〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウでございます。
いよいよ、サクラのデビューライブが始まろうとしている。翔もDollsと同行するのだが…彼は密かに、自分の役目はこれで最後にしようと思っていた。
そして、無事にライブは終了し、ドールハウスに戻ったDollsは、宴の準備をする。そんな中、翔はドールハウスを出ていく準備を行い……
では、本編へどうぞ


第十九話 デビューライブとお別れ

数日後、観測室にて……

Dollsを除く、ドールハウスの関係者達が集まっていた。そこには、翔もいる。

斑目「さて、いよいよ渋谷のライブが目前へと迫った。」

カナ「渋谷の蝶の汚染度も減少。Dolls達のリハーサルも順調です。」

斑目「聞いてはいると思うが、これがサクラのデビューステージとなる。」

カナ「新生Dollsのお披露目です。絶対に成功させましょうね!」

斑目「色々と頼んだぞ、青空。」

翔「……。」

斑目の言葉を聞いた翔は、何も言わずに観測室を出た。

 

 

 

そして、翔はDollsと愛と共に会場を目指す。

愛「ついにサクラちゃんがデビュー……ううっ、こんなに立派に育って……」

愛はハンカチで涙を拭く。

サクラ「あ、愛さん…そんなに泣かなくても……」

困惑するサクラ。

ナナミ「……あのう。」

ここで、ナナミが口を開いた。

ナナミ「ライブ前の最終巡回に、どうして、愛さんまでついてくるんですか?」

愛「なんでって言われてもね~、何かまずかった?」

ナナミ「これは、Dollsの年少者サイドの交流会ですよ。なんで愛さんまでいるんですか?」

ナナミがそう言うと、

愛「えぇっ!?良いじゃん良いじゃん!あたしも仲間にいれてよぉ~!」

愛は子どものように言う。

ヒヨ「ヒヨがお誘いしたんだよ!愛さんにはおせわになってるし、新人さんの面倒見ないとだもん。」

どうやら、愛を誘ったのはヒヨのようだ。もちろん、翔も誘われた。翔は勿論お断りしたが…愛によって無理矢理連れられた。

翔(アイツらには、邪魔をさせん…)

裏切り者のストライカー達が現れるリスクを想定した、受け入れたのだ。ライブ会場に出入りしていれば、奴らはライブを妨害してまで自分を捕まえようとする。そう考えた時、外をふらついていた方が良いと、翔は判断したのだ。

ヒヨ「ヒヨも、もう先輩だからね!翔さんと愛さんとも交流しなきゃっ。」

愛「ヒヨちゃん、ありがと~♪」

愛はヒヨを抱きしめ、頭を撫でる。

ナナミ「余計なことを……まぁ…わ、私も…翔さんと交流したいですけど…」

ナナミは若干頬を赤く染めながらボソッと言う。

翔「何か言ったか?」

ナナミ「ヴェッ(いえっ)マリモッ(何もっ)!」ビクッ

ビックリしたナナミはオンドゥル語で言う。

愛「んもぅ、ナナミちゃんは相変わらず塩辛いなあ~。」

ナナミ「愛さんこそ、空気読んでください。」

愛「あははは。」

ナナミ「はっはっは。」

乾いた声で、ナナミは笑った。

ヒヨ「仲良しだねえー。」

サクラ「あれは…仲良し、なんでしょうか?」

ヒヨとサクラは言う。

翔「……。」

翔(満開野郎が1人前になれば、俺の役目はもう終わりだ…)

