〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百六十一話 ドールハウスの思い・翔の思い

斑目「Striker Attackers、か……」

 

カナ「えぇ、妖魔退治やストライカーの撃退が主な任務だと…翔君は言ってましたね……」

 

ドールハウスから出て行った翔は、新たな戦闘組織を結成し、その組織の隊長となっている。

 

斑目「翔には、戻って来て貰いたい…だが、無理強いはできん……」

 

カナ「私もです…どうか翔君には、戻って来て欲しいですね。ドールハウスを離れてしまえば、たちまちストライカーに狙われやすくなりますし……」

 

斑目「その上、居場所までも堂々と晒せば、ストライカー共の襲撃頻度も増加するだろう……」

 

斑目とカナが恐れているのは、翔がいるSTARS本部ビルにストライカー達が襲撃してくること…テレビで全国放送され、居場所までも堂々と曝け出した。居場所が分かってしまえば、そこに集中して向かえばいい…居場所が分かった今、ストライカー達の襲撃頻度は増える。それに抵抗するのは10人程のメンバーのみで、代わりは居ない。STARSメンバー達に疲れが見えてしまえば、数の多いストライカー達が有利になる。翔がドールハウスに居る間、ストライカー達からの襲撃はあまり無かった。しかし、ドールハウスを離れた今、ストライカー達に壁はもはや無いに等しい…狙う獲物は、すぐそこにいるのだから。それ故に、翔が再びストライカー達に誘拐されるのが、1番恐れている事だ。

 

カナ「どうします、斑目さん…?」

 

斑目「場合によっては、DollsをSTARSの救援に向かわせるつもりだ。テアトルが使えるようになった今、我々にも恐れる事はほぼ無い。」

 

カナ「私も、いつでも戦えます。」

 

斑目「奇遇だな、私もだ。」

 

いざという時に備えて、密かに戦闘訓練を熟している斑目とカナ。彼女達も、いつでも戦う準備は出来ているのだ。

 

 

 

ドールハウスの女子寮には、Dollsが暮らしている。いつもなら、皆まったり過ごしているのだが……

 

レイナ「アヤ、どうかしら?」

 

アヤ「ダメ…電話もLINEも繋がらない。」

 

翔が居なくなった今、メンバー達は寂しそうにしていた。彼に連絡しようと試みたものの、どれも繋がらなかった。

 

ヒヨ「ヒヨ達、きらわれちゃったのかな?」

 

ナナミ「何を言ってるんですかヒヨさん、そんな事は無い…と、信じたいです。」

 

ミサキ「翔さんが私達を嫌う…?ふ、不吉な事言わないでよ……」

 

ユキ「翔さんは…私達を嫌ってはいません……」

 

ユキに目を向けるメンバー達。

 

ユキ「翔さんは、私達に…感謝を、しています……」

 

サクラ「えっ、どうして分かるんですか?」

 

ユキ「翔さんと、話をしました……」

 

シオリ「翔君と話をした際に、私達に感謝を言っていたとか……?」

 

ユキ「…はい……」

 

ヤマダ「ジブンらの前では滅多に言わない…ふひひ、翔さんらしいっすねぇ。」

 

翔はDollsを嫌ってはおらず、寧ろ居場所を作ってくれた彼女達に感謝をしていたのだ。ユキが翔と話をした際に、それを知ることになった。

 

レイナ「…翔君、どうか…ここに、戻って来てちょうだい……」

 

アヤ「そう、ね…翔、お願いだから…帰って来てよ……」

 

シオリ「翔君…戻って来てください、お願いですから……また、ストライカーから……」

 

翔を心配しているDollsは、彼が1日でも早く戻って来て欲しいと願っていた。

 

 

 

その頃、豊洲市場近くの広場にて……

 

妖魔「「「グオオオオォォッ!!」」」

 

イミナ「オラオラァッ!!泣け、叫べ、そしてママを呼べェ!!」

 

