〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
ドールハウスが回収したステラプリズムに触れ、【プロジェクト東京ドールズ】の世界を離れた翔は、決戦の舞台であるエテルノへ降り立った。
翔「……!!??」
しかし、目の前に広がる光景を見て…言葉を失った。見渡してみると、建物の殆どが荒廃し、あちこちに老若男女の死体が転がっている……先程妖魔やアマゾンに殺されたと思われるのもあれば、既に白骨化しているのも…そして、その死体を喰らう蟻のようなアマゾンの姿もある。
翔「……何て、事だ…………」
かつてのエテルノは、争いの無い平和な世界だった。ストライカーによって妖魔から守られ、ここで暮らす人々はかけがえの無い一時を生きていた。だが、翔の前任の隊長が来てから全てがおかしくなっていった……ストライカーを道具として見ており、理不尽な暴言暴力…時空管理局の視察時には猫を被り、彼らを欺き続けた。ストライカー達も休みの無い任務で心身共々ボロボロになり、戦闘力もコンディションも低下……翔が後任として配属された時には、もう既に手遅れになっていた。
蟻アマゾンA「……?」
1体の蟻アマゾンが翔に気付くと、彼を喰おうと走って来る。だが、その直後…その蟻アマゾンが串刺しにされた。
翔「……。」シュルシュル……
何と、翔は自分の髪の毛を伸ばし、蟻アマゾンを瞬殺したのだ。蟻アマゾンはドロドロと溶けて死んだ。
翔「……全員かかって来い、俺が殺してやる!!」
沖縄にて回収されたアマゾンの腕を喰った翔は、急速にアマゾン化が進行し……自身の髪の毛を触手の如く、思うがままに操る事が出来るという特殊能力を獲得したのだ。翔は1度も変身する事なく、その場にいたアマゾンと妖魔達を瞬時に殲滅した。
PPP ーー
カナ『翔君、応答願いま……ッ!?』
NDトランシーバーはオンライン通話のように通話が出来る為、カナは翔の姿を見て言葉を失った。
翔「……何だ?」
カナ『…翔、君……それは……』
翔「…嗚呼、これか……」
翔は髪の毛を元の長さに戻し、カナに説明する。
翔「沖縄で引き上げたアマゾンの腕を喰った事で、俺はこの力を獲得したらしい…お陰で妖魔もアマゾンも効率良く殺す事が出来るぜ。」
あっけらかんとする翔を見て、呆然とするカナ。
斑目『翔、エテルノの様子を教えてくれるか?』
翔「……まるで死後の世界、いや地獄……それもちげぇ…とにかく、目視するには相当な勇気が必要だ。それでも見るか?」
翔はNDトランシーバーの画面を、自身の視線の先へと向けた。
斑目『こ、これは……!?』
翔「ヒデェだろ…ストライカーを統率する時空管理局は、もう一般人を守るという公約を廃棄した……そのせいで、ここで暮らす人達は犠牲になっちまった……この光景が証拠だ。まずは大本営の連中を皆殺しにする……」
愛『場所は分かるの?』
翔「当たり前だ、東の方角からおぞましい程のアマゾン達が居る…雑魚蟻もいりゃあ、クモやコウモリ、ハチとかもな?」
アマゾンである翔は、他のアマゾンの位置を正確に把握する事ができる。その為、一切迷うことなく足を進めていく。
モルガナ「ここがかつてのエテルノだなんて…信じられませんが、受け止めるしかないようですね……」
ミネルヴァ「…うぅ……こんなの、酷すぎる……」
モルガナもミネルヴァもバツの悪そうな声を出している。それでも翔は足を止める事はない。道中、旧式妖魔や兵隊蟻アマゾン達が襲って来たが、髪の毛を触手のように振るい、瞬時に殺害した。
翔「……なぁ、そっちの様子はどうだ?妖魔は?」
カナ『はい、諒芽君と深雪さんと蜜璃さんを中心とする仮面ライダーとSTARSのメンバー達が討伐に当たっています。』
翔「そうか、ならば俺も安心して進める……」
【プロジェクト東京ドールズ】の世界では、現れた妖魔を一海達を初めとする仮面ライダーと、元ストライカーであるSTARSメンバー達が殲滅してくれている。その為、翔は己の使命に集中できる。
アマゾン「「ギャアアァァッ!!」」
翔「……。」ヒュンッ…ズバババッ!!
