〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百五十六話 もう一人じゃない

翔SIDE…

 

俺が混乱していると、俺の前にDollsとNunberSの幻影が浮かび上がって来た。いや、これは…幻影じゃねぇ……感じる、皆の匂い…気配…そして生気が…全部、全部…感じる……

 

『翔君、ここに居たのね?』

 

『もー、あたし達ずっと探してたんだよ?』

 

『やっと見つかりました、翔君…み〜つけた♪』

 

レイナ、アヤ、シオリ…そうだったのか……ごめんな…心配かけたよな…?

 

『翔さん、ボク達ずっと心配したんだよ?』

 

『ディオ達、翔さんが一人ぼっちになるのを望んでない…』

 

『翔さん、どうか我々の元に戻って来て欲しいです。私トリアも、もっと翔さんと色んな経験をしたいですから!!』

 

ミア、ディオ、トリア……

 

『翔さん、もう孤独になる必要なんてありません。』

 

『そうだよ!!ヒヨ達がいるんだから!!』

 

『それに、翔さんは重い責任を一人で背負い過ぎっすよ?ヤマダはまぁ、背負いたくは無いですけど…翔さんが背負う物は別っす。』

 

ミサキ、ヒヨ、ヤマダ……

 

『翔さん、貴方はもう一人ぼっちじゃありません。』

 

『そうですよ翔さん、私がそんな事させませんから。』

 

『私も…翔さんを、一人にしません。』

 

サクラ、ナナミ、ユキ……皆、ありがとうな…そうか、そうだったのか……コイツらは最初から……

 

「翔さん、皆はずっと翔さんの側に居るんだよ?勿論、私も居るよ!!」

 

あぁ、あぁ…チヒロ、ありがとう……

 

『…そうだ…俺は……俺はもう、一人じゃねぇ……』

 

すると、サイクロトロンドライバーが多彩な色の光を放ち始めた。

 

 

《CYCLOTRON DRIVER》

 

 

くぐもった禍々しい音声とは違う…これは多分、サイクロトロンドライバーが完全完成した瞬間だろう……そう感じた俺は、ドライバー前部を強く押し込む。

 

(行くぞ、皆…!!)

 

すると、ドライバーの発光部分が乳白色になり、そこを辿るように回転するマゼンタピンクの光が出現し、変身待機音が鳴り響く。

 

『!!』

 

俺は初代仮面ライダーを意識しながら右手を左斜め上に高く掲げ、ゆっくりと回転させ、両腕を正面でクロスする。その間、Dollsの笑顔が俺に浮かんで来る。

 

『翔さん♪』『翔君♪』『翔♪』

 

気が付けば、俺の頬には涙が流れていた。そして、俺は左手の拳を腰に添えると同時に、右腕を右斜め上に伸ばす。

 

 

変身ッ!!

 

 

…と、叫んだ俺は右手の拳を握り、再びドライバー前部を強く押し込んだ。次の刹那、ドライバーの発光部分が乳白色と赤色の光を、まるで風車が回転するように放ち始める。背後にはDollsのイメージカラーが1つになった虹色のデストサイクロンが出現…俺はその温かく、優しい光に包まれて行く。

 

 

《CENTURY》

 

 

仮面ライダーセンチュリーブレイクの姿になった後、足先・腕部・胸部・頭部にクリアブルーの装甲が装着された仮面ライダーへと変身を遂げた。

 

 

『仮面ライダーセンチュリー』

 

 

これが、この仮面ライダーの名前だ。

 

「わぁ〜すごぉい!!仮面ライダーだぁ〜!!」

 

仮面ライダーセンチュリーになった俺を見るなり歓声を上げるチヒロ。

 

「なんか、何者にも負けねぇ…そんな気がするっす。」

 

「はい、私も…そう、思います。」

 

ヤマダとユキも、ゆっくり立ち上がりながら言う。

 

「仮面ライダー、センチュリー……100年経っても色褪せる事の無い愛や絆、それを彷彿とさせるような美しい姿だわ。」

 

レイナも歓声を上げ、他のメンバー達も笑顔を見せ始める。

 