翔は密かに、ドールハウスを去ることを決めていた。その時…

カナ『交流を深めていただいている時に恐縮です。EsGから報告、近くにピグマリオン反応あり!』

ナナミ「リハーサルで疲れてるっていうのに…愛さん並みに迷惑な生き物です。」

愛「えぇっ!?そんなぁっ!?」

翔「茶番は終わりだ!準備しろ!」

翔は警戒心を強める。

ヒヨ「みんな、いくよ~!」

その時…通信機が鳴る。

斑目『ファクトリーから連絡が入った。新型兵器がロールアウトしたそうだ。早速、そちらへ送らせる。現地で受け取って欲しい。』

愛「ありがとうございます、所長!」

斑目『編成でしっかりと装備させろ。武器は装備しないと意味がないからな。』

愛「了解!」

愛はそう言うと、通信機をしまい…イクサベルトを装着する。

サクラ「あ、愛さん!?」

愛「ふっふっふ~、あたしも新型兵器を用意したんだよ~♪ちなみに、斑目所長からは事前に許可は得てるから、大丈夫!」

愛はそう言うと、イクサナックルを取り出し、

《レ・ディ・ー》

愛「変、身!!」

《フィ・ス・ト・オ・ン》

仮面ライダーイクサに変身した。そして、右腰のフエッスロットから白色のフエッスル『パワードフエッスル』を取り出し、ベルトに差し込むとナックルを押し込んだ。

《パ・ワ・ー・ド・イ・ク・サ・ー》

すると、象のような鳴き声が響き、巨大な兵器が現れた。これぞ、愛が開発した新兵器『パワードイクサー』である。

ヒヨ「ひよっ!?」

サクラ「こ、これはっ!?」

ナナミ「何なんですか!?」

イクサ「とうっ!」

驚くサクラ達を気にせず、イクサはパワードイクサーに飛び乗った。

翔「なっ!?…『パワードイクサー』だと…!?」

翔も驚きを隠せずにいた。

イクサ「どう翔君、驚いた?あたしが開発したんだ~♪」

イクサに変身した愛は翔に言う。

イクサ「さ~て、それじゃあ、いっくよ~!」

イクサはパワードイクサーを操縦し、ピグマリオン達に向かっていく。

イクサ「それそれそれー!!」

イクサはパワードイクサーを難なく操作し、イクサポッドから液体爆弾をピグマリオンの群れ目掛けて投げる。ピグマリオン達は爆発の餌食になり、あっさりと全滅した。

イクサ「ふふんっ、どうだ参ったか!」

イクサはパワードイクサーの上で、胸を張る。

ナナミ「お疲れ様でーす、愛さーん!早く降りてきてくださーい!」

イクサ「はーい♪」

イクサはパワードイクサーから降り、変身を解くと愛の姿に戻った。

愛「ねぇねぇ翔君!驚いてくれた!?」

翔「…驚かねぇ方がどうかしてる…。」汗

愛「やったー!頑張った甲斐があったよ~♪」

翔が驚いたことを確信した愛は、子どものように喜んだ。

斑目『ご苦労だったな、片山。』

愛「あ、はい!お疲れ様です。」

斑目『だが、少しやり過ぎだ…』汗

愛「も、申し訳ありません…」

愛は斑目に謝罪する。

斑目『まぁ良い、無事にピグマリオンを殲滅できたんだ。今回は許す。』

愛「ありがとうございます、次からは気を付けます…」

斑目『うむ。』

通信機が切れ、愛は少しホッとしていた。

サクラ「愛、さん…?」

愛「いやははは…斑目所長から少しお叱りを受けちゃってね…」

愛は苦笑いしながら言う。

ヒヨ「でもでも、ピグマリオンは全滅したよー?」

愛「そうなんだけど…ちょっと張り切りすぎちゃった…」

愛は「テヘヘッ。」と言う。

ナナミ「まぁ、私たちの代わりにピグマリオンを全滅させてくれたんです。ありがとうございます、愛さん。」

愛「な、ナナミちゃ~ん♪」

愛はナナミを抱きしめ、頭を撫でる。

ナナミ「ちょっ、何ですか!?やめてください!」

愛「そんなこと言わずに~♪」コショコショ

愛は猫を撫でるように、ナナミの顎を撫でる。

ナナミ「ふぁっ!?ひゃぁぁああああん!!」

その時…

ビシィッ!

