〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百七十九話 実力の差

その頃、富士の樹海では……

 

依咲里「に、二穂様…爆買いはお控えください……」

 

二穂「私はただ、欲しい物を手に入れたいだけだ!!」

 

小織「陽奈姉…またブランド物買ったの……?」

 

陽奈「別に良いじゃん、欲しかったのを買って何が悪いのさ?」

 

あおい「ええい!!必要ない物を買うなと言ってるだろう!!」

 

栞「もう資金が底を尽きそう…サイアク……」

 

ストライカー達が何やら揉めている。主に妖魔を使って資金を盗ませ、自分達の物にしていたのだが……そのせいで、大金を湯水のように使うメンバーが現れたのだ。今まで手の届かなかったブランド品を簡単に購入する事ができ、それ以来買い物が辞められなくなってしまったのだ。そのせいで、資金が殆ど無くなってしまったのだ。

 

悠水「せめて考えて買ってよぉ!!このままじゃ晩御飯抜きになっちゃうよぉ!!」

 

サトカ「嗚呼…お腹が、空いたですよ……」

 

天音「ちっ、また不採用…このアタシを落とすなんて、目の無い奴……」

 

真乃「天音、いい加減現実見よう……今の状況でアイドルになるなんて」

 

天音「うっさい!!アタシはアイドルになる運命なのよ!!」

 

相変わらずお互いを信頼し合ってない彼女達は、どんどん仲が悪くなっていくばかりだ。離れたいと思っても、どこにも行けず…結局、ここに残るしかないのだ。今更ストライカーを辞めたとしても、顔は既に世間に知られてしまっている。それもその筈、目の前の目的ばかりに目を向け…後先考えずに悪事を続けて来た結果だ。

 

昇「…ぇゔ……ゴ…がぁ……」

昇(もうやめてくれ、仲間同士で争ってたって何にもならないだろ……!!)

 

ストライカー達の争いを止めたい昇だが、怪我のせいで思うように身体が動かない。

 

イミナ「おい、1番の金食い虫が何か言ってるぞ?」

 

ノエル「人間の言葉で喋ってくださいます?あ、喋れませんのよね…ふふふっ、不様なものですこと。」

 

言葉を発することすら難しくなった昇を馬鹿にするストライカー達。

 

シャルロッテ「次はワタシ達が出撃するデス!ドールハウスの女医を殺害すれば、診る者が居なくなる筈デス!!」

 

ターニャ「シャルロッテさん、流石ですね。」

 

ノエル「言われなくとも、私もフェイとモニカをぶちのめしたいと思っていましたので。」

 

シャルロッテ、ターニャ、ノエルは複数の偵察型妖魔を引き連れ、時空の歪みに入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蜜璃「いっぱい買ったね、深雪ちゃん♪」

 

深雪「そうですね、蜜璃さん。それにしても、そんなに沢山の荷物を持って大丈夫なんですか?」

 

蜜璃「大丈夫!!だって私、力持ちだから♪それに、左腕も少しずつ動くようになってきたからね♪」

 

その頃、東京渋谷区には…買い物帰りの深雪と蜜璃の姿があった。

 

蜜璃「Dollsの皆も愛ちゃんも羨ましい、私も翔君に逢いたいなぁ。」

 

深雪「それは、難しいと思います。」

 

蜜璃「…そうだよね。だって翔君、STARSっていう戦闘組織の隊長だもんね。無理してないかな、怪我とか病気とかしてないかな…?」

 

中々逢えない翔を、誰よりも1番心配していたのは蜜璃だった。自分の腕を喰った事の罪悪感から戻って来ない事も、蜜璃は知っている。

 

蜜璃(あれは事故だったんだ…翔君はただ、お腹が空いていただけ…生きる為に私達が行っている当たり前の事をしただけ……だから、翔君は何も悪くない……)

 

翔が蜜璃の腕を喰った“あの事件”は、ドールハウスの関係者のみが知っている事で、世間には知れ渡っていない。世間に知られてしまっては、たちまち翔が批判されてしまう…この世界の住人として暮らしている彼を守る為、ドールハウスはあの事件の真相を誰にも話していない。その時、上空に黒い穴が出現し、それが段々大きくなっていく。『次元の歪み』…それは、妖魔が出現する合図である。

 

深雪「…あれは!?」

 

蜜璃「えっ、何!?」

 

戸惑う深雪と蜜璃。周囲の者達も、皆混乱し始める。

 

「おい、何だよあれ!?」「ブラックホールか!?それとも……」「おい、何か出てくるぞ!!」

 

やがて、次元の歪みから複数の偵察型妖魔が現界する。続いて、3人のストライカー達も地上に降り立った。

 

ノエル「愚かなる庶民達、ごきげんよう。我々はストライカーチーム『アマンド・フォーマルハウト』ですわ。」

 

ターニャ「隊長の居場所を知りませんか?」

 

