〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
『これ以上迷惑をかけたくない』という思いから、ドールハウスを出ていった青空 翔。再び孤独となった彼は、独自で妖魔の退治をしていた。
その頃、ドールハウスでは元ストライカーの1人が翔を助けに行こうと行動を開始する。
そして、彼は…助っ人と共に、とある場所に向かった。そこは……
では、本編へどうぞ
翔がいなくなったドールハウスでは…
雪枝「ま、斑目さん…大丈夫、ですか…?」
斑目「あぁ、すまない…だいぶ楽になった…」
斑目がショックのあまり、体調を崩し、寝込んでしまい、元ストライカー達が看病をしていた。
あから「まさか…隊長殿が出ていってしまうなんて…止められなかった自分が…情けない…!」
モニカ「でも、仮に止めたとしても…隊長さんは自分の信念を貫いたと思うよ。だって隊長さん……何事も“1人で抱え込んじゃう”性格だし…」
あから「そ、それはそうだけど……」
モニカの言葉を聞いたあからは、口角を下げた。
ほたる「隊長サン…一体どこに向かったのでしょうか?」
マリ「多分…奴らのアジトかもよ?」
マリがそう言うと、元ストライカー達は一斉にマリの方に振り向き、驚きの表情を見せる。
マリ「隊長を裏切ったストライカー達、隊長を裏切った挙げ句…全く関係ない赤の他人を巻き込んでまで、隊長を連れ戻そうとしているでしょ?」
マリの言葉に、頷く元ストライカー達。
マリ「そんなバカ達の行動に怒った隊長は…奴らのアジトを探しに行ったと思う。」
モニカ「隊長さん…隊長時代だった頃から、正義感が強かったから…あり得るかも。」
幸子「あ、あの~…」
幸子が口を開く。
幸子「す、すみません…私、ちょっと用事を思い出しましたので、行ってきてもいいですか?」
オドオドしながら聞く幸子だったが、
斑目「あぁ、行ってこい。」
斑目は躊躇うことなく許可を出した。
あから「田中君、斑目さんのことは僕たちに任せてくれ。」
あからがそう言うと、他の元ストライカー達も頷いた。
幸子「あ、ありがとうございます…!行ってきます…!」
幸子はそう言って部屋を出た。
その頃、翔は……
街中で、妖魔達と戦っていた。
翔「…話にならねぇな…」
妖魔達を撃破した翔は、裏切り者のストライカー達を探し始めた。
翔(アイツら、俺を探しているはずだが…どういうことだ?)
しかし、ストライカー達が見つかる気配は全く無い。
その頃、ドールハウスの屋上にて…
幸子(隊長さんを裏切り、私達までもめちゃくちゃにしたストライカー達を、私は絶対に許しません…!)
幸子は紫色のスーツに着替えており、マスクを抱えている。そして……マスクを大空に掲げ、装着した。
???「黒鳥の騎士“オディール”!ここに推参!」
この謎の戦士の名は『黒鳥の騎士 “オディール”』である。翔の味方の元ストライカーの1人、『田中 幸子』が変身した姿であり、かつて…翔と共に数千体もの急襲妖魔(レイドオブリ)達と戦い、見事に殲滅させたという武勇伝を持っている。首には深紅のマフラーを巻いている。
オディール「トウッ!!」
オディールはドールハウスの屋上から飛び、ビルからビルへと飛び渡って、どこかへ移動した。
翔「奴らは、どこに行ったんだ?」
中々ストライカーが見つからないため…翔は、内心焦っていた。その時……
シュタッ
翔「!?」
後ろから何かが降り立つ音がしたため、翔は振り向き様に構えた。
オディール「あわわ、構えないでくれぇ!」アセアセ
翔「!?…お前は……オディール!?」
オディール「おぉ、ようやく構えを解いてくれたか、あ~びっくりした~…」
翔「何故ここに…!?」
オディール「いや、私にもよく分からないんだ。」
翔「…そうか。」
オディール「ところで隊長…何をしているんだ?」
オディールは翔に問いかける。
翔「裏切り者のストライカー達を探しているんだ…」
翔がそう言うと、
オディール「貴様、それ本気で言ってるのか!?」
オディールは驚く。彼女も、翔の事情を知っている。
翔「驚くことはねぇだろ?」
オディール「いやだって……貴様はあのストライカー達に散々痛い思いをさせられたんだろう?」
オディールは気を遣い、小声で翔に話す。
翔「そうだな…」
翔はそう言うと、目を閉じる。
翔「オディール、お前は知ってるか?」
オディール「な、何をだ…?」
翔「俺を裏切ったストライカー達…ここの世界では全く関係ねぇ人達に迷惑をかけ、俺を探している。更には、俺を連れ戻そうとしていやがる。これが証拠だ。」
翔はスマホの画面を見せる。そこには、ストライカー達の悪事がニュースとして報道されている内容が載っていた。
オディール「うわぁ…」
それを見たオディールは呆れ、ドン引きしていたが…
オディール(アイツら、ホンットクズだな…!)
