〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百二十七話 天空遺跡で青春Summer

仲間たちに楓とフェイを紹介した翔は、蜜璃が作ったフルーツタルトをメンバー達と一緒に噛っていた。

 

一海「う、美味…!!」

 

友香「こんなに沢山の果物、どこで入手したんですか?」

 

蜜璃「それがね、この島で採れたんだ!!ここって何でもあるんだね~♪」

 

どの果物もこの天空遺跡で採れた新鮮な物だ。

 

翔「おい、ここで食った物…俺達の人体に悪影響を及ぼすことは?」

 

ヘルメス「安心したまえ、君達が住んでいる世界と何ら変わり無い。」

 

1番の疑問点が解消した事を理解した翔は、フルーツタルトを平らげると島を散策すべく歩き出した。

 

フェイ「んぐっ、待ってよたいちょー!!」

 

彩羽「あっ、あたしも!!」

 

そんな彼を追う形で、フェイと彩羽も島の散策へと向かった。

 

 

 

杖を着きながら歩き、辺りを見回すと…下には雲海が広がっていて、その上にいくつもの浮遊島が見える。自分達がいる浮遊島も雲海の上にある。

 

翔「……。」

 

島にはギリシャ神話に登場するような建物跡や柱、天然プールと言っても過言ではない水場までもある。

 

翔(まるで神話の世界だな…バケモノの俺には、無縁だと思っていたんだが……)

 

その時……

 

 

ポワッ…

 

 

翔の近くに炎が突然現れた。

 

翔「ッ!?」サッ!!

 

思わず杖を構えると、炎はすぐに消えた。次に…

 

 

チャプンッ…

 

 

背後の水場に、水玉が浮かび上がった。

 

翔「またか…!!」

 

再び杖を構え、迎撃体勢に入る翔。しかし、水玉は翔に危害を加えようとはしなかった。

 

翔(奇妙だな…何故襲って来ない……?)

 

彩羽「おーい、翔くーん!!」

 

警戒する彼の元に、彩羽とフェイがやって来た。

 

翔「お前達か…気を付けろ、ここには何かが居る。」

 

フェイ「私もさっき見たよ、突然炎が現れたり砂が落ちきらない砂時計だったり…とにかく、色々見た。」

 

彩羽「でもさ、こっちに危害を加えることは無いってヘルちゃんとディーちゃんも言ってたよ?」

 

翔「…は?」

 

彩羽の言葉に困惑すると、ヘルメスとアフロディーテが姿を見せた。

 

ヘルメス「そんなに警戒する必要はない。ここでは先程の現象は御約束のように起こる。」

 

アフロディーテ「皆様には何の害もありませんので、大丈夫です。しかし、慣れるまで大変だと思いますが……」

 

翔「…俺は信じねぇ、そんな都合の良い話があってたまるか。」

 

ヘルメス「あるからこう言っているんだが……」

 

翔「ふん、くだらねぇ…」

 

翔は歩き出し、神殿のような場所に足を踏み入れた次の瞬間…彼の身体が光に包まれ……

 

 

 

愛「あっ、翔君おかえり。」

 

翔「…はぁ?」

翔(一体どうなってるんだ…?)

 

何故かメンバー達の目の前に戻って来ていた。

 

斑目「翔も遭遇したのか、未知なる怪現象に。」

 

ミサキ「しょしょしょ翔さん!?だだだだだ大丈夫でしょうか!?け、怪我はありませんか…!?」汗

 

翔「…俺よりも自分の心配でもしたらどうだ?」汗

 

メンバー達の中で特に落ち着きが無いのは、No.1ドールの異名を持つミサキだ。戦闘力はDollsの中でも1〜2を争う程高く、頭の回転も速い。しかし、オバケが苦手であるという弱点がある。彼女にとって、この現象は地獄であった。

 

レイナ「らしくないわね、ミサキ。こんなに美しい場所に来たんだもの、美しく過ごしましょう?」

 

ナナミ「それができたら苦労しませんよ…」汗

 

翔「全くだ、お前は何故すんなり受け入れられる?」

 

レイナにジト目を向けるナナミと翔。

 

ユキ「ネコさんは、居るのでしょうか…?」

 