シャルロッテ「死にたくなければ、我々の指示に従うデス!!行け!!」

 

シャルロッテが指揮棒を掲げると、偵察型妖魔達が都民達に襲い掛かる。途端に悲鳴が辺り一面にこだまする。しかし、その時……銃声が響き渡り、偵察型妖魔達が次々消滅していく。

 

「おい、都民に手ェ出そうとすんじゃねぇよ。」

 

蜜璃「こ、この声…!」

 

深雪「ふふっ、頼もしい救世主が来たようですね。」

 

何処からか聞き覚えのある声が聞こえると、ガンモードのライドブッカーを構える翔がストライカー達の前に歩いて来た。彼の両隣には銃剣を構えるフェイとモニカがいる。

 

シャルロッテ「伍長を探す手間が省けたデス。」

 

翔「こっちはお前達の動きなんざ、全部読んでるんだよ。俺達STARSが居るからには、好き勝手できると思ってんじゃねぇ。」

 

ノエル「フェイ、漸く見つけましたわ…よくも私達を騙してくれましたわね?」

 

フェイ「いやぁ、ホント…フェイちゃんの演技が上手すぎてごめん。自分でもここまでできるなんて思ってなかったんだ。許してよね、イェイ♪」

 

ターニャ「……モニカさんもフェイも、私が倒すます。」

 

モニカ「笑わせないでよ、今までまともに戦えなかったクセに…それに、訓練もサボってたアンタ達じゃ、誰と戦っても負けるだけだよ?」

 

フェイの煽りに眉間にシワを寄せるノエルと、モニカの言葉に反論できないターニャ。

 

翔「てめぇは、何か言う事ねぇのか?」

 

シャルロッテ「なら、さっさと私達の元に戻って来るデス!!あんな無能より、伍長の元にいたほうが楽デス!!何なら、ワタシ達をスカウトするデス!!」

 

翔「どっちもお断りだ。」ガチャッ……

 

翔はネオディケイドライバーを装着すると、ドライバー操作を行い、ライドブッカーからライダーカードを取り出す。

 

 

《KAMEN RIDE》

 

 

翔「変身…」ハァ…

 

 

《DECADE》

 

 

気だるげにため息を着きながら、仮面ライダーディケイドへと姿を変えた翔。

 

モニカ「フェイ、ロッティとかターニャの相手頼んでいい?ノエルはアタシがやる。」

 

フェイ「りょーかい!!」

 

モニカとフェイも新型パトリ端末にメモカを挿し込み、幻装変身の衣装を身に纏った。モニカは2丁の光線銃を、フェイは(げき)を構える。

 

シャルロッテ「いくら変身しようが、こっちには妖魔軍がいるデス!!さぁ、かかれ!!」

 

シャルロッテは意気揚々と指揮棒を前に突き出しながら叫ぶ。だが、妖魔はどこからも出て来ない。

 

ノエル「ちょっと、妖魔軍が出てきませんわよ!?」

 

ターニャ「…どうして?」

 

不測の事態に混乱するストライカー達。隠されていた妖魔軍は、既にモシュネ達が撃破していたのだ。

 

ディケイド(モシュネ達、よくやってくれた。)

ディケイド「…更に奴らを混乱させる、行くぞ!!」

 

ディケイドの言葉を合図に、STARSはストライカー達に向かって行く。ディケイドとフェイは、ターニャとシャルロッテと近接戦を開始する。

 

ターニャ「はっ!!」ブンッ!!

 

ディケイド「遅い…ハァッ!!」ガッ…ドゴッ!!

 

ターニャの攻撃を受け流し、パンチを当てるディケイド。

 

フェイ「よっ!!」

 

シャルロッテ「!?」

 

ガキンッ!!

 

フェイが振り降ろした戟を、指揮棒で受け止めるシャルロッテ。

 

ターニャ「シャルロッテさん…!」

 

ディケイド「何処へ行く?」

 

シャルロッテを救出しようとするターニャの前に立ち塞がるディケイド。

 

ディケイド「モニカ、ひたすら撃ち続けろ!!」

 

モニカ「ラジャー、ほらほら!!」ズギュンッ!!ズギュンッ!!

 

ノエル「ひゃあっ!?ちょっと、お待ちなさい!!」

 

モニカは得意の早撃ちで無数の光線を放ち、ノエルを撹乱させる。ノエルは反撃するどころか、銃すら構えられていない。ただ、飛んで来るレーザーから逃げるだけだ。

 

ディケイド「フェイ、お前なりのやり方で良い!!相手を煽りまくれ!!」

 

フェイ「わかった!!やーいやーい♪」

 

ディケイドの指示を受けたフェイは、シャルロッテを煽り始める。

 

シャルロッテ「この、調子に乗るなデス!!」

 

怒ったシャルロッテは闇雲に指揮棒を振り回すが、フェイは軽々と攻撃を躱す。

 

フェイ「あらら〜、全然攻撃が来ないなぁ〜?ロッティはどこだ〜?」

 

シャルロッテ「〜〜ッ!!」ブンッ!!ブンッ!!

