〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
番外編 全てが終わって
突如として現れ、人間を喰らう異形の化け物『ピグマリオン』……
そして、時空の歪みから姿を現し、人間に害を加える異形の化け物『妖魔』……
その妖魔を倒すという使命を放棄し、救いを求め、翔を連れ戻そうと外道と化した一部の『ストライカー』と呼ばれる少女達……
そのストライカーを統率し、彼女らに加担した『白河 昇』……
妖魔殲滅の効率化を図ろうとし、『アマゾン』という生物兵器を生み出した挙げ句、一般人を守るという公約を破棄した悪の組織『時空管理局』……
私腹を肥やす事だけを考え、ストライカー達を化け物と化させた全ての元凶『粗品 零士』……
これらの悪は、青空 翔を初め…Dolls、NumberS、元ストライカー達、一海達によって滅ぼされた。
【プロジェクト東京ドールズ】の世界は今も、平和な時を進んでいる。
ドールハウスにて……
リョウコ「隊長さーん、ちょっと聞いても良いー!?」
翔「どうした?」
リョウコ「これってどうやってやるんだっけ…?」
翔「あぁ、ここはな…」
翔がリョウコに事務作業を教えていた。彼女は楓とフェイと共に、スパイとしてストライカーの中に紛れ、翔に情報提供し続けていた人物の一人だ。本気でストライカーを演じていた為、ドールハウスの関係者達から疑いの眼差しを向けられていた。しかし、今は違う…ドールハウスの仲間として受け入れられ、ドールハウスで働いているのだ。
リョウコ「そっかぁ、こうやれば良かったのかぁ…」
翔「後は何かあるか?」
リョウコ「ううん、もう大丈夫!!」
翔「分かった、また何か分からねぇ事があったらすぐに聞けよ?俺にでも良いし、あからでも南田さんでも、誰でもいいからな?」
リョウコ「はい!!」
最近では、リョウコも段々ドールハウスに馴染めて来ており、何より翔から背中を押され、ありのままの自分を出せるようになって来ていた。プロジェクト・東京ドールズのメンバー達とも交流をし、その素直な性格が高く評価されている。ドールハウスのメンバー達と交流を深められているのは、楓とフェイも同じである。楓は持ち前の優しさと落ち着いた雰囲気から、『第二のシオリ』と一部メンバー達から呼ばれている。フェイは掴み所の無い性格と、弾むような明るさから、『もう一人の愛さん』と呼ばれている。彼女達も、STARS時代に事務作業をマスターしているため、すっかり独り立ちしている。
リョウコ「うぅ、みんな覚えが早くて羨ましい…私なんてまだまだで……」
翔「自分を否定するな、リョウコ。お前は確実に覚えていっている。こないだ教えた表作り、ちゃんとできていたじゃねぇか。すぐに覚える事なんざ、超人でもねぇ限り無理だ…だから焦る必要はねぇ、お前のペースで確実に足を進めて行けば良いんだ。あまり自分を否定し続けていると、自分が潰れちまうぜ?お前の不安を無くすまで、俺は何度でも付き合うぜ?」
リョウコ「隊長さぁん、ありがとぉ…!!」
翔「さ、とっとと終わらせちまいな?」
リョウコ「うん!!」
リョウコが事務作業を終えたのは、夕方の18:00頃だった。
リョウコ「はぁ〜、やあっと終わったよぉ〜!!」
翔「よく頑張ったじゃねぇか。」
机に突っ伏すリョウコを労う翔の前に、楓とフェイもやって来る。
楓「お疲れ様です、隊長さんリョウコちゃん。」
フェイ「たいちょー、リョウコっち、お疲れー!!」
リョウコ「楓さん、フェイちゃん、お疲れ様。」
翔「おう、お前達もお疲れ。」
楓、フェイ、リョウコが翔の元へ来た時は、STARSとして活動していた頃だった。現在、STARSはドールハウスと合併し、ドールハウスに所属する日本政府公認の戦闘組織である。前の拠点だった江東区のビルだが、そこはジョージ大統領の別荘となっている。
翔「折角お前達がこうして集まったんだ、飯でも食いに行くか?奢るぜ?」
リョウコ「えぇっ!?また奢ってくれるのぉ!?」
翔「何だ、要らねぇってか?」
リョウコ「そうじゃなくて、隊長さん…その……貯金、あるの?」
翔「当たり前だろ?」
翔の現在の貯金残高は、およそ4億5000万円だ。元々、ドールハウス専属の用心棒として働いていた彼は、この世界に転生した際に得ていた資産8000万円を、2億1000万に増やし…更に、STARS時代では最前線に立って東京都民を異形の怪物から守っていた。休む間もなく働き詰めだった彼だが…都民からの、そしてこの世界の住人達からの感謝が、4億5000万円の資産となって彼の手元にあるのだ。今では『翔の兄貴、休んでくれ!!』がトレンド入りしている。
リョウコ「そそ、そんなにあるの!?」
フェイ「なんか、お金目当ての女とかが寄って来そう……」
翔「何度かあったぜ?だが、返り討ちにしてやったがな…」
最近の翔の悩みは、彼の資産目当てで近付いてくる女がいるということ…だが、彼は瞬時に前任悪人を見抜く事が得意であるため、資産目当てで近付いて来た女は全員痛い目に遭っている。
翔「そもそも俺は、女が大嫌いなんだ…トラウマを植え付けられたからなぁ?」
彼が極度の女性嫌いになっている原因は、今は亡きストライカー達だ。彼女達から壮絶な虐めを受けた事で、女性どころか人間不信になってしまった。本来の優しい心は完全に破壊され、冷酷非道な性格に変わり果てた翔…彼の優しさが戻る事は二度と無い……だが、信頼できる仲間達がいる…守りたい場所がある…それらが彼の苦しみを包み、彼は生きることができている。例え身体が化け物であろうと、人間の心はある。それが、『青空 翔』という者なのだ。
リョウコ「女が大嫌いってことは…えっ!?じゃあ、私達のことも…?」
翔「馬鹿野郎、お前達は特別だ。だからそんな顔すんな?」
フェイ「良かったね、リョウコっち〜♪」
楓「私達も色々あったけれど…隊長さん、貴方のお陰で私達も生きられるんですよ?」
翔「そうか、ならばラーメンでも食いに行くか?」
リョウコ「良いねぇ隊長さん!!」
翔「楓とフェイもそれで良いな?俺が奢る、だから手ぶらで構わん…」
楓「いつもありがとうございます、隊長さん。」
フェイ「やったぁ、たいちょーありがとー♪」
ストライカー達がこの世からいなくなった今、彼は誰にも邪魔されること無く、彼なりに生きている。
翔(漸く、解放されたぜ…ストライカー共は最後まで自分達の事ばかりだったな…だがその結果、かつて一方的に痛め付けていた奴に命を狩られるって末路になった……怨みも屈辱も、全部果たせたぜ…俺が地獄へ行っても、また殺してやる…だが今は、この言葉を