」

 

翔「生憎、まだ空腹じゃねぇんだ。俺を気にしている暇があんなら、その杏仁豆腐を平らげろ。」

 

友香「私、普段から料理はしているのですが…翔さんには敵いませんね。」

 

一海「そんな事ねぇぞ?友香、お前の作る料理は最高だぜ?紫、お前のもな?」

 

一海の言葉に、頬を赤く染める友香と紫。

 

諒芽「ふぅ〜、良い雰囲気だぜぇ♪この女誑しめぇ!」ケラケラ

 

一海「んなっ!?誰が女誑しだって!?」

 

翔「口論してぇなら食い終わってからにしろ、はっ倒すぞ?」

 

一海&諒芽「「はい、すいません。」」

 

翔に叱られ、杏仁豆腐を口に運んでいく一海と諒芽。

 

諒芽「しかしまぁ、翔ちんの作る料理ってさぁ…プロ並みだよな?」

 

紫「いや、もはやプロだ…もしくは、それ以上かもしれん。」

 

友香「料理大会に出たら間違いなく優勝できますよね?」

 

一海「俺もそう思う。」

 

翔が作る料理は、プロも顔負けの綺麗な見た目と美味しさがあるのだ。世界で活躍するシェフ達や料理評論家からも、3つ星を貰っている程、料理は得意中の得意。

 

翔「……。」

翔(例えば、レイナはワサビが苦手だろ……隠し味に雀の涙程入れれば、食えるんだよな。それはサクラも同じ…ハンバーグにちょこっとだけキノコを入れてみたんだが、最後まで気付く事なく平らげたからなぁ……ま、シオリやミサキは何でも食うが……)

 

ドールハウスには、専属の調理師がいるのだが…時々、翔はDollsには内緒で手料理を振る舞い、それを調理師に持って行かせる。彼女達の健康に気遣い、少しでも苦手なモノが減ることを願い、彼女はが苦手なモノを隠し味として入れている。

 

翔(ヤマダの奴は、面倒臭がりでフルーツの皮を剥かねぇからなぁ…剥いてやると食うんだが……どうにかならねぇんかねぇ……)汗

 

好き嫌いは人によってそれぞれ…中には、特殊な『嫌い』を持っている者もいる。例えばヤマダの場合、予め皮が剥かれているフルーツは食べるのだが…皮が剥かれていないフルーツは絶対に食べない。これには翔も頭を抱えていた。

 

一海「ふぅ、ごちそうさま。」

 

紫&友香「「ごちそうさまでした。(♪)」」

 

諒芽「ごちそーさん!!ふぃ〜、美味かったなぁ!!」

 

一海達が全ての料理を平らげると、翔は一瞬だけ口角を上げた。

 

翔「よくやった。」

 

翔は食器類を洗い始めた。

 

一海「翔、手伝うぞ?」

 

翔「お前達は客人だ、ゆっくりしてろ。」

 

一海「…変なとこで意地張らなくても」

 

翔「あぁっ?

 

一海「すいませんでした。」汗

 

翔を怒らせると怖い…それは、彼の友人である一海達もよぉーく分かっていた。

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