〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
その頃、ダイダロスの体内ではDollsがピグマリオンとの死闘を繰り広げていた。
ヤマダ『っしゃ!!ミノちゃん撃破!!』
ミサキ『…正直、こいつ自体は驚異に感じない。余裕ね。』
アヤ『う〜……キモい……正体知ってると尚更…』
斑目とカナは観測室にて彼女らの戦闘を見守りつつ、ダイダロスの核へと誘導する。
斑目「気を抜くな。そいつはあくまでも尖兵にすぎん。……カナ、どうだ?」
カナ「お待ち下さい、今ーー」
ヒヨ『わ、わ…揺れ揺れ!!』
ダイダロスでは、またあの揺れが発生したようだ。
ナナミ『ミノタウロスが…!』
斑目「はじまったか……!」
そして、倒したミノタウロスがダイダロスに吸収され始める。
カナ「ミノタウロス、移動を開始!みなさんの進行方向からみて前方左です。」
斑目「作戦をフェイズ2に移行!追え!!」
吸収されたミノタウロスの動向をキャッチしたカナにより、Dollsは奴の追跡を開始した。
ダイダロスにて……
アヤ「え、何ここ……?」
ミノタウロスを追ってやって来たDolls達は、どういうわけか施設的な場所に来ていた。
ヒヨ「うわあ、ひろーーいね!!」
ナナミ「これは……どこかでみたような……それに……なんか、ヘンじゃないですか?」
この場所に違和感を覚え始めるナナミ。それは…
ナナミ「なんていうか……その……キレイ過ぎません?」
ミサキ「確かに外はある程度侵食されていた…でもここはその様子がない…」
ダイダロス内部は酷く侵食されているにも関わらず、ここだけは何故か侵食されていない。更に…
ユキ「何かが、違います……まるで…時が止まっているような…」
ここでは何も動きがなく、さも時間が止まったようにも思える。その時…
またも揺れが発生する。
斑目『これは……なんだ?カナ、位置情報は?』
カナ『い、緯度、経度、共に問題なくーーあっ!!』
その後、再び揺れが発生…
カナ『深度が急に…み、みなさん!大丈夫ですか!?』
斑目『カナ、モニターを続けろ!Dollsは周囲をーー』
一同「「「うわああぁーっ!!」」」
揺れは激しさを増し、Dollsを更に深部へと誘った。
その頃…ドールハウスの医務室では……
翔「……。」
翔(奴らはまだダイダロスに辿り着かねぇか、何やってんだ…?)
翔が視界ジャックで白河 昇の視界を見ていた。彼らはまだ、地下鉄駅構内近くに身を潜めており、ダイダロスに辿り着く気配がない。それもそのはず、アイドルが街中を歩けば注目され、任務どころではなくなってしまう。国民的アイドルとなれば尚更だ。
翔(…ん?パスト・アルカリアが擬態を解除した…偵察型妖魔が来て……ゲートを作った…?…成る程、考えやがったな……)
このままではいつまで経ってもダイダロスに行けないと判断した昇は、偵察型妖魔を呼び出してダイダロスへ直行するためのゲートを作った。その中に入って行くと、すぐにダイダロス構内に入る。周囲には複数の戦闘用妖魔がおり、ピグマリオンとの戦闘準備もできている。
翔(奴らの目的はDolls、偽Dollsを守るための捨駒まで用意するとは……白河 昇、悪知恵だけはいっちょ前だな……)
その時、医務室に向かって来る足音が聞こえて来た。
翔(もう戻って来たのか…コイツを、ベッドの下にでも放り込むか。)
翔は滅亡迅雷ドライバーとマスブレインゼツメライズキーをベッドの下に隠すと、布団に入り狸寝入りをする。その後すぐに、休憩を終えた深雪と蜜璃が入って来た。
蜜璃「あ、まだ寝てるみたいだね。」
深雪「そうですね。そろそろ、斑目所長とカナさんが様子を見に来るかと…」
翔(…マジか。)汗
深雪の言葉通り…医務室の戸がノックされ、斑目とカナの声が聞こえて来る。
斑目「胡蝶、七草、翔の様子はどうだ?」
深雪「はい、特に問題はありません。」
蜜璃「まだ寝ています。」
カナ「そうですか、問題が無くてなによりです。翔君、安心してくださいね?」
斑目「任務は必ず成功させる。翔、心配は無用だ。」
声を掛けてくる斑目とカナ。
翔(奴らはEsGにすら探知されねぇのか?何故だ?)
