〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百三十八話 翔を失った世界は……

エテルノに旅立った翔をサポートに当たっていたドールハウス一同と一海達、大助と百合、そして小鳥遊大臣とジョージ大統領……しかし、何者かによって催眠ガスを散布され、不覚にも眠ってしまった。その隙に、ステラプリズムルームに足を運んでいた者がいた。

 

石名見(全く、隙だらけでしたね……後は、これを破壊すれば…この世界には2度と脅威が来なくなる。国民は守られる……)

 

犯人は日本の総理大臣『石名見 茂行』だった。ドールハウスにいるメンバー達が眠っている間に、ステラプリズムにヒビを入れて破壊したのだ。彼の近くには武装した護衛達がいる、そのため……

 

カナ「ッ!!??……そ、総理…何をしているんですか……?」

 

斑目「ま、まさか……!?」

 

石名見「私はただ、国民を守っただけです。楯突くものなら、命がどうなっても知りませんよ?」

 

カナと斑目を押し退ける事に成功、ドールハウスから去った後……すぐさま会見を開いた。

 

 

石名見『この国を、そして世界を生きる国民の皆様…わたくし石名見 茂行がいる限り、この世界に脅威が現れる事はありません。もう、妖魔にも“彼”にも怯える心配は無用です。私が、国民の皆様を命懸けでお守り致します。』

 

 

これはニュースにも報道され、日本中は大混乱に陥った。SNSでも……

 

『妖魔にも“彼”にも怯える心配はない?彼って誰の事?』

 

『そもそも、妖魔から俺達を守ってくれたのは翔の兄貴じゃね?』

 

『てゆーか、最近翔の兄貴を見なくなった気がする……』

 

……等、翔を心配するコメントや石名見の会見に対しての疑問が飛び交った。その時、国会にジョージ大統領が乱入すると、石名見に怒鳴り付けた。

 

ジョージ「石名見総理!!君は何て事をしてくれたんだ!?」

 

ジョージ大統領の乱入に、他の議員達は驚いていた。しかし、石名見は……

 

石名見「何て事をしてくれた、とは?」

 

……と、しらばっくれる。するとジョージ大統領は、ドールハウスに設置された監視カメラの映像を流した。そこには、石名見がステラプリズムを破壊する様子がはっきりと映っていた。更に、翔に持たせたNDトランシーバーからの映像も……翔がエテルノにて敵のアマゾンや妖魔と戦う様子が映し出される。

 

ジョージ「怪物だらけの世界には、私の友人が……青空 翔が居るんだぞ!?君は彼をあの地獄に閉じ込めたんだぞ!?どうしてくれるんだ!?」

 

石名見「……ッ!!??」

 

ジョージ大統領の言葉と流された映像を見て、石名見の表情がみるみる青ざめていく。現在、この様子はライブという形で全国に報道されている。

 

ジョージ「私は、翔と出会って日本人の優しさと侍魂に触れる事が出来た……だからもう1度、日本人を信用してみようと思えたんだ…彼と出会えてなければ、私は2度と日本人を信用していなかっただろう……青空 翔は、英雄だ…命の恩人だ……その恩人を、貴様ァ!!」

 

この報道にSNSでは……

 

『兄貴が化け物だらけの世界にいる!?』

 

『俺達の為に戦っているんだ!!』

 

『ジョージ大統領が持ってきたあの映像と大統領の言葉……石名見は翔の兄貴を利用していたんじゃね?』

 

『散々利用してポイ?は、ふざけんなよ石名見?』

 

『石名見ふざけんな!!翔の兄貴を返せ!!』

 

石名見に対する批判や、翔を返せというコメントでたちまち溢れ、大炎上した。

 

『今思えば、日本政府って何もしてなかったよな?』

 

『妖魔から俺達国民を守って来たのって、翔の兄貴じゃん……』

 

『てか、翔様だって日本国民じゃん!!』

 

『国民1人見捨てて、何が国民を命懸けでお守りするだよ……』

 

『嘘つき石名見、今すぐ総理大臣やめろ!!』

 

『石名見はそもそも政治家でいる資格無し!!』

 

SNSは炎上が過激化し、ジョージ大統領は日本に宣言した。

 

ジョージ「翔が居ない日本とは、今後一切外交はしない!!輸入も輸出も直ちに中止する!!私はもう、日本政府を信用しない!!翔を犠牲にして、何が命懸けだ!!ふざけるな!!翔だって日本の国民だろう!?石名見 茂行、貴様は政治家失格だ…政治家じゃなくて、殺人鬼だ!!」

 

彼の言葉を聞き、石名見は青ざめ……

 

石名見「そ、それは困ります!!我々はアメリカからの支援が無いと、国が崩壊してしまいます!!どうか考え直してください!!」

 