ハヅキ「人の絶望した顔は、やっぱり唆るねぇ♪」

 

ストライカー達が現れ、妖魔と共に悪事を働いていた。

 

「うわぁ妖魔だぁ!!」「ストライカーもいるぞ、逃げろ!!」「うえーん、ママー!!」

 

逃げ惑う人達の叫び声が、広場に響いている。そんな時、どこからかレーザーが飛んで来て、妖魔を貫いた。そして、STARSのメンバー達が広場に駆け付ける。

 

モニカ「うわぁ、これはヒドいなぁ…」

 

ほたる「ストライカーに妖魔、あたし達が止めないと…!!」

 

雪枝「よし…!!」

 

マリ「ったく、ホント学習しないんだね…アイツら。」

 

幸子「ひ、酷い…!!」

 

あから「皆、ストライカーと妖魔を食い止めるぞ!!」

 

あからを中心に、避難誘導班と戦闘班に別れ、作戦を開始する。

 

あから「せぇいっ!!」ザシュッ!!

 

あからは大斧を振り、妖魔を真っ二つに叩き斬る。ほたるは格闘戦と手裏剣等を用いて妖魔に攻撃する。モニカは2丁の光線銃からレーザーを放ち、あからとほたるを援護する。

 

リョウコ「ねぇ、STARSが来たよ!!」

 

アコ「ってことは、ボスはもうすぐそこに居るはずなのだ!!」

 

ハヅキ「そら、行きな?」

 

イミナ「はっはぁ、行くぞ妖魔共!!」

 

イミナを先頭に、妖魔軍はSTARSメンバー達に襲い掛かる。だが、彼女達は上手く連携し、妖魔軍を着実に撃破していく。

 

イミナ「おらほたるゥ!!先輩の言う事は絶対だろぉ!?」ブゥンッ!!

 

ほたる「くっ!?」ガッ!!

 

イミナの攻撃を受け止めつつ、迫りくる妖魔を蹴り技で攻撃するほたる。

 

ほたる「貴女はもう、あたしの先輩ではありません!!人を傷付けるような真似をする貴女に、先輩を名乗る資格無しです!!」

 

イミナ「へぇ…言うねぇ?だったら、大人しく隊長を渡せ!!」

 

イミナはほたるの脇腹に蹴り技を打ち込むと、怯んだほたるを背負い投げした。

 

ほたる「かはっ!!」ドサッ!!

 

モニカ「ほたる!!…ッ!?」

 

あから「大丈夫か二人共!!あぐっ!?」

 

モニカとあからも、次第に妖魔軍に押され始める。

 

幸子「み、皆さん!!」

 

すかさず幸子が駆け付け、イミナを攻撃し、ほたるを助けた。

 

イミナ「いってぇなぁ…?」

 

ほたる「幸子さん、助かりました!!」

 

幸子「いえ…」

 

あから「田中君、一般人の避難は!?」

 

幸子「マリさんと雪枝さんがやっています!後は年配の方と子どもたちの避難が…」

 

この広場には老若男女の人達が来ており、足腰の弱い年配の方や子どもたちの避難がまだ完了していない。

 

マリ「さ、ゆっくりで大丈夫だから。」

 

老夫「あぁ、ありがとうねぇ…」

 

老母「ごめんねぇ、こんなんで…」

 

年配の方はマリが担当し、雪枝は子どもを担当している。

 

雪枝「大丈夫?」

 

女の子「ひっく…怖いよぉ……」

 

男の子「ねぇ、仮面ライダーはいないの?」

 

雪枝「か、仮面ライダー…あっ……!」

 

すると、奥の方から1人の青年が歩いてくるのが見えた。その青年がコートのチャックを降ろすと、腹部の変身ベルトが露になった。

 

雪枝「もうすぐ、もうすぐ来るよ…!」

 

男の子「えっ、ほんと?」

 

女の子「か、仮面ライダー…?」

 

青年は変身ベルトに、注射器のようなアイテムを装填すると、ハンドルを上げ、注射器のレバーを強く押し込む。

 

 

「……アマゾンッ!!