彼女らの言葉を聞くに、白河 昇率いる偽Dollsがするに侵入した事に気付いていないようだ。
翔(何が安心してくれだ…何が心配無用だ……くそ、そこまで考えたのか…)
その頃、ダイダロスでは……
シオリ「う……ここ、は……?」
ヒヨ「えっ…えっ…どこ?ここ?」
ナナミ「か、壁が…」
Dollsと愛は人間の体内にいるような悍ましい空間に居た。
壁には無数のサクリファイスが、絶叫を上げながらDollsの前に立ちはだかる。
シオリ「……!!シオリ……出番よ…」
カナ『適性反応複数!群生体…ミノタウロスもいます!!』
サクリファイスだけではなく、ミノタウロスもいる。
シオリ「そう、殺す…殺さなきゃ…!私が……『シオリ』が…!!」
シオリは真っ先にサクリファイスへと向かって行く。武器を振るってはサクリファイスを斬り捨て、着実に撃破していく。
サクリファイス「アアーーイタ、イ……」
シオリ「……。」
サクリファイスの群れを1人で相手した為、シオリは傷だらけになっていた。
サクラ「シオリさん、大丈…」
シオリ「っ!!」
サクラ「あ……!シオリ…さん…」
シオリ「あ…ごめん…なさい…だけど私、ひどく汚れていますから…」
ミサキ「シオリ……」
斑目『最深部に引きずり込まれたか……ピグマリオンに知能は無いはずだが。』
カナ『本能的な捕食行動かもしれません…リーパーも誘い込むような行動を……あっ…』
Dollsと愛は今、ダイダロスの最深部にたどり着いたようだ。
カナ『まずいですね。作戦時間が……このままだと始発までに間に合いません。』
ヤマダ「始発ぅ?どおりでいいカンジの眠気が……あと何時間くらいっすか?」
カナ『……残り、約20分です。』
アヤ「ゲッ、やばいじゃん!!」
始発電車の発車時刻が、もう少しという所まで迫っている。そんな中…
ユキ「迷宮が……強い力が動きます……」
迷宮が揺れを発生させる。
愛「カナちゃん、このミノタウロスも……!!」
Dollsが撃破したミノタウロスは、地面に吸い込まれるように溶けていく。
ヤマダ「ふひひ…吸収タイムっすね!!」
カナ『はい!!コアの波長、特定しました!誘導します!!』
一同はカナの案内の元、ダイダロスの核がある場所へと移動した。そこは……至る所が酷く侵食され、壁の向こうにはモノリスのコアのような物が見える。
レイナ「また開けた場所にでたわね…、」
ナナミ「気持ち悪さは段違いですけどね。ほんっとに悪趣味……」
ナナミ「…って、また揺れ!?」
ヒヨ「さっきより…近いよ!!」
迷宮は更に揺れ、それは立て続けに発生する。
ミサキ「頻度が上がってる…コアが近いのね……」
ヤマダ「へ〜い、ダイダロスちゃんビビってるぅ?いいっすね、この獲物を追い詰める感じ…」
その時、前方からただならぬ気配が…
カナ『!!前方に巨大な敵性反応を感知…!』
ヤマダ「アレ、またおんなじヤツ…ま〜だホンモノおあずけっすかぁ?」
現れたのはミノタウロスなのだが、どこか様子がおかしい。
ユキ「……!いえ……ヤマダさん……!」
カナ『ミノタウロス内部と異なる反応…!特定したコアの波長と98%一致…
…で間違いなさそうーー』
???「ア、アア、アーーイ…タ……イ……………」
ミノタウロスだけではなく、壁部や床部からサクリファイスが出てくる。
カナ『周辺壁面及び床から複数の反応をキャッチ…!サクリファイスです!!』
それは、Dollsと愛をぐるっと囲んだ。
ミサキ「囲まれた!?後衛、気を付けて……!!」
すると……
ミサキ「なっ!?」
ユキ「サクリファイスが……」
ヤマダ「げっ…こりゃあもしかして…」
サクリファイスがミノタウロスに集まっていき、融合を開始したのだ。
シオリ「あ、あ…ひどい…こんな……こと…!」
カナ『み、ミノタウロス…サクリファイスと融合……?まさか…』
斑目『そんなことが!?くっ…こいつはどこまで…』
やがて、サクリファイスの鎧に包まれたミノタウロスがDollsへ向かってくる。
愛「ッ、来るよ!!」
愛は急いで仮面ライダーイクサに変身し、イクサカリバーを構える。
シオリ「……!!」
サクラ「シオリさん、危ないです!!」
ミサキ「シオリ!迎え撃つわよ!!」
昇「ここ、本当に地下鉄路線なのか?空気が重い……」
その頃、ダイダロスの中では…Dollsを探して昇達が彷徨っていた。
昇(あの怪物達の気配も無い…Dollsはどこへ?)
