〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百五十五話 もう一つの見えぬ真実

別の世界へ飛ばされている中、俺の脳裏にはまた映像が浮かび上がって来た。

 

映像に映るのは、またも少女…マシュマロココアが大好きな、太陽のように明るい少女。実の母親と暮らしていたのだが、母親から首を絞められて殺されかけた……だが、間一髪の所で斑目らの介入があったことで、助かったものの…少女は、実母を愛していた。だが、結局彼女の母親は死んだ…彼女は愛する母の記憶を残したまま生きることを恐れ、斑目にギアを打ち込ませてもらった。その瞬間、彼女は記憶も感情も失い、戦う人形(ドール)となった。その後、異例のスピードで感情を取り戻し、Dolls達の心の支えとなったのだ。ドールとしても、アイドルとしても成長していた。

 

(これは…まさか……チヒロの記憶か?)

 

そう思った瞬間、俺は次の世界へと降り立った。それは、液体のように振る舞う無数の竜頭を持った巨大な球体型の化け物と、9人のDollsが戦っている世界だった。つまり、サクラがまだDollsに加入する前……

 

「みんな、伏せて!!」

 

直後、巨大な化け物が大きく開いた口から黄色い閃光を放った。俺は咄嗟にDollsの前に移動し、デストサイクロンをバリアとして展開した事でDollsを守った。

 

「…えっ?」

 

「「「!?」」」

 

そりゃあ驚くか…何せ俺は、イレギュラーな存在…本来なら、この場に居てはならない存在なんだ。だが、そんな事は関係ねぇ……

 

『…もうこれ以上、胸糞悪い物語を見るのは…御免だ……』

 

俺だって、Dolls(コイツら)と出会い、関わった事で…物語が変わったんだ……どれだけ拒絶しても、敵対しても…ありのままを受け入れられ、自分らしく振る舞う事が出来た……Dollsという存在に、俺は救われたんだ…Dollsに会えて、本当に良かった……だから、だから……

 

『Dollsという奇跡は、俺が守る……』

 

Dollsは、俺が守る。次の刹那、俺の腹部を帯状の光が覆い始めると…

 

 

《CYCLOTRON DRIVER》

 

 

くぐもった禍々しい音声と共に、サイクロトロンドライバーが出現した。

 

『…変身。』

 

俺はドライバー前部を強く押し込み、赤い量子とデストサイクロンに包まれて行く。

 

 

《CENTURY》

 

 

『あがぁっ!?』

 

仮面ライダーセンチュリーブレイクに変身した直後、これまで以上の頭痛に襲われた。

 

『アアアアァァッ!!』

 

次第に強くなっていく痛みを堪え、俺は量子となってデカブツにぶつかっていく。周囲を旋回し、奴の注意を惹きつつ、攻撃を仕掛けていく。デカブツはDollsではなく、俺に集中するようになった。そうだ、それで良い…悪は大人しく正義の拳で消え去れ……しかし、ふとDollsを見ると…ミサキとユキとヤマダが重症を負っている。これじゃあ、とても戦えるとは思えん……

 

『ちぃっ!!』

 

俺は量子化を解除し、ドライバー操作を行う。

 

 

《RIDER PUNCH!!》

 

 

まず、デストサイクロンを纏った右手の拳をデカブツの顔面に強く撃ち込む。その後、再びドライバー操作を行い…

 

 

《RIDER KICK!!》

 

 

空中へ飛び上がり、デストサイクロンを纏ったライダーキックでデカブツを貫通する。デカブツは苦しそうに呻き、地面に落下した。そのまま始末しようとしたが……どういうわけか、変身が解けてしまった。

 

『なっ!?おい、ふざけんな…何で、こんな時に……!!』

 

どれだけドライバー操作をしても、反応が無い。これじゃあ、あのデカブツを倒せねぇじゃねぇか…ふざけるな…ふざけるなふざけるなフザケルナフザケルナ!!孤独になった今、過去のDollsを守るしかねぇんだよ!!もうあの美しい世界には…戻れねぇ……ここには、俺を知る者は誰一人として居ねぇ…それでも、俺は…この世界を、Dollsを…

 

守るんだああぁぁっ!!

