〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第三百九十八話 害特、絶体絶命

東京23区の1つ『江東区』には、STARS本部ビルがある。そこには、ドールハウスを離れていった翔と彩羽、元ストライカー達が在籍している。そんな翔を狙って、ストライカー達や妖魔は江東区に頻繁に出現するようになってしまった。

 

 

 

江東区・夢の島競技場近くにて……

 

隊員1「高村少佐、仲原大尉、討死!!全軍は総崩れです!!」

 

隊員2「もう妖魔軍がすぐそこまで来ています!!」

 

この競技場を守る為に、害特隊員達が配属されたのだが…妖魔軍が襲撃してきたのだ。圧倒的な数を誇る妖魔軍に、害特は苦戦を強いられていた。この部隊の隊長クラスの隊員が殺され、崩壊寸前にまで追い詰められていた。

 

小鳥遊『これ以上隊員達を失うわけには行かない、全員退避だ。』

 

隊員1「た、小鳥遊大臣!!しかし!!」

 

退避命令を出したのは、現ドールハウスの指揮官を勤める小鳥遊大臣。退避を拒む隊員達…その時、害特隊員達の頭上を1つの人影が通過した。それは、奇妙な形状をした剣のような武器を取り出し、妖魔軍目掛けて走って行く。そのままスピードに乗りながら、迫り来る妖魔軍を斬って行く。足を止める事なく、武器を振り回し、妖魔の首元を切断する。斬られた妖魔は、青い血を吹き出しながら絶命していく。

 

隊員2「な、何だあれは!?」

 

隊員3「たった1人で…!?」

 

小鳥遊『まさか、青空君かね…?』

 

妖魔軍の歩兵と思わしき軍勢を、たった1人で全滅させた人影は、害特隊員達の前に降り立つ。

 

 

翔「お前達は相変わらず役に立たねぇな、退いてろ。」

 

 

その招待は、STARS隊長である青空 翔だった。

 

翔「こんな雑魚連中に苦戦してる時点で、もはや論外だ。」

 

小鳥遊『君も知っているだろう?謎の巨影の霧によって、我が軍はギリギリの状態なのだよ。』

 

翔「関係ねぇよ、そんなんだからいつまで経っても都民を守れねぇんだろぉが。」

 

害特を罵倒し、バッジ型通信機を起動させる翔。

 

翔「俺だ、全員準備できてるな?」

 

『あぁ、勿論!!』

 

翔「一海達と俺は前線で妖魔軍を迎え撃つ。お前達はモシュネ達と共に援護射撃をしてくれ。妖魔軍がそっちに来た時は、援護はモシュネに任せて近接戦で返り討ちにしてやれ。モシュネ達、援護を頼んだぞ。自慢のレーザー砲や集団戦法で妖魔軍の腰を抜かしてやれ。」

 

『『『了解!!』』』

 

『『『了解モシュ!!』』』

 

通信機からSTARSメンバーの返事が聞こえて来る。

 

彩羽『ねぇねぇ翔君!?アタシは!?』

 

翔「STARSメンバー達の護衛をしろ。」

 

彩羽『りょーかい♪』

 

万が一の事を考え、彩羽はSTARSメンバー達の元に残していた。彼女も強力なライダーシステムを所持している為、メンバー達の護衛には適任だと考えたのだ。

 

翔「…良い返事だ。さて、おいお前ら…気合い入れろ。」

 

翔がそう言うと、一海達が彼の近くに移動する。

 

一海「とっくに入ってるよ。」

 

紫「相手が何であろうと、罪無き者達を傷付けるなら…私達が許さん。」

 

友香「害特の皆さん、都民の為に戦ってくださってありがとうございます。どうか、私達にも協力させてください。」

 

諒芽「多くの人達の居場所が汚されるのは、黙っちゃいられねぇな。おっしゃあ、行くぜぇ!!」

 

ゲネシスドライバーを装着している一海達は、それぞれのエナジーロックシードを起動させる。

 

 

《メロンエナジー》

 

《レモンエナジー》

 

《ピーチエナジー》

 

《チェリーエナジー》

 

 

彼らの頭上にクラックが開くと、フルーツの形をしたアームズがゆっくりと降りて来る。

 

 

《ロック・オン…ソーダ》

 

 

エナジーロックシードをドライバーに取り付け、ハンドルを押し込むと…液状になったエナジーロックシードのエネルギーがドライバーに注がれて行く。それと同時に、一海達の頭部にアームズが覆い被さり、鎧へと変形していく。

 

 

《メロンエナジーアームズ》

 

《レモンエナジーアームズ・ファイトパワー!!ファイトパワー!!ファイファイファイファイファファファファファイト!!》

 

《ピーチエナジーアームズ》

 

《チェリーエナジーアームズ》

 

 

一海達は次世代アーマードライダーへと姿を変えたが、翔だけは変身せずそのままでいる。

 