偽Dollsを駆使して迷宮を進んで行き、彼らもまた…施設的な空間にたどり着いた。そこで、揺れが発生し…彼らもまた、ダイダロスの地下深くへと引きずり込まれた。
翔(マズい…奴らがダイダロスの地下深くまで……!!)
視界ジャックを続けていた翔は、変身するタイミングを見計らっていた。やるなら今しかない…
翔「…!!」ガバッ!!
蜜璃「ひゃあっ!?しょ、翔君!?」
急に起きた翔に驚く蜜璃。深雪はこの場に居ないようだ。
翔「…腹が、減った……」
蜜璃「お腹空いた!?ま、待ってて…何か作るよ!!」
蜜璃は慌てて医務室を飛び出して行く。そのタイミングで、小型通信機を取り出す翔。
翔「俺だ、そろそろ始めるぞ?」
通信機でNumberSに呼び掛けた翔は、滅亡迅雷ドライバーとマスブレインゼツメライズキーを取り出す。そして、キーのボタンを押した。それと同時に、翔の身体は医務室から姿を消していった。
その頃、ダイダロス最深部では…Dollsが融合ミノタウロスと戦闘を繰り広げ、どうにか撃破できた。
シオリ「はぁっ……はぁっ……はぁっ……愛さん…みんな、は……?」
イクサ「シオリちゃん!!傷が…」
ユキ「シオリさん…わたしたちをかばって…でも……」
ヤマダ「……どういうつもりっすか?ヤマダの実力でさっきのが避けられないとでも?」
シオリは融合ミノタウロスからメンバー達を庇っていたのだ。
シオリ「…………もしかしたらってことがあるかもしれないじゃない……」
怪我をしたシオリは、至る所に傷やアザができている。
ヒヨ「うわ……いたそう……シオリちゃんはさがってて!!」
ナナミ「しばらくは私達が持たせますよ。愛さん、今のうちに手当てをーー」
しかし……
シオリは頑なに下がろうとしない。彼女の叫びに、固まるメンバー達。
シオリ「……私が、片付けるから!!」
イクサ「シオリちゃん、それこそダメだよ…これ以上激しく動けば傷口が開いちゃう……戦えなくなっちゃうよ!?」
ミサキ「シオリ…治療を優先した方が効率的。いつもだったら貴女がそういうでしょう?」
サクラ「シオリさん……!私達、戦えますから…戦えますから……あの子達と…!!」
必死にシオリを説得するメンバー達。だが…
シオリ「そんなこと、させられるわけないでしょう!!」
シオリは全く聞く耳を持たない。
シオリ「約束したのよ…私がやるって…そうすれば……」
恐らくシオリは、サクリファイス達を全て撃破した後…自分も命を落とすつも。だろう。そうすれば、サクリファイス達は寂しい思いをしなくて済む…そう思っているに違いない。
カナ『ダイダロス、全域に渡って…きゃあっ!?』
斑目『うっ…これは…!愛、応答できるか!?』
イクサ「はい!今しか…すごい揺れが……」
こうしているうちに、地上でも異変が訪れていた。
カナ『地上でも振動を確認…直下型地震…震度4相当…!!』
何と、地上で地震が起こったのだ。ダイダロスが大規模な移動したからだろうか…
カナ『港区全域が……これは…ああっ…!!』
更に異変は続く。
カナ『迷宮中のピグマリオン及びサクリファイスの反応が、みなさんのいる地点に移動しています…!!』
斑目『なんだと…!?』
迷宮内部に居るピグマリオンやサクリファイスが、ダイダロス最深部に向かって来ているのだ。
レイナ「…要するに、コアのある場所、ここに迷宮中の敵が集合するってことね?」
どうやら今彼女達がいるのは、敵が集まって来る為の場所のようだ。
アヤ「コアはどこいったの!?」
カナ『空間広域に波長が分散!その付近にいるのは間違いないのですが…』
斑目『くっ……コアを攻撃されて危険を察したか…敵性個体が集合する前に目標を討伐しろ!!』
一同「「「了解!!」」」
ドールハウスも全力を尽くし、コアを探す。Dollsはそのコアを討伐するために進軍する。
シオリ「……敵……あの子達が……みんな……集まって来る……」
昇(すごい場所だ…何なんだここは……)
最深部にて身を潜める昇達は、Dollsが戦闘を終える機会を伺っていた。
昇(もうすぐだ…もうすぐ、邪魔者が消える……そして、ストライカー達は救われるんだ……)