〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百八十七話 嘘か真か

Dollsがシミュレーターで訓練している中、珍しく翔が目黒区に来ていた。それも、ドールハウスの近くに……

 

翔(ストライカー共はまず、ドールハウスに妖魔を放って来るだろう…本当に俺がドールハウスと縁を切ったか確認するために……)

 

ストライカー達の動向を考え、ドールハウス前にやって来る翔。足を止めると、10時方向の路地裏を見る。

 

翔「いるんだろ?隠れてねぇで出て来いよ…」

 

すると、路地裏から5人のストライカーが姿を現した。ストライカーチーム『プロキオン・プディング』だ。

 

天音「翔、とうとうDollsと縁を切ったのよね?それって本当なの、答えなさい?命令よ。」

 

翔「俺に指図するな…それに、事実かどうか確かめんなら、自分で確かめたらどうだ?」

 

真乃「ならば、何故ドールハウス前にいるのですか?本当に縁を切っているのであれば、態々ここを通る必要は無いと思いますが?」

 

翔「縁の有無に関係無く、どの道を通るかは俺の勝手だ。お前達には関係ねぇ。」

 

遥「でもでも、縁切ったなら妖魔に殺されようがどうでもよくない?」

 

翔「それはお前達が思っている事だろ?この世界の奴らはDollsの死を望んじゃいねぇ。その証拠に、世界中にファンがいるからなぁ?」

 

いつみ「なんか話がわかんなくなってきたぞ…隊長はDollsと縁を切ったって事でいいんだよな?」

 

翔「そうだと言ったら?逆に違うと言ったら?」

 

紗々「んもぅ、いじわるしないでくださいよ〜。」

 

翔「お前達の理解力がねぇだけだろォが…自分で確かめろって言ってんだろ。相変わらず知能追い付いてねぇじゃねぇか……」

 

ストライカー達の質問攻めをのらりくらりと受け流し、最後は彼女達を煽る翔。すると、ストライカー達は眉間にシワを寄せ始め、怒りを露わにする。

 

天音「あったま来た…妖魔達(アンタら)全員行きなさい!!ドールハウスを壊滅状態にさせるのよ!!」

 

天音がそう叫ぶと次元の歪みが出現、そこから無数の妖魔が限界した。

 

翔「…バカが。」

 

翔はネオディケイドライバーを装着し、襲い来る妖魔と戦闘を開始する。すると、翔の右腕が鎧に包まれて行く。次に、左腕…右足…左足と、段々全身が鎧に包まれて行く。

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DECADE》

 

 

ドライバーから音声が響き渡ると、翔の姿が仮面ライダーディケイドへと変わる。ただ、複眼がつり上がっており、悪魔のような顔つきになっている。『ディケイド激情態』だ。まず、1体の旧式妖魔を殴り飛ばし、次に偵察型妖魔の群れを飛び蹴り1発で殲滅した。

 

遥「あーあ、まぁた妖魔やられちゃったよ…」

 

いつみ「おい、油断するなよ?次はアタシらが狙われるんだから!!」

 

ディケイド「フンッ、それだけは察しが良いようだなァ?」

 

 

《ATTACK RIDE》

 

《ILLUSION》

 

ディケイドの身体が一瞬にして1つから5つに増殖した。

 

 

《ATTACK RIDE》

 

《INVISIBLE》

 

 

その直後、5つのディケイドが一瞬にして姿を消した。

 

真乃「き、消えた!?」

 

紗々「もしかして、逃げましたか〜?」

 

天音「はっ、ダッサwww翔ったらDollsが居なきゃ何にもできないのね!!」

 

戸惑う真乃。翔が逃げたと思う紗々と、彼女の言葉を鵜呑みにして翔を馬鹿にする天音。しかし、次の瞬間……

 

 

《ATTACK RIDE》

 

《CLOCK UP》

 

 

鈍い音と共に、ストライカー達の身体が宙を舞い始めた。ストライカー達からは見えない状態で、超高速で攻撃される。彼女達にとって、未知なる恐怖だ。

 

遥「うぐぅ……な、何……こ、怖いよ…!!」

 

いつみ「お、おおお落ち着くんだ…て、てて…敵は、どこに……!?」

 

ストライカー達の顔が青ざめた頃、ディケイドが姿を現した。

 

ディケイド「姿が見てねぇ相手から一方的に攻撃させるのは、さぞ恐怖だろう…ろくに戦闘経験を積んでねぇお前達にとっちゃあ……」

 

天音「な、なな……舐めんじゃないわよ…!!アタシ達は、ストライカー様よ!?妖魔から市民を守って来た英雄よ!!」

 

天音は無理しているのか、終始声が震えている。

 

真乃「た、隊長…!!おね、おね……お願い、します……み、見逃して…ください……!!」ガタガタ

 

真乃は恐怖からか、ディケイドに土下座を始め…見逃して欲しいと懇願する。

 

ディケイド「お前のその土下座、何の価値がある?それを見て、誰がその行動に価値を感じるんだ、答えろよ?」

 

真乃「…は?」ガタガタ

 

紗々「わ、私からも…お願いしま、す……」カタカタ

 

真乃に便乗し、紗々も土下座を始める。いつみも遥も土下座を始める中、天音だけは中々土下座をしない。

 

天音「な…ななな……何なのよ、皆して…みっともないじゃない!!」

 

ディケイド「今更かよ…」

 

真乃「天音、時にはこうした方が良い…!!

