〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百六十三話 STARS結成記念会

ドールハウスを離れてから、どれほど経っただろうか…俺達STARSは、順調に滑り出している。数々の依頼をこなし、世間からは信頼を得つつある。しかし…俺は七草さんを喰ってしまったから、もうドールハウスには戻れなくなっちまった。戻って来ても良いって、あそこの奴らは言ってくれた……けど、俺自身がそれを許さん……いつ俺の中のアマゾン細胞が覚醒するか、分からないこんな状況で…また、ドールハウスの誰かを喰ってしまうかもしれねぇ……それだけは、避けなければならない。それに、ここの仲間達の誰かを喰ってしまう事も、避けなければな……

 

 

 

翔「……。」

 

そう思いながら、翔はSTARS本部ビルの屋上にいた。上を見上げると、無数の星屑が輝く夜空が東京中に広がっていた。そこに、STARS副隊長であるあからがやって来る。

 

あから「あ、いたいた。隊長殿、ちょっと良いかい?」

 

翔「…どうした?」

 

あから「今夜、ここでバーベキューでもしないかい?STARS結成記念…的な感じで、どうかな?」

 

翔「…STARS結成記念バーベキューか、面白い。良いじゃねぇか。」

 

あから「へへっ、隊長殿ならそう言ってくれると思ったよ♪」

 

あからはそう言って微笑む。翔も口角を上げ、メンバー全員を屋上に呼んだ。

 

ほたる「隊長サーン、皆来ましたよ〜!!」

 

モニカ「わぁ〜、星がキレ〜イ♪」

 

雪枝「お肉も野菜もお米も沢山ありますよ~♪」

 

翔「おぉ、よく来てくれた。」

 

屋上には、STARSメンバー達が食材や飲み物を持って続々とやって来る。

 

マリ「さて、準備しようか。」

 

幸子「そうですね。」

 

翠「よっしゃあ、わたしも手伝うよ~!!」

 

道具を準備し、食材の用意をするメンバー達。翔は火を起こし、薪を焚べる。パチパチと音を立てながら、オレンジ色の炎が燃える。

 

ミネルヴァ「よし、それじゃあ焼こうか!」

 

モルガナ「そうですね、火が燃えている内に…じっくり焼きましょう。」

 

鉄板では肉や玉ねぎ、ピーマンやパプリカ等を焼き…グリルでは串に刺した肉や野菜、焼き鳥等を焼いていく。

 

楓「隊長さん、私達も参加して良かったんですか?」

 

翔「当たり前だろ、遠慮は要らねぇよ。」

 

遠慮がちに聞く楓に、淡々と答える翔。

 

翔「フェイ、お前もだ。遠慮しなくて良い、俺達は仲間なんだから。」

 

フェイ「…うん、うん…たいちょー、ありがとう!!」

 

翔の言葉を聞き、目に涙を浮かべるフェイ。

 

彩羽「皆ー、お肉焼けたよー!!」

 

彩羽はトングで焼けた食材を紙皿に盛り付け始める。全員がそれを持った所で、あからは翔に言う。

 

あから「それじゃあ隊長殿、音頭を取ってくれるかい?」

 

翔「あぁ。お前達、飲み物を持て。」

 

翔は深呼吸をすると、メンバー達にこう言った。

 

 

翔「俺達STARSは、都民を守る為に存在する。この先、辛く苦しい事もあるだろう…だが、俺達には俺達の正義が、やり方がある。世間がどう考えていようが関係ねぇ、俺達は誇りを持って都民を妖魔やストライカー共から守って行く。だが、今は思いっ切り楽しんで行こうじゃねぇか。今、STARS結成を記念し、乾杯。」

 

 

かんぱ〜い!!

 

 

翔の音頭を合図に、STARS結成記念バーベキューが幕を開けた。本部ビル屋上を舞台にしている為、人目を気にする必要は無い。

 

フェイ「ん〜、さいっこー!!」

 

彩羽「ホントホント、どれも美味し〜♪」

 

あから「肉だけじゃなくて、野菜もしっかり食べるんだぞ?」

 

メンバー「「「は〜い♪」」」

 

ワイワイしながらバーベキューを楽しむメンバー達。そんな中、翔はメンバー達から離れた場所にいた。

 

翔「……。」モグッ

翔(…うん、美味い……)

 

肉と野菜を一緒に食べ、頷いて見せる。ドールハウスに居た時、一時的ではあったが…誰かの手料理を食べる事が怖くなってしまっていた。しかし、今ではそれを克服し、躊躇う事なく料理を口に運べるようになっている。

 

翔(コイツらは皆、本気で信頼できる仲間だ…流石にストライカー共(アイツら)のような狂気じみた真似はしねぇだろう。)

 

彩羽「翔君もこっちにおいでよ、楽しいよ?」

 

翔「生憎だが、ここから見える景色が格別なんだよ。」

 

彩羽「えっ、ホント!?それじゃあアタシも行く〜♪」

 

彩羽は翔の隣に椅子を持って来ると、そこに座った。本部ビルからは、江東区の夜景がよく見える。いくつもの高層ビルが放つ明かりは、東京をよりきらびやかにしている。レインボーブリッジや東京ツリー、ゆりかもめ等も見える。

 

彩羽「わぁ〜、良い景色〜♪ね、翔君?」

 

翔「…そうだな。」

 

屋上のフェンスを掴みながら無邪気に言う彩羽と、そんな彼女を見守る翔。

 

ほたる「ホントだ、キレ〜イ♪」

 

モニカ「これがニッポンの夜景かぁ、ヤバ〜♪」

 

あから「本当に美しいな…!」

 

マリ「私も、こういうの好きだよ。」

 

雪枝「スゴいです、こんなに綺麗な夜景…!!今まで見たこと無いかも。」

 

幸子「今まであった辛かった事が、みんな洗い流されて行くような感覚…」

 

モルガナ「ふふっ、こんな夜も…たまには良いですね。」

 

小春「わぁ、これが東京の夜景ですか!!」

 

翠「良いね良いねぇ、めっちゃ綺麗!!」

 

ミネルヴァ「うん、絶景だよ!!」

 

楓「本当に綺麗ね。」

 

フェイ「そうだね。」

 

翔と彩羽の近くには、いつの間にかSTARSメンバー達が集まっていた。皆、東京の夜景に釘付けになっている。

 

翔「……。」

翔(たまには、こういうのも…悪くはねぇな……)

 

メンバー達と共に東京の夜景を眺め、居心地の良さを感じる翔であった。

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