〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
妖魔の巣窟と化したエテルノを破壊し、妖魔を、ストライカーを、時空管理局を滅亡させた翔。【プロジェクト東京ドールズ】の世界では、Dollsと共に未知生命体『ピグマリオン』と戦い…また、この世界に紛れ込んだ悪質転生者とも戦い、この世界を守った。彼がこの世界に帰還した事で、アメリカは日本との外交貿易を再開した。その後、日本の総理大臣だった石名見 茂行は、これまで日本国民の苦しみに耳を傾けていなかった事…何より、翔を怪物だらけの世界に閉じ込め、手柄を横取りした事で日本国民から反感や怒りを買い、総理大臣の座から引きずり落とされた。更に、世界各国からも避難轟々であった彼は、政治家としての人生が終わった。今後、彼が政治の世界に戻って来る事は無い。その後の日本は、国民投票により…元防衛大臣であった小鳥遊修一が、新たな総理大臣として任命された。彼もDollsや翔達と関わり、これまでの経験を活かして日本国民の声に耳を傾け、豊かな日本にしていく事を決断した。
ドールハウスでは、翔が使用していたライダーシステム『ネオアマゾンズドライバー』が複製されていた。
モシュネ「ネオアマゾンズドライバーの複製が完了しモシュた!!」
一海「後はこれだな…ネオアルファの戦闘データを元に、インジェクターも改良すれば……」
モシュネの隣では、一海がアマゾンズインジェクターをパワーアップしていた。仮面ライダーアマゾンネオアルファの戦闘データをベースにし、インジェクター内の薬液を合成し、ネオアルファスイーパーを再現しようと考えたのだ。
一海(粗品零士…あんな自己中なクズ野郎よりも、皆のことを常に考えてくれる翔が使った方がいい……)
ネオアルファスイーパーは強力な武器だ。今は亡き零士が使うより、今を生きる翔が使った方が良いと、一海は考えていた。翔は現在、療養に専念しており、医務室にて休んでいる。だが、彼にはまだやる事が残っている。それは……
医務室にて……
翔「……よし。」
翔はライブ配信の準備を終え、配信を始めた。彼が配信を始めた瞬間、沢山の視聴者からのコメントで溢れかえった。
『おかえり翔様ー!!』『兄貴ー!!』『翔の兄貴、傷だらけじゃん!!どうしたんだ!?』
コメントには、彼の帰還を祝うものや慕うもの、心配するものが殆どだ。
翔「この世界を生きる者達、ごきげんよう。青空 翔だ…かつての総理大臣だった石名見によって、妖魔の巣窟に封じ込められたが…どうにか帰って来れた。」
彼が言葉を発するや否や、『兄貴ー!!』『翔様ー!!』と沢山のコメントが流れ出す。それでも翔は構わず続ける。
翔「お前達に報告がある。1つは、妖魔の巣窟と化した世界は俺が終わらせた。2つは、これまで散々事件を起していたストライカー達は全員、俺が殺した。時空管理局という組織も滅ぼし、関係者達も俺が殺した。だからもう、お前達は何も心配する必要は無くなった…ただ、真っ当に生きるお前達を、俺を受け入れてくれたこの世界を守るためとはいえ、俺は人の命を奪ったんだ…だからもう、時期に逮捕されるだろう…死刑判決が降るだろう……」
目を閉じながら言う翔。だが……
『兄貴、ストライカー達はもう人間じゃない!!』『アイツらは最後まで自分達の事ばっかりだった!!』『翔様は何も悪くない!!』『だったら国民全員で翔様の逮捕に反対するデモをする!!』
…と、皆はストライカーを殺害した翔を攻めるどころか庇っていた。
翔「…その必要はねぇ、俺はもう…ありのままを受け入れて貰える幸せは十分味わったんだ…どんな判決が来ようと、とっくに覚悟はできている。」
『翔様には幸せになって欲しい!!』『兄貴、もう休んでくれ!!』『この国を守ってくれた兄貴にだって、幸せになる権利はある!!』『翔様、もう自分を責めないで。』
