〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百二十一話 奪われた時間

「−−やはり、EsGがマキナ…斑目の裏に、マキナがいたか。…いや、すまない。私は冷静だ…大丈夫だとも。それで、物証になるものは記録に残ったか?録音、録画、なんでもいいのだが……そうか。さすがにそう簡単に尻尾は掴ませないと。女狐が…………」

 

何やら小鳥遊大臣が、誰かと話をしている。その相手は……

 

小鳥遊「−−どうした、彼女を庇っているのか?君は全く…頭はいいが、人を信用しすぎるきらいがあるな。まあいい。だからこそ哀れなドールたちも君に心を許すのだろう。しかし、敵を身中に引き寄せているのは、彼女の可能性もある。忘れないでくれ。ああ、引き続き動向を頼む−−青空君が、戻って来てくれると良いな。」

 

通信機を切り、ため息を着く小鳥遊大臣。

 

小鳥遊「腸が煮えくり返るとは、このことだな。今までどうやって隠し通した…ともかく…ようやく奪われた君が見つかりそうだ、エクス。」

 

小鳥遊大臣の目の前には、ケースの中で眠るエクスの姿があった。

 

小鳥遊「マキナが動いた……おそらく、君の力を使う時が近づいたからだろう。君の生きた記憶、私達の過ごした時間……それを消費するなど許されない…断じて…許される行為ではない…!堕天使どもめ…神の鉄槌は決して貴様らを逃がさんぞ……入念な準備が必要だ……必ず君を、取り戻す。待っていてくれ……」

 

 

 

 

カナ「はぁ……」

 

その頃、ドールハウスにある観測室で…カナが1人、ため息を着いていた。

 

愛「カナちゃん?」

 

カナ「あ、ごめんなさい……ちょっと資料をまとめていたんですが……皆さんの様子はどうですか?」

 

愛「動揺しているみたい。あの時、ドレスが変わった時のように……翔君が一時的にこっちに来て、少し落ち着いてきていたのに……また皆の感情が昂って……」

 

カナ「そうですか……」

 

翔が一時的に戻って来て、Dollsを助けたのはカナも知っていた。現在、Dollsは各々の部屋で休んでいるそうだ。

 

カナ「未知生命体マキナ……EsGの本体……味方じゃ……なかったのかしら……」

 

愛「カナちゃん……」

 

そんな時……

 

「味方だぁ?なぁに馬鹿げた事言ってんだ……」

 

観測室に、翔が入って来た。

 

カナ「!?…しょ、翔君……!!」

 

翔「EsGはなぁ、俺達を最初から利用していたに過ぎねぇんだよ…ま、俺らもそんなEsGを利用してやった……何故そんな簡単な事が分からない?」

 

愛「えっ…!?」

 

翔「信じる奴は馬鹿を見る……あまりEsGを馬鹿正直に信じてんじゃねぇよ……」

 

ドールハウスを去った筈の翔が、何故かドールハウスにやって来ている光景は…カナと愛にとっては、違和感である。

 

翔「俺が何故ここにいるのかってか?お前達に1つ、報告をしに来ただけだ……」

 

翔はそう言うと、1本のUSBメモリーをカナに渡す。

 

翔「再生してみな?」

 

彼の言う通り、USBに入っている1つの動画を再生する。そこには、ホースオルフェノクと共に、ストライカー達を滅多打ちにする翔が映っていた。

 

カナ&愛「「……!!」」

 

あまりにも惨い光景に、カナと愛は驚愕し…言葉を失った。

 

翔「これで、奴らは暫く動けねぇ……だからここに来れるんだよ……」

 

翔はそう言うと、観測室から出て行く。

 

翔「その動画はやるよ…後は処分するなり保存するなり、好きにしろ。じゃあな。」

 

そう言い残し、彼はドールハウスから去って行った。

 

カナ「……翔、君……」

 

寂しげな顔をするカナに、愛はこう言った。

 

愛「カナちゃんも休んで……考える時間が必要なんだよ。みんなも、アタシも……」

 

カナ「そう、ですね……愛さんも、無理しないでください。」

 

愛「うん、もちろん……」

 

観測室を退室していくカナを見送り、1人考え事をする愛。

 

愛(でも…何を足がかりに……ユキちゃんを……みんなを……いつも通りに戻す……奇跡……奇跡か……)

 

 

 

 

 

ドールハウスを去った翔は、江東区にあるSTARS本部ビルに帰還した。

 

あから「おかえり、隊長殿!!」

 

翔「あぁ、ただいま。」

 

現在、STARSはドールハウスと敵対関係を結んでいる。その為、彼らが安易にドールハウスに行くのはあり得ない。

 

翠「ねぇねぇ隊長ちゃん、例のアレ…ドールハウスに渡してきたの?」

 

翔「あぁ、良い手土産になったろ…」

 

小春「では、私達はドールハウスと」

 

翔「気持ちは分かるが、まだ早ェ……」

 

STARSのメンバー達は、ドールハウスと敵対関係解消を望んでいる。それは彼も知っている。

 

翔「知能の高い妖魔もいるんだ、ソイツらを潰してから解消する。現在、マザーモシュネが多数のモシュネを使って捜索に当たっている。うち漏らしはぜってぇに許されねぇ……」

 

翔の言葉を聞き、モニカが言う。

 

モニカ「でもさ隊長さん、どのみちうちらはドールハウスとの敵対をやめるんでしょ?その間に、ストライカー達は妖魔を呼びこむ…知能の高い妖魔もね?だったら、また同じ事の繰り返しになるんじゃない?」

 

翔「念の為だ、念の為……まぁ、アイツらが使命を捨てた以上、妖魔との戦闘は避けて通れねぇからな……それについては、同じ事の繰り返しになるな。今はまだ準備期間ってとこだな……」

 

STARSはドールハウスとの敵対解消の為、準備をしているのであった。

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