〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
一海「……翔、本当に行っちまうのか?」
翔「当たり前だ、隊長としての責任を果たす為にな……」
一海「頼む…もう少し、もう少しだけ待っててくれねぇか?」
エテルノに向かおうとする翔を引き留める一海。その理由は……
一海「実はな、俺達は総出で新たなライダーシステムを開発しているんだ……ドライバーの形状はもう完成してるんだが、まだ機能がな……それが70%を越えるまで待っててくれないか?」
現在開発中のサイクロトロンドライバーが、まだ完成に至っていないからだ。プロジェクト・東京ドールズが集めたフィールも……未だ50%に達していない。このままでは、とても実用化する事は出来ない。しかし……
翔「無理だな。」
翔は一海の引き留めをあっさり拒否した。
一海「えっ、どうしてだよ……!?」
翔「時間がねぇんだ……仕留めるべき獲物は、既にこの世界からいなくなっている。俺は少しでも早くエテルノに行かなきゃいけねぇんだ……痺れを切らせば奴らはまたこの世界に戻って来ちまうだろ?そうなればもう、奴らを再度エテルノに誘い出す事が困難になる。あの総理大臣も、何だか怪しいんだ……絶対に何かしら企んでいる。お前も気を付けろ……」
ストライカー達も白河昇も既にエテルノにいる。その為、彼らを仕留める為に早く向かわなければならない。時空管理局大本営の連中も、エテルノに拠点を置いているのだ。彼が大本営の気配を探った所、この世界のどこにも居なかったのだった。ステラプリズムに意識を集中させ、再び気配を探ると…五稜館学園近くに、寂れた建物があり、そこに大本営の連中が居ることが判明した。更に、翔の前任の隊長も……既に、五稜館学園近くに身を潜めている事も判明した。
翔「獲物達は既にエテルノに集結している、殺すなら今しかねぇんだ……だから待つことはできねぇ。」
一海「……。」
翔「俺が居ねぇ間、この世界を頼んだぞ…一海。」
翔はそう言うと、ステラプリズムルームへと向かっていった。
ステラプリズムルームに着くと、翔と関わって来た主のメンバー達の姿があった。プロジェクト・東京ドールズ、斑目とカナ、愛と深雪と蜜璃、小鳥遊大臣、STARSのメンバー達とモシュネ達、ジョージ大統領、大助と百合、彩羽……ルリは
ほたる「隊長サン……あたし達やモシュネさん達も貴方のお供として」
翔「駄目だ。」
STARSとモシュネの同行も、彼は拒否した。
翔「お前達が居なくなっちまえば、妖魔の専門家がこの世界から消える。この世界はたちまち妖魔に侵食されちまうだろ……だからお前達はこの世界に残って、妖魔からこの世界を守れ。良いな?」
ほたる「……!!」フルフル
翔の言葉を聞き、首を横に振るほたる。他のメンバー達も翔に言う。
モニカ「もうエテルノは人が踏み入れちゃいけない場所になってる……隊長さんが居なくなった後、アソコはたちまち妖魔に…アマゾン達に侵食されちゃった……だから隊長さん1人じゃアブナイよ!!」
雪枝「ぜ、全員で行けなくても…STARSの誰か1人か2人でも良いですから、どうか……貴方と一緒に」
翔「お前達もとっくに分かってんだろ?人が踏み入れちゃならねぇって……妖魔やアマゾンにまみれた危険な場所になっちまってんだろ?だったら尚更駄目だ…それに、俺はお前達の隊長になった時点でアマゾンになってんだ……危険な場所であろうがどうだって良い……俺の中にあるのは、この世界を守るために殺さなければならねぇ存在がいる…ソイツらを全員殺す……それだけだ。」
翔が居なくなった後のエテルノは悲惨な状態になったらしく、STARSメンバー達もあそこは危険だと言う。それを聞いて翔は、尚更仲間達を巻き込む訳にはいかないと思った。
ミサキ「では、No.1ドールの私が」
翔「駄目だ。」
ミサキ「どうしてですか!?」
翔「お前はこの世界にて輝く星だろ?プロジェクト・東京ドールズは12人だろ?お前の代わりは誰もいねぇんだ、お前だってそれは分かっているはずだ……だから駄目だ。来たらお前を殺す事も躊躇わねぇぜ?」
ミサキ「……そ、そんな…!!」
翔「てか、
プロジェクト・東京ドールズの同行も拒否した翔は、カナから受け取ったNDトランシーバーを持ちながら言う。
翔「お前達はこの世界を守ってくれよ…そうじゃなきゃ、俺も安心して戻って来れねぇだろうが……」
何より、自分が居なくなった後の世界を任せられるのが、彼女達しかいないのだ……一海達と大助、彩羽が力を合わせれば、もっと良い……翔はそう思っていた。
斑目「……翔、忘れ物は無いか?」
翔「ねぇよ。」
彼が持ったのは、旧型のアマゾンズドライバー、新型のネオアマゾンズドライバー、NDトランシーバー、医薬品セット、弁当だ。あまり持っていくと、戦闘にも影響が出ると判断し、最低限の量だ……
彩羽「……翔君……」
目に涙を浮かべる彩羽。そんな彼女に翔はこう言った。
翔「じゃあ……行ってくる、姉貴。」
そして、ステラプリズムに手を触れると……彼の身体が光り始める。今、彼はエテルノに転送されるのだ。
彩羽「……翔君っ!!待ってぇ!!」
彼の元に向かおうとする彩羽を、愛は抱き締める形でおさえつける。
彩羽「愛先生、離してよぉ!!翔君!!翔君!!」
愛「……駄目だよ、彩羽ちゃん……辛いかもしれないけど、翔君を尊重して…?」
メンバー達は涙ながらに、翔がエテルノに転送されるのを見届けた。まもなく、翔の身体が消え……彼は戦いの舞台となるエテルノへと旅立った。