愛「あ痛ぁっ!」

翔「いつまでやってんだ?」

翔が愛にチョップを繰り出した。

翔「早く戻るぞ。」

愛「うぅ、分かったよぉ。」

翔の言葉に、愛は拗ねながらも移動を開始した。

翔「…。」

ナナミ「あ、あの…翔さん…?」

翔「あっ?」

ナナミが翔の近くに寄ってきた。

ナナミ「そ、その…さっきは助けてくれて、ありがとうございました…///」

ナナミはモジモジしながら、翔にお礼を言った。

翔「勘違いすんな、お前のためじゃねぇよ…満開野郎のデビューライブを成功させるためだ…」

翔はぶっきらぼうに言った。

ナナミ「…♪」

ナナミは翔の背中を見て、微笑んだ。

 

 

 

次の日、翔達は無事、ライブ会場に到着した。

カナ「先日のピグマリオン討伐、お疲れ様でした。」

ナナミ「まぁ、ピグマリオンを討伐したのは、愛さんですけどね。」

愛「たはは~…」

カナ「あはは…しかし、あの調子だと渋谷には見逃したモノリスがありそうですね。」

ナナミ「あ~面倒事の前のフリですね。ちょっと花を摘みにいってきます。」

ナナミがそう言うと、

ヒヨ「え~~~~?ナナミン、さっきトイレいったばっかじゃん!」

ヒヨがナナミに言った。

ナナミ「ちょっと!乙女のトイレ事情を男性の…それも翔さんの前で言わないでください!」

ナナミはギクッとした後、ヒヨに言った。

翔「…ったく…」

翔は呆れた。

ナナミ「うぅ~///は、恥ずかしい…///……そ、そんな事より……そろそろライブの開場時間になりますが」

すると、そこに…

サクラ「…やっぱり、モノリスが気になりますね。」

サクラがやって来た。

ナナミ「サクラさんはステージに戻ってください。折角のデビューステージなんですから。」

ナナミはサクラにそう言うが…

サクラ「でも、ほうっておけません。」

サクラは拒んだ。

サクラ「モノリスが残っているならライブの途中に人が襲われる可能性もあるし…」

ヒヨ「そうだよね!」

サクラ「デビューだからこそ、何も気にせずステージに集中したいんです。」

しかし…

カナ「…あら。どうやら、その心配はなさそうですね。」

ナナミ「モノリス反応ですか?」

カナ「はい、今しがたーーって、えぇ!?」

突如、驚くカナ。

ヒヨ「どうしたの!?」

ヒヨが問いかけると…

カナ「EsGよりモノリス反応、検出!出現場所はライブ会場のすぐ近くです!」

翔「何!?」

ナナミ「まずいですね…!」

翔「もうすぐ開場時間だ!急ぐぞ!!」

サクラ「はい!」

サクラ達は翔と共に、モノリスの場所に向かった。

 

 

 

現場に着くと、モノリスが1つあった。周りにはピグマリオン達の姿もある。

ナナミ「あれですね…!」

翔「ヒヨコとメガネ!お前らはペアを組め!俺は満開野郎とペアを組む!」

ヒヨ「ヒヨコじゃないけど、分かった!」

ナナミ「確かに、私は眼鏡をかけてますけど…分かりました!」

ヒヨとナナミはペアを組んだ。

翔「お前らは俺の合図が出るまで待機しとけ!俺と満開野郎が周りの化け物を排除する!」

サクラ「ま、満開野郎…」汗

翔「おい、ボケッとすんな!!さっさと行くぞ!」

サクラ「は、はい!」

サクラは剣を召喚すると、翔と共にピグマリオン討伐を開始する。翔はアマゾンズドライバーから『アマゾン方天』を出す。そして、サクラと共にピグマリオン達を切り裂いていく。そして、ピグマリオンの数が少なくなった時、

