〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百八十五話 感情というデータ

翔との戦いから戻ったDollsは、まだ戦闘衝動があり…休むこと無く、シミュレーションルームへと向かって行った。愛と深雪と蜜璃は、斑目とカナに翔がDollsと戦闘を行った事を報告した。

 

斑目「何だと、そんな馬鹿な…!!」

 

カナ「嘘、翔君が……!?」

 

そんな筈は無いと思いたかった斑目とカナだったが、愛が撮影した映像を見て…それが現実だと確信した。しかし、未だに理解が追い付いていない様子だった。そして、今回現れた未知生命体『ホースオルフェノク』について、深雪と蜜璃が報告する。

 

深雪「馬のような姿をした怪人さんが、皆さんを助けてくれたんです。」

 

蜜璃「えっと、名前は…そう、ホースオルフェノクです…!!」

 

カナ「オルフェノク!?あの、仮面ライダー555に登場する怪人…!?」

 

斑目「今回、オルフェノクはドール達を守った…しかし、まだ味方であると認識するには速いだろう……まずはドール達の様子を見ることが先だ。愛、深雪、蜜璃、引き続き頼んだぞ。」

 

愛「わかりました。」

 

ドールハウス専属医達は、シミュレーションルームへと足を運んでいく。

 

斑目「翔…我々に牙を剥くのには、理由があるのか…?」

 

カナ「確かに…何の理由も無く、Dollsの皆を攻撃するなんて…考えられません……あ、ドレスの解析をしなければ…!!」

 

カナもシミュレーションルームへ向かい、Dollsの衣装を調べる事にした。

 

 

 

その頃、シミュレーションルームでは……Dollsが幻想ピグマリオンと戦闘を行っていた。

 

アヤ「ヤマダ、そっちに行った!!」

 

ヤマダ「見えてますよ〜ふひひ…はははははあっ!!さっさと、消えろっす…!!」

 

シミュレーターで戦闘を行うDollsは、いつものDollsではなかった…獲物を狩る獣のような目を見せ、幻想ピグマリオンを次々と葬っていく。

 

愛「仮想生体数値、ゼロになった…みんな、シミュレーション終わりだよ!?」

 

愛がシミュレーション終了を告げても、まだ彼女達の戦闘衝動は消えない。

 

ヤマダ「ほらほらほら、消えろ消えろ消えろ…ッ!!」

 

ヤマダは狂ったようにブンブンと武器を振り回す。

 

愛「ヤマダちゃん!!もう終わり!!戦いは終わったの!!」

 

ヤマダ「はぁ?こんなんじゃ終われねぇっすよ…」

 

アヤ「愛さん、次!!」

 

愛「……。」

愛(…ダメだ、皆は戦闘衝動に支配されてる…どうしたら……)

 

そこに、カナが到着する。

 

カナ「…みなさん、どうしたんでしょう…?解析なんかしなくても、わかります。」

 

愛「カナちゃんにも、わかるの…?みんなが変わったって……」

 

カナ「はい…これは、単純なバイタル上昇なんかじゃありません。感情…ううん、生存本能にあぶられているみたい…見てるだけでも……私……」

 

シミュレーターで戦いを続けるDollsを見て、複雑そうな顔をするカナ。

 

愛「……。」

 

カナ「…愛さんは、どう思います?このドレス……奇跡について……」

 

愛「…それは……えっと………」

 

カナの問いに、愛は何も答えられなかった。

 

カナ「あ、すみません。聞いてみただけで、他意はないんですが……私自身、今この状況は想定外すぎて……

 

ユキちゃんの不調

 

ドールハウスの主幹であるEsGのダウン

 

翔君がDollsと敵対

 

…混乱した状況……戦力アップは望ましいのですが…理由がわからないだけに、怖いんです。特に、みんなが大好きな翔君が…みんなに攻撃をしたのが……もしかしたら、翔君は……もう、戻って来ないのでしょうか………」

 

度重なる想定外の自体……混乱に包まれるドールハウス……そして、何より…翔がDollsと戦った事…何もかもがわからず、カナは目に涙を浮かべていた。

 

愛「……カナちゃん。」

 

カナ「そして、そうやって不安を感じるたびに……今までどれだけEsGや翔君に頼っていたか、見せつけられているみたいで−−」

 

愛(…確かに、カナちゃんの言う通り……アタシ達が、これまで上手くやって来れたのは、そのEsGや翔君が頑張ってくれたお陰……アタシ達は、あまり自分で判断して動いていなかった……のかな……?)

