〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
番外編“イクサ”の回も、終わりの時がヒシヒシと近づいて参りました。
前回、裏切り者のストライカーチーム『ショコラーデ・ミラ』の4人が、アヤ、ユキ、そしてイクサに変身したヤマダによって、ボコボコにされましたね。
今回、イクサに変身する人物は、誰なのか…?
それと、劇場版 仮面ライダーキバに登場したあの“キャラ”が登場します。
では、どうぞ
この物語は、サクラがDollsに加入し、翔がDollsに心を開く前の物語……
とある廃旅館にて……
二穂「昇、ミラの全員を保護してきたぞ。」
昇「あぁ、ありがとう。大広間で休ませて。」
負傷したショコラーデ・ミラのメンバーを運んできたビスケット・シリウスのメンバーが、拠点としている廃旅館に到着した。シリウスのメンバーは、ミラのメンバーを大広間に運んでいった。
昇(くそ…青空隊長、どこにいるんです!?)
『青空 翔』が中々見つからないことに昇は焦っており、もはや周りが見えていない様子であった。
昇(時空管理局は、『青空 翔』という人材を捨てた……だったら僕が、その人材を取り戻してみせる!)
昇は、翔を連れ戻すための手段を考えている。そこに…
天音「何落ち込んでんのよ、昇。」
『杏橋 天音(きょうばし あまね)』を始めとする、ストライカーチーム『プロキオン・プディング』のメンバーがやって来た。
昇「ん?…あぁ、いや…落ち込んでいるわけではないんだ…」汗
いつみ「そうか、けど…あんまし1人で抱え込まないようにな。」
紗々「私達にお手伝いできることがあれば、何でも言ってくださいね~♪」
昇「それじゃあ…引き続き、目黒区周辺を捜索してくれないか?」
遥「了解!隊長さんを探すんだね!」
真乃「少しでも手がかりを掴めるよう…頑張ります!」
天音「じゃあ、行くわよ!」
プロキオン・プディングのメンバーは、翔を探すために目黒区に向かった。
その頃、とある玩具ショップにて……
翔(おぉ、これは『DX アークキバット&レイキバットセット』じゃねぇか…!)
翔は、仮面ライダーの変身ベルトを買いに来ていた。そこで、気に入ったモノを見つけ、購入した。
自宅に帰ると、早速開封し、『メカキバット』に電池を入れ、『レイキバット』のフェイスを取り付ける。それを見た神様が、指を鳴らした。それを知らない翔は、レイキバットを起動させたその時…
パタパタパタパタ
翔「っ!?」ビクッ
レイキバットが空中をパタパタと飛び出したため、翔は驚き尻餅をつく。
レイキバット「オォイ!なぁに驚いてんだァ?」
翔「しゃ、喋った!?」汗
レイキバット「おいおい、俺はベビーじゃあねぇんだ、喋って当然さ。」
翔「いや、そうだけど…」汗
困惑しながらレイキバットと会話をする翔。
レイキバット「じゃあ俺は、その辺を散歩してくるぜぇ?ピンチの時は、俺の名を呼べ。」
レイキバットはそう言うと、窓を開ける。
翔「あ、こら待て!!」
窓を開けたレイキバットは、どこかへ飛び去ってしまった。
翔「…。」
呆然とする翔。その時……
「妖魔が出たぞー!」
突然、叫び声が響いた。
翔「!?」
翔はすぐに自宅マンションを出た。
外に出ると、偵察型妖魔が2体いた。
翔()コイツらなら、すぐに倒せる!)
