〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
ドールハウスの庭に、ユキの姿があった。そこに、思いもよらぬ人物がやって来る。
翔「……。」
なんと、ドールハウスを去った筈の翔だった。
翔「…よぉ。」
ユキ「……。」
翔「何だ、サボりか?ま、適度に手ェ抜く事も必要だがな……」
ユキ「……。」
翔がどれだけ声をかけても、彼女から反応が返ってくる事は無かった。
野良猫「…ニャア。」
翔「…ネコか。」
ユキ「……。」
好きな動物である猫が来ても、何も反応しないユキ。
翔「……ユキ、お前は今…どこにいる?」
目の前の彼女が、本来のユキではない事を…翔は知っている。
翔「EsG……今の状況を作ったのは、アイツ……マキナか?まさかな……」
少しだけ鼻で笑う翔だが……
そんな彼の耳に、聞き覚えのある声が聞こえて来る。
翔「…!?」
マキナ「やっと、呼んでくれたわね。待っていたわ、あなたの声を……」
やがて、目の前に光が現れ…ユキの隣に、マキナが姿を現した。
翔「…貴様……!!」
マキナ「ええ、ごきげんよう。私はアナタのマキナ、こうやってお話できるのは本当に久しぶり!ふふ…嬉しくて、どうにかなってしまいそう……♪」
嬉しそうに身体をくねらせるマキナ。
翔「…黙れ……やはり、貴様が……」
すかさず短剣付き光線銃を取り出す翔。これは、かつての強敵、仮面ライダーバールクスから強奪した武器だ。
翔「…今すぐユキを元に戻せ…!!」
銃口をマキナに向けながら言う翔。
マキナ「まあ!せっかくこうして面と向かっているのに、まずはお茶−−」
翔「黙れ!!さっさとやれ!!」
引き金に人さし指を添え、翔は怒鳴る。しかし、マキナは全く動じない。
マキナ「ふふ……このセカイは不便ね。私の庭園だったら極上の香りをすぐに楽しめるのに。」
翔「…余計な真似すんじゃねぇ、撃つぞ?」
マキナ「……アナタはとっても優しいのね。そんなにその存在を気にかけるなんて−−」
ユキではなくなった彼女を見ながら、マキナは言う。
マキナ「うらやましいわ……ええ、本当に……呪いをかけるのにふさわしい……」
翔「…呪いだと?……てめぇが、ユキの感情も記憶も…消したって言うのか……?」
段々眉間に皺を寄せていく翔。
マキナ「あら?消えてはいないんじゃないかしら?」
翔「だったら元に戻せ。」
マキナ「でも、もうそれは奇跡に変わったわ。感情は熱量となって正しく返済されたのよ。」
翔「!?どういうことd……ッ!?」ドクンッ…
心臓の鼓動が速くなっていく翔。
翔(くそ、こんな時に発作か……抑制薬を補充しなかったツケが回って来たのか……!!)ドクンッ、ドクンッ……
そして、地面に片膝を着く。
マキナ「あら?大丈夫?抱擁かしら?うふふ……気が早いのね……」
翔「…黙れェ!!」
頭に血が登った翔は…ついに、光線銃の引き金を引いた。しかし、銃口から放たれた光線は、マキナの右頬を通過した。
翔「……次は、当てるぜ………?」ゼェ…ゼェ……
どうやら、威嚇射撃をしたようだ。その時……
ミサキ「…ッ!?」
ミサキが庭に姿を現した。
ミサキ「翔さん、ユキ!!!!」
シオリ「…ッ!!??翔君!!」
次にシオリがやって来て、やがて…庭にDollsが集結した。
シオリ「未知生命体デウスの反応が……中庭に……?」
翔「…バカ野郎、お前達の目は…節穴か……?」
今、ドールハウスの中庭にいる未知生命体はデウスではない。
サクラ「え、誰ですか……この人……!?」
マキナを全くDollsは、彼女を見て戸惑う。
マキナ「あら、ヒトだなんて…一緒にしないでほしいわ。」
翔「ッ!!」ザッ…
翔は慌ててDollsの前に立ち塞がると、再びマキナに銃口を向ける。
翔「マキナ、答えろ……返済、どういう意味だ…!?」
ミサキ「……マキナ?この女性のことですか……?」
翔「他に誰が居る……貴様はユキの記憶を、感情を……どうした?」
ヒヨ「ひよっ!?このおねーさん、そんなことできるの!?」
ナナミ「だとしたら……あなたが……『天使』……?」
『天使』という言葉に、マキナは反応を示す。
マキナ「まあ!まあ!こうして槍が並ぶと感慨深いわ。ついに、使命を果たす好機が訪れた……忌まわしき神を滅ぼす、その時が……」
レイナ「神……またその言葉……」
翔「…使命だの忌まわしき神だの、どうだって良い……さっさと質問に答えろ…!!」
銃口を向ける翔に動じることなく、マキナは言う。
マキナ「英雄・青空 翔、改めて自己紹介しましょう。私の名前はマキナ。
デウスを彷彿させるポーズをするマキナの周りに、不気味なオーラが輝き始める。
翔(あのポーズ…デウス…!!まさか、アイツの仲間か……!?)
アヤ「『天使』……やっと見つけた……!」
ヤマダ「ユキさんを元に戻してもらうっすよ。覚悟しな……!」
戦闘態勢に入るDolls。
マキナ「まあ、支離滅裂なことを言うのね。槍であるなら、みな一様であればいいのに……でも、感情が
翔「……野郎!!」
すばやくネオディケイドライバーを装着する翔。
マキナ「ひとときの夢……この庭園は今より『試練』の舞台となる……!」
マキナがそう言うと、翔とDollsはテアトルのような結界に包まれていく。
翔はドライバー操作を行い、仮面ライダーディケイド激情態へと姿を変えた。