強い怒りを燃やしていた。
オディール「よし、決めた!私もお供する!」
翔「えっ?」
困惑する翔。
オディール「かつて共に急襲妖魔達の群れと戦った仲だろう?遠慮することはない。」
翔「けど…」
オディール「奴らの狙いは貴様1人だ。1人で行動するのは危険だと思うぞ?」
翔「…。」
翔は困っていたが…
オディール「頼む!!お供させてくれ!!」
オディールは必死でお願いした。そして……
翔「…分かった、よろしく頼む。」
翔はオディールと行動をすることにした。
オディール「本当か、ありがとう!!」
オディールはお礼を言うと、
オディール「お礼に奴らの拠点の場所を教える。」
翔「何だって…!?」
オディールはスマホの地図アプリを開くと、
オディール「場所は世田谷区の南烏山駅近くにある廃旅館。どうでもいいことも言うが、ここは心霊スポットとしても有名だ。」
翔「アイツら…本当に狂った連中だ……よし、行こう。」
オディール「あぁ!」
翔とオディールは、南烏山駅近くの廃旅館を目指し、行動を開始した。
電車を使って移動することが多く…途中、子どもにも注目されたが、
翔「ヒーローショーの仕事だ。」
と、翔がフォローして何とか受け流した。数分後、南烏山駅に着いた。
オディール「ここから徒歩5分の場所だ。」
翔「よし。」
そして、駅から5分歩くと……
翔「…ここか、奴らのアジトは。」
オディール「あぁ、ここで間違いない。」
裏切り者のストライカー達のアジトである廃旅館『サウスカラス』である。
翔(ネーミング…)汗
翔はスマホのカメラで、写真を納めた。
翔「これで奴らの拠点の場所が分かった…オディール、お前のお蔭だ。」
オディール「気にするな。田中さんからも隊長の事情を聞いていたんだ…あのクズストライカー達に寄って集って散々苦しめられていたことを…もしものことがあったら、隊長を助けて欲しいって…」
オディールの言葉に、翔は口角を下げてしまう。
オディール「あ、すまない!嫌な出来事を思い出させてしまって」
翔「良い…事実だからな…」
翔はオディールを責めようとしなかった。
翔「俺もお前には散々助けられたしな。責めるつもりなんざサラサラねぇよ。」
オディール「…隊長。」
翔「さてと…ん?」
翔は何かの気配を感じ、
翔「隠れろ…!」
オディール「分かった…!」
オディールと共に、身を隠した。2人が隠れてすぐに、廃旅館から1人の男が姿を現した。
昇「そろそろ、戻ってくる頃だな。」
彼は翔を裏切ったストライカー達を率いる隊長『白河 昇(しらかわ のぼる)』である。
オディール「アイツ…白河 昇…!」(小声)
翔「知ってるのか?」(小声)
オディール「あぁ、田中さんから聞いた。」(小声)
翔「そうなのか。」(小声)
オディール「田中さん曰く…奴は時空管理局大本営をストライカー達に襲撃させるという暴挙を起こし、貴様を五稜館学園に連れ戻すという、狂った考えを提案し、実行した張本人だ。」(小声)
翔「何!?」(小声)
衝撃の事実を知った翔は、言葉を失った。
翔「おい、ここを離れるぞ。」(小声)
オディール「えっ?マジ?」(小声)
翔「ここでもし姿を現したら、奴らが拠点を変えるリスクがある。戦うなら別の場所にする。」(小声)
オディール「あぁ、成る程。」(小声)
翔とオディールは物音を立てず、廃旅館を離れた。
翔とオディールが近くにいたことを知らない昇は、ストライカー達の帰りを待っていた。そして、『アルタイル・トルテ』のメンバーが帰って来た。
昇「お帰り。」
椿芽「はい…只今戻りました。」
まな「今日も隊長さん、見つからなかったんだよ…」
昇「…そうか…」
昇は口角を下げる。
その頃、翔とオディールは…
広い砂利場に来ていた。
翔「ここで、奴らを誘い出す。」
オディール「戦うんだな。」
翔「あぁ、関係ねぇ連中を巻き込んだクズ野郎共に、俺が直接お灸を据えてやるんだ。」
オディール「私もだ。田中さんが信頼していた隊長を傷つけた奴らに、オディールキックをお見舞いしてやる。」
翔「よし…」
翔は……
翔「おい!!ストライカー共!!エサが自ら来てやったぜ!?出てこいよ!!」
声をあげ、ストライカー達を誘い出す。
「おい!!ストライカー共!!エサが自ら来てやったぜ!?出てこいよ!!」
昇「!?…青空隊長の声だ!みんな、行こう!」
5人「「「「「はい!!」」」」」
翔の声を聞いた昇とアルタイル・トルテのメンバーは、声が聞こえた方に一目散に向かった。
翔「オディール、奴らの弱点は『連携の悪さ』だ。」
オディール「分かった。ならこちらは連携を取って戦おう。」
翔「上等!」
数分後……
悠水「あ、いたよ!!」