 

 

青年がそう叫ぶと、全身が黄色い炎に包まれ、火柱が発生する。次に、黄色い火柱を青い稲妻が覆い、火柱と共に消えた。

 

 

《NOVA δ》

 

 

機械のような音声が響くと、仮面ライダーは青い複眼を輝かせた。

 

あから「あれは…隊長殿!!」

 

モニカ「おっ、良い時に来てくれるじゃん♪」

 

ほたる「…!!」

 

現れた戦士『仮面ライダーアマゾン ノヴァデルタ』を見て、安心するSTARSのメンバー達。更に、ライダーの後ろには多くのモシュネ達が飛んでいる。

 

リョウコ「えぇっ!?も、モシュネちゃん達…!!」

 

アコ「ぼ、ボスの味方だったのだ!?」

 

モシュネ「当然モシュ、お前達ストライカーにはもう呆れるばかりモシュね…」

 

黒モシュネ「人様に迷惑を掛けてばかりいて、懲りずに隊長さんを連れ戻そうとしてばかり…隊長さんを何だと思ってるでアリマスか?」

 

ハヅキ「何って…そりゃあアタシ達の救いの神様さ。」

 

イミナ「あぁそうだ。隊長に許して貰えりゃ、アタシ達は救われるんだよ。」

 

これまで、数多の不祥事を起こして来たストライカー達。それは全て、翔から許しを得る為…だが、もう手遅れだ。

 

アマゾンNδ「お前達が何をしようが、俺はお前達を許すつもりは更々ねぇ。無関係な奴らに迷惑を掛けまくってる時点で、もうアウトだわ。」

 

アマゾンNδはそう言うと、ゆっくりと両腕を広げていく。次の瞬間、彼の背後にいるモシュネ達がレーザーを放ち、周囲に火柱を発生させた。

 

イミナ「なっ!?」

 

ハヅキ「か、囲まれた…!?」

 

リョウコ「これじゃあ…」

 

アコ「に、逃げ場が無くなったのだ…」

 

それは、ストライカーと妖魔軍を逃さない為の檻…そして、戦う為のリングなのだ。

 

 

 

アマゾンNδが戦いに乱入すると、STARSの形成は逆転…モシュネ達はレーザーを放って彼らを支援した。リングの中では、たまに爆発が発生する。

 

アマゾンNδ「!!」ドゴォッ!!ドゴォッ!!

 

イミナ「ぐっ!!がふぁっ!?」

 

アマゾンNδは肉弾戦で、幹部であるストライカーと戦う。

 

アマゾンNδ「!!」ドボォッ!!

 

ハヅキ「ぐはっ!!」

 

リョウコ「伊吹さん!!ハヅキさん!!」

 

リョウコはサブマシンガンを取り出すが…

 

モニカ「あんたの相手はアタシだよ!!」ズギュンッ!!

 

リョウコ「しまっ!!」

 

モニカの光線銃によってサブマシンガンを破壊された。

 

アコ(このままじゃまた負けるのだ…せめて、アコっちだけでも……)ソロリ…

 

あから「どこへ行くんだい?」

 

逃げようとするアコの前に、あからが立ち塞がる。

 

アコ「ッ!!」ジャカッ…

 

慌ててスナイパーライフルを取り出すアコだが…

 

ほたる「やぁっ!!」ガキンッ!!

 

ほたるがそれを弾き飛ばした。その後、幸子の飛び蹴りを受け、アコは戦闘不能になった。モシュネ達はレーザーで妖魔軍を壊滅させた。

 

アマゾンNδ「お前ら相変わらず気に食わねぇから、もう容赦しねぇわ…」パチッ…

 

 

《Claw Loading》

 

 

アマゾンNδがインジェクターのレバーを押すと、右腕の装甲が展開し、フック状のクローが生成された。その後、クローをイミナ目掛けて発射した。

 

ザクッ!!