翔「こんなとこに居るわけ」

 

猫「ナー♪」

 

翔の足元には、1匹の白い猫がいた。よく見ると、名札付きの首輪を身に着けていた。

 

ヒヨ「あー、コユキちゃんだー!!」

 

アフロディーテ「こちらの遺跡は犬猫の出入りも可能です♪アニマルセラピーも必要ですよ?」

 

アフロディーテの計らいにより、ドールハウスのペットであるコユキも来ていたようだ。

 

シオリ「ふふっ、皆と一緒に夏休みだなんて素晴らしいです。」

 

ヘルメス「私達も君達の夏を見てきたが、ストライカー共から襲撃されて大変だったろう?ならば、今年は奴らに絶対襲撃されない場所でな?」

 

サクラ「ありがとうございます、神様♪」

 

ヘルメス「良い良い。」

 

今年の夏は、ストライカー達からの襲撃されないよう…奴らが認識できない場所で夏休みを過ごして貰おうと、ヘルメス&アフロディーテがハナと協力してこの場所を用意したのだ。

 

諒芽「おっ!?炎が出たぞ!!あっ、こっちには光が…向こうには水玉や超ちっちぇえ竜巻が!?」

 

紫「落ち着け諒芽。」汗

 

一海「いやいや、落ち着くなんて無理な話だろ!?ほら、あっちの空は夕焼けだし、こっちの空は星空だぜ!?」

 

友香「あはは、落ち着けるまでもう少し時間が必要ですね…」

 

落ち着きが無い諒芽と一海。いや、どのメンバーもあまり落ち着きは無い。

 

アヤ「折角こんなに素晴らしいトコに来たんだもん。写真撮ろーっと♪」

 

ヤマダ「そういや、ここってSNSに上げてもいいんすか?」

 

ヘルメス「構わない。」

 

アヤ「それはダメよ、ヤマダ。万が一奴らがここの場所を知ったら、翔がゆっくりできないでしょ?」

 

ヤマダ「確かに、一理ありますね。」

 

こんな神秘的な場所に来たからには、写真を撮ってSNSに載せたくなるのも無理はない。だが、翔を配慮してSNSに上げない事にした。

 

ヘルメス(まぁ、晒されても構わないのだがな…いくら場所を調べようが絶対に出て来ない。だから奴らもここには来れん。)

 

彼らが夏休みを本気で満喫できるよう、神々もストライカーや妖魔、はたまたピグマリオン対策もしている。どれだけここを探しても、決して見つけることは不可能なのだ。

 

諒芽「なぁなぁ翔ちん、宝探ししよーぜ!!こんな立派な遺跡だったらさ、宝物の1つや2つあってもおかしくないだろ!?」

 

唐突に言う諒芽だが…

 

翔「誰がそんな罰当たりみてぇな事をやるか、お前1人で行ってこいよ。」

 

翔はいつものようにバッサリと切り捨てる。

 

諒芽「えっ、マジか…」

 

一海「けどさ、俺も興味ある。この世界の宝ってなんなんだ?」

 

紫「私は行こう。」

 

友香「私も行きます♪」

 

愛「宝探しかぁ、楽しそうじゃん!!アタシも行く!!」

 

蜜璃「私も行く行く♪」

 

深雪「フフフッ、私も連れてってください♪」

 

モニカ「はいは〜い、アタシは皆が楽しそうにしてるトコの写真撮るよ〜♪」

 

ほたる「隊長サン隊長サン!!早く行きましょう!!」

 

翔「あっ、おい!!…ったく。」

 

ほたるに連れられ、翔はメンバー達と宝探しをすることにした。

 

 

 

まずは、泉にやって来た。宝探しを始めると思いきや、水の掛け合いが始まった。

 

翔(宝探しするんじゃねぇのかよ……)

 

キャッキャウフフするメンバー達にジト目を向ける翔。

 

翔(ま、こういうのも悪くはねぇか……)

 

翠「あっ、後ろは隙だらけだぞ!!」

 

翠がそう言うと…

 

フェイ「ホントだ、たいちょー隙あり!!」

 

フェイが翔目掛けて水を飛ばした。

 