翔「よし、今だ!!」

ヒヨとナナミに合図を出した。 ヒヨとナナミはモノリス目掛けて飛び上がり、

ヒヨ&ナナミ「「はぁぁああああああああああ!!」」

モノリスの破壊に成功した。

サクラ「何とか、なりました…!」

ナナミ「もう開場時間です。…こんなに慌ただしいのは久しぶりです。」

翔「大丈夫なのかよ?こんな状態で、ライブだなんて…」

翔は3人に問う。

ヒヨ「ヒヨは元気いっぱいだよ!」

ヒヨはライダーポーズを取りながら言い、

ナナミ「正直、だるいですけど…まあ、なるようになるかと…」

ナナミはイヤイヤながら言う。

翔「満開野郎、お前はどうなんだ?」

サクラ「ちょっと疲れましたけど…でも、大丈夫です。むしろ…よかったです。翔さんたちと一緒に巡回できて。」

翔「…何?」

サクラ「1人でいたら、失敗したらどうしよう、とか…きっと、そんなこと考えてばかりでしたから。今でも自信はあんまりないけど…一生懸命、目の前のことを頑張りますから…1番、近いところで見ていてください。翔さん。」

翔「…。」

翔(このライブが、最後だからな…最後ぐらい、見届けるか…)

翔は心の中で、思った。

翔「…気合い入れてけよ。」

サクラ「はい!」

ナナミ「さあ、行きますよ!」

ナナミがそう言うと、翔達は会場に戻っていった。

 

 

 

会場ステージ裏にて…

翔(いよいよ本番か…)

ライブが始まろうとしている。

レイナ「Dollsの皆。さあ、準備はいい?」

レイナがそう言うと…

Dolls「レディー……ゴー!」

掛け声を出し、ステージに向かっていった。

 

 

 

 

愛「すごい盛り上がりだね~♪」

カナ「そうですね。あ、そろそろ、サクラちゃんの出番ですね。…あ、来ましたよ!」

 

ステージにて……

サクラ「皆さん、はじめまして。私はチームAのサクラといいます。」

ファン達「知ってるよーー!!」「サクラちゃーーーーん!!」

既にサクラを知っているファンから、声援を浴びるサクラ。

サクラ「ええと…まだまだ新人ですけど…精一杯、頑張ります。」

ファン達「頑張れーーーー!!」「応援してるよーー!!」

サクラ「ありがとうございます!私の歌声でほんの少しでも元気を出してくれたら…とっても嬉しいです!では、聞いてください…!」

そして、今…サクラのデビューライブが始まった。

愛「なんだか…感無量だな~。」

カナ「…そうですね。」

愛「出会って、命を失いかけて……国土調査院のドールになって…色々なものを失って、きっと辛いことも沢山あったけど…今、こうして歌っている姿は……とっても、キレイだね。」

カナ「ふふ。そりゃ、そうですよ。」

カナは愛に言う。

カナ「だって、彼女は…アイドル、なんですから。」

愛「ふふっ、そうだよね♪」

翔「……。」

翔(さて、俺の役目はここまでか……これ以上、コイツらを巻き添えにはできねぇ。)

翔は最後まで、険しい表情を浮かべていた。

 

 

 