斬月・真「あれ、翔…お前、変身しなくて良いのか?」

 

翔「その必要はねぇ、暑くてバテやすくなっちまうからなぁ?」

 

斬月・真「えっ…?」汗

 

バロン「あ、暑い…?」汗

 

翔の返答を聞き、困惑する斬月・真とバロン。

 

翔「まずはソニックアローから矢を放って敵軍を狙い撃ちしろ。俺が機会を作る。」

 

マリカ「しかし、翔さん1人で平気なんですか?」

 

翔「さっきの戦いを見てなかったのかお前は?俺がヘマするとでも思ってんのか?」

 

シグルド「それは思ってねぇけど、大大大親友を心配してんだぜ俺らは?」

 

翔「だったら余計なお世話だ、早く構えろ。」

 

ライダー達がソニックアローを構えると、翔はライドブッカーを片手に妖魔軍に突撃して行く。旧式妖魔達が壁のように整列するが、翔はそれを飛び越えると…ブッカーソードで妖魔達を斬る。妖魔軍が翔に集中し始めると…

 

斬月・真「今だ!!」

 

ライダー達がソニックアローから矢を放つ。オレンジ、黄、ピンク、赤の4色の矢は妖魔軍目掛けて真っ直ぐ飛んで行く。矢が妖魔に命中すると、爆発を起こす。

 

翔「ハアァッ!!ゥオルァッ!!」ブォンッ!!ブォンッ!!

 

雄叫びを上げながら、ブッカーソードを振るう翔。その直後、妖魔の身体が真っ二つに割れ、青い鮮血が飛び交う。翔は再び戦場を走り、妖魔軍を斬り始める。全身を止める事をせず、走り、跳び回り、妖魔軍を翻弄し続ける翔。そんな彼を追跡する妖魔達、そんな妖魔達の身体に風穴が空けられる。更に、彼の視線の先にいる妖魔軍が赤いレーザーの餌食になって行く。

 

翔(…ナイスタイミングだ。)

 

 

 

あから「全員、隊長殿を追う妖魔を狙え!!少しでも隊長殿の負担を減らすんだ!!」

 

指揮官モシュネ「皆、隊長さんの前にいる妖魔軍を減らすモシュよ!!」

 

STARSメンバー達とモシュネが、前線で戦う翔の支援を開始したのだ。STARSメンバー達は銃剣の銃口から弾丸の嵐を、モシュネ達は陣形を変えながら大空を飛び回り、レーザーを妖魔軍目掛けて放つ。飛行型妖魔がSTARSの存在に気付き、進行してくる。

 

彩羽「皆はやらせないよ、変身ッ!!」

 

 

ババーババース!バ・バ・バ・バース!エーックス!!

 

!!

 

 

飛行型妖魔を仮面ライダーバースXに変身した彩羽が迎え撃つ。カニアームとサソリキャノンからメダル型光弾を発射し、妖魔を撃破して行く。

 

モルガナ「彩羽さん、助太刀致します。」

 

ミネルヴァ「私も助太刀する!!」

 

バースX「ありがとうモルちゃん、ミネルちゃん!!」

 

バースXの隣に断つモルガナとミネルヴァは、摩訶不思議な魔術で複数の陣形を召喚し、そこから光線や光弾を発射する。瞬く間に撃破される飛行型妖魔軍。

 

あから「全員そのまま銃撃を続行!!引き続き隊長殿と木場君達を援護する!!」

 

「「「了解!!」」」

 

STARSメンバー達はモシュネ達と共に、引き続き翔と一海達の支援を続ける。

 

 

 

翔「ッ!!」ブォンッ!!

 

翔がブッカーソードを薙ぎ払うと、衝撃波が発生し、前方にいる妖魔軍を斬った。

 

翔「…ったく、どんだけ居んだよ。まぁいい、数が多い方が潰し甲斐がある。」

 

妖魔「「「!!!!」」」

 

翔「…ラァッ!!」ブゥンッ!!

 

背後から迫る妖魔軍には、ブッカーソードを下から上へ振るうことで、縦真っ二つに切断した。

 

シグルド「おーい、翔ちーん!!」

 

そこに、シグルドが降り立ち、翔の援護を始める。

 

シグルド「よっと!そらっ!!」ザシュッ!!ザシュッ!!

 

迫る妖魔を、ソニックアローの刃で斬りつけるシグルド。そこに、バロン、マリカ、斬月・真も到着する。

 

バロン「くっ!!」バシュッ!!バシュッ!!

 

ソニックアローから矢を放ち続けるバロン。

 

妖魔「!!」

 

マリカ「させません!!」ズパッ!!

 

バロンを援護するマリカ。

 

斬月・真「くらえぇっ!!」バシュッ!!

 

斬月・真は上空に矢を放つ。すると、巨大なメロン状のエネルギーが出現し、そこから矢の雨が妖魔軍に降り注いだ。

 

翔(奴らを指揮しているのは、どいつだ?)