逃げ惑う人々を背に、翔は偵察型妖魔達に向かって走り出し、肉弾戦で戦う。数分後、偵察型妖魔達を倒した翔は、レイキバットを探しにどこかへ走っていった。
その頃、とある自然公園にて……
DollsチームBがベンチに座り、ちょっとしたピクニックを楽しんでいた。レイナもすっかり傷が癒え、完全復活を遂げていた。
レイナ「ヒヨ、美しい案を出してくれてありがとう♪」
ヒヨ「エヘヘ、どういたしまして♪」
ナナミ「まぁ、こういうのも悪くないですね。」
会話を弾ませる3人。
ヒヨ「…ん?」
ヒヨは上を見る。
レイナ「どうしたの、ヒヨ?」
ヒヨ「ねぇ、あれ何だろう?」
ヒヨが指差した方を見ると…何やら小さなコウモリのような何かが、パタパタと飛び回っていた。
ナナミ「…ていうか、あれ……こっちに向かって来てません?」
ヒヨ「ほ、ホントだ!こっちに来るよ!」
レイナ「ヒヨ、ナナミ、警戒して!」
3人は警戒体勢に入る。そして、小さなコウモリの姿が露になる。
レイキバット「おぉ、美しい花が三輪も咲いているじゃあないか。」
「「「えぇ…」」」汗
人間の言葉で会話するコウモリに、チームBの3人は困惑した。
レイナ「貴方、何者…?」
レイナはコウモリに訊ねると、ヒヨが声をあげる。
ヒヨ「ふおぉ!!レイキバットだ!!」
レイナ「ヒヨ、知ってるの?」
ヒヨ「うん!知ってるよ!」
ナナミ「レイキバットは、『仮面ライダーキバ』に登場する敵ライダー『仮面ライダーレイ』に変身するための変身アイテムであり、人工生物でもあります。」
ナナミの解説を聞いたレイナは、「そうなのね。」と納得した。この小さなコウモリは、レイキバットと言う。
レイキバット「眼鏡のお嬢さん、説明ありがとうな。」
ナナミ「あ、いえ…」汗
レイキバット「ヒヨコのお嬢さんも、俺を知っていてくれて光栄だぜ。ありなとうなァ。」
ヒヨ「えへへ〜♪」
レイキバットにお礼を言われ、困惑するナナミと照れるヒヨ。そこに…
天音「ちょっとあんた達!」
ストライカーチーム『プロキオン・プディング』が現れた。
天音「あっ!?そこの紫眼鏡、あたし達の仲間がお世話になったわね?」
真乃「天音…!」アセアセ
天音の態度を見たナナミは、イライラしていたが…それはレイナもヒヨも同じであった。
ナナミ「初対面の相手に向かって何ですか、その態度は?」
ヒヨ「人の悪口を言うのは良くないよ?」
レイナ「うちのメンバーを不名誉な名前で呼ぶのはやめて頂戴?」
天音「そんな事、どうでもいいのよ!それより、『青空 翔』について知ってるわよね?」
レイキバット(アイツ、知っている前提で物事を聞くのか…呆れたものだぜ…)
天音の態度を見たレイキバットは呆れていた。
レイナ「聞いたことないわね、そんな人物…」
ヒヨ「ヒヨも知らない。」
ナナミ「私も知りません。」
チームBのメンバーは、知らないことを伝える。
レイナ(ごめんなさい翔君、酷いことを言ってしまって……)
レイナは心の中で、翔に謝罪する。
天音「はぁ!?アンタら使えないわね!!もういい!アンタらを倒すわ!!」
天音は変身し、大剣を構える。チームBの3人は、テアトルを展開する。
遥「えぇ、何これ!?」
いつみ「ひょっとして、閉じ込められた!?」
信じられない現象に、混乱するストライカー達。
ナナミ「ヒヨさん!早く“イクサ”に変身してください!!」
ヒヨ「分かった!」
ヒヨはイクサベルトを装着し、ナックルを左手に当てる。
《レ・ディ・ー》
ヒヨはボクシングのようなポーズを取り、
ヒヨ「変、身!!」
と言った後、ナックルを左肩に添え、ベルトにナックルを装着した。
《フィ・ス・ト・オ・ン》
ヒヨは『仮面ライダーイクサ セーブモード』に変身し、再びボクシングのような構えを取る。
真乃「あれは、仮面ライダー!?」
天音「ちょっと真乃、どうすんのよ!?」
真乃「そんな事言われても…」
ストライカー達は翔を見つけることばかり考えていたため、イクサの対抗策を全く考えていなかった。
遥「あたしが行ってくる!」
遥が走り出すと、
紗々「後ろから支援しま~す!」
紗々がバズーカを構え、空に向けた。そして…
紗々「それ~!」ドーンッ!
上空に向かって撃った。勢いよく放たれた弾丸は空中で爆発し、大量の刃となって落ちてきた。
レイナ「ヒヨ!危ない!!」
イクサ「よっ、ほっ、おっと!」
イクサに変身したヒヨは、バク転で刃の雨を華麗に避ける。
遥「すきやりー!!」
遥が拳を振り上げ、襲いかかったが…
ガシッ
イクサ「おりゃぁぁあああああ!!」
イクサに簡単に投げ飛ばされた。
天音「何やってんの!?」
天音はそう言うと、大剣を持ってイクサ目掛けて走り出す。
翔「…アイツら、本当に分からず屋なんだな…」
翔はビルの屋上から、DollsチームBとストライカーチーム『プロキオン・プディング』の戦いを見下ろしていた。
翔「レイキバット!!」
翔はレイキバットを呼ぶ。
『レイキバット!!』
一同「!?」
翔の声が響いたため、チームBとストライカー達の動きが止まる。
天音「ちょっと翔!!姿を見せなさいよ!!」
天音がそう言うも、翔は姿を現さない。
ナナミ(マズイですね、今ここで翔さんが来てしまったら…!)