あの後、ライブは無事に成功し、その日の夜…Dollsは宴をしていた。

レイナ「それでは!ライブ成功を祝して…」

Dolls「乾杯!」

サクラは改めて、Dollsに歓迎された。

ミサキ「これで晴れてサクラはチームAの一員ね。頼りにさせてもらうわ。」

シオリ「ライブ、最高でしたね!サクラさん、あなたのお陰です♪」

ヒヨ「えへへ~!みんな、おつかれさまー!」

ナナミ「馴れ合いは好きじゃないですが…まあ、たまには良しとします。」

アヤ「サクラもよくやったわ。あたしが直々にほめてあげるわ!」

ユキ「……疲れました。眠いです。」

ヤマダ「ヤマダも同じく…寝落ち態勢…オールラウンドグリーン…」

その様子を、カナ、愛、翔は見守るが…

翔「…。」スッ…

翔だけは静かにその場を離れた。

カナ「みんな、楽しそうですね。」

愛「そうだね。」

愛がそう言うと、

サクラ「愛さんも一緒に食べましょうよ!」

ヒヨ「そーだよ、愛さんも一緒におしゃべりしようよ!」

サクラとヒヨに呼ばれた。

愛「え、いいの!?」

愛は目を輝かせるが…

ナナミ「カナさんと大人な話をしているそうなので、やめておきましょう。」

ナナミに塩対応される。

愛「じゃあ行かな~い。」

愛は頬を膨らませる。

アヤ「いいから、来てよ。」

愛「アヤちゃん、ありがと~♪」

アヤに誘われ、あっさりと向かう。

ナナミ「変わり身早っ。」汗

ナナミの突っ込みを気にせず、愛はDollsの中に溶け込んだ。

カナ「いいチームになりましたね…どうか、これがずっとずっと続きますように…」

カナは、胸の前で手を組み、静かに祈った。しかし、ここでDolls達は異変に気づく。

レイナ「あら?そう言えば…翔君の姿が見えないわ。」

ミサキ「本当ね、どこに行ったのかしら?」

先程から翔の姿を探しているが、彼の姿はどこにも見当たらない。

ヤマダ「トイレにでも行ったんじゃないっすか?」

ヤマダは軽く言う。

カナ(そう言えば…)

カナはドールハウスの関係者達と元ストライカー達と会議をしたことを思い出す。

愛『でも、翔君…いずれはここを出ようと思っているかも…』

カナ(…まさか!)

カナは椅子から立ち上がる。

サクラ「か、カナさん?」

カナ「私、ちょっと用事を思い出しました!」

カナは慌てて寮を出た。

愛(…まさか、翔君…本当に…!)

愛「ゴメン、あたしも用事があったんだ!ちょっと行ってくるね!」

愛もカナ後を追うように、慌てて寮を出た。

 

 

 

