〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
荒川区域の浄化が完了し、東京奪還へ大きく足を進めたDolls達。今日は彼女達にとって、楽しみにしていた日だった。
ヒヨ「翔さん、帰ってきてくれるんだよね!?」
レイナ「えぇそうよ、だから皆で美しくお出迎えしましょう♪」
サクラ「定期的に翔さんのお部屋のお掃除をして良かったです♪」
ナナミ「それはそうですね。翔さんにはいつでも快適な場所で過ごして貰いたいですから。」
シオリ「翔君、本当に良かった……はぁ、早く来てくれないかしらぁ♡」
ミサキ「翔さんは今残りの荷物を運んでいるのよ、すぐには来れなくても……今日は必ず来るって言ってたじゃない。」
ヤマダ「そんなこと言っちゃって~、ミサキさんも翔さんが帰って来るのを楽しみすぎて眠れなかったっしょ~♪」
アヤ「アンタもでしょうが!!ゲームもろくに集中できてなかったくせに!!」
ユキ「翔さん、早く会いたいです…♪」
そう、今日は翔がドールハウスに帰って来る日だからだ。彼が結成した戦闘組織『Striker Attacks(通称:STARS)』だが、これまで多くの都民を守るために働いて来た事が認められ、日本政府からもアメリカ政府からも公認される組織になったのだ。それと同時に、STARSはドールハウスと合併する事になった。Dollsが不滅であると同じく、STARSも不滅なのだ。
カナ「皆さ~ん、翔君達が来ましたよ~!!」
カナの声を聞いたDolls一同は、外へ向かった。玄関に着くと、STARSのメンバー達が歩いて来ていた。
ヒヨ「あっ、あからちゃ~ん!!ほたるちゃん、マリちゃん、雪枝ちゃん、モニカちゃん、幸子ちゃん!!」
ドールハウスでもお馴染みの面子は勿論のこと、スパイとしてストライカーに紛れ、翔の手助けをしていた楓とフェイとリョウコもこれを機にドールハウス所属となったのだ。
カナ「元ストライカーの…ううん、STARSの皆さん、おかえりなさい♪楓ちゃん、フェイちゃん、リョウコちゃん、ドールハウスへようこそ♪」
あから「皆、ただいま!!そして敵対してごめん!!」
必死で謝罪するあからだが、ドールハウスの皆は最初から怒っていなかった。何故ならそれは、翔が任務成功の為に配慮していた事を知っているから。その後……ザッ…ザッ…ザッ…と、足音が聞こえて来て……
サクラ「あっ!!翔さ~ん!!彩羽さ~ん!!」
翔と彩羽が歩いて来ているのが見えた。彩羽は手を振っているが、翔は全く手を振ること無く普通に歩いている。
蜜璃「翔君…!!」
皆と共に彼を出迎えた蜜璃は、目に涙を浮かべながらも笑顔を見せている。彼女の腕はすっかり元通りになり、問題なく動かせるようになっていた。
翔「……!」
蜜璃を見た途端、翔の足が止まり……彼は立ち止まってしまう。蜜璃を喰ってしまった事に対する罪悪感は、ずっと残っているのだ。
彩羽「翔君、大丈夫だよ。」
翔「……。」
彩羽「ほら行こっ♪皆待ってるんだから♪」
翔「……お、おい!?」
彩羽は翔の手を取り、ドールハウスにて待っているメンバー達の前に来た。
翔「……。」
何を話せば良いか分からず、戸惑っている翔。そんな彼を、蜜璃は動かせるようになった腕で優しく抱き締めた。その瞬間、翔の目から大粒の涙が流れ落ちた。
翔「……っ…七草さん…ズズッ、本当に…すまなかった……俺の、俺のせいで……!!」
蜜璃「自分を責めないで、翔君?私は大丈夫だから…ほら、もう大丈夫、心配しないで、ね?」
それでも翔は「すまない……すまない……」と蜜璃に謝罪の言葉を続けた。蜜璃は「大丈夫、大丈夫……」と、優しく翔を慰めた。数分後、漸く泣き止んだ翔だったが……恥ずかしいのか顔を赤くしながらそっぽを向いていた。
レイナ「翔君、何も恥ずかしがる必要なんて無いわ。泣いている翔君だって美しいもの…笑っている翔君も、怒っている翔君もね?」
翔「…うるせぇ///」
レイナにそう言われ、益々顔を真っ赤にする翔。そんな彼の元に、斑目とカナが歩いて来た。
カナ「…翔君、クスンッ……おかえり、なさい…♪」
斑目「翔、よく戻って来てくれたな……」
2人にも抱き締められ、またも恥ずかしそうにする翔。そして……
翔「……ただいま、皆。」
…と、ボソッと呟いた。それはしっかり皆に聞こえており……
ドールハウスに帰って来た翔は、皆から盛大に出迎えられた。
その日の夜、翔達の帰還と任務成功を祝って打ち上げが行われた。斑目もカナも愛もいる、深雪と蜜璃、Numbersの面子も皆いる。この日の為に、蜜璃は張り切ってご馳走を作っていたのだ。得意料理のタルトも、翔の大好物の肉料理も、色とりどりのフルーツは大助からの贈り物だ。
レイナ「それじゃあ皆、グラスを持って?任務成功、翔君達の帰還を祝って…乾杯!!」
この場には、一海達の姿もあった。ドールハウスを離れていた翔を支えてくれた礼と、引っ越し作業の手助けをした報酬として招待された。給料も、翔によって手渡しで渡された。
一海「なぁ翔、1人100万ずつってお前…どんだけ資産持ってんだよ?」
翔「…何だ、要らねぇってか?」
一海「ごめんなさい要ります要ります!!」
翔「冗談だ、アンペイドワークなんてさせられっかよ……」
一海は諒芽と共に翔をからかうつもりだったようだが、結局返り討ちにあっていた。
諒芽「あ~あ、翔ちんにはとても敵わねぇや……」
紫「翔、私達にこんなに渡して…貯金はあるのか?」汗
翔「当たり前だ、ドールハウスで用心棒してた時にガッツリ稼いだんだ。だから問題ねぇよ。」
友香「えっと、その…あ、ありがとうございます…?」汗
実際、翔の口座には1億2000万円程の大金がある。とはいえ、部下達に外食を奢ったりもしていた。自分はこっそり節約し、食事も最低限にしていたのだ。それは翔以外誰も知らない...