裏切り者達がやって来た。更に…
昇「!!…青空隊長!」
ソイツらを率いる隊長もやって来た。
翔(おぉおぉ、早速来たか…)
翔「よぉクズ野郎共…俺の声を聞いた途端に一目散に来たな?」
伊緒「そりゃそうだよ!隊長さんには戻ってきて欲しいから…」
翔「妖魔に襲われている人達よりも、自分達の都合を優先するんだな?」
サトカ「隊長さんを連れ戻したら、妖魔達と戦います。」
サトカの言葉を聞いた翔は、呆れ……
翔「その間に人が妖魔に殺されたら、どうすんだ?どう責任を取るんだ?」
サトカに問い詰めたが…案の定、サトカは何も言えなかった。
翔「てめぇらの使命は、妖魔達を殲滅し、人々を守ることだろうが!!それを簡単に捨てんじゃねぇよ!!」
翔はストライカー達に怒鳴ると、昇の方に顔を向け、
翔「白河 昇!!てめぇは隊長のくせに、何も分かってねぇな!?」
昇「…どういうことですか?」
翔「物事には優先順位っつうものがあるんだよ、そんな事も分からねぇのか!?」
昇「分かっています!!ですから、妖魔を退治しながら青空隊長を」
翔「妖魔退治もクソもねぇよ!コイツらは、全く関係ねぇ赤の他人を巻き込んで、俺を探し回ってんだぞ!?」
昇「そ、そんなバカな…!」
翔「嘘だと思うなら、ニュースを見てみろ。」
昇はスマホを開き、ニュースを見ると……
昇「な…何だ、これは…!!」
青ざめた表情を浮かべた。ニュースには、ストライカー達の悪事が載っていた。最近では、DollsチームBのライブに殴り込み、威力業務妨害の罪で逮捕されたストライカーのことが掲載されていた。
翔「分かったか?コイツらが使命を捨て、くだらねぇ理由で悪事を働いていたことを。」
昇「おい、これは一体どういうことだ?」
昇はアルタイル・トルテのメンバーに問い詰めるが…全員、「そ、それは…」と、口籠る。
翔「それを止めねぇお前もどういうことだ?」
翔が昇に問い詰めると、昇は黙り込む。
翔「社会にすら関心を持たねぇ…そんなんでよく隊長を名乗れるよな?」
翔は続ける。
翔「社会にも関心を持たねぇ、悪事を働くストライカー達を止めねぇ……そんなお前に、隊長を名乗る資格なんてねぇ!!」
翔の言葉に、昇は何も言い返せなかった。
オディール「ストライカー共、お前達のことはよく聞いている…相当酷いそうだな。」
まな「えぇっ、オディちん!?まな達の味方じゃないの!?」
オディール「いやそもそも、そっちの味方になるなんて一言も言ってないけど?」
オディールは呆れる。
オディール「言っておくが、私は青空 翔の味方につく。何の罪も無い彼を集団で寄って集って苦しめた罪…その身体で償ってもらうぞ!」
オディールは構えをとる。
翔「ストライカー達だけじゃねぇ…白河 昇、てめぇ…大本営をコイツらに襲撃させやがって…余計なことをしてくれたなぁ?」
昇「そんな、僕はただ…青空隊長の仇を取ろうと」
翔「それが余計なことなんだよ!!」
昇「!!?」ビクッ
翔「今さら大本営を襲撃したところで、俺がコイツらを許すとでも思ってんのか?…んな訳ねぇだろ?俺はコイツらのせいで…もう……誰を信じたら良いのか、分かんなくなっちまったんだよ…」
翔の表情は、強い恨みに満ちた表情だった。
翔「俺はコイツらを許すつもりはサラサラねぇ、信頼するつもりもねぇよ…こっちの都合なんざ無視して、自分達のことしか考えねぇ奴らの元に…俺はぜってぇ戻らねぇ…それでも俺を連れ戻そうとしようものなら……俺は、てめぇらをぶっ殺す…!」
翔も戦闘体勢に入る。
オディール「本当に彼のことを思っているのなら、もう彼とは関わらないことだな。彼自信も、貴様らとは関わりたくないと言っているのだから。」
悠水「そんな…そんなハズは無いよ!!」
オディール「今の彼の状態を見て分からないのか…全く、おめでたい頭をしているんだな…あ~あ、呆れた呆れた。」
オディールは呆れて、ヤレヤレのポーズをとる。
伊緒「それなら…力ずくで、隊長さんを連れ戻すまでだよ!!」
伊緒はパトリ端末を取り出し、そこにメモリーカードを差し込んで変身した。
翔「こりゃあ痛ェ目見ねぇと分かんねぇか…それならこっちも、容赦しねぇ。」
翔はそう言うと、オディールと1回頷き……ストライカー達目掛けて走り出した。
いかがでしたか?中途半端な所ですが、今回はここまでです。
黒鳥の騎士 オディールですが、彼女が翔の事情を知っているのは、彼女の正体は『田中 幸子』です。翔もオディールの正体を知っているが、田中 幸子として接するのではなく、オディールとして接しています。
次回、アルタイル・トルテ&白河 昇VS黒鳥の騎士 オディール&青空 翔です。お楽しみに。
では、またね