〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
たまたま出会った3人のアイマスのキャラと江ノ島に向かう青空 翔。そんな彼らの後を追って、1人のジャドウが現れる。
では、本編へどうぞ
藤沢駅で降りた4人は、江ノ電に乗り換え、江ノ島に向かった。
春香「江ノ島に、やって来ました~!!」
江ノ島に到着し、はしゃぐ春香。
律子「春香、あんまりはしゃいで転ばないようにね。」
春香「大丈夫ですよ!転びはしませnって、わわっ!!」
ドテッ…
春香は転んでしまった。何故か彼女は、転びやすいのだ…。
律子「言わんこっちゃない…」
千早「大丈夫、春香?」
春香「えへへ、大丈夫…」
苦笑いをする春香。
翔「ったく…ほら、立てるか…?」
ため息をつきながらも、翔は春香に手を差し伸べた。
春香「ありがとうございます、翔さん♪」
春香は翔の手をとって、立ち上がった。だが、その瞬間……
???「んがぁぁあああああああ!!」
1人の男が拳を振りかざして、翔目掛けて走って来た。そして、拳を翔目掛けて振り下ろしたが…
パシッ
???「!?」
翔に軽々と止められた。
翔(左腕に黒い腕輪…ジャドウだな?)
翔「なんだてめぇは?いきなり殴りかかって来やがって…」
???「黙れ!!僕の春香に何をしたんだ!?」
翔「転んだから起こしただけだ。」
???「嘘つけ!!春香を誘惑しようとしたんだろう!?春香は僕の女だぁぁあああああああ!!」
怒り狂い、理性を失った謎の男はその場で喚き散らす。
春香「翔さん!助けてください…私、その人にストーカーされているんです!…事務所近くや自宅近くに待ち伏せされたり、後をつけられたり……助けてください、翔さん!!」
春香は喚いている男を怖がり、翔の後ろに隠れた。
???「待ってろ春香!今、王子様が助けてやるからなぁぁあああああああ!!」
翔「…っせぇな…」
???「!?」ゾクッ
翔のドスの利いた低い声に、男は黙り込む。そして……
ギリリリリッ…
???「ぎゃああああ!!いででででででで!!」
翔は掴んでいる男の右手を強く握る。
翔「黙って聞いてりゃ、何が『僕の春香』だ…コイツは物じゃねぇし、選ぶ権利だってあるんだよ。」
???「うぐぐっ!!」
男は苦しそうな表情を見せる。
翔「俺は青空 翔…誰だてめぇは、名を名乗れ!」
D「僕の名前はD、春香の婚約者だ!!」
翔「Dか…天海、コイツはこんなこと言ってるけど、どうなんだ?」
春香「婚約者だなんて、冗談じゃない!!私、貴方のこと大っ嫌いです!これ以上つきまとうのはやめてください!!」
春香は涙目になり、声を荒げる。
翔「D、分かったか?天海はお前を嫌っている。」
D「そんな…納得できるかぁぁあああああああ!!青空ァ!!僕の春香を返せぇぇええええええ!!」
Dは発狂し、左手を振り下ろした。しかし…
パシッ、ギリリリリッ…
D「ぎゃぁぁあああああああああ!!」
案の定、翔に簡単に止められ、左手を強く握られた。
律子「ここまで理解力が無いなんて、呆れた…もう良いわ、貴方を警察に通報します!」
千早「私も貴方を許しません!私達の仲間に怖い思いをさせた罪、その身体で償いなさい!!」
D「律子、千早まで……待ってろ!僕がたすけるからな!!」
翔「こんな状況の中で正義のヒーローぶりやがって…おめでたい奴だ…はぁっ!!」
呆れた翔は、Dを投げ飛ばした。
D「があっ!!…くそがぁぁあああ!!お前を殺してやるぅぅうううううう!!」
Dは白いリコーダーのような何かを取り出した。
翔「!?…ジャコーダー!?」
D「サガーク!!」
Dがそう叫ぶと…
サガーク『◯■△☆@↑↓。』
どこからか円盤のような物体が、謎の言葉を発しながら飛んで来た。
翔「あれは、サガーク…まさか!!」
サガークはDの腰に止まり、ベルトを伸ばして巻き付いた。
D「変身!!」
Dはジャコーダーをサガークの右にある穴に差し込む。
サガーク『ヘン、シン!』
そして、ジャコーダーを離すと、サガークの頭のジャイロが回転し、Dは『仮面ライダーサガ』に変身した。
翔「仮面ライダーサガ!?」
サガ「へっへっへ…」
サガは赤い刃が伸びたジャコーダーを構え、鞭のように振るう。
サガ「おらっ!!でやっ!!せやぁっ!!」
翔「っ!?」ビシッ!バシッ!ダシィッ!
翔はサガの攻撃を受けるが…
ブゥンッ…バシィッ!
何とかジャコーダーの刃を捕らえた。
サガ「それを待っていた!!」
サガはジャコーダーで翔を縛り上げる。
翔(しまった!!)
そして、翔を持ち上げ、壁や地面に何度も叩きつける。
ドゴォンッ!ドゴォンッ!ドゴォンッ!