翔「……やってくれたな、お前達…覚悟できてんだろぉなぁ?」

 

おもむろに水鉄砲を取り出した翔は、メンバー達に向かって水を乱射する。

 

小春「あぐっ!?た、隊長さん、少し手加減を」

 

翔「俺は誰にだって容赦しねぇんだ、ソイツぁできねぇ。」

 

彩羽「ひゃあっ!?冷たっ、あっははは♪」

 

蜜璃「きゃっ!?やったなぁ、お返しだよ!!」

 

翔「はっ、その程度か…っよ!!」

 

深雪「水が気持ちいいですね♪」

 

翔が飛ばす水は、どのメンバーよりも勢いがある。

 

一海「おい皆、翔を倒すぞ!!」

 

紫「よし、さぁ翔…来い!!」

 

友香「こっちは4人です、負けませんよ?」

 

諒芽「いいや、俺は翔ちんにつく!!」

 

一海「諒芽が寝返った!!」

 

水の掛け合いはヒートアップし、宝探しの事をすっかり忘れ始めるメンバー達。楽しそうにはしゃぐメンバー達をスマホに収めるモニカ。

 

翠「んおっ?おーい皆、ちょい注目!!注も〜く!!」

 

すると、翠が真ん中の島にある石板に向かい…何かを取り出そうとしている。

 

翔「何があるんだ?」

 

翔が聞くと、翠が後ろから出て来た。

 

翠「おぉ、これは…これはこれは……」

 

翔「何だよそれ。」

 

 

翠「聖剣だぁぁああああ!!

 

 

翠は聖剣を空高く掲げながら叫ぶ。

 

諒芽「早速お宝発見したじゃねぇか!!」

 

彩羽「あたしも持ってみた〜い!!」

 

翠「これ、割と重いよ?」

 

メンバー達は翠が見つけた聖剣を持つ。

 

翠「ねね、隊長ちゃんも持ってみてよ!!」

 

深雪「翔君が持つと絵になりますからね。」

 

翔「そういうの要らねぇっての。」

 

翔が翠から聖剣を受け取ると、剣に金色の光が集まっていき…黄金の大剣へと姿を変えた。

 

友香「聖剣の姿が…!?」

 

紫「おい、これってまさか…」

 

翔「あぁ、『カラドボルグ』だな。」

 

それは、とあるライダーが使用する武器『カラドボルグ』だった。その時…どこからか咆哮が聞こえてきたと思うと、翔達の前に翼竜が姿を現した。

 

雪枝「あわわわ、何ですかあれ…!?」

 

翔「ここの主か…?」

 

蜜璃「でも、敵意は全く感じられないよ?」

 

翠「おっ、蜜璃せんせーもそう思う?実はわたしもそう思うんだ。」

 

翼竜はこちらに危害を加えようとはしないようだ。その竜が翔に顔を近づける。

 

翔「…手ェ出せってか?」

 

翔が右手を差し出すと、翼竜は口から光の玉を出した。それが翔の掌に落ちると、分厚い本へと姿を変えた。

 

翔「…『オムニフォースワンダーライドブック』?」

 

それは、とあるライダーに変身する為に必要な本型アイテム『ワンダーライドブック』だった。エターナルフェニックスやブレイブドラゴンと違い、大きくて分厚い物だ。

 

愛「あれっ、翔君の腰にベルトが…」

 

いつの間にか、翔の腰に黄金の変身ベルト『ドゥームズドライバーバックル』が巻き付いていた。

 

アフロディーテ「その翼竜は空の覇者です、翔さんを英雄と認識した様ですね。」

 

翔「ここは平和なんだろ?なら、地上に居るドッペルゲンガーにでも送っとけ。」

 

ヘルメス「任せておけ。」

 

ヘルメスはそう言うと指を鳴らし、カラドボルグ、ワンダーライドブック、ドライバーを転送した。

 

諒芽「どんどん探そうぜ!!まだあるかもしんねぇし!!」

 

メンバー「「「賛成♪」」」

 

翔「…仕方ねぇな。」

 

メンバー達は次のお宝を探して、遺跡の散策を開始した。不思議で満ち溢れた天空遺跡での夏休みは、まだ始まったばかりである。

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