〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百六十九話 漂うもの

ピグマリオンに紛れて襲撃してきたストライカー達と妖魔軍は、翔の活躍によって撃破された。ピグマリオン達はDollsの活躍により、殲滅された。

 

シオリ「他に気配はないようですね。…はぐれピグマリオンだったのでしょうか?」

 

ミサキ「ええ…巡回しておいたほうが良さそうね。前みたいな特殊個体がいなければいいのだけれど…」

 

翔「妖魔の特殊個体なんざ、屁でもねぇわ……」

 

すっかり怪我も完治した翔は、自身の実力を思う存分振る舞う事ができるようになっている。その為、パスト・アルカリアといった特殊個体はそれ程の脅威ではない。

 

PPP−−

 

カナ『…みなさん、ありがとうございます。通信はこのままつなげていて問題ないですか?』

 

愛「うん、お願い。」

 

通信機から聞こえて来るカナの声は、翔に語り掛ける。

 

カナ『翔君、聞こえていますか?』

 

翔「……。」

 

カナ『皆を守ってくれて、ありがとうございます♪』

 

翔「…俺はもう…ドールハウスの関係者じゃねぇ。偶々妖魔が居たから来ただけだ。」

 

通信機の向こうにいるカナに悪態をつく翔。

 

愛「敵意なんて出さなくても大丈夫だよ、翔君?皆はね、翔君にずっと会いたがってたんだよ。」

 

翔「……知るか。」

 

橋のフェンスに寄り掛かる翔は、相変わらず無表情を貫いている。

 

レイナ「ふう…つかの間の休息だったわね。」

 

シオリ「ふふ…でも地下での作戦と違って、景色がいいことが救いでしょうか。」

 

レイナ「ええ、そうね!それに…」

 

レイナは翔の方を見ながら言う。

 

レイナ「私達の大好きな翔君が、ここにいるもの。ポジティブに行きましょう。」

 

ヒヨ「うん、そうだね!翔さーん!!」

 

真っ先に翔へ駆け寄ったのは、ヒヨだった。サクラ、ヤマダ、ユキ、ナナミも…いや、Dolls全員が彼の元へ集まった。

 

翔(…コイツら、簡単に逃がしてはくれなさそうだ……だが、まぁ良い…この近辺にはまだ妖魔の匂いがするからな……)

 

翔は仕方なく、Dollsと共に荒川流域の巡回をする事にした。

 

 

 

河川敷をしばらく歩くメンバー達。

 

ナナミ「−−それにしても。」

 

サクラ「歩いても歩いても川ですね……1回の浄化ライブで足りるんでしょうか……」

 

ナナミ「さっき看板を見かけたんですが、荒川の全長はおよそ173kmとありましたよ。」

 

日本で15番目の長さを誇る荒川…その長さは先程ナナミが言った通り、全長は173kmだ。

 

ヒヨ「へ〜!じゃあはじっこまでかけっこしよっか!」

 

サクラ「そうですね!」

 

とんでもない提案をするヒヨに賛成するサクラ。

 

サクラ「って…ええぇぇっ!!??」

 

そして驚く。

 

ヒヨ「どっちいく?海のほう?逆のほう?」

 

翔「辞めておけ、エネルギーを過剰に消費しちまうだろ…それに、いざという時に戦えなくなったらどうする?」

 

冷静に言う翔。

 

レイナ「翔君の言う通りよ、ヒヨ……今は敵が現れたときのために体力を残しておきましょう。」

 

ヒヨ「あ、そっか!は〜い!」

 

翔とレイナの言葉を聞き、暴走寸前で収まったヒヨ。

 

ナナミ「危ないところでしたね……翔さんが居てくれて良かったです。」汗

 

思わずホッと胸を撫で下ろすナナミ。

 

レイナ「この荒川流域全域を浄化、ね…帰ったら、もう少し計画を詰めないと……」

 

愛「そうだね。向こうの岸なんて違う区だからねえ……」

 

ミサキ「地図でいうと、確か足立区…あら?」

 

その時、周囲に異変が起こり始める。視界がどんどん見えなくなり、やがて全体が白いモヤのようなモノに包まれた。

 

ナナミ「曇って…ますよね?向こう岸がなんだか…………」

 

ヒヨ「ほんとだ…雲がもくもく……?」

 

レイナ「違うわ、これは…−−−−」

 

発生したのは雲ではない。

 

アヤ「霧?さっきまで晴れてなかった?」

 

シオリ「でも…おかしいです。天気予報でもそんな……」

 

天気予報を見ると、今日は霧がかるという情報はどこにも載っていない。その時、通信機からカナが声を掛けてくる。

 

PPP−−

 

カナ『−−みなさん、聞こえますか?発生中の霧は自然現象ではないと分析されました!!』

 

愛「えっ!?」

 

翔「…。」スッ…

 

翔はバッジ型通信機を起動し、メンバー達に言う。

 

翔「俺だ、全員聞こえてるか?」

 

あから『あ、隊長殿!何か異変かい!?』

 

翔「そうだ。荒川流域に謎の霧が発生した、お前達は決して荒川区に立ち入るな。」

 

ほたる『ど、どうしてですか!?それじゃあ隊長サンが』

 

翔「最後まで聞け。視界が全く見えねぇ状況なんだ、下手すりゃあ脱出が困難になる。だが、通信機は問題なく使えるんだ。心配要らねぇよ。お前達は引き続き各任務に当たれ、いいな?」

 

彩羽『あ、待って翔君!!アタシも今からそっちに』

 

翔「来たらどうなるかわかってんだろォなァ?念の為もう一度警告する、荒川区には絶対に入るな。

 

彩羽『…わかった、わかったよ翔君。』

 

翔「それで良い、一旦切るぞ?」

 

STARSメンバー達との通信後、荒川区を巡回するモシュネ隊にも連絡を開始する。

 

翔「俺だ、応答しろ。」

 

モシュネ『はいモシュ!!隊長さん、荒川区が突然霧に包まれモシュた!!』

 

翔「その事だが、自然現象ではないようだ…お前達は編隊を組み直して本部に戻れ。誰一人逸れるんじゃねぇぞ?」

 

モシュネ『了解しモシュた!!』

 

モシュネとの通信を終えると、ネオディケイドライバーを装着する翔。

 

カナ『霧の出ている範囲の敵性反応上昇!EsG、発生源の探索中です!』

 

斑目『霧の外にいるな?今は視界の確保を優先、迂闊に近付くな!!』

 

通信機から聞こえて来るカナと斑目の声。翔は目で周囲を見回す。

 

翔(…感じる、化け物の匂いが……気持ち悪ィ程、プンプンするぜ……)

 

アマゾン化が進行し、嗅覚や聴覚までも優れた翔。彼が向いている方角は、3時の方角だ。 

 

カナ『ッ!?敵性反応出現!3時方向より接近中!!』

 

シオリ「来る…!テアトル、展開します!!」

 

やがて、3時の方向から無数の影が現れ、こちらにゆっくりと近付いて来る。

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