〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
翔「……。」
翔(もう年が明けたのか…時間が経つのはあっという間だな……)
時刻は午前0:00…この日はお正月、新しい年がやって来たのだ。しかし、今年は大きな行事を行うどころではない。
翔(今は任務中なんだ…化け物共には、正月なんざ関係ねぇんだからなぁ……)
人々はお祭り状態になっても、ピグマリオンや妖魔には正月を祝う文化などは無い。去年はドールハウスを舞台に正月遊びを…一昨年は北国で正月を迎え、初詣にも行った。しかし、今はそれどころではない。
翔(なんせ、俺の足は…まだ治っていない……こんなんじゃ、初詣に来たってみっともねぇだけだ……)
彼の足は、未だに治る気配が無い…回復傾向には向かっているものの、いつ治るかはわからない。医務室のベッドで上体を起こすと、戸がノックされる。
翔(…こんな時間に誰だ?)
翔「入れ。」
入室許可を出すと、入ってきたのは…斑目、カナ、愛、深雪、蜜璃、彩羽の6人だった。
斑目「翔、夜分遅くにすまない。」
翔「用件は何だ?」
カナ「翔君、明けましておめでとうございます♪」
翔「…あぁ、おめっとさん。」
彩羽「今年もよろしくね、翔さん♪」
翔「あぁ、よろしく。」
どうやら、新年の挨拶に来たようだ。更に…
ミア「翔さ〜ん、あけおめ〜♪」
ディオ「…明けまして、おめでとう。」
トリア「明けましておめでとうございます!」
NumberSも新年の挨拶に来た。続いて元ストライカー達、Dollsにモシュネ達も…
レイナ「明けましておめでとう、翔君♪今年もBEAUTIFULな1年にしましょう♪」
ほたる「明けましておめでとうございます、隊長サン!!今年もよろしくお願いしますね!!」
翔「あぁ、よろしく。」
皆、大好きな彼へ新年の挨拶をするために起きていたようだ。Dollsに関しては夜間任務のため、夜型の生活に切り替えているのだ。
愛「今年はダイダロス討伐任務中だから、お正月遊びとかはできないんだ…ごめんね?」
翔「謝る必要はねぇ、それどころじゃねぇって事は俺だって分かってる。」
深雪「ですが翔君…“アレ”は準備できてますよ?」
翔「…?」
蜜璃「はいこれ、私から翔君に♪」
蜜璃が取り出したのは1枚の小さなポチ袋、お年玉だ。深雪もお年玉を翔に渡す。
深雪「ふふっ、私からも…はいどうぞ♪」
翔「別に良いって…もう年玉をねだる歳じゃねぇんだから。」
カナ「皆は翔君の事が大好きなんですよ?私からもどうぞ♪」
斑目「私も既に用意している。さぁ、受け取ると良い。」
愛「はい、アタシからも翔君にお年玉♪」
彩羽「あたしからもあるよ、はいこれ♪可愛い弟の為に、奮発してるからね♪」
斑目とカナと愛、深雪と蜜璃は毎年翔へ渡すお年玉を用意している。今年は彩羽も翔へ渡す為のお年玉を用意していたのだ。6名から1万円以上入っているポチ袋を手渡され、戸惑う翔。
翔「もう自分で稼げるってんだよ…」汗
アヤ「良いじゃない翔、受け取れって言ってるんだし。貰える物は貰っとこ♪」
翔「俺に指図するな…」汗
ヤマダ「うへぇ、やっぱ翔さんは羨ましいっすなぁ…ヤマダも1度言ってみたい。」
翔「お前も既に自分で稼げるじゃねぇかよ…」
蜜璃「翔君、遠慮しないで?」
深雪「何でも好きな物買っても良いですし、貯金しても良いです。どう使うかは翔君の自由ですよ?」
優しく微笑む彼女らに、とうとう翔は折れた。
翔「…分かった分かった、受け取る……ありがとよ…」
複雑な表情を見せながらも、お年玉を受け取った翔。
翔「…ったく、ちっと恥ずいぜ……」
愛「翔君、か〜わいい〜♪」
翔「可愛くねぇよ。アマゾンだぜ、俺はよぉ…」
カナ「それでも、翔君は可愛いじゃないですか♪」
翔「変わり果てた俺を見た時、ビビっていたお前達を…俺は忘れねぇからな?」
カナ「あ、あれは…その……そう、ビックリしただけです!!」
翔「…そういう事にしといてやるよ。」
その後、医務室の中に笑いが響き渡った。いつになっても、どれだけ年を越しても…翔はドールハウスの者達から愛されている。
翔(笑う門には福来たる、か……悪くはねぇな…)