翔(それを話せば周りがうるさくなるのが目に見えているからな……)
ユキ「…翔さん、痩せましたか?」
翔「……ダイエットしてんだよ。」汗
ユキに痛い所を突かれ、咄嗟に誤魔化す翔。
諒芽「ダイエットぉ?翔ちんスゲェ肉体美なんだから、そんな必要ねぇだろ?」
翔「これでも体型維持してんだ。」
一海「珍しいな、翔…本当にどうしたんだ?」
翔「どうもしてねぇ。」
諒芽と一海の追撃を振り切り、仮面サイダー(チェリー味)を飲む翔。すると、ユキが沢山の料理が乗った皿を持って翔の近くに座った。
ユキ「一緒に、食べましょう…翔さん…♪」
翔「……分かったよ。」
ユキにくっつかれたまま、翔は黙って料理を口に運んでいく。
シオリ「私達も寂しかったです…翔君、隣失礼しますね♡」
アヤ「あっ!?じゃああたしは翔の背中に座る~♪」
レイナ「それじゃあ皆で翔君を囲みましょう♪」
翔「……何なんだよお前達。」汗
ユキにくっつかれたままなので移動できず、翔はあっという間にDollsに囲まれた。
翔「おい斑目さんよぉ、どうにかしろ。こんなもん隠し撮りされりゃあ速攻でスキャンダルだろ。」
斑目「私でもどうにも出来ん……」汗
翔「役立たずな所長だなぁ……じゃあ南田さん。」
カナ「えっ!?えっと、ご…ごめんなさい翔君!!」
翔「……片山さん。」
愛「う~ん、アタシでもどうにもならないかな♪てへっ♡」
翔「……胡蝶さん、七草さん。」
深雪「良いじゃないですか翔君。」
蜜璃「そうそう、翔君は皆に愛されてるんだから♪そんな翔君も可愛いっ♡」
翔「……ざけんなよ。」汗
周りに助けを求めてもどうにもならず、翔は観念するしか無かった。
ミア「ヤマダ氏が言ってたように、ぎゃるげー?ならハッピーエンドだよね♪」
ディオ「……。」
トリア「おぉ!!これが、無償の愛……これはもはや芸術、素晴らしいです!!」
NumbersもSTARSのメンバー達も高みの見物状態なので、まるで話にならない。それは、一海達も彩羽もだった……
サクラ「えへへ、翔さん…♪」
ミサキ「……寂しかったんですよ、翔さん?」
シオリ「はぁ、美味しい料理に大好きな翔君…幸せ♡」
レイナ「ドールハウスは翔君が居てこそ、よ♡」
ヒヨ「おかえり翔さ~ん♪」
ナナミ「せめて今日だけは、このままで居させてくださいね…?」
アヤ「翔…あたしは、皆はずっと……翔が帰って来てくれるって、信じてたんだからね?」
ヤマダ「ふひひ…いやぁ~、翔さんも罪な男ですねぇ♪こんなに沢山の美女達に愛されて♪」
翔がドールハウスに帰って来たことで、すっかり明るさを取り戻していた。
ユキ「翔さん、翔さん…♡」
翔「……ったく、仕方ねぇな。」
普段なら抵抗する翔だが、今日だけは大人しくDollsに甘えられるがままになっていた。一時的にドールハウスと決別し、敵対関係であった翔とSTARSのメンバー達……しかし、もうその必要は無い。どんな事情があれど、どれだけ離れていても、翔が育んで来た絆は…永遠に途切れる事は無いのだから……
チヒロ『みんな嬉しそうだね、Nさん、Vちゃん♪』
転生者N『本当ね、こんなにも温かいシチュエーション…嫌いじゃないわ、寧ろ好き好きの大好きだわぁ!!』
転生者V『良かったね、お兄さん。』
戦いで散っていったかつての仲間も、天からその光景を温かく見守り、微笑むのであった。
ED~DA PUMP『Bright! our future』~♪
これにて、Case 2(第2章)は終了です。
本当は第3章も書きたいのですが、気分転換で書き始めた別の物語に集中したり、無気力な日が続いていたため、このままではこの物語の完結ができないと判断しました。
プロジェクト東京ドールズもサービス終了からおよそ4年経過しているのもあり、物語完結に向けて進めていきます。
アリス・ギア・アイギスにて、Dollsコラボが復活し、チームC全員お迎えできました。これを機に、またこの物語を進めようと決断した次第であります。お待たせしてしまったこと、心より深くお詫び申し上げます。
本当に、申し訳ございませんでした。
次回からは、『Case Final(最終章)』の物語を書き始めます。