 

妖魔軍を指揮している者を探す翔。その時、前方の妖魔軍の中に…1体だけ、異質な妖魔を発見した。

 

翔(あれは、ファントム種…アイツか!!)

 

それは、ストライカーチーム『アマンド・フォーマルハウト』所属の『シャルロッテ』に酷似した妖魔『ファントム・ロッティ』だった。指揮棒を振るい、妖魔軍に突撃命令を下すファントム・ロッティ。

 

翔「おいお前ら、もう少しだけ付き合え…総大将と思わしき妖魔を見つけた。」

 

シグルド「そ、そうだいしょー!?」

 

翔「そうだ、前方にいる軍服姿の野郎だ。アイツが妖魔軍を指揮している。」

 

マリカ「その妖魔を倒せば、妖魔軍は…」

 

翔「総崩れになるだろう。だが、総大将を倒して終わりじゃねぇ…妖魔軍を全滅させたら、この戦いは終わりだ……行くぞ!!

 

ライドブッカーを握り締め、前方目掛けて走り出す翔。4人のライダー達も、翔と共に前方へ走る。そんな彼らを、遠くから援護するSTARSメンバー達。上空からはモシュネ達の大編隊が翔達を支援する。だが、前方にいる妖魔軍は中々数を減らす事は無い。

 

翔「一海達、何でも良いから技を放て!!一瞬だけ隙を作れ!!」

 

斬月・真「わかった!!」

 

翔の言葉を聞いた4人のライダー達は、ゲネシスドライバーのハンドルを1度押し込む。

 

 

《メロンエナジースカーッシュ!!》

 

《レモンエナジースカッシュ!!》

 

《ピーチエナジースカーッシュ!!》

 

《チェリーエナジースカッシュ!!》

 

 

斬月・真とバロンは上空に矢を放ち、矢の雨を降らせる。次にマリカとシグルドがソニックアローの刃にエネルギーを纏わせ、衝撃波として発射した。そのタイミングで、一瞬だけ隙ができた。それを見逃さなかった翔は、上空へ飛び上がる。そして、ファントム・ロッティにブッカーソードの切っ先を向ける。

 

 

死ね

 

 

落下の衝撃と共に、ファントム・ロッティに突き攻撃を繰り出す翔。ブッカーソードはファントム・ロッティを貫通する。ファントム・ロッティは口から真っ黒い血を吹き出し、消滅した。翔の読み通り、妖魔軍は総大将がやられた事で総崩れとなる。そこに、STARSメンバー達の銃撃とモシュネ隊のレーザー攻撃が放たれ、妖魔軍は全滅した。

 

 

 

隊員1「す、スゴい…数十万程の妖魔軍を、全滅させた。」

 

隊員2「これが、伝説の隊長と呼ばれた青空君の指揮……いや、お互いを信頼し合っている元ストライカー達の連携も……」

 

隊員3「それに、あの無数の円盤達の集団行動…相当磨かれている。」

 

隊員4「そこに仮面ライダーが加わり、戦力は増幅した……」

 

STARSとライダー達の連携を見せつけられ、実力の差を思い知らされたような顔をする害特隊員達。

 

小鳥遊『流石は、青空君…そして、彼の教育を施された元ストライカー達だ。木場君達の連携も戦いも、流石としか言いようがない。』

 

翔の実力は、国家も認める程で…小鳥遊大臣も彼を認めている。

 

翔「点呼取るぞ?」

 

バッジ型通信機を使い、メンバー達の無事を確認する翔。

 

翔「全員居るようだな。」

 

一海「おい翔、俺達は?俺達にも点呼取ってくれよ。」

 

翔「…仕方ねぇな。」

 

その場にいる一海達にも点呼を取り、終わった頃にはメンバー全員と合流した。

 

翔「…撤収。撤収するぞ。」

 

翔の号令を聞き、害特隊員達の前から去って行くSTARSと一海達。

 

小鳥遊『青空君、少し待って貰えないだろうか?』

 

通信機越しから翔に話し掛ける小鳥遊大臣。しかし、翔は彼の言葉を無視して去って行く。

 

小鳥遊『Dolls諸君が心配ではないのか?』

 

翔「…。」ザッ…

 

小鳥遊大臣の言葉を聞き、足を止める翔。そして、鬼のような形相を向ける。

 

翔「軽々しくアイツらを出すんじゃねぇ…ぶっ殺すぞ?

 

それだけ告げ、彼らに背を向けて立ち去って行った。

 

小鳥遊(仮面ライダーは、凄まじい兵器だ…我々害特にも、ライダーシステムを取り入れられないだろうか……)

 

これまでの仮面ライダーという兵器の活躍を見てきた小鳥遊大臣は密かに…ライダーシステムの開発に視野を入れ始めたのであった。

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