その頃、翔は……

必要最低限の荷物を纏め、何やら準備していた。彼は、ここを出ていくことを決めたのだ。

翔「さて、俺の役目は終わりだ…大人しく退場すっか……」

翔は自室代わりに使っていた部屋を出て、ドールハウスの玄関へと足を進める。やがて、玄関に到着し、ドールハウスを出ようとすると…

「待って!!」

誰かに呼び止められる。翔が振り返ると、そこには…

カナ「はぁ…はぁ…」

息を切らしたカナがいた。

翔「…何の用だ?」

カナ「はぁ…翔君、もしかして…ここを、出ていくんですか?」

翔「…それがどうした?」

カナ「…!?」

翔の言葉に、カナは衝撃を受ける。そこに…

愛「翔君!」

愛もやって来た。

翔「世話になったな、じゃあな。」

翔は玄関を開けようと、扉に手を伸ばしたところ…

愛「ちょちょちょっ、待って待って待って!!」

愛が慌てて翔の前に回り込む。

翔「…邪魔だ、そこを退け。」

翔は冷たい声で言う。

愛「退かないよ。だって、翔君…また、あのストライカー達に追われるんだよ!?」

翔「元々追われてんだよ……それなら、ソイツらを1人残らず仕留めるまでだ。」

愛「それはダメ!!」

翔のありのままを受け入れていた愛だったが…今、翔がドールハウスを出ていくことだけは、受け入れなかった。

愛「お願い、翔君…もう少しだけ、ここにいて?」

翔「断る。これ以上アンタらを巻き込むわけにはいかねぇ……。」

カナ「そんな事、気にしなくていいんですよ!?」

翔の言葉を聞いたカナは、思わず声をあげた。

カナ「人は迷惑をかけて当然の生き物!でも、翔君は誰かに迷惑をかけたくないと思う気持ちがある!それで充分です!」

愛「それでも出ていこうって言うなら…」

愛がそう言うと、カナは愛の右隣に移動した。

愛「あたし達を倒してからにして!!」

愛の言葉に頷くカナ。

翔「…。」

黙り込む翔。そんな翔を、愛は優しく抱きしめた。だが、その瞬間…

翔「ッ!!」

翔は愛を投げ飛ばした。愛を投げた直後、カナを捕らえ、足を引っ掛けて転倒させ、乱暴に蹴り飛ばした。

愛「あぐっ!」

カナ「かはっ!?」

愛とカナを倒した翔は玄関を開けず、ジャンプ力を生かして壁に飛び乗った。そして、今度こそドールハウスを出ようとしたその時…

 

「翔君!!」

「翔さん!!」

「翔!!」

 

Dollsが慌てた表情で現れた。

翔「…何だ、宴はしなくて良いのか?」

アヤ「今、それどころじゃないのよ!!」

ナナミ「翔さん!本当に出て行ってしまうんですか!?」

翔「当たり前だ。そこのバカ2人が邪魔するモンだから、少し懲らしめといてやったぜ?」

Dolls「!?」

Dollsが翔の指差した方を見ると、そこにはカナと愛が仰向けに倒れていた。

シオリ「カナさん!愛さん!大丈夫ですか!?」

カナ「うっ…うぅ…」

愛「…あたしは、大丈b…うぐっ…!」

カナと愛は、苦しそうな表情を浮かべていた。

ヤマダ「…翔さん…どうしちゃったんすか!?」

翔「どうもしてねぇよ。満開野郎とおっとり野郎、そして金髪にも言ったが…俺は初めからお前らと馴れ合うつもりはサラサラねぇ。」

翔はDollsに言う。

翔「俺はあの“クズ共”に追われている。ソイツらは全く関係ねぇ奴等に散々迷惑をかけた…それをいつまで経っても自覚してしねぇ奴らに、俺がお灸を据えてやるんだよ。」

ミサキ「それなら、私もお供するわ!」

翔「却下だ。」

ミサキ「!?…どうして!?」

翔「言った筈だ、お前らは奴らとは無関係…お前らが俺を保護していたことをアイツらに知られれば…どうなるか分からねぇぜ?例えお前らがいたって、俺からしたらただの足手まといだ。」

ヒヨ「それでも構わないよ!!だから、行かないで!」

翔「断る。居たって邪魔なだけだ……」

ヒヨ「…そんな…」

レイナ「翔君がいないと、私…いいえ、私達は寂しい…!」

翔「んなモン知るか…俺は1人の方が気が楽なんだ。漸く孤独になれると思うと清々するぜ……さ、お喋りはここまでだ…あばよ。」

翔は壁から降りると、歩き出した。

カナ「…待って!!」

カナは去って行く翔に言う。

カナ「…翔君…もし、戻りたくなったら…いつでも戻ってきてくださいね。」

愛「いつつ…あたし達は、翔君を…心から、歓迎するよ…♪」

カナと愛は、シオリやユキに支えられ…優しい笑顔を、翔に向けた。

翔「…。」

翔は振り向くことは無く……ドールハウスから去って行った。

 

 

 

後日、翔が出ていったことを知った斑目は、ショックのあまり…体調を崩し、寝込んでしまった。

 

一匹狼は、罪無き者達ために…その牙を剥く…。

 

 

 

 

翔(これで良い…あいつらを巻き込まねぇためには、こうするしかねぇんだ……さようならDolls、さようならドールハウスの関係者達…そして、さようなら…最後まで俺の味方でいてくれた、元ストライカー達…)




いかがでしたか?今回はここまでです。
翔はドールハウスを出ていってしまいましたね…彼はこれ以上、自分のことにドールハウスの関係者達を巻き込まないよう、ドールハウスを出ていったのだ。再び孤独となった一匹狼は、どこへ行くのか…。

ちなみに…アマゾン方天は、三国志の武将『呂布』の方天画戟そのものです。

次回も、お楽しみに。
では、またね
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