〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
一海達がライダーシステムを開発する中、アイドルグループであるプロジェクト・東京ドールズは引き続きフィール収集を行っていた。アイドル達は翔についての物語を語り、その後にパフォーマンスを披露する。時に逆のパターンで行う事も…更に、パフォーマンスを披露する為の衣装には翔が身に付けている腕輪『アマゾンズレジスター』を型どったバングルがあったり、ベルトバックルには変身ベルト『アマゾンズドライバー』を彷彿とさせる物になっている。これにより、純粋な翔のファンも引き寄せ、効率良くフィールを収集した。しかし……
一海「よし…漸く、10%か。」
それでもまだまだ、フィールは足りない。
カナ「斑目さん、このままのライブを続けては…ファン達も飽きてしまうと思われます。」
斑目「時に通常のライブを実行すれば良い。」
ライブに関しても、翔の物語を毎回語るのではなく……時にはアイドルパフォーマンスのみを披露したり、チームごとのパフォーマンス、そして新生となったアイドルグループとしてのパフォーマンスを披露する等の工夫をし、ファンを極力飽きさせないようにしている。
翔「……。」ザッ……
妖魔との戦闘に関しては、翔を中心とするSTARSが行っている。
翔「一海、俺達もそのフィールとやらを集められている。雀の涙程度だがな……」
一海「いや、十分だ。少しでも早くドライバーを完成させねぇとな。」
STARSもほんの僅かではあるものの、フィールを収集している。彼らの戦いを見守り、応援するファンがいるからだ。しかし……
『馬鹿野郎、てめぇら死にてぇのか!?ここは戦場だぞ!?死にたくなけりゃとっとと消えろ!!』
大抵は翔の迫力に恐れ、その場から離れていく。翔にとって、戦闘中であるにも関わらず、戦闘が出来ない者達が戦場に残り、STARSの戦いを見守るのは自殺行為に等しい。そして、単純に邪魔で鬱陶しい……何より、罪の無い人には死んで欲しくないという願いがあるのだ。戦闘はSTARSが主、芸能活動はプロジェクト・東京ドールズが主、ライダーシステム開発は一海達が主だ。それぞれ得意不得意を理解し、支えあっているのだ。
その日の夜……
斑目「……。」
事務所にて書類作業を終えた斑目が、事務所を出ると……
翔「……。」
出てすぐの場所に、翔の姿があった。
斑目「……翔か。」
翔「なぁ、斑目さんよぉ……まだ隠してること、あるんじゃねぇのか?」
斑目「……。」
翔「黙ってるってこたぁ、そうなんだな?」
翔の鋭い視線と低い声を聞いた斑目は、「……あぁ、そうだ。」と呟く。そして、ドールハウスの地下深くのスペースへと彼を案内した。そこには、ステラプリズムがあった。
翔「……やっぱりそうか。」
翔(こんなに近くにあったのが驚きだ、いつから回収したんだ……?)
斑目「回収したのは、君がドールハウスに帰ってきたあの日……ミサキから連絡があってな、君が落ちてきた場所に奇妙な光があったと……それを保管していたところ、このようなクリスタルに変化した。」
翔がこの世界に転生した後、彼が落ちてきた場所に光『ベビーステラプリズム』が落ちていたそうだ。それを回収したミサキが、ドールハウスにて保管することを提案した。それが成長し、ステラプリズムになったらしい。これを使用すると、使用者の意識を異なる
翔「ただし、その最中にステラプリズムが破壊されれば……使用者は2度と目覚めなくなる。所謂植物人間と化す……コイツは非常に脆くてな、エテルノにある『マザーステラプリズム』は、有事に備えて守衛が設置されているんだ。」
このステラプリズムよりも更に巨大なマザーステラプリズム……それを含むステラプリズムは非常に脆く、少しでも傷が付いてしまえば最悪の場合……そのステラプリズムを核とする世界の崩壊が始まってしまうのだ。
翔(この後向かうエテルノは悲惨な光景があるに違いない……もしそうなら、エテルノにあるマザーステラプリズムも破壊する必要があるな…死者の無念も外道共を、皆消し去ってやらねばな……)
斑目「……翔、行ってしまうのか……?」
翔「……あ?」
珍しく口角を下げる斑目。
斑目「君がいなくなってしまえば、プロジェクト・東京ドールズは……この世界は……」
翔「馬鹿言え……この世界なら、一海達がいるじゃねぇか…STARSもいる……万が一新たな脅威が現れれば、ソイツらに任せりゃ良い……」
斑目「プロジェクト・東京ドールズは……」
翔「それはアンタが率いるんだよ……アンタ、ここの所長だろ?それぐらい出来るだろ?出来ねぇなんて言わせねぇからな?」
斑目「……。」
黙り込む斑目に、翔は改めて言う。
翔「誰に何を言われようが、俺は俺の道を進むだけだ……妖魔もストライカーも白河昇も大本営の連中も…俺が殺す。これは、俺がやらなければならない隊長としての責任だからな。」
隊長を辞めて以来、責任を感じていた翔は……自分がやることを隊長としての責任だと言う。
カナ「……翔君っ!!」
そこに、NDトランシーバーを持ったカナが入ってきた。
カナ「せめて、このトランシーバーだけは…肌身離さず持っていてください……うっ、クスンッ……せめて、せめて……翔君の声だけは、聞きたいですから…!!」
更に、深雪と蜜璃も入って来る。
深雪「こちら、風邪薬や痛み止め、傷薬等……色んな薬があります。もしも体調が悪くなった時には、是非使用してください。」
蜜璃「私も、これ……翔君の大好きな料理、たくさん作ったからね?もしお腹が空いちゃったら、遠慮しないで食べて?」
深雪は飲み薬や塗り薬を、蜜璃は弁当を翔に持たせてくれた。更に、プロジェクト・東京ドールズのメンバーを代表し、レイナが翔にこう言った。
レイナ「翔君…私達は離れていても、ずっと一緒……でも、必ず…必ず帰って来て欲しいの……」
レイナの言葉に翔は……
翔「…………わかった。」
……と、かなり間を開けてから呟いた。更に、小鳥遊大臣や大助と百合、一海達も入ってきた。そして、思いもよらぬ人物も……
小鳥遊「青空君、総理からも君に激励の言葉を送りたいと……」
それは、この日本の総理大臣『
石名見「青空さん、この国の為に戦ってくださった貴方のご健闘をお祈り申し上げます…頑張ってください。」
翔「……。」
翔(総理大臣か、コイツ…何かあるな……)
総理大臣と対面した翔だが、彼は総理大臣を信用できなかった。総理大臣はすぐにステラプリズムルームから出ていった。
翔「小鳥遊…アイツには気を付けた方が良い……」
小鳥遊「……。」
カナ「総理には気を付けた方が……どういうことですか?」
翔「時期に分かる。」
彼はネタバレを好まない…それ故に、こうして言葉を濁す事がある。メンバー達は、総理大臣を警戒対象に入れる事にした。