〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百四話 偶然の再会

次の日、またその次の日も…海の家『かぼす』は大繁盛していた。翔達も忙しく働いていた。

 

諒芽「しっかしまぁ、あっちぃなぁ!!」

 

翔「当たり前だろ、季節的にも場所的にも灼熱地獄だ。」

 

厨房で調理を担当する男達は、汗を拭いながら調理している。店主からも「水分は遠慮なく取ってくれ」と予め言われており、時より水を飲んだりもしていた。

 

一海「小春、カルボナーラ4人前出来た!!持ってってくれ!!」

 

小春「わかりました!!」

 

諒芽「翠翠、生ビール2つよろしく!!」

 

翠「はいよっ!!」

 

翔達は互いに信頼し合い、声掛けをしながら上手く連携を取り合っている。休憩を挟み、午後もいつも通り勤務をする。この日は翔が紫と交代で接客に入っていた。いつも通り勤務をしていたその時…

 

 

ミア「あれ?もしかして翔さん?」

 

ディオ「あ、翔さん……」

 

トリア「おぉ、これはこれは翔さん!!」

 

 

偶然にも、この海の家にNumberSの3人が来ていた。

 

翔「…よぉ。」

 

ミア「久しぶりだね、元気にしてる?」

 

翔「…さぁな、それより注文は?」

 

ミア「ボクはそうだねぇ……この、アメリカンドッグとコーラで、翔さんの愛情も入れてね♪」

 

ディオ「ディオは……焼きそばとカルピス。」

 

トリア「私は焼きトウモロコシとウーロン茶を。」

 

翔「承知した。」

 

翔は厨房に行き、注文したメモを見せる。それを見た料理班は調理を始める。料理が完成すると、翔はそれをミア達の元へ運ぶ。料理を配り、持ち場に戻っていく。だが、その後すぐ……

 

店長「翔、ご指名が上がったぞ?」

 

翔「指名だぁ?」

 

店長「あぁ、ミアちゃんからな。行ってやれ?」

 

ミアから指名を受けた為、彼女が待つ席へと向かった。

 

ミア「あっ、翔さん来た。ディオ、トリア、翔さん来てくれたよ〜♪」

 

ディオ「…急に居なくなって、びっくりしたし……」

 

トリア「しかし、それは翔さん自らの意志でご決断された事…あまり詮索するのは」

 

ミア「どうしてドールハウスからいなくなったりしたの?」

 

トリア「ミア、そこまでに致しましょう。」

 

ドールハウスを離れた理由を聞こうとするミアを止めるトリア。

 

ディオ「ディオ、翔さん居ないと…寂しいし……戻って来て欲しい……」

 

翔「そいつはできねぇ相談だ。しばらく考える時間が欲しいんだよ……」

 

翔がドールハウスを離れていった事に、ディオは寂しく感じていた。ドールハウスにいるNumberSも、翔がドールハウスを離れた理由を聞いていたが…本人から聞いた方が確実だと、ミアは態々ここまで来たのだ。

 

ミア「理由は何となく分かった…まぁ、戻りたくなったら戻って来れば良いと思うよ?ボクはいつでも、待ってるからさ。」

 

翔「…そうか。」

 

話を終えた翔は、厨房へと戻って行った。その後はいつものように料理を作っていた。しかし、またしても思わぬ来客が……

 

蜜璃「ここだよここ!!今話題の海の家『かぼす』は!!」

 

深雪「えぇ、そうですね。」

 

何と、蜜璃と深雪もここに来ていたのだ。

 

翔「……。」

 

彼女達がここに来ても、翔は黙々と料理を作っていた。

 

翔(…こっからは、死ぬ程忙しくなりそうだ。)

 

まもなく、注文が入る。蜜璃は焼きそばの極盛りを2皿、アメリカンドッグ5本、ホタテのバター醤油焼きを10皿、烏龍茶、コーラ、カルピスソーダを注文した。深雪は焼きそば、ホタテのバター醤油焼き、烏龍茶を注文した。

 

翔「おい、覚悟はできてるか?」

 

一海「あぁ、できてるよ…!」

 

諒芽「おう、押し返してやるぜ!!」

 

大助「うしっ、腕がなるなぁ。」

 

調理班は互いに声を掛け合いながら大量注文された料理を作り始める。時には焼きそばを、ホタテを、アメリカンドッグを、飲み物とローテーションで交代もしつつ、テキパキと作っていく。料理ができると、接客班の女性陣が次々に料理を運んで行く。

 

蜜璃「あれ、よく見たら……も、モニカちゃん!?ほたるちゃんも小春ちゃんも!?」

 

深雪「あら、紫さんも翠さんも居ますね。」

 

次第に、海の家の従業員達が顔見知りである事に気付き始める蜜璃と深雪。

 

蜜璃「皆がいるって事は、もしかして…翔君もいるのかなぁ?」

 

深雪「居てくれたなら、嬉しいですね。」

 

その時、厨房の方から何やら怒号が聞こえて来る。

 

「おい焦るな!!焼きそばは大助さんと俺がやる、一海はホタテ!!諒芽は飲み物!!」

 

その怒号は、まさに蜜璃と深雪が期待していた者の声だった。

 

蜜璃(翔君の声だ…!!)

