〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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第四百五十七話 見えぬ真実『青空 翔編』

俺が次に飛ばされた世界は、俺が暮らしている世界と何ら変わらない世界。何故か小さな病院なのが気になるが…その時……

 

おぎゃー!!おぎゃー!!

 

その病院から、赤ん坊の産声が聞こえて来た。思わず窓を覗くと…

 

「おめでとうございます、元気な男の子ですよ!!」

 

看護師の女性と…

 

「嗚呼、夕大(ゆうだい)さん…産まれて来てくれたわよ♡」

 

「嗚呼!!ありがとう、美雨(みう)!!名前は翔、『青空 翔』だ!!青く広い空を羽ばたくように、元気に強く生きて、優しい子に育って欲しい!!彩羽、お前に弟が出来たんだぞ?」

 

「わぁ、可愛い!!翔君、あたしがおねえちゃんだよ♪」

 

夕大と呼ばれる若い男性と、泣きながら喜ぶ美雨と呼ばれる若い女性、彩羽と呼ばれる4〜5歳程の少女。そして、『青空 翔』と名付けられた男の赤ん坊。

 

(まさか……)

 

俺の両親なのか…優しそうな雰囲気だ……その後、赤ん坊の俺は…母さんの腕の中でスヤスヤと眠った。そして、病室に運ばれていく母さんと共に、父さんと姉貴が着いていく。大部屋なのか、他にも誰か居る…

 

「あら青空さん、おめでとう!!赤ちゃん産まれたんですって?」

 

「はい、そうなんです丘咲さん。丘咲さんは確か…」

 

「えぇ、3月27日に産まれて来ます。名前は『桜』です!!」

 

「素敵な名前ですね!!私達の子は、翔って名付けました。皆で一緒に考えたんです。」

 

「青空 翔君かぁ、素敵ぃ♪青空さん、赤ちゃんの事もそうだけど何より…ご自身の事も気に掛けてくださいね?」

 

丘咲…桜……サクラの母親か…同じ病院に産まれたって事か……待てよ、て事はここって……あぁ、そうだ……ここは……

 

 

【プロジェクト東京ドールズ】の世界

 

 

そうか、俺は元々…この世界で産まれたんだな……それを理解した途端、世界が変わり…公園と思わしきベンチに、俺の両親と姉貴…そして、赤ん坊の俺が居た。

 

「パパ、ママ!!あたし、翔君を守れる強いおねえちゃんになる!!勿論、パパとママも守るんだ!!」

 

「あらあら彩羽ちゃん、大きな目標ねぇ♪」

 

「ありがとう彩羽、父さんも母さんも嬉しいよ。でも、無理はしないでな?そしたら翔も悲しむからな?」

 

「はーい!!翔君、おねえちゃんが守るからね♪」

 

家族は赤ん坊の俺を可愛がっている。呆気に取られ、立ち尽くして居ると…母さんがこっちに振り向いた。

 

「…翔君、良いのよこっちに来ても。それとも、足が動かないのかな?」

 

父さんも姉貴も、こちらに振り向く。皆、優しい笑顔を見せている。だが……

 

『……俺はまだ、そっちには行けねぇ…』

 

俺はまだ、死ねねぇんだ…何故なら……

 

『俺はもう、一人じゃねぇ…それに、俺の帰りを待ってくれている人達がいるんだ。だからそっちには行けねぇ……』

 

俺の言葉を聞き、ゆっくり頷く母さんと父さんと姉貴。

 

「そうか、翔…自分で決めた道なら、しっかり突き進んで行くんだぞ。転んだって、また立ち上がれば良い…失敗したって、またやり直せば良い……それに、翔…沢山苦労をかけて、申し訳無かったな……」

 

「寂しい思いもさせちゃったよね、翔君?ごめんね、本当に…ごめんね……」

 

『泣くなよ、俺は大丈夫だって…心から信頼できる人達に出会えたんだ……ありのままを受け入れてくれて、俺は俺らしく生きられる…だから安心してくれ。』

 

俺の言葉を聞き、涙を流す父さんと母さん。

 

『姉貴…ずっと俺を気に掛けてくれてたんだろ……今も、俺を守るって…嬉しいぜ、姉貴…ありがとな。』

 

「だってあたし、翔君のおねえちゃんだもん!!えっへへ♪」

 

無邪気に笑う姉貴、ホント…昔から変わって無かったのか……思わずこっちまで笑っちまうぜ。

 

「そうだ翔君、これ…私達から翔君へプレゼントよ。」

 

母さんが俺に右手を差し出すと、金色のアマゾンズレジスターがそこにはあった。父さんが俺の右腕に、それを着けてくれる。痛くねぇし、発光部分が虹色だ…

 

「翔、私達もずっと…お前の側に居る。姿は見えなくても、ずっとお前と一緒だ。」

 

「翔君、皆のところへ行ってあげて?皆、翔君を待ってるよ。」

 

俺に微笑む俺の家族達。だから俺も微笑み返し……

 

 

ありがとう、行って来ます

 

父さん、母さん、姉貴!!

 

 

…って、言った。その瞬間、俺は眩く優しい光へと包まれて行った。

 

翔SIDE OFF…

 

 

 

【プロジェクト東京ドールズ】の世界……

 

一海「っ!?さ、サイクロトロンドライバーが!!」

 

諒芽「ま、眩しっ!?」

 

サイクロトロンドライバーは眩い光を放ち、ゆっくりと消えていった。そこには、うつ伏せに倒れた傷だらけの翔の姿があった。

 

サクラ&ミサキ&ナナミ「「「翔さん!!」」」

 

ヒヨ&ヤマダ「「翔さん!!」」

 

ユキ「翔、さん…!!」

 

シオリ&レイナ「「っ!!翔君!!」」

 

アヤ「翔!!」

 

皆は真っ先に翔に駆け寄り、彼を抱き締めた。

 

愛「まだ生きてる!!早く医務室へ運ぼう!!」

 

翔は生きて、メンバー達のもとへ帰って来た。それを確信するなり、皆は声を上げて泣く程、彼の生還を喜んだ。

 

大助「青空ァ〜!!ウグッ、よく帰って来てくれたなぁ青空ぁ!!」

 

ジョージ「Oh my God!!奇跡とは、この事を言うのか…翔、良かった!!」

 

小鳥遊「クスンッ…青空君、君は英雄だ……君には…英雄は数え切れぬ程の傷がある。故に、誰かを救うため心火を燃やし、真の英雄となる。英雄に相応しい君へ贈る、至極名言だろう?」

 

大助もジョージ大統領も、小鳥遊大臣も彼の生還を心から喜んでいる。

 

ほたる「隊長サン!!お帰りなさい、隊長さああぁぁん!!」

 

あから「ヒック…隊長殿ぉ…良かった…本当に、良かった…!!」

 

モニカ「隊長さぁん、ずっと待ってたんだよ!?」

 

元ストライカー達も、翔が生きて帰って来た事を心から喜んでいた。悪の妖魔、ストライカー、時空管理局を滅ぼし…全ての元凶であった粗品零士を討ち取った翔は、この世界を救ったのだった。

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