〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百四十二話 もう1つの元凶

ストライカー達の遺体を背に、翔はチームハウスから出ていくと…学園内に向かっていた。

 

PPP ーー

 

翔「……?」

 

その時、通信機がなったので…翔は画面を見る。

 

カナ『翔く……っ!?』

 

NDトランシーバーの画面にいるカナは、血塗れの翔を見て言葉を失う。そんな彼女を見た翔は、あっけらかんと言う。

 

翔「ストライカー共は、全員俺が殺した。」

 

ストライカー達の血で全身を真っ赤に染め上げた翔は、五稜館学園内にあるステラプリズムルームへと向かう。

 

翔(この世界にある『マザーステラプリズム』を破壊すれば、この世界は……全てが終わる……)

 

エテルノにあるマザーステラプリズムと呼ばれる巨大なプリズムは、この世界(チャンネル)の心臓とも言える存在……それを破壊する事で、世界の崩壊が始まるらしい。学園の敷地内に入り、鐘楼前を通り、校舎内に入る。

 

翔(マザーステラプリズムをぶっ壊す前に、殺さなければならねぇ野郎がいる…進む度に奴の匂いが強くなる……)

 

やがて、プリズムルーム近くにある闘技場内に入った翔。この先に、プリズムルームがあるのだ。だが、翔は先へ進まず…足を止め、奥の方を見つめる。

 

翔「……いるんだろ?隠れてねぇで出てこいよ…?」

 

翔がそう言うと、彼の視線の先に1つの人影が姿を現し…彼の方へ近付いて来る。

 

 

???「ケッ、相変わらず勘が鋭い奴だぜ……久しぶりだなァ、青空 翔。」

 

 

姿を現した男は、翔を見るや否や見下したような笑みを見せる。

 

翔「やっぱりそうか…ストライカー共が大本営を襲撃した際、牢屋までもが破壊され…罪を侵した元隊長達が全員逃亡したって聞いたが……それは事実みてぇだな。」

 

???「ご名答!!いやぁ、あのバカ共…漸く道具らしく出来たじゃねぇかって思ったぜ……お陰でオレ様はまた自由を手に入れた、それに……」

 

男の左腕を見てみると、何やらガガの腕輪を彷彿とさせる腕輪が装着されていた。

 

???「この究極の生物兵器『ネオα』を手に入れる事も出来たんだ!!オレ様は人間を超えたんだ、捕食者の頂点に立ったんだ…これからは、オレ様の時代が始まるんだ!!」

 

時空管理局大本営が破壊された際、牢屋に収容された罪人達が逃げ出した。彼らのほとんどが大本営の連中に射殺されたのだが、この男だけは違った。罪人達の死体を盾にしながらも突き進み、アマゾン細胞の1つであるネオαタイプを強奪、それを自分に注射した事で銃弾をものともしない身体を手に入れた。その為、銃口を向けた大本営の職員を次々と殺害し、彼らを喰っていた…更に、運良く逃げ延びた罪人達をも容赦なく殺し、彼らを1人残らず喰い尽くしたのだ。

 

翔「相変わらず自分の事しか頭にねぇんだな、俺の前任の隊長……」

 

 

粗品(そしな) 零士(れいじ)

 

 

翔の前に姿を現した男の名は、『粗品 零士』……性格は自己中心的で非道、自分の思い通りにする為なら手段を選ばない。そして、もう1つの元凶とも言える、何故なら……ストライカー達が怪物化する原因を作った張本人なのだから。隊長に就任された際、彼は傍若無人に振る舞った。まず、ストライカーを人間として見るのではなく“道具”として認識し…彼女達の心情や意思を無視し、ひたすら任務に駆り出していた。怪我をしようが重病を患おうがお構い無し……成功する事が当然とし、任務が失敗すれば10時間以上にも及ぶ罵詈雑言をひたすらストライカー達にぶつけていた。それだけでは飽き足らず、彼女達の身体を拘束し、殴る蹴る等の暴行も加え、ナイフを取り出して切っ先を向けたり身体に近付けたりと……身体的にも精神的にも苦しめていた。ストライカーが時空管理官であるティエラ基小田切 ゆか子に相談した際、彼女の前ではストライカー達に優しく振る舞い、自分の本性を隠していた。ティエラの気配がなくなった途端に本性を出し、またもストライカー達に暴言や暴力を振るった。それも毎日……お陰でストライカー達は精神を病み、正常な判断が出来なくなっていた。その隙に、時空管理局をも支配しようと考えた彼は…時空管理局にクーデターを起こそうとした。しかし、それがセレーネとティエラに発見された事で失敗……大本営にある牢屋にぶちこまれたのだ。彼によって支配されたストライカー達は、後任としてやって来た翔からありのままを受け入れられた事で、明るさを取り戻していったが…これまで我慢していた事が爆発し、翔を理不尽に苦しめた。その結果、翔が本来持っていた優しい心は完全に破壊され…酷い人間不信に陥り、暗く冷酷非道な性格へと変わり果ててしまったのだ。最も、時空管理局は彼に特殊なアマゾン細胞『δタイプ』を打ち込んでおり、その細胞を覚醒させるため、ストライカー達を利用したのだ。苦痛を与え続ける事でストレスを発生させ、アマゾン細胞の覚醒を狙ったが…覚醒寸前で翔自身が潰れてしまい、計画は失敗……彼をお払い箱として、隊長を辞めさせる為に再びストライカー達を利用して彼を苦しめたのだ。

 

零士「オレ様は人間も家畜も喰って喰って強くなったんだ!!取り敢えず、てめぇみてぇなアマゾン(家畜)も……人間であるオレ様が始末してやるぜ…!!」

 

彼はアマゾン達を家畜と言って見下し、次々に狩って喰っていた。自分だけ生き残る為に……

 

翔「殺して喰うのは勝手だが、どうにも胸糞悪い……取り敢えず、散々利用してくれた仮と……ストライカー達を化け物にした仮は返す……」

 

翔はネオアマゾンズドライバーを装着し、零士は左腕の腕輪『ミリタントアマゾンズレジスター』の鼻と思われるリリースレバーに手を掛ける。翔がドライバーソケットのアマゾンズインジェクターのレバーを押すと同時に、零士もレジスターのレバーを下げる。

 

 

 

翔「アマゾンッ!!

 

 

零士「アマゾン。

 

 

瞬間、2人の身体が炎に包まれ、2本の炎柱が発生した。前任の隊長と、後任の隊長の一騎討ちが始まる……

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