ナナミは内心、焦り出していた。
レイキバット「出番か。」
すると、レイキバットがどこかに飛び去って行く。
いつみ「逃がさないよ!」
いつみがガトリングでレイキバットを撃ち落とそうとするが、全く当たらず…結局、レイキバットを逃がしてしまった。
レイキバット「ノーコンだな。」
そして、翔がいるビルの屋上に飛んできた。
翔「行くぜ、レイキバット。」
レイキバット「…行こうか、華麗に激しく!」
レイキバットがそう言うと、変身待機音が辺りに響き始める。
翔「変身。」
翔がそう言うと…
レイキバット『変身!』
レイキバットはベルトに移動し、逆さまにぶら下がった。その瞬間、雪の結晶が大きく浮かび上がり、翔はそれに包まれた。やがて結晶が消え、そこには白と黒の身体が特徴で、4本の鋭い爪を生やした手のような肩から胸辺りに白い体毛があり、水色の瞳を輝かせた仮面ライダーが立っていた。『仮面ライダーレイ』に変身した翔は、ビルから飛び降りた。
イクサ「たぁっ!やぁっ!それっ!はっ!」
天音「…ぐっ!!」
イクサは肉弾戦で天音と戦っていた。天音はイクサの攻撃を防ぐことで精一杯で、全く反撃できていない。そこに……
真乃「妖魔!?」
旧式妖魔が4体ほど現れた。旧式妖魔達は、真乃、紗々、遥、いつみに襲いかかった。
天音「しまった!」
天音はイクサに背を向け、仲間の元に向かうが、遅すぎた。
真乃「うっ!」ドカッ
紗々「痛~い!」ズガッ
遥「!?」ドゴッ
いつみ「がっ!」バキッ
旧式妖魔達は、天音以外のストライカーを、右腕1振りで吹っ飛ばした。
天音「はぁぁああああああああ!!」
天音は大剣を大きく振りかぶって、旧式妖魔達に斬りかかるが…
ブゥンッドゴッ!
天音「んぎっ!!」
返り討ちにあい、地面に倒れた。DollsチームBは一旦距離を取った。
ナナミ「こんな時に、妖魔…!」
イクサ「もうめちゃくちゃだよー!」
レイナ「…どうすれば……ん?」
ふと、レイナが上を見た次の瞬間……
ヒュォォオオオオオオオ!!
目の前に吹雪が吹き荒れた。
一同「!?」
チームB、ストライカー達は腕で顔を覆い隠す。妖魔達は、その吹雪によって消滅した。
???「ったく、どいつもこいつも邪魔なんだよ。」
吹雪が止むと、そこには『仮面ライダーレイ』の姿があった。
ナナミ「か、仮面ライダーレイ…!?」
イクサ「ふおおぉぉ!!本物の仮面ライダーレイだぁー!!」
レイナ「あれが、仮面ライダーレイ……白と黒のコントラストに、イエティを彷彿とさせる力強い図体…まさにBEAUTIFULなライダーね♪」
レイキバット「俺が、いや…俺達が来たからには全ての問題は解決するぜ。」
レイは専用の『ウェイクアップフエッスル』を取り出し、レイキバットの口に差し込む。
レイキバット『ウェイクアップ!』
笛の音色が響くと、レイの両腕の鎖が弾け、そこから3本の鋭い爪『ギガンティック・クロー』が現れた。
レイ「ストライカー共…お前達を狩ってやる。」
レイはそう言うと、右腕の爪の切っ先をストライカー達に向けた。
天音「上等よ!」
天音は強気に言うと、大剣を構える。他のメンバー達も、それぞれの武器を構える。
レイナ「ライダー、私達も協力するわ。」
イクサ「ヒヨもいるよ!」
ナナミ「やれやれ…仮面ライダーが2人もいるとは、心強いですね。」
イクサは拳、レイナとナナミは剣を構える。天音と遥が走り出すと、いつみがガトリング、紗々はバズーカ、真乃は筒が大きいガンを構えた。
レイ「金髪とイクサは左!メガネは右に避けろ!!」
いつみ「それ!」
いつみがガトリングを放った。それと同時にレイナとイクサは左に、ナナミとレイは右に避けた。
天音「っ!?」
遥「ぎゃっ!!」
ガトリングの弾丸は、天音と遥に次々と命中する。撃たれた2人は、地面に倒れた。
いつみ「し、しまった!」
いつみの表情がみるみる青ざめていった。
真乃「天音ぇぇええええ!!」
紗々「は、遥さん!!」
仲間達の表情も青ざめていった。
レイナ「懺悔なさい。」ザシュッ
いつみ「!?」
レイナはいつみを切り裂き、
ナナミ「散ってください。」ザシュッ
紗々「はっ…!?」
ナナミは紗々を切り裂いた。
レイ「レイキバット、アイツの足止めを頼む。」
レイキバット「任せておけ。」
レイキバットは口から『ブリザードミスト』を放った。
真乃「!?しまった…!」
真乃は慌てふためく。
真乃「けど腕は使える!」
真乃がガンを構えるが、
レイキバット「無駄だ。」
レイキバットは再び『ブリザードミスト』を放ち、真乃の両腕を氷でガンごと包んだ。
真乃「!?」
真乃の表情がみるみる青ざめていく。
イクサ「今だね!」
イクサはナックルフエッスルをベルトに差し込み、ナックルを押し込む。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
イクサがナックルをベルトから取り出した瞬間、レイが真乃目掛けて走り出し、必殺技『ブリザードクロー・エクスキュージョン』を繰り出した。
ザシュッ!グチャッ!