 

俺がそう叫んだ時……

 

「もしかして、翔さん?」

 

誰かが後ろから声を掛けてきた。

 

『!?』

 

ビックリして振り向くと、チヒロがそこに立っていた。

 

「わぁ、やっぱり翔さんだ!!また来てくれたんだね!!」

 

チヒロだけじゃない、レイナも…アヤも…シオリも…皆……

 

「翔君、どんな翔君も私達は大好きよ?」

 

「翔、あんたって本当に変わらないのね。」

 

「自分を犠牲にしてまで、人を守る…ですが翔君、流石の私も怒りますよ?」

 

…どういう事だ?一体、何が起きている?本来なら、このDollsは俺を知らない筈…だが、何故知っている?

 

翔SIDE OFF…

 

 

 

【プロジェクト東京ドールズ】の世界では…

 

一海「くそぉっ!!翔!!頼む!!戻って来てくれ!!」

 

友香「翔さん、貴方が居ないと…私達は生きていけません…!!」

 

ドールハウスでは、翔を取り戻そうと色々策を練ったが、どれも上手く行かず…絶望し始める者達が居た。Dollsは勿論の事、斑目、カナ、愛、深雪、蜜璃、NumberSを初めとするドールハウスの関係者達…そして、翔の理解者である元ストライカー達とモシュネ達…更に、一海と紫、友香と諒芽、大助と百合、ジョージ・ヘリオス、小鳥遊大臣等々、翔と関わって来たメンバー達がいる。

 

諒芽「翔ちん、勝手に孤独になりやがって……俺は、そんなの、望んでねぇよ!!」

 

紫「翔…何故、私達をもっと頼ってくれなかった……?」

 

彼らも元ストライカー達のように、翔を理解している。一匹狼である事も、一人で居る事を好む事も、仮面ライダーファンである事も……

 

サクラ「あの、私から提案があるんですけど…」

 

その時、サクラがサイクロトロンドライバーを手に取り、メンバー達にこう言った。

 

サクラ「このドライバーには、沢山のフィールが流れていますよね?だったら、私達のフィールもここに流してみませんか?翔さんはきっと、沢山の人達を守るために苦しんでいる……きっと、自分は一人ぼっちだと思っている……ですが、翔さんはもう…一人じゃありません!!皆さんもそう思いませんか!?」

 

サクラの言葉に、メンバー達の顔付きが変わる。

 

ミサキ「……そうよ、翔さんは一人じゃ無い!!私も居るわ!!」

 

シオリ「そうです、翔君…私も居ます!!」

 

ミサキ、シオリはサクラと共にサイクロトロンドライバーに手を添える。

 

レイナ「私達は翔君を愛している、アマゾンの翔君も…仮面ライダーの翔君も…人間の翔君も、皆大好きよ。」

 

ヒヨ「ヒヨもヒヨも!!翔さん、お願いだから戻って来て!!」

 

ナナミ「皆に打ち明けられなかった本音、貴方は静かに聞いてくれた…私だって、翔さんが居ないと…寂しいんですよ!?」

 

レイナ、ヒヨ、ナナミもドライバーに手を添える。

 

アヤ「翔、お願い…あたし達の世界に、戻って来て?」

 

ユキ「翔さん、もう…私を、置いて行かないで…ください……」

 

ヤマダ「ジブンら差し置いて、デカい責任を一人で背負い込むのは無しっすよ、翔さん?」

 

アヤ、ユキ、ヤマダもドライバーに手を添える。

 

ミア「翔さんからたっくさんの事を教えてもらったんだ。ボクだって、翔さんが居ないと…寂しんだよ?」

 

ディオ「翔さんが居ない世界は、ディオ達にとって意味は無い……」

 

トリア「翔さん、どうかこのトリアを含め…皆の元に、戻って来てください!!」

 

ミア、ディオ、トリアもドライバーに手を添える。すると、12人のメンバー達からフィールが注がれて行った。

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