 

いつみ「そ、そうだ…!!今の隊長には敵わない…!!

 

ディケイド「全部聞こえてんだよ。」

 

真乃&いつみ「「ヒッ!?」」ビクッ!!

 

ディケイドの言葉を聞き、身体をビクつかせて驚く真乃といつみ。

 

天音「…ッ!!わ、わかったわよ!!土下座すれば良いんでしょ!?」ガバッ!!

 

仲間達の説得を聞いた天音も漸く折れ、土下座をした。

 

天音「はい、これで良いでしょ?」

 

天音の言葉を聞き、ディケイドに変身している翔は…仮面の中で、怒りを露にする。

 

ディケイド「これで良いでしょ、だと…?」

 

 

舐めてんのかコラ

 

 

ディケイドが低い声を出すと、周辺が重い空気に包まれて行く。

 

ストライカー「「「「「……!!??」」」」」

 

ストライカー達は声を出そうとするが、何故か声が出ない…その上、手も足も…全身が金縛りにあったかのように、全く動かなかった。

 

天音(冗談じゃないわ…何なの、この世のモノとは思えないこの威圧感……翔はどうしてこうなっちゃったのよ!?)

 

彼がこうなったのは…時空管理局の嘘を鵜呑みにし、一方的に彼を悪人と決めつけ、集団で残虐行為を行ったストライカー達にも原因がある。一回だけではない、何回も……その結果、彼は冷酷非道な化け物と化してしまったのだ。それにすら気付いていない彼女達……次の瞬間、ディケイドの姿がまた消え、直後…鈍い音と共にストライカー達の断末魔がドールハウス前に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「一海か、俺だ…」

 

一海『翔、ストライカー共はドールハウスに来たのか?』

 

翔「あぁ、案の定来やがった。何でも、ドールハウスを壊滅させようとした上に、舐め腐った態度取りやがったから仕置をしといたぜ?」

 

一海『仕置きって、殺しちゃいねぇよな?』

 

翔「バカ、まだ殺さねぇよ…今はな?」

 

一海と電話をする翔の横に、たくさんの傷やアザができ、ボロボロになったストライカー達が口から泡を吹いて横たわっていた。

 

翔「んで、富士の樹海に群がってる馬鹿連中はどうしてるんだ?」

 

一海『なんか、ブランド物いっぱい買ってるぞ?それに、喧嘩ばっかしてる…食費がどうのこうのとか、活動資金がどうのこうのとか……おまけに、動けねぇ白河 昇には目ェすら向けてねぇ。』

 

一海はホースオルフェノクの能力を使い、ストライカー達の拠点となっている富士の樹海に来ていた。理由は、ストライカー達の様子を調査する為だ…

 

翔「会議とかはしてねぇようだな、それだけわかれば十分だ。キリの良い所でその場を去れ、気付かれねぇようにな?」

 

一海『わかった。』

 

一海との通話を終え、その場を去ろうとする翔。そこに……

 

カナ「あっ、翔君……!」

 

ドールハウスからカナが出て来た。

 

翔「……。」

 

カナ「もしかして、ストライカー達の襲撃から守って…」

 

翔「……アンタ、何か勘違いしてねぇか?」

 

カナ「…えっ?」

 

翔はカナに背を向けたまま、彼女を横目で睨む。

 

翔「俺はなぁ、アンタらを守るために戦ってるんじゃあねぇんだ…化け物になっちまった俺を受け入れてくれたこの世界の為に戦ってるんだ……ドールハウスと縁を切った今、アンタらの事なんざ心底どうだって良い。」

 

カナ「……!!??」

 

翔「俺は俺のやり方で、この世界を守る…邪魔だけはすんじゃねぇぞ?その時は、容赦しねぇからな……じゃあな…」

 

そして、翔はドールハウスから去って行った。

 

カナ(ドールハウスと縁を切った…そ、そんな……それじゃあ、翔君…………もう、ドールハウスに戻って来てくれないって、事ですか…?)

 

去って行く翔の背中を見送るカナの目からは、1筋の涙が流れていた。

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