翔「ごぼぉっ!!がはぁっ!!ぐほぁっ!!」
律子「っ!!」
春香「!!…翔さん!!千早ちゃん、どうしよう!翔さんが負けちゃうよ!!」
千早「そんな事言われても…」
春香は千早に言うが、もはやどうしようもなかった…。サガは翔を、近くの飲食店に向かって放り投げた。
ブゥンッ…ドガシャァァアアアアアアッ!!
観光客「「うわぁぁあああああ!!」」
建物の中にいた観光客や従業員は、想像もしていなかったことに驚き、逃げ出した。
翔「ぁぐ……ごほぉっ!」
仰向けに倒れた状態で、吐血をする翔。起き上がろうとするが…
翔「うっ!?…脇腹辺りの骨が…折れたか…?」
左の脇腹辺りに激痛が走り、中々起き上がれずにいた。それでも何とか起き上がり、アマゾンズドライバーを装着し、左グリップをひねった。
《デルタ》
翔「…アマゾン…」
春香「…そんな……」
千早「翔さんが…」
律子「もう、ここもめちゃめちゃよ…!」
春香、千早、律子は絶望していた。
サガ「さあ、3人とも…もう大丈夫だ。」
サガは3人に近づく。
春香「いやっ!来ないで!!」
千早「もうやめてください!!」
律子「っ!!」
律子はスマホを取り出し、警察を呼ぼうとするが…
ブゥンッ…パシィッ!
律子「!?」
サガ「警察なんて、呼ばないでくれよ。な?」
サガのジャコーダーによってはたき落とされててしまった。
春香「いやぁぁああああああああ!!」
春香が叫んだその時…
ザシュゥゥウウウウウウッ!
サガ「がぁぁあああああああ!!」
何者かに、サガは切られた。
3人「「「…?」」」
3人が顔を上げると、そこには……仮面ライダーアマゾンにそっくりな、仮面ライダーが立っていた。
サガ「ぐっ…っ!?お前、何者だ!?」
アマゾンδ「仮面ライダーアマゾンデルタ…罪の無い人達のために、戦う者だ。」
サガ「仮面ライダーアマゾンデルタだと!?…僕が殺してやる!!」
サガはジャコーダーをアマゾンδ目掛けて伸ばす。
アマゾンδ「同じ手が通用すると思うなよ?」パシィッ
アマゾンδはジャコーダーを掴むと…そのままハンマー投げのように振り回した。そして、サガを地面に思い切り叩きつけた。
ドゴォォオオオオオンッ!!
サガ「ぐぱがぁっ!!」
サガは仮面の中で吐血した。アマゾンδはベルトの左グリップをひねると、サガ目掛けて走り出した。
《バイオレント、スマッシュ》
そして、空高くジャンプし、
アマゾンδ「アマゾン、キック!」
必殺技『アマゾンキック』を繰り出した。
ドガァァアアアッ!
サガ「ぎゃぁぁあああああああああ!!」
キックをくらったサガは、勢いよく後方に吹き飛ばされ、変身が解除され、Dの姿に戻った。そして、地面を引き摺り、壁に激突して気絶し、戦闘不能になった。
あの後、律子が警察を呼び、Dは器物損壊罪、ストーカー規制法違反の罪で、逮捕された。観光客は皆、避難したため、江ノ島入り口には、春香、千早、律子、アマゾンδだけがいた。
春香「…仮面ライダー…」
アマゾンδ「…?」
春香「ライダー…うっ、うぅっ…うわぁぁあああああん!!」
恐怖から解放された春香は、今まで耐えてきたことが爆発し、声を上げて泣き出し、アマゾンδに抱きついた。
アマゾンδ「…よく頑張ったな。」
アマゾンδは泣いている春香の頭を撫でた。それが吉と出たのか、春香は少しして落ちつきを取り戻した。それを確認したアマゾンδは立ち去ろうとするが…
アマゾンδ「っ!?」
左の脇腹辺りをおさえ、そのまま倒れると、変身が解けた。
3人「「「!!!?」」」
3人は、アマゾンδの正体を知って、言葉を失った。
翔「がぁっ…ぐぁぁあああ…!!」
その正体は…青空 翔だったのだ。彼は左の脇腹辺りをおさえ、苦しそうに顔を歪めていた。
春香「翔さん!!」
千早「翔さん!しっかりしてください!!」
律子「今、救急車を呼ぶわ!」
律子は救急車を呼び、翔は近くの病院に搬送された。
翔『…っ!?ここは……っ!?何だよ、これ…!?』
気が付いたら、翔は柱に鎖で拘束されていた。
???『隊長さん…』
そこに、1人の人物が姿を現す。
翔『…!!…てめぇ!!美山 椿芽ぇ!!』
翔は声を荒げて、暴れるが…鎖は切れることはない。椿芽の後に続いて、翔を裏切ったストライカー達が、姿を現した。
いつみ『隊長、どうしたら許してくれるんだ?』
翔『俺はてめぇらを許すつもりなんてサラサラねぇよ!!』
あおい『そんなこと言わないでくれよ!!あの時、隊長がいなくなって、私達は漸く…自分達の過ちに気付いたんだ!』
翔『今さらかよ…おせぇんだよ!!』
依咲里『隊長様、本当に偽英雄なのは…私(わたくし)達でした!!今までの愚行、どうかお許しくださいませ!!』
翔『黙れぇ!!都合が悪くなった途端に、掌返ししやがって…ふざけんじゃねぇよ!!』
ハヅキ『どうしても、許してくれないのかい…?』
翔『言ったはずだ!!俺はてめぇらを許すつもりなんてサラサラねぇよ!!』
ハヅキ『そうかい…なら……』
ハヅキは刃を取り出す。
翔『…!?…何をする、やめろ!!』
ハヅキ『ヤメナイヨ…』
ザクゥッ!
