〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百六十六話 UNKNOWN

国土調査院特別課・定期報告書。

 

『特別警戒個体』について。

 

 

国家兵器であるドールたちが、浄化ライブ計画の本実施にあたり接触・討伐した脅威度70%以上の『敵』を検索。

 

 

 

 

走情性寄生体『リーパー』……72%

 

 

認知依存生命『タロス』……90%

 

 

凶振変異成体『シレーヌ』……98%

 

 

擬態群生中枢『ダイダロス』……77%

 

 

 

EsGは、この中でシレーヌのみを『特別警戒個体』と指定。

 

過去の『特別警戒個体』について検索。該当する記録は2つ。

 

 

 

情動相転移核『ステュクス』……100%

 

新宿陥落の原因とされる個体、詳細データ破損状態

 

 

複素増殖流体『ヒュードラ』……95%

 

浄化計画初期に強襲を受けドール1名をロスト

 

 

 

『リーパー』、『ダイダロス』は脅威ではない。

 

『タロス』は驚異度は高いが警戒不要。

 

同じ由来を持つ『ゴーレム』も警戒不要。

 

いずれもその時点でのドールの戦闘力と比較……それが、EsGの判断。

 

基準は恐らく誘引機能の有無…ピグマリオン排出の門であるモノリスと同じように異なる空間を接続し、ピグマリオンを呼び出すかどうか。

 

国土調査院はこれに準じ、特別警戒個体について調査研究チームを設立。同位の個体が現れる可能性に備えデータ分析に注力中(ちゅうりょくちゅう)

 

 

何の疑問も無く

 

 

所長直轄のの独自分析システム、自立AI『EsG』。音声入力の質問に応答し、確度の高い解決策を提示…その精度ははるか人智を超え、私たちを未来へ導く。

 

 

EsGの予測、

 

EsGの予見、

 

EsGの予兆、

 

EsGの結論。

 

 

私たちは、これらすべてに黙従する…その判断が、この日本を何度も救っているから。そうしなければもう、脅威に立ち向かえないから。

 

でも、もう一つの奇跡が舞い降りた。それが−−−−

 

 

『青空 翔』君

 

 

私たちが道を踏み外し掛ければ、予測不能な作戦を…冷静かつ的確な判断力で、ドール達を指揮してきた。それに、翔君もドール達と共に戦ってくれた…『仮面ライダー』という兵器を駆使して、幾多の戦場を潜り抜けた。彼のその勇敢な活躍も、この日本を何度も救っている。

 

ただ、翔君は…人間ではない…………

 

タンパク質を求め、ヒトを喰らうと言われている

 

 

アマゾン

 

 

という人口生命体だった。

 

普段は人間の姿をしているけれど、翔君の身体(なか)に眠る特殊な細胞『アマゾン細胞』が覚醒を始めると、アマゾンに変貌する。

 

ダイダロス攻略中に見せた、あのアマゾン…恐ろしい姿だった……

 

それでも、翔君は…人を食べる事は無かった……

 

自分の意志で人を助け、この世界を守る為に…己を犠牲にしてまで、数々の脅威と戦っている。だから、翔君は紛う事なき『人間』だ…人間の心を持っている翔君だからこそ、誰かに手を差し伸べる事ができるのだから……

 

 

だが、それは本当に我々が歩いてきた道だろうか?人類が、自分自身で選んだ道といえるだろうか?