真乃「がっは!!」
レイの爪に斬られ、真乃は口から大量の血を吐き出した。真乃の血に濡れたレイは、真乃から離れ…
レイ「イクサ、撃て!!」
ナックルにエネルギーをチャージするイクサに声をかけた。
イクサ「うん!」
イクサは『ブロウクン・ファング』を真乃に向かって放った。
ドッゴォォオオオオオオンッ!!
真乃「ぎゃぁぁああああああああああ!!」
真乃は爆風に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた後、戦闘不能になった。
レイナ「やったわ!2人共、怪我はない!?」
イクサ「大丈夫だよ!」
ナナミ「私も平気です、やれやれ…」
レイナ「…よかった。」ホッ…
イクサに変身したヒヨとナナミの無事を確信したレイナは、ホッと一息ついた。イクサはヒヨの姿に戻った。
ヒヨ「レイー、助けてくれてありがとー!!」
ヒヨは太陽のような眩しい笑顔で、レイにお礼を言う。
レイ「…。」
レイは何も言わなかった。そこに…
B「んなっ!!仮面ライダーレイ!?」
転生者 Bが現れた。
B「おい!てめぇは悪役だろうが!チームBの3人から離れろ!!」
Bは正義のヒーローぶって言う。
ヒヨ「レイを悪者扱いしないでよ!!」
B「…え、ヒヨ?」
ナナミ「ライダーは私達を助けてくれたんです。原作では確かに悪役でしたが、この仮面ライダーレイは正義の味方です。」
レイナ「見た目だけで判断するなんて、美しくないわね…」
B「そ、そんな…」
チームBがレイを庇っていたことに、ショックを受けたBだが…
B「…そうか、レイに洗脳されているに違いない…!待ってろ3人共、今オレが助けてやるからな!!」
正義のヒーローのように言い、ナイフを片手にレイ目掛けて走り出した。
レイ「…。」ジャキンッ
レイは『ギガンティック・クロー』をしまうと、走って来たB目掛けてジャンプし…
レイ「ッ!!」ドゴォォオオオッ
右足のかかとで、Bの顔面を思い切り蹴った。
B「ぎゃぁぁあああああ」ドッポーンッ!
Bは宙を舞い、池に落下した。
レイ(あぁ、スッとしたぜ…)
レイはそう思い、立ち去ろうとする。
レイナ「ライダー。」
レイナはレイを呼び止め、
レイナ「先程の男がどれだけ貴方を悪役と言おうが、私達、そして周りの人達は貴方をヒーローと見ているわ。」
レイナはそう言って微笑んだ。何故なら……
人々「ライダー!ありがとーー!!」「スカッとしたよ!!」「チームBの3人をストーカー男から守ってくれてありがとーー!!」
周りにいる人々が、笑顔でレイにお礼を言っているからだ。レイは何も言わず…チームBの3人、周りの人達の方に振り向くと…
ヒュォォオオオオ…
吹雪と共に、姿を消した。
レイはビルの屋上に降り立つと、変身を解き、翔の姿に戻った。
レイキバット「これで良かったのか?」
翔「…あぁ。」
翔はレイキバットと少し会話をする。
翔「レイキバット、ありがとうな。」
レイキバット「フンッ、気にするなよ、旦那。」
レイキバットにお礼を言った翔は、その場を立ち去ったのであった。
いかがでしたか?今回はここまでです。
なんと…翔が『仮面ライダーレイ』に変身しちゃいました。それと、最近転生者 Bの出番が無かったので、ちょっとだけ登場させました(笑)。
レイキバットの口調は実際に持っているレイキバットを参考に書きましたが、相当難しかったです(汗)。
『俺が来たからには全ての問題は解決するぜ』、レイキバットのこのセリフ好き。
ちなみに…ヒヨの変身ポーズは、オリジナルです。
次回の“イクサ”の回も、お楽しみに。
では、またね