〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

525 / 551
第四百三十七話 時空管理局の滅亡

遂に、大本営本部ビルの最上階にたどり着いた翔。そこで彼を待っていたのは……40~50代程のスーツを身に付けた男だった。

 

 

男「待っていたぞ、実験体No.0006…青空 翔……」

 

 

彼の左腕には、翔と同じアマゾンズレジスターが着いている。彼の名は『四街道 総司』、時空管理局のトップに立つ人物だ。

 

翔「時空管理局大本営最高責任者四街道(よっかいどう) 総司(そうじ)……お前に問おう。何故時空管理局の連中までアマゾンになってんだ?お前達は元々人間だったろ、家畜扱いしていたアマゾンになったのは何故だ?それに、何故エテルノで暮らす人達を見放した…?」

 

彼が今まで倒してきたアマゾンの殆どが、時空管理局の職員だった者……彼らは人間だったが、何故かアマゾン化している事に翔は疑問を抱いていた。翔の問いに対し、総司はこう答えた。

 

 

「貴様が我々の好意を逆恨みし、世間にアマゾン細胞について暴露したからだ!!お陰で我々時空管理局の信用は堕ち、生きるのが困難になったんだ!!だから自らにアマゾン細胞を打ち込み、我々に手を差し伸べようとしない阿呆な人間を喰った!!生きて何が悪い!?人間共は我々に守られた恩を忘れやがって!!だからそんな奴らは死ぬべきなんだ!!見放されて当然の事を、ここの住人共は自ら選んだのだよ!!」

 

 

翔は眉間に皺を寄せながらも、次の問いを投げる。

 

翔「てめぇらはストライカーを率いる隊長達をも実験体として利用していた。てめぇらの身勝手な計画のせいで、彼らは望まぬまま化け物と化してしまったんだ。化け物になっちまった隊長達に対して、どう思ってんだ?」

 

この問いに対し、総司は……

 

 

「どうも思ってない!!私は隊長達までも戦場で活躍できるよう力を与えてやったんだ!!ストライカーのみならず、隊長までもが妖魔と戦えれば効率良く妖魔殲滅ができる!!寧ろ感謝して欲しいぐらいだ!!」

 

 

……と、唾を吐き散らしながら答えた。

 

翔「……そうか、ならば死ね。」

 

翔はネオアマゾンズドライバーに装填されているアマゾンズインジェクターのレバーを押し込み、仮面ライダーアマゾンノヴァデルタへと変身した。総司も雄叫びを上げ、コウモリ姿をしたアマゾン『コウモリアマゾン』へと姿を変えた。アマゾンNδは右腕にアマゾンデルタマシンガンを形成すると、コウモリアマゾン目掛けてアマゾン細胞弾を発射した。しかし、コウモリアマゾンは飛膜を広げ、弾丸を防いだ。

 

コウモリアマゾン「ムダダ!!キサマニワタシヲタオスコトハデキナイ!!キサマガシヌンダヨオオオオォォ!!」

 

コウモリアマゾンはアマゾンNδに向かって走った…と思いきや、背中を向けて外へ逃げ出した。咄嗟にアマゾンNδはアマゾンデルタクローを形成、コウモリアマゾン目掛けて発射し、自分も外へ飛び出す。その直後、スプリンクラーが作動し、水が吹き出した。

 

「「「グギャアアァァ……!!」」」

 

倒壊した本部ビルからは、無数のアマゾン達の断末魔が聞こえてくる。どうやらスプリンクラーの水に原因があるようだ。

 

アマゾンNδ(四街道の野郎、初めからこうするつもりだったのか…仲間と俺を犠牲に、自分だけ助かる……外道め、逃がすか…!!)

 

やがて、アマゾンデルタクローがコウモリアマゾンを捕らえ、アマゾンNδは地面に着地すると同時にコウモリアマゾンを引き戻す。その後、左手でコウモリアマゾンの飛膜を掴み、強引に引きちぎった。直後に、反対の飛膜も引きちぎり、コウモリアマゾンを踏みにじる。

 

アマゾンNδ「てめぇの敗因は1つ…俺に背を向けた事だ……」

 

アマゾンNδは左手でコウモリアマゾンの心臓部を掴む。

 

コウモリアマゾン「ガアアァァッ!!ヤメロォォオオオオオオ!!」

 

アマゾンNδ「やめろだと?てめぇは今まで何回そう言われたんだ?それでてめぇはやめたのか?隊長達にアマゾン細胞を打ち込むのを…やめてねぇだろ?だからやめねぇ……」

 