 

カナ「−−っ!?失礼しました、愛さん。ケアのほうはお願いしますね。今回のユキちゃんの不調に、明らかにチームCの2人が動揺していますので。ヤマダちゃん、すごく気を張っていますし…アヤちゃんも抱え込んじゃうほうですから……」

 

アヤ「愛さん、次!!」

 

愛「…もう休もうよ、ほら…蜜璃ちゃんが新作スイーツを作ってくれたから…」

 

蜜璃「うん!!ね、みんな…少しだけ休憩しよ?」

 

チョコレートタルトを持って来た蜜璃と共に、休憩を促す愛だが……

 

ヤマダ「まだ暴れ足りねぇっす!!早く次おなしゃす!!」

 

Dollsはまだ戦いを続けるようだ。

 

カナ「……シミュレート、データチェック、OKです……」

 

カナは口角を下げ、シミュレーターを操作した。まもなく、幻想ピグマリオンと幻想妖魔が出現した。

 

カナ(データ……人の感情というデータを……どうやってEsGは……)

 

深雪「…カナさん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、STARS本部ビルでは……

 

「えっ!?Dollsに敵対する!?」「隊長さん、いったいどういうことですか!?」「どうしてドールハウスと戦うんですか!?」「何か理由があるのかい!?」

 

ドールハウスと敵対する事を翔が話すと、STARSメンバー達は混乱し…質問攻めを開始した。翔はため息を着くと……

 

 

翔「黙れよ!!

 

 

…と、大声で怒鳴り立てた。その直後、場がシーンと静まった。

 

翔「ちゃんと理由はある。今からそれを話すから、よく聞いとけよ?」

 

何故ドールハウスと敵対するのか、翔はその理由を話し始める。

 

翔「お前達は、ダイダロスの件を覚えているか?」

 

翔の言葉に、メンバー達は頷く。

 

翔「あの時、ストライカー共は俺じゃなくてDollsに目をつけた。任務で疲れている所を襲撃する為にな……」

 

マリ「あったね、そんな事が。」

 

モニカ「ストライカー達、本当に悪賢い…」

 

翔「だろ?そこでだ…俺達は“敢えて”ドールハウスと敵対する。本気じゃねぇ…敵対しているように見せるんだ。」

 

ほたる「敵対するフリ…もしかして、隊長サン…Dollsの皆さんをストライカー達から守るためにやるんですか?」

 

翔「その通りだ、ほたる。そうすりゃあ、奴らはDollsに目を向けず、俺達に目を向ける筈だ。ドールハウスがストライカーや妖魔から狙われなくなれば、成功だ。ただな…相手を騙すなら、本気でやらなければならねぇ。本心では敵対するフリだが、表面上では本気で敵対しろ。当面、我々STARSはドールハウスを敵と見なす。終わりの時期が来たら、俺から全員に知らせる。」

 

ダイダロスで任務をしていたDollsは、ストライカー達から狙われ…殺されそうになった。しかし、それをいち早く知った翔が産み出した殺戮兵器『仮面ライダー滅亡迅雷』によってDollsは守られた。だが、翔がドールハウスを離れ、Dollsが新たな任務を遂行し始めた所で…ストライカー達が妖魔と共にDollsを狙い始めた。相手も、翔とドールハウスが友好関係である事を知っているから…そこで、Dollsがストライカー達から狙われないようにする為、翔はドールハウスと敵対関係(仮)を行う事にしたのだ。翔の説明を聞いて、漸く納得するSTARSのメンバー達。

 

幸子「でも、Dollsの皆さんと敵対…ですか……」

 

翔「幸子、戸惑う気持ちはよく分かる。世話になったもんな?」

 

幸子「はい、そうですね……」

 

雪枝「私も、ちょっと……」

 

翔「まぁ、お前達はDollsに攻撃しなくても構わん…それは、俺がやるからな……」

 

彩羽「でも翔君、翔君だって…Dollsの皆にお世話になったよね……?」

 

翔「まぁな……本当に助けられた………だが、俺の性格はお前達もよく知ってるだろ?」

 

相手が世話になった者であるが故に、躊躇いが出てしまうメンバー達。だが、翔だけは躊躇いが無かった。

 

フェイ「たいちょーは優しい…うん、フェイちゃんも知ってるよ?」

 

翔「違う…俺は、冷酷非道だ……初めは、アイツらによく悪態ついたり、暴言とかも吐いてたからな……」

 

ストライカー達からの壮絶な虐めによって、壊れてしまった翔は人間不信になり……暗く、冷酷非道な性格へと変わり果ててしまった。更に、誰に対しても容赦しなくなった。例え相手が、世話になった者だとしても……

 

翔「だから、俺は…大丈夫だ。」

 

そう言う翔の表情は、誰にも心が読めない程の無表情だった。

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