〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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ネオディケイドライバーを手に入れた記念に…


第三百二十五話 Vが託した物

その日の夜…

 

 

ファクトリーにあるメンテナンス場に、1人でやって来た翔。

 

翔「……。」ガチャッ…

 

ここには、ジャングレイダーやパワードイクサーを含め、様々なライダーマシンが保管されている。2つのライドブースターやトライドロン、ライドベンダーもここにある。更に、入ってすぐの場所には変身ベルトが保管されている。メイジのベルト、イクサベルト、ゲネシスドライバーやドライブドライバー等々……龍騎やリュウがのデッキ、エナジーロックシード、シフトカー等もある。ネオアマゾンズドライバーについて、普段は翔が持っている為、ここには無い。

 

翔(V(アイツ)が遺してったコレ…使えそうだな……)

 

翔が手に取ったのは、かつて…転生者 Vが使っていたライダーシステムである。最初は悪質転生者だったVだったが、翔から差し伸べられた手を取り、更生へと進み…彼の仲間になった。だが、仮面ライダーバールクスこと転生者 Zからの襲撃からミサキを守るため、命を落とした。命の灯火が消えるその時、ミサキにネオディケイドライバーを翔に託すように頼んだのだ。

 

翔「……。」

 

そうして今、ネオディケイドライバーは翔の手元にある。

 

翔「…これ、適合すんのか?」

 

そう思い、自身の腹部にネオディケイドライバーを当てると……

 

 

ジャキィィイイッガチャン…

 

 

ドライバーは翔の腹部に巻き付いた。どうやら、彼に適合したようだ。ライドブッカーを開くと、そこには幾つものライダーカードが入っている。

 

翔(明日の午前…試運転してみるか……)

 

翔はネオディケイドライバーを手に取ると、その場を後にした。

 

 

 

翌朝……

 

翔「…もう朝か。」

 

早く起きた翔は、顔を洗って眠気を落とした。ベッド近くまで戻って来ると…

 

蜜璃「翔君いる〜?」ガララッ!!

 

翔「せめてノックしてから入れ。」

 

蜜璃「あっ…わわわわ、ごめんごめん!!」アワアワ

 

翔「もう良い、用件はなんだ?」

 

慌てふためく蜜璃を落ち着かせ、彼女から用件を聞く。

 

蜜璃「今日はね!深雪ちゃんと一緒にお買い物に行くんだ!!」

 

翔「そうか、ならば楽しんでくると良い。」

 

蜜璃「翔君も一緒に行こうよ!!外に出るのも良いことなんだし♪」

 

翔「…良いだろう、なら俺も同行しよう。」

 

蜜璃からの誘いを受け入れ、外出の準備をする翔。

 

翔「そうだ…まだ話してねぇ事があったわ。」

 

蜜璃「…ん?」

 

翔「ストライカー共に紛れて、スパイが居るって前に話したろ?」

 

蜜璃「うん、そうだね。」

 

翔「実はなぁ…スパイは1人だけじゃあねぇ……もう1人居るんだよ。」

 

何と…山吹 楓以外にも……ストライカーの中にスパイがいるようだ。

 

蜜璃「えっ!?スパイは1人だけじゃないってこと!?」

 

翔「誰も1人だけだなんて言ってねぇだろ。」

 

翔はスマホを取り出し、動画を見せる。そこには、ストライカー達の悲惨な暮らしの様子がはっきりと映し出されている。

 

翔「こんなにリアルな映像が送られてくるとはな、正直かなり助かるぜ。それに、アイツらがバカで良かったって思う。」

 

蜜璃「そのもう1人のスパイって、誰?」

 

翔「おいおい、俺が教えると思ってんのか?まだ教えるわけねぇだろうが…」

 

蜜璃「…えぇ、ダメなの?」

 

翔「当たりめぇだろ?」

 

やがて、準備が完了した翔は杖を着きながら蜜璃と移動する。

 

 

 

深雪「えっ、スパイがもう1人いるんですか?」

 

翔「あぁ、だがまだ教えねぇ。」

 

ショッピングモールで買い物をしながら、深雪にもスパイの存在を伝える翔。だが、誰なのかはまだ教えないようだ。教えてしまえば、その人物に気が向いてしまう…それを察知されれば、おしまいだと思っているからだ。

 

ヴーッ…ヴーッ……

 

翔「ちっと外す。」

 

その時…不意に翔のスマホが鳴った為、深雪と蜜璃から離れていく。やがて、人が少ない場所まで来ると、通話を始める。

 

翔「俺だ。」

 

