〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百八十八話 信頼関係が成り立っていない場と成り立っている場

富士の樹海は、ストライカー達の拠点になっている。ここには、沢山の妖魔とともにストライカー達が生活しているのだ。

 

あおい「それで、ドールハウスに妖魔を放ったらどうなった?おい、質問に答えてから寝ろ。」

 

あおいに叩き起こされ、目を開ける天音。プロキオン・プディングの5人はボロボロだ。

 

天音「しょ、翔に…ボコられたわ……」

 

栞「ってことは、隊長さんはまだ…ドールハウスと縁を切ってないんじゃない?」

 

あおい「しかしだな栞、そう決めるにはまだ早い…何しろ、あまりにも情報が少なすぎるからな……」

 

夕依「でも、隊長様がDollsと戦闘をしている様子があるんですよね?」

 

チカ「それじゃあさ、もう一度その様子を見れればいいんじゃないかな?」

 

翔がドールハウスと縁を切っていると判断する為、Dollsと戦闘を行っている様子の写真が1枚だけある。だが、それだけで判断するのは早いと考えたストライカー達は…もう一度様子を伺ってみる事にした。

 

あおい「取り敢えず、妖魔を放つのはひとまず中止だ。高嶺を中心に偵察を行ってもらう。ただし、なるべく勘付かれるなよ?」

 

アコ「無理難題にも程があるけど、やってやるのだ。成功したらアコっちの言う事何でも聞いてもらうのだ〜♪」

 

あおい「馬鹿者、さっさと行け。」

 

アコ「…ちっ。」

 

舌打ちをした後、次元の歪みに入っていくアコ。

 

あおい(あんな腑抜けた奴は信用できん、だが……利用できるのであればとことん使ってやろうではないか……)

 

互いを信用し合ってないストライカー達は、『どうすれば上手く利用できるか』…と、いう考えだけがよぎっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、STARS本部ビルにある地下闘技場では……

 

モルガナ「では、参ります。」

 

モルガナが召喚した幻想妖魔及び幻想ストライカーを相手に、メンバー達は特訓に励んでいた。

 

翔「通信機は常にオンにしておけ!!大事な時に声を掛けられねぇだろ!!」

 

一同「「「はいっ!!」」」

 

翔の怒号が飛ぶ中、メンバー達は一生懸命訓練に励む。

 

翔「雪枝、焦るな焦るな!!気持ちは分かるが、焦っちまえば何が何だか分からなくなる!!1つずつで良いんだ、確実に役割をこなせ!!」

 

雪枝「は、はいぃっ!!」

 

翔「フェイ、雪枝に合わせろ!!しっかり声を掛け合って敵を確実に倒せ!!」

 

フェイ「はいっ!!」

 

時には優しい言葉を投げつつ、メンバー達を厳しく指導する翔。時には自分も加わり、メンバー達の力になる。

 

翔「良いか?今から模擬戦を行う、俺を妖魔だと思って自分達の作戦を実行してみろ。」

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DECADE》

 

 

ネオディケイドライバーで、仮面ライダーディケイドに変身した翔と共に…彼と模擬戦を行うSTARSメンバー達。結果は…STARSのボロ負け。ディケイドは変身を解くと、翔の姿に戻る。

 

翔「お前達、今回もよく頑張った。しっかり声も掛け合えていたし、特にほたると幸子の連携が良かった。雪枝も、ほたる幸子ペアの攻撃を受け止めている俺にジャベリンを投げたのはナイス判断だ。しっかり状況も見ていたようだから尚更な。小春と翠、いつもとは違うペアで戸惑ったとは思うが、よく動けていたぞ。楓とフェイも、段々連携が取れるようになってきたな、この調子で足を進めていけ?あからも全体を見ながら戦うのは大変だったろ?それでも、焦らずに的確な指示を出せていた。マリも、あからのフォローをしっかりできていたな。モニカ、お前はちっとナメプしていたな?まぁ、程々にしておけ?モルガナとミネルヴァも、妖術を磨くのは良いが、ある程度格闘戦もできるようにしておけ。近付かれたら終わりだと思え。以上だ、お疲れ。」

 

一同「「「お疲れ様でした!!」」」

 

翔の言葉を聞き、メンバー達はその場にペタンと座る。

 

モニカ「いやぁ、まさか隊長さんに見抜かれてたなんてなぁ…あはは……」

 

翔「ちっとタイミングが早すぎたかもしれねぇな、相手が悔しそうにしていたり油断していたりしていた時にやると良いだろう。」

 

ほたる「仮面の中に顔が隠れていたら、難しいですよぉ……」

 

翔「それなら、相手の動きを見ることだな。些細な動きをある程度見れるようになりゃあ、上出来だ。だか、お前達はよくできている。」

 

訓練の時の重い空気から一変し、その場はユルユルな空気になった。

 

あから「そういえば隊長殿、彩羽さんはどこへ?」

 

翔「モデルの仕事だとよ。ドールハウスを離れて、今はSTARS所属になったからな。」

 

女優や声優、モデルやグラビアアイドル等々…数多の仕事をこなす彩羽は、翔と並んでSTARSの稼ぎ頭的存在でもある。

 

翔「俺はこの後、依頼があるからそろそろ出る。お前達は、そうだな…各々好きな事をして過ごすと良い。しっかり気分転換もしておけ?」

 

翔はそう言うと、地下闘技場から退室した。

 

 

 

STARS本部ビルを出て、やって来たのは東京23区の1つである港区。その中に、東京ミッドタウンがあるのだが、そこが彼の任務の舞台である。何でも、ここでは子供連れの家族の子どもが何者かに狙われ、行方不明になる事件が多発している。警察が調査をしても、何の手がかりも掴めず…事件は迷宮入りしようとしていた。そんな中、我が子を探す親達が翔に『子ども達を助けて欲しい』・『どんな形でも構わないから、我が子に逢いたい』という声が集まったのだ。

