〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
次に俺が降り立った場所は、何やら和風の豪邸と思わしき場所…そこには、一人の少女の姿があった。行き場のない感情を持て余し他人にぶつける鬼のような子供が、成長していくうちに本の物語から学んだ感情で心の表層を覆い大人の望む優等生となっていった。
(あれは、シオリか…?)
一目でわかった、あの少女はシオリなのだと……どうやら、
『…あ、なた…は……?』
虚ろな目で俺を見るシオリ…お前は呪縛から解き放たれる。だから…
「お前は、お前らしく生きるようになれる……あのクズ連中は、お前の手で滅ぼせ。」
俺がそう言った直後、シオリは微かに微笑み、命を落とした。心の奥底に眠る荒ぶる感情のまま自らの家を呪いながら殺され、ドールに転生したんだ。その直後、半殺しにしたクズ連中から時空の歪みが発生、1体、2体、3体、4体と、無数の精神妖魔が姿を見せやがった。
「…!!」
俺が腹部に両手を添えると、無数の光の帯が出現する。
くぐもった禍々しい音声と共に、サイクロトロンドライバーが巻き付き…俺はドライバー前部の両サイドを同時に押し込む。やがて赤い量子、赤いデストサイクロンが俺を包み込んで行くと…
仮面ライダーセンチュリーブレイクへと姿を変えた。俺はすかさず赤い量子になると、デストサイクロンを両腕に纏わせ、複数の精神妖魔を瞬殺した。こんな狭いところで、大技なんて使えねぇからな…それに、シオリは殺らせん……アイツは今、ドールとして生まれ変わっているんだ。少なくとも俺にとってシオリは、心の拠り所にもなっていたんだ。ずっと敵意を向けていても、それでも負けじと俺を気に掛けてくれていたんだ。だから俺は戦えた。
『!!』
精神妖魔は真っ黒い虚口を開き、紫色の光線を放って来る。俺はデストサイクロンを前に出し、妖魔の光線を防ぐ。その後、俺はサイクロトロンドライバーを操作し、空中へ飛び上がる。
デストサイクロンを飛び越え、俺は精神妖魔の顔面にライダーキックを放った。妖魔は壁に激突し、消滅した。奴が消えたと同時に、シオリがドールとして生まれ変わった。
『……。』
それを見届けたと同時に、時間切れだ。
これで、シオリは妖魔から守られた。お前らしく生きればそれで良い、そう願い…
俺はシオリの前から姿を消した。