???『あ、たいちょー?今、大丈夫?』

 

翔「あぁ、どうした?」

 

???『奴らはね、大型ショッピングモールに妖魔を放つんだって。たいちょーを誘い出す為にね…?』

 

翔「そうか。」

 

例のスパイから情報を貰い、ネオディケイドライバーを取り出す翔。

 

???『……。』

 

翔「何だよ、急に黙り込んで。」

 

???『だって、私…たいちょーを傷付けたんだし……』

 

翔「それは奴らを欺く為の手段だろ?それは俺も分かってる。」

 

???『うぅっ、で、でもぉ……』

 

翔「明るさを失ったな…こっちに来たいならいつでも来いよフェイ。」

 

通話相手は、『アマンド・フォーマルハウト』のメンバーの1人『フェイ・リー』だ。昔は明るく、どこか掴みどころがない性格だったのだが…ストライカーのスパイとなった事で、持ち前の明るさを失っていた。スパイとはいえ、隊長である翔を傷付けてしまった事に罪悪感を感じているのだ。

 

翔「お前らしくねぇな、近々逢おうぜ?飯でも奢るからよぉ。」

 

フェイ『…たいちょー。』

 

翔「念の為もう1度言っておく…こっちに来たけりゃいつでも来い。信頼出来る仲間は多い方が良い。お前はよくやってくれている。髪の毛に小型カメラを仕込むとか、よく考えたよな?」

 

フェイ『フェイちゃ…ううん、私の髪は長いし。少しでもたいちょーの役に立てたら良いなぁって思って…』

 

翔「十分役に立ってる、辛くなったら早めに離れろ。決断は早くしておいた方が良い。」

 

フェイ『うん…それじゃあ、そうする。』

 

翔「あぁ、但し…奴らにはぜってぇに捕まるんじゃねぇぞ?」

 

フェイとの通話を終え、ネオディケイドライバーを装着する翔。まもなく、ショッピングモール内に人々の悲鳴や逃げ惑う声が聞こえて来た。

 

翔「…来やがったか。」

 

ライドブッカーからライダーカードを取り出すと…

 

翔「変身。」

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DECADE》

 

 

ドライバーにカードをセットし、サイドハンドルを戻す。すると、無数のシルエットに身体が包まれて行き、仮面ライダーへと姿を変えた。かつてはVが変身しており、全ての平成主役ライダーの力を使うことが出来る戦士『仮面ライダーディケイド』である。

 

 

 

ディケイドに変身を果たした翔がモール内に姿を現すと、そこには無数の旧式妖魔(マギレオブリ)の姿があった。

 

ディケイド「……。」ジャカッ…ズダダダダッ!!

 

すかさずライドブッカーから光弾を発射すると、10体あまりの妖魔を撃破した。すると、妖魔達がディケイドに気付き、襲い掛かって来る。

 

ディケイド「コイツを試すか。」

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《WIZARD》

 

ヒーッ、ヒーッ…ヒーヒーヒー!!

 

 

ウィザードの姿になったディケイドは、近くの噴水の水を自在に操り、襲い掛かって来た妖魔達を返り討ちにする。

 

ディケイドウィザード「フンッ、雑魚ばっかだな。」

 

妖魔との戦闘経験が豊富な翔にとって、旧式妖魔はそれ程の脅威ではない。

 

ディケイドウィザード「飽きたな、そろそろ決めるか。」

 

ディケイドウィザードはライダーカードを取り出し、ドライバーにセットすると…

 

 

《FINAL ATTACK RIDE》

 

《WI WI WI WIZARD》

 

 

必殺技を発動する。妖魔の群れの近くに魔法陣を出すと、そこからビッグ&コネクトによる巨大化した左手で薙ぎ払った。ディケイドウィザードの活躍により、ショッピングモールに現れた旧式妖魔の群れは全滅した。妖魔を撃破したディケイドウィザードは変身を解き、翔の姿に戻った。

 

 

 

ヘルメス『……。』

 

アフロディーテ『神様、どうされました?』

 

ヘルメス『女神よ、翔は夏休みをしっかり満喫しつつ心身を休めることはできていたか?』

 

アフロディーテ『…いいえ、ストライカー達の襲撃によって休めていませんでしたね。』

 

ヘルメス『そうだろう?そこでだ、とあるオーナーと話し合って彼らを楽園に案内しようと思うんだ。どうだ、最高の悪戯だろう?』

 

アフロディーテ『はい、そうですね。今回ばかりは、誰も傷付かない悪戯だと思います。』

 

ヘルメス『1言多いぞ。では、早速手配しようではないか。』

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