〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
ある日の休日、ドールハウスでは翔の話で盛り上がっていた。
ヒヨ「えー!?深雪せんせーと蜜璃せんせー、翔さんにあったのー!?」
蜜璃「うん、買い物帰りにね♪」
深雪「その時は妖魔とストライカーが出たんですけれども、それと同時に駆け付けてくれたんです。」
それは昨日の買い物帰りの時…突如時空の歪みが出現し、妖魔を引き連れたストライカー達がこの世界に現界した。その時、STARS構成員と共に翔が現れ、妖魔とストライカー達を撃破したのだ。中々翔に逢えないDollsは、皆彼に逢いたいのだ。
アヤ「ねぇ、翔の顔色はどうだったの?」
深雪「特にお変わりありませんでした。」
蜜璃「そうだ、今日はチームBの皆はオフの日だよね?街を歩いていたら、翔君に逢えるかもしれないよ?」
ナナミ「いや、そうとは限らないじゃないですか…」汗
レイナ「反対に逢えないとも限らないわよ?」
ヒヨ「だったら、翔さんを探しにいこー!!」
蜜璃の言葉を聞いたヒヨは、パタパタと外へ向かって行く。
ナナミ「ちょ、ヒヨさん!?」
レイナ「私達もヒヨに続きましょう♪」
ナナミ「えぇ……」汗
レイナとナナミも、ヒヨの後を追う形で外出した。
ドールハウスを出たチームBの3人は、STARS本部ビルがある江東区に来ていた。ここに来れば、翔と逢える確率が上がると考えたからである。
ヒヨ「すたーず本部ビルって、どれだろう?」
ナナミ「豊洲市場近くにあるとは聞いているんですけど……」
レイナ「いいえ、正確にはゆりかもめ車両基地近くよ。ほら、見えてきたわ。」
ゆりかもめの国際展示場駅から歩くと、車両基地が見えてくる。その左に、1つの大きなビルが建っている。このビルこそ、STARS本部ビルである。政府非公認戦闘組織『STARS』の拠点であり、STARS隊長の翔がいる場所でもある。
ヒヨ「翔さんいるかなー?あそこまできょーそーしようよ!!」
ナナミ「ヒヨさーん、走ると危ないですよー?」
レイナ「ふふっ、ヒヨったら…よっぽど翔君に逢いたいみたいね。」
STARS本部ビルへと向かうチームBの3人。そこに、楓が現れる。
楓「あら、こんにちは。」
ナナミ「あ、貴女は…確か、山吹 楓さん、ですよね?」
楓「はい、そうです。」
レイナ「こんにちは楓、もしかして買い物帰りかしら?」
楓「えぇ、今日は非番ですので。でも、本部で待機しているのも退屈なので外出する事にしたんですよ。」
あから「ん?おーい、山吹くーん!!」
DollsチームBと話す楓の元に、あからがやって来る。彼女はSTARS副隊長であり、自主的に巡回を行っているのだ。
ヒヨ「あ、あからちゃん!!」
あから「やぁ、DollsチームBの皆さん!!お久しぶりです。」
レイナ「久しぶり、あから。元気そうで何よりだわ。」
あから「あはは、ボクならこの通り元気ですよ!!ところで、皆さんはどうしてここに?仕事で来たんですか?」
ナナミ「いえ、今日はオフなので少し観光に。」
ヒヨ「ヒヨ達はね、翔さんを探しにきたんだよー!!」
あから「成る程。隊長殿なら巡回に行ってるんですけど、そろそろ戻って来る頃ですよ?」
どうやら翔も巡回に行っており、もうすぐ戻って来るようだ。あからの言葉を聞き、チームBの目が一層輝く。その時、駅の方角から何かが高速で近付いて来るのが見えた。
あから「皆、避けろ!!」
あからの言葉を合図に、メンバー達は左右へと移動する。その直後、近くに刃が振り降ろされ、砂埃が発生する。それを払ったのは、侵略型妖魔『アグローナ』だった。この個体は、ポニーテールのような頭で、背中にはボロボロのマントを身に付けている。右腕の刃は小太刀のように短い。
楓「侵略型妖魔!?」
あから「皆さん、下がって!!」
楓とあからは新型パトリ端末にメモカを挿し込み、幻装変身の衣装を身に纏う。その時…アグローナが何者かに攻撃され、地面を転がる。その直後、メンバー達の前に1人の男が降り立った。
翔「楓、あから…今日は非番だろ?」
あから「た、隊長殿!?」
楓「あら、良い時に来てくれましたね。」
現れたのは、チームBの3人が探している翔本人だった。
翔「アイツ、別個体のようだな。奴は俺が潰す、お前達はDollsチームBを守れ。」
翔はそう言うと、右袖から警棒を出し、逆手持ちする。
ヒヨ「おー、翔さんだー!!あいたかったよー!!」
翔「その為にわざわざここまで来たのか…?」
ナナミ「わ、私達だって寂しいんですよ!?逢いに来たら、悪いですか?」
翔「んな
レイナ「…翔君、私達もいつでも戦えるわ。」
翔「不要だ、奴は俺の獲物…邪魔だけはすんじゃねぇぞ。」
翔は腰をどっしりと落とすと、『俊敏体アグローナ』目掛けて高速で接近する。俊敏体アグローナも、翔目掛けて高速で接近する。互いの武器がぶつかり合い、火花が発生する。その後、両者高速で武器を振るい、火花を辺りに散らす。
あから「は、速い…!」
楓「動きが、見えないわ…」
ゆりかもめ車両基地に逃げる俊敏体アグローナを追跡する翔。両者の動きは、まるで忍者のようだった。車両の屋根から別の車両の屋根に飛び移り、攻撃を仕掛ける翔。
ガガガガガッ!!
互いの武器がぶつかり合う中、翔は僅かな隙を見抜き…俊敏体アグローナの足元に蹴りを入れる。彼の攻撃が命中すると、俊敏体アグローナは転倒する。その直後、翔は警棒を振るって俊敏体アグローナの腕に付いている小太刀を折った。そして、馬乗り状態になると俊敏体アグローナに高速連続パンチをマシンガンのように打ち込む。やがて、俊敏体アグローナの顔面が異常な程に変形したタイミングで、首を掴んで宙に放り投げる。そして、落ちて来た所に連続蹴りを打ち込み、最後は地上に叩き付けた。俊敏体アグローナは、身体があらぬ方向に曲がり、行動が困難になった。しかし、少しずつであるが…身体が元に戻っている。
翔(アイツ、再生もできるのか…ならば、二度と再生できねぇようにするまでだ。)
翔は警棒を持ち直すと、それを高速に振るい、俊敏体アグローナを攻撃する。彼が持っている武器は打撃用の武器であるにも関わらず、俊敏体アグローナの身体が細切れになって行く。やがて、俊敏体アグローナの全身がサイコロステーキ状になると、静かに消滅した。
あから「流石隊長殿だ。」
翔「あまり客人を待たせるわけにはいかねぇだろ?」
妖魔を討伐した翔は、メンバー達の近くに来る。
翔「ここまでよく来たな、歓迎する。」
レイナ「ふふっ、歓迎してくれてありがとう♪」
翔「立ち話も疲れるだろう、着いて来い。」
翔はチームBの3人を歓迎するため、あからと楓と共に本部ビルへと案内した。
陽奈「まぁた浮気してる、たいちょー……女癖が悪いなぁ……」
小織「隊長…小織達のことも、構って欲しい……」