〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
東京23区の1つ『江東区』には、STARS本部ビルがある。そこには、ドールハウスを離れていった翔と彩羽、元ストライカー達が在籍している。そんな翔を狙って、ストライカー達や妖魔は江東区に頻繁に出現するようになってしまった。
江東区・夢の島競技場近くにて……
隊員1「高村少佐、仲原大尉、討死!!全軍は総崩れです!!」
隊員2「もう妖魔軍がすぐそこまで来ています!!」
この競技場を守る為に、害特隊員達が配属されたのだが…妖魔軍が襲撃してきたのだ。圧倒的な数を誇る妖魔軍に、害特は苦戦を強いられていた。この部隊の隊長クラスの隊員が殺され、崩壊寸前にまで追い詰められていた。
小鳥遊『これ以上隊員達を失うわけには行かない、全員退避だ。』
隊員1「た、小鳥遊大臣!!しかし!!」
退避命令を出したのは、現ドールハウスの指揮官を勤める小鳥遊大臣。退避を拒む隊員達…その時、害特隊員達の頭上を1つの人影が通過した。それは、奇妙な形状をした剣のような武器を取り出し、妖魔軍目掛けて走って行く。そのままスピードに乗りながら、迫り来る妖魔軍を斬って行く。足を止める事なく、武器を振り回し、妖魔の首元を切断する。斬られた妖魔は、青い血を吹き出しながら絶命していく。
隊員2「な、何だあれは!?」
隊員3「たった1人で…!?」
小鳥遊『まさか、青空君かね…?』
妖魔軍の歩兵と思わしき軍勢を、たった1人で全滅させた人影は、害特隊員達の前に降り立つ。
翔「お前達は相変わらず役に立たねぇな、退いてろ。」
その招待は、STARS隊長である青空 翔だった。
翔「こんな雑魚連中に苦戦してる時点で、もはや論外だ。」
小鳥遊『君も知っているだろう?謎の巨影の霧によって、我が軍はギリギリの状態なのだよ。』
翔「関係ねぇよ、そんなんだからいつまで経っても都民を守れねぇんだろぉが。」
害特を罵倒し、バッジ型通信機を起動させる翔。
翔「俺だ、全員準備できてるな?」
『あぁ、勿論!!』
翔「一海達と俺は前線で妖魔軍を迎え撃つ。お前達はモシュネ達と共に援護射撃をしてくれ。妖魔軍がそっちに来た時は、援護はモシュネに任せて近接戦で返り討ちにしてやれ。モシュネ達、援護を頼んだぞ。自慢のレーザー砲や集団戦法で妖魔軍の腰を抜かしてやれ。」
『『『了解!!』』』
『『『了解モシュ!!』』』
通信機からSTARSメンバーの返事が聞こえて来る。
彩羽『ねぇねぇ翔君!?アタシは!?』
翔「STARSメンバー達の護衛をしろ。」
彩羽『りょーかい♪』
万が一の事を考え、彩羽はSTARSメンバー達の元に残していた。彼女も強力なライダーシステムを所持している為、メンバー達の護衛には適任だと考えたのだ。
翔「…良い返事だ。さて、おいお前ら…気合い入れろ。」
翔がそう言うと、一海達が彼の近くに移動する。
一海「とっくに入ってるよ。」
紫「相手が何であろうと、罪無き者達を傷付けるなら…私達が許さん。」
友香「害特の皆さん、都民の為に戦ってくださってありがとうございます。どうか、私達にも協力させてください。」
諒芽「多くの人達の居場所が汚されるのは、黙っちゃいられねぇな。おっしゃあ、行くぜぇ!!」
ゲネシスドライバーを装着している一海達は、それぞれのエナジーロックシードを起動させる。
彼らの頭上にクラックが開くと、フルーツの形をしたアームズがゆっくりと降りて来る。
エナジーロックシードをドライバーに取り付け、ハンドルを押し込むと…液状になったエナジーロックシードのエネルギーがドライバーに注がれて行く。それと同時に、一海達の頭部にアームズが覆い被さり、鎧へと変形していく。
一海達は次世代アーマードライダーへと姿を変えたが、翔だけは変身せずそのままでいる。
斬月・真「あれ、翔…お前、変身しなくて良いのか?」
翔「その必要はねぇ、暑くてバテやすくなっちまうからなぁ?」
斬月・真「えっ…?」汗
バロン「あ、暑い…?」汗
翔の返答を聞き、困惑する斬月・真とバロン。
翔「まずはソニックアローから矢を放って敵軍を狙い撃ちしろ。俺が機会を作る。」
マリカ「しかし、翔さん1人で平気なんですか?」
翔「さっきの戦いを見てなかったのかお前は?俺がヘマするとでも思ってんのか?」
シグルド「それは思ってねぇけど、大大大親友を心配してんだぜ俺らは?」
翔「だったら余計なお世話だ、早く構えろ。」
ライダー達がソニックアローを構えると、翔はライドブッカーを片手に妖魔軍に突撃して行く。旧式妖魔達が壁のように整列するが、翔はそれを飛び越えると…ブッカーソードで妖魔達を斬る。妖魔軍が翔に集中し始めると…
斬月・真「今だ!!」
ライダー達がソニックアローから矢を放つ。オレンジ、黄、ピンク、赤の4色の矢は妖魔軍目掛けて真っ直ぐ飛んで行く。矢が妖魔に命中すると、爆発を起こす。
翔「ハアァッ!!ゥオルァッ!!」ブォンッ!!ブォンッ!!
