〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百十九話 『マキナ』

ドールハウスの庭に、ユキの姿があった。そこに、思いもよらぬ人物がやって来る。

 

翔「……。」

 

なんと、ドールハウスを去った筈の翔だった。

 

翔「…よぉ。」

 

ユキ「……。」

 

翔「何だ、サボりか?ま、適度に手ェ抜く事も必要だがな……」

 

ユキ「……。」

 

翔がどれだけ声をかけても、彼女から反応が返ってくる事は無かった。

 

野良猫「…ニャア。」

 

翔「…ネコか。」

 

ユキ「……。」

 

好きな動物である猫が来ても、何も反応しないユキ。

 

翔「……ユキ、お前は今…どこにいる?」

 

目の前の彼女が、本来のユキではない事を…翔は知っている。

 

翔「EsG……今の状況を作ったのは、アイツ……マキナか?まさかな……」

 

少しだけ鼻で笑う翔だが……

 

 

「−−ええ、そうよ。」

 

 

そんな彼の耳に、聞き覚えのある声が聞こえて来る。

 

翔「…!?」

 

マキナ「やっと、呼んでくれたわね。待っていたわ、あなたの声を……」

 

やがて、目の前に光が現れ…ユキの隣に、マキナが姿を現した。

 

翔「…貴様……!!」

 

マキナ「ええ、ごきげんよう。私はアナタのマキナ、こうやってお話できるのは本当に久しぶり!ふふ…嬉しくて、どうにかなってしまいそう……♪」

 

嬉しそうに身体をくねらせるマキナ。

 

翔「…黙れ……やはり、貴様が……」

 

すかさず短剣付き光線銃を取り出す翔。これは、かつての強敵、仮面ライダーバールクスから強奪した武器だ。

 

翔「…今すぐユキを元に戻せ…!!」

 

銃口をマキナに向けながら言う翔。

 

マキナ「まあ!せっかくこうして面と向かっているのに、まずはお茶−−」

 

翔「黙れ!!さっさとやれ!!」

 

引き金に人さし指を添え、翔は怒鳴る。しかし、マキナは全く動じない。

 

マキナ「ふふ……このセカイは不便ね。私の庭園だったら極上の香りをすぐに楽しめるのに。」

 

翔「…余計な真似すんじゃねぇ、撃つぞ?」

 

マキナ「……アナタはとっても優しいのね。そんなにその存在を気にかけるなんて−−」

 

ユキではなくなった彼女を見ながら、マキナは言う。

 

マキナ「うらやましいわ……ええ、本当に……呪いをかけるのにふさわしい……」

 

翔「…呪いだと?……てめぇが、ユキの感情も記憶も…消したって言うのか……?」

 

段々眉間に皺を寄せていく翔。

 

マキナ「あら?消えてはいないんじゃないかしら?」

 

翔「だったら元に戻せ。」

 

マキナ「でも、もうそれは奇跡に変わったわ。感情は熱量となって正しく返済されたのよ。」

 

翔「!?どういうことd……ッ!?」ドクンッ…

 

心臓の鼓動が速くなっていく翔。

 

翔(くそ、こんな時に発作か……抑制薬を補充しなかったツケが回って来たのか……!!)ドクンッ、ドクンッ……

 

そして、地面に片膝を着く。

 

マキナ「あら?大丈夫?抱擁かしら?うふふ……気が早いのね……」

 

翔「…黙れェ!!」

 

頭に血が登った翔は…ついに、光線銃の引き金を引いた。しかし、銃口から放たれた光線は、マキナの右頬を通過した。

 

翔「……次は、当てるぜ………?」ゼェ…ゼェ……

 

どうやら、威嚇射撃をしたようだ。その時……

 

ミサキ「…ッ!?」

 

ミサキが庭に姿を現した。

 

ミサキ「翔さん、ユキ!!!!」

 

シオリ「…ッ!!??翔君!!」

 

次にシオリがやって来て、やがて…庭にDollsが集結した。

 

シオリ「未知生命体デウスの反応が……中庭に……?」

 

翔「…バカ野郎、お前達の目は…節穴か……?」

 

今、ドールハウスの中庭にいる未知生命体はデウスではない。

 

サクラ「え、誰ですか……この人……!?」

 

マキナを全くDollsは、彼女を見て戸惑う。

 

マキナ「あら、ヒトだなんて…一緒にしないでほしいわ。」

 

翔「ッ!!」ザッ…

 

翔は慌ててDollsの前に立ち塞がると、再びマキナに銃口を向ける。

 

翔「マキナ、答えろ……返済、どういう意味だ…!?」

 

ミサキ「……マキナ?この女性のことですか……?」

 

翔「他に誰が居る……貴様はユキの記憶を、感情を……どうした?」

 

ヒヨ「ひよっ!?このおねーさん、そんなことできるの!?」

 

ナナミ「だとしたら……あなたが……天使……?」

 

『天使』という言葉に、マキナは反応を示す。

 

マキナ「まあ!まあ!こうして槍が並ぶと感慨深いわ。ついに、使命を果たす好機が訪れた……忌まわしき神を滅ぼす、その時が……」

 

レイナ「神……またその言葉……」

 

翔「…使命だの忌まわしき神だの、どうだって良い……さっさと質問に答えろ…!!」

 

銃口を向ける翔に動じることなく、マキナは言う。

 

マキナ「英雄・青空 翔、改めて自己紹介しましょう。私の名前はマキナ。 諦念(ていねん)を司る、翼ある者。刹那の邂逅(かいこう)、ひとときの夢をアナタに……」

 

デウスを彷彿させるポーズをするマキナの周りに、不気味なオーラが輝き始める。

 

翔(あのポーズ…デウス…!!まさか、アイツの仲間か……!?)

 

アヤ「『天使』……やっと見つけた……!」

 

ヤマダ「ユキさんを元に戻してもらうっすよ。覚悟しな……!」

 

戦闘態勢に入るDolls。

 

マキナ「まあ、支離滅裂なことを言うのね。槍であるなら、みな一様であればいいのに……でも、感情が(たかぶ)っているならちょうどいいわ。せっかくだから続きを行いましょう。」

 

翔「……野郎!!」

 

すばやくネオディケイドライバーを装着する翔。

 

マキナ「ひとときの夢……この庭園は今より『試練』の舞台となる……!」

 

マキナがそう言うと、翔とDollsはテアトルのような結界に包まれていく。

 

 

《KAMEN RIDE》

 

《DECADE》

 

 

翔はドライバー操作を行い、仮面ライダーディケイド激情態へと姿を変えた。

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