〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
翔「…よぉ、調子は……良くはねぇか…」
メンバー達の様子を見に来た翔。だが、メンバー達はまだ落ち込んでいた。そんな彼女達を見た翔は、こう言った。
翔「お前達、1〜2週間程休め。」
ほたる「……えっ?」
あから「しかし隊長殿…ボク達は妖魔から都民を守るために」
翔「バカ野郎、今の状態じゃあ都民を守れねぇだろ。あから、お前前に言ってたろ?『休憩だって大事な任務だ』…ってな。だからしっかり休め、何なら自分の好きな事でもして自分らしく過ごしてみたらどうだ?」
翔の言葉を聞き、メンバー達は黙り込む。
翔「俺も少し気分転換してぇって思ってたんだよ。電話対応とかは任せておけ。」
翔はそう言うと、デイルームから退室した。その後、依頼をしてくるクライアントの電話対応をする事に…殆どの者は納得したものの、中には納得しない者もいた。
クライアント『は?休み?いやいや、アンタらさぁ…俺達東京都民を守るためにいるんだろ?だったらつべこべ言わず依頼を受けてくれよ。』
翔「確かに俺達は都民を守るためにいる。だが、俺達だって意志のある人間だ。それに、できることだって限られている。活動するためのエネルギーだってな……」
クライアント『ふざけんじゃねぇ!!手を抜かねえっつったのはそっちだろうが!!』
翔「手を抜かねえ為には適度な休憩は必須、そう思わねぇか?」
クライアント『……でも』
翔「俺達STARSはなぁ、お前が思っているような都合の良い存在じゃあねぇんだ。そんな急な依頼であれば、害特にでも依頼したらどうだ?依頼をするのは勝手だが、こっちはそれなりの報酬をいただくぞ?払わねぇってんなら、地獄の果まで逃げようがどこまでも追いかける。」
クライアント『……!!』
翔の言葉を聞き、クライアントは逃げるように電話を切った。
翔(こういう輩もいるからなぁ、反吐が出るぜ……ったく、俺達は都合の良い道具じゃねぇってのによぉ……ま、今は外を歩くか…)
電話対応を終えた翔は、本部ビルを出て…東京の街並みを歩こうとする。本部ビルを出てすぐ、一海達と出逢った。
一海「よぉ、翔!!」
翔「…久しいな。」
一海達と逢うのは随分久しぶりであった。彼らは変わらず元気そうだ。
紫「しかし、良い場所に拠点を構えたんだな。」
翔「ここの夜景はスゲェぜ?」
友香「良いですね♪そうです、久しぶりに私達と遊びに行きませんか?」
諒芽「賛成賛成!!なぁ翔ちん、行こうぜ行こうぜ!!」
翔「わかったわかった、だから引っ張るな…」
諒芽に引っ張られながらも、翔は久しぶりに友人達と遊ぶ事にした。アミューズメントパークにてUFOキャッチャーやゲームをしたり、仮面ライダー関連グッズを買ったり、カフェでお茶をしたりと…有意義な時間を過ごした。
一海「なぁ翔、1つ聞いても良いか?」
翔「…何だ?」
一海「どうしてドールハウスを離れたんだ?」
翔「…それを知ってどうする?」
一海「あ、いや…答えたくなければ答えなくて良いんだ……ただ、信頼できる仲間達の元を離れたのが気になったんだ。」
翔「……。」
一海の言葉を聞き、黙り込む翔。
翔「…話しても良いが、場所を変えよう。」
食事を終え、会計を済ませると…翔達は若州海浜公園にやって来た。ベンチに座ると、翔は一海達にドールハウスから去った理由を話し始める。
翔「結論から言うと、七草さんの左腕を喰っちまったからだ……アマゾン細胞が覚醒した事で、アマゾン化が著しく進行してな……食人衝動を抑えられなくなった。だからな、これ以上ドールハウスの連中を…仲間達を傷付けたくなかった……だからドールハウスを離れた。」
一海「……そうだったのか…」
理由を語る翔は、心做しか悲しげな顔をしているように見えた。
紫「翔、ドールハウスの人達はお前を責めたりしたのか?」
翔「…いや、責めはしなかった……『生きていくのに当たり前の行為をしただけだ』って、皆口を揃えて言った……」
紫「そうか。」
友香「アマゾンだから人間を食べちゃいけない理由は、私にはわかりません。でも、これだけはわかります…生きていく為には、食事は必須です。」
諒芽「俺もそう思う。本当に美味いモン食ってる時ってさ、幸せなんだよなぁ〜。」
翔「……。」
一海達の言葉を黙って聞く翔。
一海「翔、お前は昔から1人で抱え込むタイプだからなぁ…」
翔「…何が言いたい?」
一海「いやいや、何かあった時はいつでも頼ってくれよって言いたいんだ。お前は俺達にとって、大切な友達であり仲間でもある。困った時は、お互い様だろ?」