 

イミナ「があっ!?何だ、これ…!!」

 

クローがイミナの身体に突き刺さると、イミナの身体が宙を舞う。

 

イミナ「ぐっ…ぬ、抜けねぇ……!!」

 

アマゾンNδ(返しが着いてるからな、当たり前だ……だが、そんなに抜いて欲しいんだったら、俺が抜いてやろう。)

 

アマゾンNδはイミナを自分の元に引き寄せると、高蹴りを繰り出した。蹴りがイミナに命中すると、彼女からクローが抜かれ、鮮血を流しながら地面に叩き付けられた。

 

イミナ「ぐうぅぅ…い、いってぇ……!!」

 

アマゾンNδ「……ちっ。」

 

アマゾンNδは舌打ちすると、痛みに悶えるイミナの元に歩いて行く。

 

アマゾンNδ「いてぇじゃねぇんだよ…お前らのせいでなぁ…多くの無関係な奴らがいてぇ目に遭ってんだぞ……」ゲシッ…

 

イミナ「ああああぁぁっ!!」

 

アマゾンNδ「その原因を作った加害者がよぉ…被害者面していてぇいてぇってか……舐めてんじゃねぇよ!!」ドゴッ!!

 

傷口を抑えているイミナの身体中を踏み躙ったり、蹴り上げたりして…今回の事件に巻き込まれた都民達の恨みをぶつけるアマゾンNδ。

 

モニカ「うわぁ…隊長さん、容赦なさ過ぎ〜……」

 

あから「た、隊長殿…流石にそれはやり過ぎじゃ」

 

アマゾンNδ「黙れ!!コイツらにはこれくらいが丁度良いんだよ…いや、これでもまだ足りねぇな……」

 

アマゾンNδは、今度は戦闘不能になったハヅキを元へ向かうと、髪を乱暴に掴み、彼女に問い詰める。

 

 

アマゾンNδ「てめぇ等は私利私欲の為に多くの無関係な都民を乱闘に巻き込んだな…絶望し泣き叫ぶ都民に対し、申し訳ねぇと思わねぇのか?」

 

 

しかし、ハヅキから返って来た答えは、反吐が出るようなモノだった。

 

 

ハヅキ「思わないね!!隊長さんがさっさとアタシらの元に戻ればそれで全て丸く収まるんだよ!!他の奴らのことなんざ、心底どうだって良い!!」

 

 

それを聞いたアマゾンNδは、ハヅキを片手で持ち上げたまま…彼女を宙に放り投げる。その後、落下してきたハヅキに拳を振り降ろした。拳が彼女に命中すると、地面にはクレーターができた。次にリョウコを痛めつけ、最後にアコをボコボコにし、変身を解いた。翔が変身を解いたタイミングで、発生していた火柱は全て消えた。

 

翔「点呼取るぞ、あから。」

 

あから「はい!!」

 

翔「ほたる。」

 

ほたる「はい!!」

 

翔「モニカ。」

 

モニカ「はーい。」

 

翔「幸子。」

 

幸子「はい。」

 

翔「マリ。」

 

マリ「ほーい。」

 

翔「雪枝。」

 

雪枝「は、はい!!」

 

翔「モシュネ。」

 

モシュネ「はいモシュ(デアリマス)!!」

 

この場にいるSTARSメンバーは、皆無事であった。

 

翔「…撤収、撤収だ。」

 

翔の言葉を合図に、STARSはその場から去って行った。

 

 

翔(俺はドールハウスには戻れん…戻って来て欲しいと訴えようが、俺は絶対に戻らん……俺自身のアマゾン細胞が、いつ目覚めるか分からねぇし…また誰かを傷付けてしまうだろう…だったら、あそこに居ねぇ方がマシだ。)

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