 

深雪(あらあら、何てラッキーな偶然でしょう。)

 

やがて、厨房から翔を初めとする男性陣が、大量の料理を持って出て来た。今日は特に忙しく、接客担当の女性陣だけでは回すのが難しかったようだ。

 

一海「お待たせしました!!」

 

翔「待たせちまったからな、こっそりサービスしといたぜ?」

 

翔は料理を置くと、さっさと厨房に戻って行った。

 

蜜璃「……。」

蜜璃(翔君、行っちゃった…)

 

翔に声を掛けられず、寂しそうな顔をする蜜璃。

 

深雪「蜜璃さん、彼らの仕事が終わるまで…ここを満喫しましょう?その後でも、翔君と話せるかもしれませんし。」

 

蜜璃「ホント!?うん、そうするよ深雪ちゃん!!さ、食べようか!!」

 

深雪の言葉を聞き、すぐに機嫌を直した蜜璃は、大量注文した料理を食べ進めていく。彼女の食事ペースは早く、そして食べ方がキレイである。大食い界でも彼女は有名であるが、当の本人は自覚が無いようだ。

 

ミア「おぉ、あのお姉さんスゴいね。ディオ、トリア。」

 

ディオ「よく見て、蜜璃…」

 

トリア「これはこれは、Dr.深雪とDr.蜜璃ではありませんか。」

 

蜜璃「あっ、NumberSの皆!!」

 

深雪「あら、こんにちは。」

 

NumberSと合流した深雪と蜜璃は、翔達の勤務が終わるまで海を満喫したのであった。

 

 

 

その日の夜、翔達の勤務が終了した。

 

諒芽「いやぁ、つっかれたぁ〜!!」

 

一海「なぁお疲れ様!!」

 

メンバー達は互いを労う中、翔はこっそりその場から離れていく。

 

翠(おっ、隊長ちゃんどこ行くんだろ?)

 

彼が離れていくのを気付いたのは、翠のみ…止めはしなかったが、どこへ行くのか気になっていた。

 

翔「……。」ザッ…

 

ビーチか少し離れた岩場にやって来た翔は、そこで足を止める。そこに、深雪と蜜璃、NumberSがやって来る。

 

深雪「こんばんは、翔君。今日は月が綺麗ですね。」

 

蜜璃「お疲れ様、翔君。」

 

夜空の満月から発せられる月灯りが、翔達を照らす。

 

翔「……用件は何だ?」

 

ミア「用件?ボク達はただ、翔さんに逢いに来ただけだよ?」

 

翔「……もうやめろ、そういうの……」

 

ミアの言葉を聞き、低い声を出す翔。

 

蜜璃「えっ、えっとね翔君……見て、腕もすっかり治ったんだよ?ほら!!」

 

蜜璃の腕は、ほぼ普通に動かせるようになっていた。懸命にリハビリに励み、漸く動かせるようになったのだ。しかし……

 

翔「要らねぇよ、そんな報告…もう逢いに来るのはやめろっつってんだ……何故それがわからねぇ!?」

 

今度は強い口調で、彼女達に拒絶反応を示す翔。

 

ディオ「…なんで?」

 

翔「何でじゃねぇよ…俺はもう、ドールハウスの者じゃねぇからだ……そっちとはもう無関係なんだよ…!!」

 

トリア「嗚呼翔さん、そのような悲しい事を……何かあったのですか?」

 

翔「答える義理はねぇよ……」

 

トリアの質問に答えない翔。

 

深雪「……。」

深雪(そう言えば、最近ストライカー達の襲撃が綺麗サッパリなくなりましたね…まさか……)

 

深雪は少し考えた後、翔にこう言った。

 

 

深雪「翔君、もしかしてですけど……ストライカーを、ドールハウスから遠ざける為に、わざと私達を攻撃しました?」

 

 

深雪の言葉を聞き、目を丸くする翔。どうやら、図星のようだ。

 

深雪「その反応を見るからに、図星ですね?」

 

翔「…ちっ、これだから女は嫌いなんだ……」

 

翔は舌打ちをすると、彼女達の前から去って行く。去り際に、こう言った。

 

 

翔「良いか?任務を遂行したければ、俺達に接触するな…お前達に刃を向けたお陰で、あのバカ共はまんまと罠にかかったんだ……これ以上接触しようモノなら、本当にお前達を狩るぞ?作戦が失敗したら、どう責任取ってくれるんだこの野郎?」

 

 

「「「「「……。」」」」」

 

翔の言葉に、何も言えない彼女達。そんな彼女達を見た翔は、ホテルへと入っていった。

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