 

翔(子どもってのは、未来の宝…ソイツを奪い、悲しみに暮れる親を嘲笑うゴミクズ野郎、俺が潰してやる。)

 

翔は全神経を集中させると目を閉じ、子どもを拐った何者かの気配を探る。数十秒で目を開き、正面を見つめる。彼の視線の先には、棺に入った大きな手の女性のような姿をしたピグマリオンがおり、その近くには六角形のピグマリオンが多く飛び回っている。よく見ると、棺桶がもう一つあり…そこからは子どもたちの泣き声が聞こえてくる。どうやら、このピグマリオンが事件を引き起こしていたようだ。それを確信した翔は、ドライバー操作を行うと、ライドブッカーからライダーカードを取り出す。

 

翔「変身…!!」

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DECADE》

 

 

ドライバーから音声が響き、翔の身体が無数のシルエットに包まれて行く。その後、真紅のプレートが仮面に重なり、仮面ライダーディケイドへと変身が完了した。その直後、ディケイドはドライバー操作を行うと、カードを装填…再びドライバー操作を行う。

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DRIVE》

 

 

それは、『仮面ライダードライブ(タイプスピード)』の姿をしているが、ベルトはネオディケイドライバーのままである。これは、『ディケイドドライブ』と呼ばれる形態で、仮面ライダードライブの能力を使用することができるのだ。ディケイドドライブは、シフトブレスを3回倒し、超スピードに乗りながらライドブッカーの刀身を振るい、六角形ピグマリオン『セルブロッカー』達を瞬時に撃破していく。残りは、棺に入った大きな手の女性のような姿のピグマリオン『パンデモニウム』のみだ。パンデモニウムは手を軽く振るうが、ディケイドドライブはそれを瞬時に見抜き、素早く避ける。直後、斬撃が飛び…地面に引っかき傷のような大きな傷ができた。

 

ディケイドドライブ「…そのきったねぇ手で、未来の宝に触ってんじゃねぇよ。」

 

ディケイドドライブはそう呟くと、ライドブッカーを構え、腰をどっしりと落とす。そして、パンデモニウムがもう一度引っ掻き攻撃を放ってきたタイミングと同時に、ライドブッカーを掬い上げるように振るう。すると、パンデモニウムの腕が切断され、宙を舞った。瞬間、耳が裂けるような断末魔が辺りに響き渡った。

 

ディケイドドライブ「…やかましい声だな…ついでに、くっせぇ吐息出しやがって……」

 

パンデモニウムの断末魔に全く怯まないディケイドドライブは、ドライバー操作を行い、カードを装填すると、もう一度ドライバー操作を行う。

 

 

《FINAL ATTACK RIDE》

 

《D D D DRIVE》

 

 

ディケイドドライブは空中に飛び上がると、パンデモニウム目掛けてライダーキックを放つ。キックが命中した直後、両足を高速で交互に動かしながら連続蹴りを繰り出した。やがて、パンデモニウムの身体は粉々に砕け散った。棺桶が地面に落下すると、素早くそれを受け止め、優しく地面に置く。その後、棺桶を開けると、中から誘拐された子ども達が続々と姿を現した。次に、それぞれの親が我が子へと駆け寄って行く。

 

子どもA「うわああぁぁん!!おとうさん、おかあさん!!」

 

子どもB「ひっぐ…怖かったよぉ……!!」

 

母親A「良かった…良かった……!!」

 

父親B「無事で良かった、逢いたかったぞ…!!」

 

再会を喜ぶ親子達を見て、ディケイドドライブは変身を解除し、翔の姿に戻った。

 

母親A「青空隊長、ありがとうございました!!これ、報酬金です。」

 

翔「…要らねぇよ、その金は我が子の為に使ってやれ。」

 

父親B「し、しかし…報酬はそれなりに貰う筈じゃ…?」

 

翔「もう既に報酬は貰っている、子ども達の喜ぶ顔にあんたら親の喜ぶ顔…それが見れれば十分だ。」

 

無表情を貫き、親子達に背を向けて歩き出す翔。

 

 

「ありがとー、おにいちゃーん!!」「仮面ライダーのおにいちゃん、ありがとう!!」

 

 

後ろからは、子ども達の元気な声が聞こえてくる。翔は背を向けたまま、軽く手を振り、去って行った。

 

 

 

 

午後5:00頃、本部へと帰還した翔。飛び付いて来た彩羽を避け続けたが、彼女の諦めは悪く…最後は面倒くさくなったのか、彩羽に抱き締められたままメンバー達の前に姿を現した。

 

翠「おっ、隊長ちゃんおかえりー♪」

 

翔「あぁ、ただいま。お前達に差し入れだ。東京ミッドタウンで買ってきた『糖朝特製エッグタルト』、デザートにでも食おうぜ?」

 

フェイ「わぁ、おいしそー!!」

 

翔「まだあるぞ、ほら…ジャン=ポール・エルヴァンで買ってきたチョコレートとマカロンだ。」

 

あから「えぇっ!?これって、かなり高級品じゃないのか!?」

 

翔「バーカ、んなこと気にすんじゃねぇよ。お前達はよく頑張ってる、それは俺がよく知っている。」

 

任務を終え、メンバー達を労う為に差し入れを買ってきた翔。

 

彩羽(翔君、珍しくご機嫌っぽい…何か良いことあったのかな?)

 

彼が何となく機嫌が良いのを、彩羽は感じていた。その後、メンバー達は夕食の後に翔が買って来たデザートを食べ、各々メンバー達を労いあうのであった。

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