……と、みっともなくジョージ大統領に縋った。

 

ジョージ「ならば、翔を連れ戻せるのか?すぐにでも連れ戻してくれるのか!?」

 

石名見「……。」

 

とうとう反論できなくなった石名見を見たジョージ大統領は、大股で国会を退室した。

 

石名見「……た、小鳥遊防衛大臣……」

 

小鳥遊「総理、今回の貴方のやり方は私も賛同致しかねます…日本が妖魔に侵食されなかったのは、全部青空 翔君のお陰でもあります。彼が妖魔についての情報を提供してくれたからこそ、我々も妖魔に迅速に対応できたんです。貴方はその恩人を利用し、挙げ句の果てには妖魔の巣窟へ葬った……日本国民には、彼が必要なのです。貴方は国民の声にちっとも耳を傾けていなかったようですね……」

 

小鳥遊大臣の言葉にも反論できない石名見は、彼を終始睨み付けていた。こうして、国会は終了したのだが……

 

 

「青空 翔を返せー!!」

 

「「「返せー!!返せー!!」」」

 

「石名見 茂行は今すぐ総理大臣を辞めろー!!」

 

「「「石名見辞めろー!!石名見辞めろー!!」」」

 

日本全国では、石名見に対する抗議デモが勃発した。それも、国会議事堂前で……他にも、駅前や石名見が所属する党の全国に設置されている本部ビル前でも……全国の至るヶ所で、「翔を返せ」「石名見辞めろ」等、この世界で暮らす老若男女が抗議デモを起こしていた。日本政府はデモ隊に対して圧力をかけたのだが、彼らは全く怯まず、寧ろデモはヒートアップするだけだった。このデモが勃発したお陰で、一海達が開発したライダーシステムに大量のフィールが集まった。遂には、実用化できる程の量…70%に達したのだった。しかし、ドールハウスにはいつもの明るさはすっかり無くなっていた……

 

一同「「「……。」」」

 

そんな時、声を上げたのはSTARSのメンバーである翠だった。

 

翠「皆さ、しっかりしようよ!!隊長ちゃんはさ、この世界を守るために孤独であっても戦ってるんだよ!?わたしらがしっかりしないでどーすんの!?まだ隊長ちゃんが帰って来れないって決まった訳じゃない!!ねぇ一海ちゃん!!そのライダーシステム、タイムトラベルってのができるんだよね!?だったらそれに掛けるしか無いじゃん!!皆が諦めたってね、わたしは諦めない!!」

 

彼女の言葉は、ドールハウスの心に火を灯した。

 

レイナ「確かに、翠の言う通りだわ……まだ可能性はある、僅かであってもあることには変わり無い……このドライバーに、私達全員の思いを込めましょう…!!」

 

そして、ドールハウスのメンバー全員の思いがサイクロトロンドライバーに集まっていく。

 

一海「すげぇ、フィールの量は85%……皆、完全完成までもう少しだ!!よぉし、腕が鳴るぜ!!」

 

翔が居なくなっても、この世界の住人達は諦めなかった。彼が再び戻って来る事を信じて……

 

 

 

 

その頃、エテルノでは……

 

翔「!!」ブゥンッ!!

 

ドグシャアアァァッ!!

 

翔は独り、妖魔と…アマゾンと戦っていた。アマゾンに関しては、心臓を抉り取ってそれを食べていた。

 

翔「不味い…こんなの、とても喰えたモンじゃねぇな……」

 

文句を言いつつも、心臓を平らげた翔。

 

 

PPP ーー

 

 

諒芽『翔ちん!!ビッグニュースだ!!サイクロトロンドライバーがもうすぐ完成する!!翔ちんがちゃんとこっちに戻って来れる可能性があるんだ!!』

 

翔「……そうか。」

 

友香『翔さん、私達は希望を捨てません!!ですから、翔さんも希望を捨てず…生きてください!!』

 

翔「……あぁ、サンキューな。」

 

NDトランシーバーで仲間達と会話をしつつ、五稜館学園へと足を進める翔。

 

ヒヨ『翔さん!!ヒヨ達、翠ちゃんのお陰で諦めないって思えたんだよ!!』

 

サクラ『翔さんだって頑張ってるんですから、私達も翔さんが安心して戻れるよう頑張ります!!』

 

ユキ『翔さん、私達は…貴方と一緒、です……』

 

翔「…あぁ、ありがとうな。」

 

無表情でありながらも、翔は仲間達に感謝の言葉を送った。やがて、廃墟と化した五稜館学園が見えてきた。妖魔が出入りしているのが見える……

 

翔(夢のような場所が、今では悪夢の場所と化した…か……待ってろストライカー共、今殺してやるからなぁ…?)

 

歩くスピードを早める翔、そんな彼を待っていたのは……

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