〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百二十六話 謎の招待状

季節は夏…今日も暑い日が続いている。

 

サクラ「あの、翔さん…ちょっと良いですか?」

 

翔「…どうした?」

 

ある日の朝、ドールハウスに1通の手紙が届いたのだが……

 

ミサキ「これは怪文章でしょうか…」

 

怪文書のようで、何を伝えようとしているのか…Dollsにはさっぱり分からないようだ。

 

シオリ「翔君、ちょっと確認していただけないでしょうか?」

 

翔「どれ、見せてみろ。」

 

翔が手紙を覗き込むと、そこには……

 

 

不思議イッパイ 空サイコー!

 

 

…とだけ、書かれている。

 

翔「…んだよコレ、空を見た時の低レベルな感想みてぇじゃねぇか。」汗

 

ヒヨ「それ、ヒヨにもなにがなんだかさっぱりわかんないよ〜……」

 

ナナミ「私なりに色々と分析してみましたが、考えられそうなモノが何もないんです。」

 

レイナ「解けないとモヤモヤするわ…これ、本当に怪文書なのかしら?」

 

翔「まぁ待て、そう決めつけるのはまだ早ぇだろ。」

 

中々手紙の答えがわからず、頭を悩ますメンバー達。

 

アヤ「それで、翔はこの手紙の答え分かったの?」

 

翔「さっぱり分からん。」

 

ヤマダ「名軍師の翔さんでも分からないとは…フヒヒ、中々のツワモノですなぁ。」

 

ユキ「……。」

 

しかし、ユキだけは手紙をジーッと見つめている。そして……

 

ユキ「…天空、遺跡……?」

 

1つの答えを導いた。

 

翔「天空遺跡がどうかしたのか?」

 

ユキ「不思議イッパイ…空サイコー……といえば、天空遺跡です…」

 

翔「…何を言ってるんだ?」汗

 

ユキの言葉に困惑する翔。そこに、ヘルメスが姿を現す。

 

ヘルメス「やぁ、問題は解けたようだな。」

 

翔「…何の話だ?」

 

ヘルメス「実はだな…リゾート施設を運営しているオーナーが準備で忙しい為、我々が急遽代理で招待状を用意したのだ。ユキよ、よく解けたな。」

 

ヘルメスがそう言うと、場はシーンと静まる。

 

ヘルメス「…何なんだ、この空気は?」

 

翔「おい、ちゃんと説明しろ。」

 

ヘルメス「そう言われてもだな…天空遺跡とはな、本当に宙に浮いている遺跡だ。景色も素晴らしいし、冒険や《天空遺跡の七不思議》と呼ばれるような不思議体験だってできる。そのうえ、精霊のような謎の存在が居るとか居ないとか……つまりだな…………」

 

段々口数が減っていくヘルメスに、メンバー達は冷たい視線を送る。

 

ヘルメス「またこの空気なのか?」汗

 

翔「…てめぇ、覚悟できてんだろうな?」

 

低い声を出す翔の後ろには、武器を構えたミサキとヤマダがいる。

 

ヘルメス「…少し急用を思い出した、悪いが退散させて貰うぞ?」

 

アヤ「あっ!?逃げた!?」

 

翔「追え!!ぜってぇ取り逃がすんじゃねぇ!!!!」

 

翔が怒鳴り声を上げると、ミサキとヤマダは高速でヘルメスの後を追い掛けて行った。

 

レイナ「では翔君、天空遺跡の事を皆にも伝えましょう♪」

 

翔「…あぁ。」

 

翔は事務所にあるマイクを使い、ドールハウス内にいる者全てに手紙の事を伝えた。

 

 

 

数分後、メンバー全員が事務所に集合した。そのタイミングで、アフロディーテが姿を見せた。そして、特殊なロープでぐるぐる巻にされたヘルメスも。

 

アフロディーテ「ここからは私から説明させていただきますね?皆様、この天空遺跡を舞台に、夏休みを満喫してください♪」

 

ミサキ「ちょっと待って、アイドルには夏休みなんてないのよ?仕事はどうするつもりなの?」

 

アフロディーテ「ご安心ください、こちらでご用意したドッペルゲンガーにやっていただきます。」

 

アフロディーテが手を叩くと、メンバー全員をそのまま模ったドッペルゲンガー達が姿を現した。

 

翔(ドッペル)「つーわけだ、つべこべ言ってねぇで行って来い。こっちの事なら俺らに任せろ。」

 

翔「ミスったらタダじゃ置かねぇと思え。」

 

翔(ドッペル)「俺がミスるとでも思ってんのか?」

 

翔「あっ?」

 

翔(ドッペル)「はっ?」

 

翔と翔のドッペルゲンガーが段々険悪になっていくと、アフロディーテはメンバー達を天空遺跡へと転送した。

 

 

 

 

 

 

翔「よっと…おいおい、今年も随分派手な事してくれんじゃねぇか……」

 