雄叫びを上げながら、ブッカーソードを振るう翔。その直後、妖魔の身体が真っ二つに割れ、青い鮮血が飛び交う。翔は再び戦場を走り、妖魔軍を斬り始める。全身を止める事をせず、走り、跳び回り、妖魔軍を翻弄し続ける翔。そんな彼を追跡する妖魔達、そんな妖魔達の身体に風穴が空けられる。更に、彼の視線の先にいる妖魔軍が赤いレーザーの餌食になって行く。
翔(…ナイスタイミングだ。)
あから「全員、隊長殿を追う妖魔を狙え!!少しでも隊長殿の負担を減らすんだ!!」
指揮官モシュネ「皆、隊長さんの前にいる妖魔軍を減らすモシュよ!!」
STARSメンバー達とモシュネが、前線で戦う翔の支援を開始したのだ。STARSメンバー達は銃剣の銃口から弾丸の嵐を、モシュネ達は陣形を変えながら大空を飛び回り、レーザーを妖魔軍目掛けて放つ。飛行型妖魔がSTARSの存在に気付き、進行してくる。
彩羽「皆はやらせないよ、変身ッ!!」
ババーババース!バ・バ・バ・バース!エーックス!!
飛行型妖魔を仮面ライダーバースXに変身した彩羽が迎え撃つ。カニアームとサソリキャノンからメダル型光弾を発射し、妖魔を撃破して行く。
モルガナ「彩羽さん、助太刀致します。」
ミネルヴァ「私も助太刀する!!」
バースX「ありがとうモルちゃん、ミネルちゃん!!」
バースXの隣に断つモルガナとミネルヴァは、摩訶不思議な魔術で複数の陣形を召喚し、そこから光線や光弾を発射する。瞬く間に撃破される飛行型妖魔軍。
あから「全員そのまま銃撃を続行!!引き続き隊長殿と木場君達を援護する!!」
「「「了解!!」」」
STARSメンバー達はモシュネ達と共に、引き続き翔と一海達の支援を続ける。
翔「ッ!!」ブォンッ!!
翔がブッカーソードを薙ぎ払うと、衝撃波が発生し、前方にいる妖魔軍を斬った。
翔「…ったく、どんだけ居んだよ。まぁいい、数が多い方が潰し甲斐がある。」
妖魔「「「!!!!」」」
翔「…ラァッ!!」ブゥンッ!!
背後から迫る妖魔軍には、ブッカーソードを下から上へ振るうことで、縦真っ二つに切断した。
シグルド「おーい、翔ちーん!!」
そこに、シグルドが降り立ち、翔の援護を始める。
シグルド「よっと!そらっ!!」ザシュッ!!ザシュッ!!
迫る妖魔を、ソニックアローの刃で斬りつけるシグルド。そこに、バロン、マリカ、斬月・真も到着する。
バロン「くっ!!」バシュッ!!バシュッ!!
ソニックアローから矢を放ち続けるバロン。
妖魔「!!」
マリカ「させません!!」ズパッ!!
バロンを援護するマリカ。
斬月・真「くらえぇっ!!」バシュッ!!
斬月・真は上空に矢を放つ。すると、巨大なメロン状のエネルギーが出現し、そこから矢の雨が妖魔軍に降り注いだ。
翔(奴らを指揮しているのは、どいつだ?)