翔「…そうか。」
一海達に話した事で、どこかすっきりしたような顔をする翔。そして、ベンチから立ち上がった時……次元の歪みが発生し、黒い穴が開く。それがガラスのようなヒビが入ると、中から4体の妖魔が出現した。
翔「…
現れたのは旧式妖魔なのだが、腕が大きく翼のように動かし空を飛んでいる。
一海「皆、行こうぜ!!」
紫「ああ!!」
友香「はい!!」
諒芽「おう!!」
一海達はゲネシスドライバーを装着すると、それぞれのエナジーロックシードを取り出し、起動させる。
すると、彼らの頭上にクラックが開き…そこからフルーツの形をしたアームズが降りてくる。彼らはドライバーにエナジーロックシードを取り付け、ロックをする。
その後、ドライバーのハンドルを強く押し込むと、エナジーロックシードが展開…液状のエネルギーがドライバーに蓄積され、彼らの頭部にアームズが覆い被さる。
ドライバーから音声が響くと、一海達の頭部に被さっていたアームズが鎧へと変形し始める。やがて、彼らが鎧に包まれていくと果汁が周囲に撒き散り、次世代アーマードライダーへと変身が完了する。
斬月・真「俺の名は、アーマードライダー 斬月・真!!」
バロン「アーマードライダー バロン!!」
マリカ「アーマードライダー マリカ!!」
シグルド「アーマードライダー シグルド!!」
一海はアーマードライダー 斬月・真に、紫はアーマードライダー バロン(レモンエナジーアームズ)に、友香はアーマードライダー マリカに、諒芽はアーマードライダー シグルドへと姿を変え、専用武器『ソニックアロー』を構える。その時、再び次元の歪みが発生し…無数の偵察型妖魔が姿を現した。
翔「お前達、雑魚は任せろ!!飛翔型妖魔をやれ!!」
斬月・真「わかった!!」
飛翔型妖魔を次世代アーマードライダー達が…偵察型妖魔の群れは翔が担当する事に…翔は妖魔の群れに向かって行き、肉弾戦を始める。次世代アーマードライダー達はソニックアローから矢を放ち、飛翔型妖魔を攻撃する。
シグルド「くそっ、ちょこまかとすばしっこい奴だ!!」
バロン「そのまま矢を撃ち続けろ!!降りてきた所を斬る!!」
飛翔型妖魔は素早く上空を舞い、ライダー達を翻弄する。1体の飛翔型妖魔が地上に降下して来た時、それを待っていたマリカがソニックアローの刃で妖魔に斬撃を繰り出す。
マリカ「はいっ!!」ズパッ!!
妖魔1「!?」
斬りつけられた妖魔は、地面に落下する。その妖魔に、更に追い打ちをかけるマリカ。2体目の飛翔型妖魔が、マリカに攻撃しようと降下して来る。
斬撃・真「お前の相手は俺だ!!」ザシュッ!!
妖魔2「!!??」
その妖魔に、斬撃・真がソニックアローで攻撃する。地面に落下したタイミングで馬乗りになり、連続パンチをお見舞いする。
バロン「っ!!」バシュッ!!
ズダァンッ!!
妖魔3「!!」
シグルド「くらえっ!!」バシュッ!!
ズダァンッ!!
妖魔4「!?!?」
シグルド「よっしゃ命中!!」
バロンとシグルドも飛翔型妖魔を撃ち落とす事に成功し、地上で戦闘を始める。
翔「ムンッ!!ハァッ!!」ドゴォッ!!ドゴォッ!!
偵察型妖魔の群れと戦闘を繰り広げる翔は、格闘戦で妖魔達を圧倒する。『妖魔退治』の専門家という異名を持つ彼にとって、偵察型妖魔の群れはそれ程の脅威ではない。怪我も完治した事で、全力を出せるようにもなっている為、偵察型妖魔はどんどん減って行く。
翔「そらよぉっ!!」ブオォンッ!!
最後に回し蹴りを繰り出し、偵察型妖魔の群れは全滅した。次世代アーマードライダー達も、飛翔型妖魔にダメージを与え続け、優位に立っている。
斬撃・真「トドメだ!!」
斬撃・真の言葉を合図に、次世代アーマードライダー達はゲネシスドライバーのハンドルを1度押し込む。
ドライバーから音声が響き渡ると、次世代アーマードライダー達は空高くジャンプする。そして、空中で一回転し、ライダーキックを繰り出した。飛翔型妖魔達はライダーキックを同時に受ける。ライダー達が地面に着地すると、飛翔型妖魔は爆散した。
蜜璃「…あ、これって……」
深雪「蜜璃さん、どうしました?」
ドールハウスの医務室にあるTVに、ニュース速報が報道される。江東区にある海浜公園にて、妖魔が現れたが、次世代アーマードライダー達と翔によって撃破されたという内容だ。
深雪「翔君、一海君達と一緒に…また人助けをしたんですね。」
蜜璃「うんうん!流石、翔君だね!!一海君達もスゴいスゴい!!」
翔を思い続ける2人の女医は、彼らの活躍を喜ぶと同時に…翔の無事を知って安堵するのであった。