彼らが降り立った場所には、緑豊かな原っぱにギリシャ神話の建物のようなオブジェが所々にあり、雲の真上にある浮島が幾つも見える場所だった。

 

一海「って、翔!?」

 

紫「それに、Dollsの皆さんも!!」

 

友香「元ストライカーの皆さんまで!!」

 

諒芽「セツナさんにカナさん、愛先生に深雪先生に蜜璃先生にさやや!?」

 

この天空遺跡には、一海達までも招待されていた。ちなみに、地上には彼らのドッペルゲンガーも配属された。

 

ハナ「隊長さんのお友達だもの、招待しない訳には行かないと思ったのよ。」

 

翔「ハナ、お前…今年もかなりぶっ飛んだ真似しやがって……」

 

ハナ「私がお客様に提供するのは、冒険心と感動よ?ちなみに、隊長さんはお得意様だから、沢山サービスさせてもらうわ♪」

 

やって来たメンバー達を笑顔で出迎えるハナ。彼女はリゾート施設のオーナーをしており、すっかり有名人となっている。

 

ハナ「来てくれた皆様には、新作水着を沢山用意したわ♪好きなのを選んで纏って頂戴?」

 

ハナの言葉に、メンバー達は更衣室へと向かった。しかし、翔だけはその場に残った。

 

翔「ハナ、ちょっと良いか?」

 

そして、彼は是非ともここに招待したい者が2人いると伝えた。それを聞いたハナは喜んでその2人を招待すると言ってくれた。

 

 

 

楓「…?」

 

フェイ「ふぇっ!?な、何!?」

 

転送されてきたのは、山吹 楓とフェイ・リーである。彼女達はスパイとしてストライカーのフリをし、翔やドールハウスにストライカー達の情報や動向を提供していたのだ。

 

翔「よく来たな。」

 

楓「た、隊長さん。」

 

フェイ「あ、たいちょー…」

 

ハナ「貴女達の事は隊長さんから聞いたわ、命の恩人であれば喜んで招待するわよ♪」

 

翔「お前達には沢山助けられた、だからちっとは恩返しさせろよな?」

 

翔の言葉に、フェイの目からは大粒の涙がポロポロと零れ落ちる。

 

フェイ「うぅ…ああぁぁ!!ありがどーーだいぢょー!!

 

翔「バカ、泣くんじゃねぇよ。お前達の事は俺が紹介する、安心してくれよ。」

 

嬉し泣きするフェイに苦笑いする翔。その後、ハナが2人を別の更衣室に案内し、翔はメンバー達の元へ戻って行った。

 

 

 

ヒヨ「あっ、翔さんが戻ってきてくれたよー!!」

 

メンバー達は新作水着に身を包んでおり、翔を待っていた。

 

シオリ「私達の水着、どうですか?似合っていると良いんですけど…」

 

翔「絵になるな。」

 

翔は軽くメンバー達を褒めると、メンバー達に言う。

 

翔「ストライカー共の情報を提供してくれた恩人を2人招待した。今から紹介する。」

 

愛「えっ!?スパイって楓ちゃんだけじゃないの!?」

 

翔「スパイは1人だけだって誰が言った?てかおい、1人ネタバレになっちまったじゃねぇかよ…まぁ良い…楓、フェイ、来て良いぞ。」

 

翔がそう言うと、楓とフェイがメンバー達の前に姿を現した。

 

ミサキ「貴女は、あの時の…!?」

 

フェイ「その節は本当に申し訳ありませんでした!!」ガバッ!!

 

土下座をしながらメンバー達に謝罪するフェイ。

 

翔「フェイ、土下座する必要はねぇ。普通にしてろよな?」

 

彩羽「ほーん…スパイは2人居たってことだね?フェイちゃんはさ、どうやってストライカー達の情報を提供してたの?」

 

翔「コイツの髪は長ぇからな、そん中に小型カメラを仕込んでたんだってよ。」

 

フェイは髪の中から小型カメラを取り出すと、翔に手渡した。その映像を確認すると…翔はフェイの肩をトンッと叩く。

 

翔「…よくやった。」

 

彼の言葉に、涙目になるフェイ。

 

レイナ「翔君から信頼を得ているのであれば、歓迎するわ。」

 

翔「そうしてくれ、文句を言うヤツはぶっ飛ばす。」

 

一海「文句無しだ、ちゃんとした証拠を持ってんだから。」

 

蜜璃「よろしくね楓ちゃん、フェイちゃん!!髪の毛サラサラで可愛い!!あっ、私は七草 蜜璃、こう見えて医者なんだ!!あっ、今からとっておきのスイーツ作るね♪」

 

深雪「こんにちは楓さん、フェイさん、私は胡蝶 深雪です。蜜璃さんと同じく、ドールハウス専属医です。」

 

ドールハウスのメンバー達はフェイに自己紹介を初め、打ち解けようとしている。最初は戸惑っていたフェイだが…

 

翔(大丈夫だ。)

 

…と、翔が頷いたのを見て…安心する事ができた。こうして、翔達が心身共に休める為のバカンスが始まった。

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