大本営に近付く度、アマゾン達が襲撃してくる。兵隊蟻アマゾンだけではなく、モズアマゾン、コウモリアマゾン、ウニアマゾン等の中級~上級ランクのアマゾンまでも襲って来る。だが、翔の
ホタルアマゾン「ア、アオゾラ隊長……!!」
翔「……?」
1体のアマゾンが出てきたのだが、彼は人の言葉を話している。どうやら、人としての自我をギリギリ保っている様子……ホタルアマゾンが出てきた後、サンショウウオのようなアマゾン、オシドリのようなアマゾン、ウミヘビやサメ、トラやリスのような姿をしたアマゾン達が続々と出てきた。彼らもホタルアマゾンと同様、人の自我をギリギリ保っている。出てきたアマゾン達は翔に懇願を始める。
サンショウウオアマゾン「オレ達モ…ジクウ管理キョくに騙サレた……」
オシドリアマゾン「ストライカーの隊長トシテ選バれた俺タチを…ジッケンタイとして、利用シテいたなんて……」
ウミヘビアマゾン「コンナ化け物になっちまって、オレ達のジンセイもクルッちマッタ……」
サメアマゾン「ボクは恋人を、喰っちマッた……ニンゲンを食べたいッテいうホンノウをオサエラレナカッタ…!!」
トラアマゾン「ワイは家族全員コロしてクッタ…カナシい筈ナノに、美味いとカンジテモウタ……!!」
リス「アタシは彼氏はモチロン、ジブンの
「お願いシマス!!」「アオ空隊チョウ、たノンマス!!」「オレ達もクルシいんだ…遠慮ナンテイラネェ、コロシテくれぇ…!!」
彼らも時空管理局に利用された被害者…アマゾン化した事で食人衝動を抑えきれず、大切な人達の命を奪ってしまった……
ホタルアマゾン「オレらも総動員でジクウカンリ局に反乱をオコシタんだ……ダガ、ヤツラハ対アマゾン薬を雨とトモニばら撒きヤガッタんだ……そのセイで、大勢のナカマが死んだ……オレらじゃあの極悪非道なヤツラにはカナワネェ……けど、デンセツの隊長とヨバレタあんタナら…あのゲドウレンチュウヲ潰してクレルとカクシンデキル!!タノム!!オレ達を殺したアト、あのゲドウレンチュウヲコロシテクレェェエエエエエエ!!」
彼らの叫びを聞いた翔は、口角を下げると……旧型のアマゾンズドライバーを身に付ける。
翔「……俺は全てを終わらせる為にここに来た。お前達の悲しみや無念、思いは全部…俺が預かった…………だから、安心して死んでくれ……」
アクセラーグリップを捻り、仮面ライダーアマゾンデルタに変身した翔は、現れたアマゾン達を皆殺しにした。
ホタルアマゾン「アリ、がとう……アオ…ゾラ、タイ……ちょ…………」
トラアマゾン「オトン、オカア……ご、め……んな……」
リスアマゾン「ミン、な……イマ、行…ク……よ…………」
アマゾン達は翔への感謝の言葉、殺してしまった仲間達への謝罪の言葉等を口にし、ドロドロに溶けて死んだ。
翔「……ゔっ!?」ドクンドクンッ……
変身が溶けた翔は、空腹を感じ……蜜璃が作った弁当を片っ端から貪った。
翔(この力は使いすぎれば莫大なエネルギーを消耗するのか……)
力の代償を知った翔だったが、もう蜜璃の弁当は全て空になっていた……最低限しか持ってこなかった為、もう何もない……
翔(これでも足りねぇか…ならば、こうするしかねぇな……)
何かを思い付いた翔は、倒壊した大本営のビルに向かって歩き出す。実験体として利用されたアマゾン達や彼らに殺された人達、時空管理局に見捨てられた罪の無い人達の無念を背負い、翔は時空管理局を滅ぼす為に歩みを進めるのだった。