妖魔軍を指揮している者を探す翔。その時、前方の妖魔軍の中に…1体だけ、異質な妖魔を発見した。
翔(あれは、ファントム種…アイツか!!)
それは、ストライカーチーム『アマンド・フォーマルハウト』所属の『シャルロッテ』に酷似した妖魔『ファントム・ロッティ』だった。指揮棒を振るい、妖魔軍に突撃命令を下すファントム・ロッティ。
翔「おいお前ら、もう少しだけ付き合え…総大将と思わしき妖魔を見つけた。」
シグルド「そ、そうだいしょー!?」
翔「そうだ、前方にいる軍服姿の野郎だ。アイツが妖魔軍を指揮している。」
マリカ「その妖魔を倒せば、妖魔軍は…」
翔「総崩れになるだろう。だが、総大将を倒して終わりじゃねぇ…妖魔軍を全滅させたら、この戦いは終わりだ……行くぞ!!」
ライドブッカーを握り締め、前方目掛けて走り出す翔。4人のライダー達も、翔と共に前方へ走る。そんな彼らを、遠くから援護するSTARSメンバー達。上空からはモシュネ達の大編隊が翔達を支援する。だが、前方にいる妖魔軍は中々数を減らす事は無い。
翔「一海達、何でも良いから技を放て!!一瞬だけ隙を作れ!!」
斬月・真「わかった!!」
翔の言葉を聞いた4人のライダー達は、ゲネシスドライバーのハンドルを1度押し込む。
斬月・真とバロンは上空に矢を放ち、矢の雨を降らせる。次にマリカとシグルドがソニックアローの刃にエネルギーを纏わせ、衝撃波として発射した。そのタイミングで、一瞬だけ隙ができた。それを見逃さなかった翔は、上空へ飛び上がる。そして、ファントム・ロッティにブッカーソードの切っ先を向ける。
落下の衝撃と共に、ファントム・ロッティに突き攻撃を繰り出す翔。ブッカーソードはファントム・ロッティを貫通する。ファントム・ロッティは口から真っ黒い血を吹き出し、消滅した。翔の読み通り、妖魔軍は総大将がやられた事で総崩れとなる。そこに、STARSメンバー達の銃撃とモシュネ隊のレーザー攻撃が放たれ、妖魔軍は全滅した。
隊員1「す、スゴい…数十万程の妖魔軍を、全滅させた。」
隊員2「これが、伝説の隊長と呼ばれた青空君の指揮……いや、お互いを信頼し合っている元ストライカー達の連携も……」
隊員3「それに、あの無数の円盤達の集団行動…相当磨かれている。」
隊員4「そこに仮面ライダーが加わり、戦力は増幅した……」
STARSとライダー達の連携を見せつけられ、実力の差を思い知らされたような顔をする害特隊員達。
小鳥遊『流石は、青空君…そして、彼の教育を施された元ストライカー達だ。木場君達の連携も戦いも、流石としか言いようがない。』
翔の実力は、国家も認める程で…小鳥遊大臣も彼を認めている。
翔「点呼取るぞ?」
バッジ型通信機を使い、メンバー達の無事を確認する翔。
翔「全員居るようだな。」
一海「おい翔、俺達は?俺達にも点呼取ってくれよ。」
翔「…仕方ねぇな。」
その場にいる一海達にも点呼を取り、終わった頃にはメンバー全員と合流した。
翔「…撤収。撤収するぞ。」
翔の号令を聞き、害特隊員達の前から去って行くSTARSと一海達。
小鳥遊『青空君、少し待って貰えないだろうか?』
通信機越しから翔に話し掛ける小鳥遊大臣。しかし、翔は彼の言葉を無視して去って行く。
小鳥遊『Dolls諸君が心配ではないのか?』
翔「…。」ザッ…
小鳥遊大臣の言葉を聞き、足を止める翔。そして、鬼のような形相を向ける。
翔「軽々しくアイツらを出すんじゃねぇ…ぶっ殺すぞ?」
それだけ告げ、彼らに背を向けて立ち去って行った。
小鳥遊(仮面ライダーは、凄まじい兵器だ…我々害特にも、ライダーシステムを取り入れられないだろうか……)
これまでの仮面ライダーという兵器の活躍を見てきた小鳥遊大臣は密かに…ライダーシステムの開発に視野を入れ始めたのであった。