ギチギチと肉がはち切れる音が聞こえ始めると、コウモリアマゾンは叫びながら言う。

 

 

コウモリアマゾン「ワ、ワカッタ!!ワカッタ!!ジクウカンリキョクサイコウセキニンシャノセキハキサマニヤル!!キサマハオソザキダッタガスバラシイチカラヲテニシタ!!ホントウニ、ホントウニワレワレノホコリダ!!ダカラキサマガジクウカンリキョクヲアラタニヒッパッテイクンダ!!オブリヲセンメツシ、コノセカイニヘイワヲ」

 

 

だが、彼の言葉は火に油を注ぐ事になる。

 

アマゾンNδ「んなもん要らねぇよ…そもそも、アマゾン細胞を開発した時点で、テメェらは終わってんだよ……今更人を変えようがもう手遅れだ…この世界を平和にだぁ?テメェらが壊したんだろ?至るところに転がる老若男女の死体、あちこちに倒壊した建物、公共交通機関も機能していない…崩壊した世界に、平和が訪れる事はねぇんだよ……テメェは最後まで自分の事しか頭に無かったみてぇだな!!さぁ…死ね……

 

そして、コウモリアマゾン…いや、四街道 総司はアマゾンNδに心臓を抉り出され、断末魔を上げて死んだ…………彼が死んだ事で、時空管理局はひっそりと滅亡したのであった。

 

 

 

時空管理局最高責任者である総司を殺した翔は、倒壊した本部ビルを見る。ビルからはドロドロに溶けていくアマゾン達が断末魔を上げながら出て来ている。そしてすぐに死んでいく……

 

 

PPPーー

 

レイナ『翔君、聞こえるかしら…?』

 

翔「……どうした?」

 

NDトランシーバーに映るレイナの表情は暗い。

 

レイナ『ドールハウスにあるステラプリズムが、何者かによって……破壊されてしまったの……』

 

翔がエテルノにてアマゾン狩りをしている中、ドールハウスで管理しているステラプリズムが破壊されてしまったのだ。これにより、翔は2度と元の世界に戻れなくなってしまった。

 

翔「……そうか。」

 

しかし、翔は取り乱す事無く、平常心でいた。

 

ヒヨ『ねぇ翔さん!!壊れちゃったステラプリズム、どうやって直せば良いの!?』

 

翔「1度破壊されたステラプリズムは、もう修復は出来ねぇんだ…犯人は分かっているのか?」

 

ヒヨ『……そ、そんな…じゃあ、ヒヨ達は翔さんと会えないの……う、うぇ…そんなの、嫌だぁぁああああ!!』

 

泣き出してしまうヒヨ、ナナミも苦虫を噛み潰したような顔をしている。

 

ナナミ『犯人は、石名見総理です…ドールハウスに催眠ガスをバラ撒かれ、私たちが眠っている隙に……』

 

翔「……そうか。」

 

彩羽『そうかって……ねぇ翔君!!寂しくないの!?悔しくないの!?もうアタシ達の元に…帰れないんだよ……?』

 

涙ながらに問いかける彩羽に、翔はこう言った。

 

 

翔「孤独には慣れている、それに……

 

 

ありのままを受け入れて貰える幸せ

 

それはもう十分味わった

 

 

だからもう、これ以上求める物は何もねぇよ……化け物である俺を受け入れてくれる存在が居ただけでも、俺は本当に救われた…心から楽しめる経験も出来た…だから俺は、そっちの世界が美しいと思えたんだ……この美しい世界を守れるんなら、もう心残りはねぇ……とっくに覚悟は出来ている、だから心配すんな……」

 

彼の言葉を聞くと、プロジェクト・東京ドールズのメンバー達は涙を流した。Numbersもすっかり感情豊かになっており、彼との別れを惜しみ、声を上げて泣いている。斑目もカナも、愛も深雪も蜜璃も、彩羽も……一海達も大助も百合も、皆が翔との別れを受け入れられず、哭いている。

 

ジョージ「Don't be ridiculous!! I can't accept this!!」

 

ジョージ大統領と小鳥遊大臣は怒ってドールハウスを出ていった。翔は関わってくれた人達の慟哭を聞きながら、先程殺したコウモリアマゾンの心臓を食べた。NDトランシーバーをシャットダウンすると、次は五稜館学園を目指して歩みを進めるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。