この国の人達からの温かいコメントを見て、翔は思わず涙ぐむ。その時……
蜜璃「翔君翔君!!これ見て!!」
蜜璃が新聞を持って入って来た。翔は蜜璃から新聞を受け取り、内容を見る。そこには……
【青空 翔は、心身に多くの傷を作りながらも、この国を守った。今、英雄が誕生した。】
…と、デカデカと書かれており、彼の逮捕は不当であるという多くの署名が集められ、彼を逮捕しないとも書かれていた。
翔「……フッ、馬鹿だなぁ…」
蜜璃「この世界の人達は皆、翔君の幸せを望んでるよ。勿論、私もね♪」
翔「何だよそれ…」
翔は「フフフ…」と笑うと、改めて画面の方に向き直る。
翔「一先ず、未知の脅威は滅んだ。もう心配は要らねぇ…だが、万が一新たな脅威が来た際には……俺が、その脅威に向かおう…この世界を真っ当に生きる者達の為に…そして、俺を受け入れてくれたこの美しい世界を…美しい人達を守るためにな……報告は以上だ。」
彼の報告が終わった後、画面には『お疲れ様!!』『翔様、ゆっくり休んでくださいね!!』『お疲れ兄貴!!』『ありがとう翔の兄貴!!』等々、温かいコメントで溢れかえった。
翔「…また会おう、じゃあな。」
そう言って配信を終える翔は、ベッドに身体を預けた。
蜜璃「あっ、そうだ翔君!!私達、翔君が帰って来た時には美味しい物たっくさん作るって決めてたの!!今、愛ちゃんが豚の角煮を作ってる!!翔君、あれ大好きでしょ?」
翔「…そうだな。」
蜜璃「そうだよね!!私はデザートをたっくさん作るから、今夜は皆でパーティーしよ♪主役は翔君だよ?」
翔「おいおい、アンタがはしゃいでどーすんだよ…」
蜜璃「だって、嬉しいんだもん…翔君がちゃんと、生きて帰って来てくれたんだから……皆、本当に心配したんだよ?でもね、翔君の事…信じてたよ?あ、今も信じてるからね!?」
翔「わかったわかった、取り敢えずちっと仮眠取らせてくれ…午後にはリハビリがあんだから……」
蜜璃「うん!!翔君、頑張らなくても良いからね?」
翔「あぁ。」
蜜璃が医務室を退室してすぐ、翔は眠りについた。医務室にはDollsやNunberS、元ストライカー達は勿論の事…すっかりドールハウスの一員となった一海達が毎日見舞いに来る。一海と諒芽はファクトリーに入り、主にライダーシステムや装備等の開発及びメンテナンスを担当する事になった。紫と友香はドールハウスの女子寮の寮母的な存在として、彼女達の日常を支えている。
翔(さて、そろそろだな…)
その後、翔は午後のリハビリを終え、夜までゆっくりしていた。
その日の夜、ドールハウスの女子寮を舞台にパーティーが行われた。翔の生還への祝い、世界平和を願い、皆は思う存分楽しんだ。
翔「……?」
ふと、女子寮のリビングを見てみると…壁にサイクロトロンドライバーが飾られている。
シオリ「あのドライバーは、翔君と私達が育んで来た絆の証です。100年経っても、1000年経っても、ううん…何年経とうが、永遠に途切れる事はありません。」
翔「……そうか。」
アヤ「さ、翔も食べて食べて!!ほら、角煮もあるわよ!!」
翔「自分で取る。」
友香「翔さん、ご飯も山盛りにしましたよ〜!!身体を休めるなら、しっかり栄養を摂ってくださいね?」
翔「あぁ、サンキュ。」
一海「翔、いっその事俺と大食いでバトルしねぇか?」
翔「良いだろう、但し…他の奴らもいるから、程々にな?」
斑目「翔、気を遣う必要は無い。ビュッフェ方式だからな、食材ならまだある。好きなだけ取ると良い。」
翔「アンタ、相変わらず懐が広いな…」
翔は珍しくパーティーに解け込み、一海との大食い対決に勝った。メンバー達とも談笑し、時にはテーブルゲームやテレビゲーム等にも参加し、最後までパーティーを満喫したのであった。
次で最終話の予定です。