〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百三十四話 エテルノへ……

一海「……翔、本当に行っちまうのか?」

 

翔「当たり前だ、隊長としての責任を果たす為にな……」

 

一海「頼む…もう少し、もう少しだけ待っててくれねぇか?」

 

エテルノに向かおうとする翔を引き留める一海。その理由は……

 

一海「実はな、俺達は総出で新たなライダーシステムを開発しているんだ……ドライバーの形状はもう完成してるんだが、まだ機能がな……それが70%を越えるまで待っててくれないか?」

 

現在開発中のサイクロトロンドライバーが、まだ完成に至っていないからだ。プロジェクト・東京ドールズが集めたフィールも……未だ50%に達していない。このままでは、とても実用化する事は出来ない。しかし……

 

翔「無理だな。」

 

翔は一海の引き留めをあっさり拒否した。

 

一海「えっ、どうしてだよ……!?」

 

翔「時間がねぇんだ……仕留めるべき獲物は、既にこの世界からいなくなっている。俺は少しでも早くエテルノに行かなきゃいけねぇんだ……痺れを切らせば奴らはまたこの世界に戻って来ちまうだろ?そうなればもう、奴らを再度エテルノに誘い出す事が困難になる。あの総理大臣も、何だか怪しいんだ……絶対に何かしら企んでいる。お前も気を付けろ……」

 

ストライカー達も白河昇も既にエテルノにいる。その為、彼らを仕留める為に早く向かわなければならない。時空管理局大本営の連中も、エテルノに拠点を置いているのだ。彼が大本営の気配を探った所、この世界のどこにも居なかったのだった。ステラプリズムに意識を集中させ、再び気配を探ると…五稜館学園近くに、寂れた建物があり、そこに大本営の連中が居ることが判明した。更に、翔の前任の隊長も……既に、五稜館学園近くに身を潜めている事も判明した。

 

翔「獲物達は既にエテルノに集結している、殺すなら今しかねぇんだ……だから待つことはできねぇ。」

 

一海「……。」

 

翔「俺が居ねぇ間、この世界を頼んだぞ…一海。」

 

翔はそう言うと、ステラプリズムルームへと向かっていった。

 

 

 

ステラプリズムルームに着くと、翔と関わって来た主のメンバー達の姿があった。プロジェクト・東京ドールズ、斑目とカナ、愛と深雪と蜜璃、小鳥遊大臣、STARSのメンバー達とモシュネ達、ジョージ大統領、大助と百合、彩羽……ルリは薬袋(しない)先生の元にいる。純粋な子どもにはあまりにも残酷すぎる光景を見せたくないという翔の願いで、この場にはいない。

 

ほたる「隊長サン……あたし達やモシュネさん達も貴方のお供として」

 

翔「駄目だ。」

 

STARSとモシュネの同行も、彼は拒否した。

 

翔「お前達が居なくなっちまえば、妖魔の専門家がこの世界から消える。この世界はたちまち妖魔に侵食されちまうだろ……だからお前達はこの世界に残って、妖魔からこの世界を守れ。良いな?」

 

ほたる「……!!」フルフル

 

翔の言葉を聞き、首を横に振るほたる。他のメンバー達も翔に言う。

 

モニカ「もうエテルノは人が踏み入れちゃいけない場所になってる……隊長さんが居なくなった後、アソコはたちまち妖魔に…アマゾン達に侵食されちゃった……だから隊長さん1人じゃアブナイよ!!」

 

雪枝「ぜ、全員で行けなくても…STARSの誰か1人か2人でも良いですから、どうか……貴方と一緒に」

 

翔「お前達もとっくに分かってんだろ?人が踏み入れちゃならねぇって……妖魔やアマゾンにまみれた危険な場所になっちまってんだろ?だったら尚更駄目だ…それに、俺はお前達の隊長になった時点でアマゾンになってんだ……危険な場所であろうがどうだって良い……俺の中にあるのは、この世界を守るために殺さなければならねぇ存在がいる…ソイツらを全員殺す……それだけだ。」

 

翔が居なくなった後のエテルノは悲惨な状態になったらしく、STARSメンバー達もあそこは危険だと言う。それを聞いて翔は、尚更仲間達を巻き込む訳にはいかないと思った。

 

ミサキ「では、No.1ドールの私が」

 

翔「駄目だ。」

 

ミサキ「どうしてですか!?」

 

翔「お前はこの世界にて輝く星だろ?プロジェクト・東京ドールズは12人だろ?お前の代わりは誰もいねぇんだ、お前だってそれは分かっているはずだ……だから駄目だ。来たらお前を殺す事も躊躇わねぇぜ?」

 

ミサキ「……そ、そんな…!!」

 

翔「てか、NDトランシーバー(コイツ)を持ってんだから会話ぐらい出来るだろ?」

 

プロジェクト・東京ドールズの同行も拒否した翔は、カナから受け取ったNDトランシーバーを持ちながら言う。

 

翔「お前達はこの世界を守ってくれよ…そうじゃなきゃ、俺も安心して戻って来れねぇだろうが……」

 

何より、自分が居なくなった後の世界を任せられるのが、彼女達しかいないのだ……一海達と大助、彩羽が力を合わせれば、もっと良い……翔はそう思っていた。

 

斑目「……翔、忘れ物は無いか?」

 

翔「ねぇよ。」

 

彼が持ったのは、旧型のアマゾンズドライバー、新型のネオアマゾンズドライバー、NDトランシーバー、医薬品セット、弁当だ。あまり持っていくと、戦闘にも影響が出ると判断し、最低限の量だ……

 

彩羽「……翔君……」

 

目に涙を浮かべる彩羽。そんな彼女に翔はこう言った。

 

翔「じゃあ……行ってくる、姉貴。」

 

そして、ステラプリズムに手を触れると……彼の身体が光り始める。今、彼はエテルノに転送されるのだ。

 

彩羽「……翔君っ!!待ってぇ!!」

 

彼の元に向かおうとする彩羽を、愛は抱き締める形でおさえつける。

 

彩羽「愛先生、離してよぉ!!翔君!!翔君!!」

 

愛「……駄目だよ、彩羽ちゃん……辛いかもしれないけど、翔君を尊重して…?」

 

メンバー達は涙ながらに、翔がエテルノに転送されるのを見届けた。まもなく、翔の身体が消え……彼は戦いの舞台となるエテルノへと旅立った。

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