『喜ぶのは後にしろ…今はとにかく、あのデカブツをぶっ潰す!!全員、生きて帰るぞ!!』

 

「「「了解!!」」」

 

俺の言葉を合図に、俺達はデカブツを倒すべく動き始める。竜頭のような液体が、触手のように伸びて来る。だが、メンバー達はソードで切り捨て、デカブツ目掛けて走る。

 

『おい!!奴は毒を含んでいる!!触れたら終わりだ!!だが安心しろ、そんな都合が悪いモン…俺が吹き飛ばしてやる!!』

 

センチュリーになった俺はデストサイクロンを召喚すると、デカブツに纏わりついている毒素を1mg残すことなく、全て吹き飛ばした。

 

『喜べデカブツ、お前のきったねぇ空気は全部綺麗にしてやった!!ちゃんと社会の役に立ったんだ!!後は、大人しく俺達に倒されろ!!』

 

メンバー達が無力化したデカブツを攻撃している中、俺は至る所にデストサイクロンを出す。

 

『皆、これに乗って上に行け!!奴の注意は俺が惹きつける!!だから安心して行け!!』

 

俺はそう言うと、虹色の量子となり…デカブツを覆うように旋回する。その間に、Dollsはデストサイクロンを足場にして上空に舞い、空中から武器を振り下ろす。デカブツに刃が接触するギリギリで、俺はデカブツから離れる。

 

ズパァッ!!

 

デカブツはDollsに真っ二つにされ、断末魔を上げた。だが、また再生しようとしている。

 

「翔さん、最後に決めちゃって!!」

 

『おう!!任せろチヒロ!!』

 

俺はすかさずドライバー前部を2回押し込むと、虹色の光を放つ巨大なデストサイクロンを出現させる。そして、それをデカブツ目掛けて飛ばした。

 

《CYCLOTRON FINISH!!》

 

 

ドライバー発光部分が虹色に光り、放たれた必殺技はデカブツの再生を停止させ…デカブツは大爆発を起こして散って行った。俺達は、勝ったんだ…誰一人欠ける事なく……

 

《ヒュードラの消滅を確認!!ま、まさか……》

 

「カナさん!!翔さんがまた来てくれたんだよ!!私達を、助けてくれたんだよ!!」

 

《えっ!?しょ、翔君!?》

 

「仮面ライダーに変身したんだよ、ほら!!」

 

チヒロがNDトランシーバーを向けると、南田さんは画面の向こうから俺を…仮面ライダーセンチュリーを目の当たりにする。これじゃあ分かんねぇだろ…だから俺は変身を解き、元の姿に戻る。

 

《あ、あぁ…翔く、ん……翔君!!》

 

画面の向こうで泣き崩れる南田さん。

 

『何泣いてんだよ、喜べよ…Dollsは誰一人欠けてねぇんだ、全員無事なんだぞ?』

 

《ズズッ…はい…翔く…グスッ、ありがとうございます……!!》

 

ったく、泣き虫だなぁアンタ…それに、礼ならDollsに言えよ…人知れず平和の為に戦ってんだから。

 

 

《READY》

 

 

おっと、時間切れか…今度はどこの世界に飛ばすんだよ…もうそろそろ、皆の所へ帰りてぇんだが……

 

 

『安心して頂戴、翔君。貴方はちゃんと、元の世界に帰れるわ。』

 

…ん?Nか?意外だな、って事は……

 

『お兄さん、最後にお兄さんの真実を見て欲しい。それが見られたら、ちゃんと元の世界に…皆が待ってる世界に、お兄さんは帰れるから……』

 

V、お前も居たのか…そうか、わかった……

 

「翔さん…!!」

 

涙目になるチヒロに、俺は言う。

 

『心配すんな、俺は死なねぇ。皆のところへ、帰るだけだ。』

 

そして…

 

 

《DONE!!》

 

 

俺は次の世界へと、飛ばされた。シナリオは多分変わっただろうが、これでチヒロは…ロストせずに済んだ。これで良い、ハッピーエンドしか…俺は認めねぇからな?

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