 

フェイ「ふんふん〜♪」

 

呑気に鼻歌を歌いながらシャルロッテの攻撃を避け続けるフェイ。

 

ディケイド(フェイとモニカ、完全に舐めプしてやがるな…だが、それで良い。)

 

ディケイドはターニャの攻撃を受け流しながら、メンバー達の様子を伺う。

 

深雪「皆さーん、慌てずに落ち着いて行動してくださいねー!!」

 

蜜璃「押さないでください、こっちですよ!!」

 

STARSがストライカー達の相手をしている間に、一般都民の避難誘導を行う深雪と蜜璃。市民全員の避難が完了した時、STARSは本気を出し始める。

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《KUUGA》

 

 

ディケイドは『ディケイドクウガ』になると、シャルロッテの指揮棒をはたき落とす。その後、シャルロッテを中段蹴りでふっ飛ばし、指揮棒を専用武器『ドラゴンロッド』に変える。そして、ターニャの方へ歩いて行き、棒術技で攻撃を始める。

 

フェイ「おぉ、さっすがたいちょー!!フェイちゃんも負けてられないなぁ。」

 

モニカ「アタシも燃えてきたぁ!!」

 

フェイは中国拳法でシャルロッテに攻撃を始め、モニカは2丁光線銃からレーザーをノエル目掛けて放った。

 

蜜璃「スゴいスゴい!!翔君達が押してる!!」

 

深雪「STARSの皆さん、流石です。」

 

「行けぇライダー!!」「STARSの姉ちゃん達も頑張れー!!」

 

戦場と化した場所から離れた場所に避難した一般都民達は、ディケイドとフェイとモニカを応援する。ストライカー達はSTARSに押され、ボロボロになっていた。ディケイドクウガはドラゴンロッドを宙に投げ、ドライバーにカードを装填する。

 

ディケイドクウガ「フィナーレだ。」

 

 

《FINAL ATTACK RIDE》

 

《KU KU KU KUUGA》

 

 

ドライバーから音声が響くと、ディケイドクウガは落ちて来たドラゴンロッドをキャッチし、ストライカー達目掛けて槍投のように投げた。それと同時に、フェイも戟を投げ、モニカは2丁光線銃からレーザーを放った。ストライカー達の身体が爆発に包まれて行く。やがて、爆煙が晴れると…ボロ雑巾と化したストライカー達が倒れていた。STARSの勝利だ。その瞬間、彼らの勝利を確信した一般都民達の歓声が響き渡った。

 

ディケイドクウガ「点呼取るぞ、フェイ。」

 

フェイ「は〜い♪」

 

ディケイドクウガ「モニカ。」

 

モニカ「はいっ!!」

 

ディケイドクウガ「大丈夫か、気分悪くねぇか?」

 

モニカ「平気平気♪」

 

フェイ「今は最高の気分だよ~♪」

 

ディケイドクウガ「そうか、なら良かった。」

 

点呼を取り終えたディケイドクウガは変身を解除し、翔の姿に戻った。

 

蜜璃「翔君!!」

 

蜜璃は翔を元へ駆け寄る。

 

蜜璃「やったね翔君、勝ったんだね!!」

 

翔「……。」

 

深雪も翔達の元へ歩み寄る。

 

深雪「お久しぶりです、皆さん。体調崩してませんか?」

 

蜜璃「皆はちゃんとご飯食べれてる?」

 

モニカ「大丈夫です。気にかけてくれてありがとうございます、蜜璃せんせー。」

 

フェイ「フェイちゃん達は元気ですよ、深雪せんせー♪」

 

蜜璃と深雪の質問に笑顔で答えるモニカとフェイ。

 

翔「……。」チラッ…

 

思わず蜜璃の左腕を見る翔。それを見た蜜璃は、翔に優しく微笑む。

 

蜜璃「大丈夫だよ、翔君。少しずつ動かせるようになってるから♪」

 

翔「……七草さん。」

 

深雪「Dollsの皆さんも、翔君に逢えるのを楽しみにしています。勿論、蜜璃さんと私もですよ?」

 

翔「……胡蝶さん。」

 

深雪も翔に優しい笑みを見せる。2人の笑顔を見た翔は、彼女達に背を向けると……

 

翔「…撤収だ。」

 

…と言い、歩き出した。

 

フェイ「ちょっ、待ってよたいちょー!!」

 

モニカ「深雪せんせー、蜜璃せんせー、またねー♪」

 

深雪「はーい、さようなら〜♪」

 

蜜璃「うん、またね♪」

 

夕焼け空の方に歩いて行くSTARSを見送った深雪と蜜璃も、ドールハウスへと帰るのであった。

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