〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
その日の夜、翔は元ストライカー達やNumberSと共に、メンバー達の元へ戻って来た。
カナ「あ、皆さんお帰りなさい♪」
カナの笑顔に、鼻血を吹き掛ける諒芽だったが…一海が何とか止めた。
シオリ「では、皆揃った事ですし…夕食にしましょうか♪」
ヒヨ「さんせー!!」
メンバー達はすぐに準備に取り掛かった。
ナナミ「食材は神様方が支給してくれました…こんな都合の良い時って、あるんですかね……」
レイナ「あら、良いじゃない。神様からのご好意なんだし、美しく受け取りましょう♪」
ナナミ「美しく受け取るって何ですか…?」汗
ヘルメスとアフロディーテが用意してくれた肉や野菜、更にはフルーツが今宵の晩餐だ。一同は肉とか野菜を焼き、食材が焼けるのを待った。
サクラ「それにしても…ここって、本当に浮かんでいるんですよね?」
ミサキ「そうよ、それがどうしたの?」
サクラ「あ、いえ…未だに信じられないというか何というか……」
ミサキ「最初は貴女と同じ思いだったけど、慣れるしか無いわよ。」
戸惑うサクラに落ち着いた口調で語り掛けるミサキ。
翔「あれだけ怪現象が苦手なお前が、漸く慣れたのか。」
ミサキ「ヒッ!?そ、それとこれとは話が別です…!!」ガタガタ
この場所には慣れたものの、ここで起こる現象には未だに慣れていないようだ。
一海「よーし、そろそろ食べ頃だな。」
諒芽「おっしゃあ!!じゃんじゃん食うぞー!!」
アヤ「久しぶりの長期休暇なんだし、別に良いわよね?」
一海は皿に盛り付けて行くと、メンバー達に配っていく。
フェイ「……。」
翔「ほら、お前も食えよ。言ったろ、遠慮する必要なんてねぇってな。」
フェイ「あ、ありがと…たいちょー…!!」
最初は遠慮していたフェイだったが、次第に慣れてきて…メンバー達に少しずつ心を開いていった。
紫「しかし、空の上でバーベキューとは…この状況を未だに信じられない自分がいる。」
友香「私もです、不思議な現象だったり空の覇者だったり…とにかく、色々あり過ぎて。でも、冒険しているみたいで楽しいです♪」
夕食に舌を巻いていると、上空には満天の星空が広がっており…数多の流れ星が見える。
翔「……。」
翔(良いもんだ、誰にも邪魔されねぇことってのは……)
誰にも邪魔されない空間は、翔にとっては天国そのものだった。好きな事を好きなタイミングでできる…これ程嬉しいことは他にない。やがて、夕食を済ませた後…諒芽が腕を幽霊みたいにしながらこう言った。
諒芽「夜にもなった事だし、皆で…肝試しでもしよ〜ぜ〜?」
両腕をダランダランに垂らしながら左右に揺らす諒芽。
翔「…悪くはねぇが…おいミサキ、そんなにくっついたら暑いだろーが。」
ミサキ「ももももしもの為に、しょしょしょ翔さんを守るのはNo.1ドールの務めででですすすすす!!」ガタガタガタガタ
翔「お前程説得力のねぇ奴、少なくともこの場にはいねぇだろうな…」汗
お化け等のホラー要素が苦手なミサキにとって、肝試しは拷問である。
ヤマダ「ガタガタ震えながらそう言っても、説得力無いっすよミサキさん?」
レイナ「それに、翔君を守るのは私達の務めよ。そうよね、翔君?」
翔「自分の身ぐれぇ自分で守れるわ…お前達こそ、自分を守る事を忘れるな。」
少しの茶番の後、くじでペアを決め…この天空遺跡を一周して戻って来るという内容になった。翔のペアは、ミアである。
ミア「よろしくね、翔さん♪」
翔「あぁ。」
何やら、Dollsが羨ましそうな視線をミアに向けているが…翔とミアは気にせずに出発した。
夜になった天空遺跡には、明かりが全く無く…頼れるのは己の視力のみ……
ミア「翔さん、怖くないの?」
翔「大丈夫だ、寧ろ暗闇は俺の得意分野だ。」
ストライカー達から逃げている際、真っ暗な闇夜に行動することが多かった翔は…暗さに慣れているのだ。
ミア「…ん?今、後ろから音しなかった?」
翔「あぁ、水の音だな…」
ミア「あっ、火の玉が…」
翔「落ちねぇ砂時計も出たな。」
怪現象を目の当たりにしながらも、コースを順調に進んでいく翔とミア。だが、一部の場所に足を踏み入れた次の瞬間……
翔「…?」
ミア「あれ、ボク達…いつの間にか……」
遺跡の上に飛ばされていた。この天空遺跡には、遺跡のどこかへランダムに飛ばされるワープゾーンが存在しており、目視することはできないが、踏み入れた瞬間に発動するのだ。
翔「……。」
ミア「星が綺麗だね、翔さん。」
翔「…そうだな。」
肝試しの事もすっかり忘れ、星空を眺めた翔とミア。30分程眺めた後、メンバー達の元へ戻った。
諒芽「おっ、翔ちんとミアさんお帰り。随分長かったな、まさか…本当に幽霊が?」
翔「んな訳ねぇだろ。」
ミア「ちょっといいところ見つけたんだ。…って、ミサミサはどうしたの?」
シオリ「えっと、あはは……」
テントに籠もって出てこないミサキを見て、苦笑いするシオリ。明かり一つ無いこの場所を通ることも、ミサキにとってはかなり苦痛だったようだ。
一海「流石にもう眠いよな、ここらで寝ようぜ?」
友香「そうですね、そうしましょうか。」
ヒヨ「うんうん、レイナちゃんはもうねちゃったみたいだし。」
ナナミ「ですね、私も流石に疲れました。」
翔「俺はもうちょい起きてるわ、もっかいあそこ行ってくる。」
彩羽「あたしも行く〜♪」
深雪「では、私も。」
蜜璃「あっ、私も行くー!!」
一部のメンバーは就寝し、一部のメンバーは翔と共に夜空を眺める事にした。こうして、翔はまた1つ…夏の思い出を作ったのであった。