 

いつから『これ』は、我々を操ってきたのだろう?もしかしたらーーーー

 

 

 

我々は既に、超えてはいけない境界を渡り…死の庭に、足を踏み入れているのかもしれない……

 

 

 

それに、彼は今…ドールハウスを去ってしまった……

 

ヒトを喰ってしまったから…

 

生きるとは、他の誰かの生命を喰らう事…翔君はただ、生きる為に当たり前の行為をしただけ……翔君を責める権利は、誰にも無い…翔君を責めようとする者は、誰も居ない……それでも…彼は、私たちの元を去ってしまった……ヒトを喰ってしまった事に罪悪感を感じて……

 

嗚呼、翔君は…翔君は、今度こそ……

 

 

私たちの元に、戻って来てくれなくなってしまうのだろうか

 

 

 

 

 

Case2(第2章) 荒川流域 RIVER SIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

カナ「−−あ、いけない…報告書なのに。実績のある判断を疑うなんて…

 

 

でも、状況次第では、数千人単位の人命も

 

ピグマリオン殲滅の天秤にかけられる……

 

 

当然……その判断には兵器の…ドールたちの安全は含まれていない……翔君の安全も、当然…含まれていない……」

 

誰も居ない観測室にて、独り言を呟くカナ。翔が居なくなった為、彼女の心にも、1つの穴が空いてしまっている。

 

カナ「その示された道は、本当に…この国の未来に繋がっているのかしら……与えられた情報だけを妄信しては…知ろうとすることを諦めてしまっては…」

 

 

私のすべきことは……

 

 

そして、静かに観測室を出ていくカナ。

 

カナ(翔君…私は、どうすれば良いのでしょうか……翔君が居なくなってしまった今…何が何だか、分からなくなって来た……こんな時、翔君なら……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、荒川河川敷にて……

 

陸と陸を繋ぐ1本の橋に、妖魔の群れの姿があった。そこに、1人の人影がゆっくりと近付いている。

 

翔「……化け物共、俺が葬ってやる。」

 

それは、日本政府非公認戦闘組織『STARS』の隊長、青空 翔だった。彼の腹部には、ネオディケイドライバーが巻かれている。翔はライドブッカーからライダーカードを取り出すと、それをドライバーに装填する。

 

《KAMEN RIDE》

 

 

翔「変身…」

 

 

《DECADE》

 

ドライバーから音声が響くと、翔の身体が無数のシルエットに包まれて行き、『仮面ライダーディケイド』へと変身が完了する。妖魔達はディケイドの存在を認識すると、一斉に襲い掛かって来る。

 

ディケイド「ムンッ!!」ブォンッ!!

 

ディケイドがライドブッカー(ソードモード)を1振りすると、妖魔達の身体が真っ二つに割れた。続いて、アグローナやメガイラ、メイ・アルカリアを初めとする侵略型妖魔が襲い掛かって来る。アグローナが右腕の刃を振り降ろすと、

 

ガァンッ!!

 

ディケイドはライドブッカーの刀身でそれを受け止める。

 

ディケイド「フンッ…」ドゴォッ!!

 

そして、アグローナをヤクザキックで飛ばすと、ガンモードに変形したライドブッカーから銃弾を放ち、アグローナを瞬時に撃破した。次に、飛び掛かって来たメガイラをライドブッカーで殴り飛ばし、メイ・アルカリアと肉弾戦を開始する。

 

ドゴッ!!ドゴッ!!

 

ディケイドは肉弾戦で、メイ・アルカリアを圧倒し、次第に追い詰めて行く。

 

メガイラ「!!」バッ!!

 

ディケイド「…(おせ)ぇんだよ。」ドガァッ!!

 

襲い掛かって来たメガイラに回し蹴りを繰り出すと、ドライバーを操作し、カードを装填する。

 

 

《FINAL ATTACK RIDE》

 

《DE DE DE DECADE》

 

 

ドライバーから音声が響き、空高く飛び上がるディケイド。そして、2体の侵略型妖魔目掛けて、必殺技『ディメンションキック』を放つ。ライダーキックを放つディケイドの身体が2体の侵略型妖魔を貫通すると、妖魔は同時に爆散した。妖魔退治を終えたディケイドは、変身を解除すると、翔の姿に戻った。

 

翔(侵略型妖魔如きで俺に勝てると思ってんじゃねぇぞ…俺は俺を受け入れてくれたこの世界を守る為に、これからも強くなるからな…)

 

妖魔を殲滅した翔は、静かにその場を去って行き、荒川区の霧へと消えた。

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