翔『!!ぎゃぁぁあああああああああ!!』
翔「っ!?」ガバッ!
翔は勢いよく、ベッドから起き上がった。
翔「っ!?」
途端に、左の脇腹辺りに激痛が走る。
翔「…ぐっ……ここは、病院…?」
「そうだよ。」
翔「!?…あんたは……片山さん?」
愛「うん。」
右隣には、愛が翔の側に座っていた。
翔「…何故ここにいる!?俺を連れ戻しに来たのか!?」
翔は愛に威嚇する。
愛「…。」
翔「答えr」
愛「っ!!」ギュッ!
翔「!?」
愛は翔を抱きしめた。いきなりのことに翔は、戸惑った。
愛「…痛かったよね……苦しかったよね……?」
愛は優しく翔に声をかけ、翔の頭を優しく撫でる。
愛「江ノ島を訪れていた観光客のために…765プロダクションのアイドルのために……頑張ったんだよね?」
翔「何を…言って……」
未だに戸惑っていると…
ガララッ…
春香「翔さん…」
千早「あぁ…翔、さん…!」
律子「…翔さん…」
春香、千早、律子の3人が心配そうな表情を浮かべ、翔の側に寄ってきた。
翔「…お前ら……」
愛「翔君…よく頑張ったね…!」
愛は翔の頭を優しく撫で続ける。
翔(…温かい…こう感じるのは何故だろう……分からねぇな…)
人間不信な翔は…人の温かさが、分からなかった…実の両親は殺され、犯人の男女に虐待され…五稜館学園ではストライカー達に裏切られた挙げ句、時空管理局からもティエラ先生からも見放され……誰を信じたら良いのか、分からなくなってしまった。そのため…彼は、甘えることも知らず、人の温かさが分からないのだ。
愛「翔君…泣いても良いんだよ?」
愛は翔に優しく声をかけるが…
翔「…もう…涙なんて、とっくに枯れ果てちまったよ……」
翔は涙を流すことは無かった。すると、病室の戸が開き…
カナ「…っ!翔君!!」
斑目「あ、青空!!」
カナと斑目が入ってきて、その後に…
レイナ「翔君!!」
シオリ「!!…翔君!」
アヤ「翔!!」
他のメンバー「「「「「「翔さん!!」」」」」」
Dollsが入ってきて…
ほたる「隊長サン!!」
マリ「!?…隊長…!」
あから「隊長殿!!」
モニカ「隊長さん!!」
雪枝「た、隊長さん!!」
幸子「っ!?…隊長…さん…!!」
元ストライカー達も入ってきた。
翔「…。」
翔は呆然としていた。
ミサキ「大丈夫ですか、翔さん!?」
ユキ「…痛そうです…!」
ナナミ「酷い…一体誰が…?」
愛「犯人は『D』って言ってたね。黄緑色のオカッパ頭に眼鏡をかけた男、左腕には黒い腕輪を身につけているよ。」
愛はそう言うと、TVをつけた。今日起こった出来事が、ニュースで報道されている。
アナウンサー『調べに対しD容疑者は、『僕は何も悪くない、青空が悪いんだ。』と言い、容疑を否認しています。』
これを見たナナミは…
ナナミ「…D…っ!!」ギリリッ
怒りを露にし、歯を食い縛り、拳を強く握る。レイナとシオリは何とかナナミを落ち着かせ、ナナミは怪我をせずに済んだ。
カナ「翔君、先生が言ってたんですけど…『ここで安静にするか』、『ドールハウスで安静にするか』選んでくれ…と。」
翔「…ドールハウスで安静?…何を考えてんだ?」
斑目「私が医師に説明した。ドールハウスには、医療体制も整っているんだ。」
愛「実際、あたし…こう見えても、医者なんだ。」
愛はそう言うと、翔に医師免許証を見せた。
翔「…。」
斑目「どちらを選ぶかは、青空の自由だ。」
翔「…なら……ドールハウスで安静にする。」
一同は、翔の発言に一瞬驚いたが…
カナ「分かりました。では、手続きは私が行います。斑目さん、片山さん、翔君の付き添いをお願いします。」
斑目「承知した。」
愛「OK、じゃあ翔君、行こうか。」
愛は翔の左隣に付き添い、斑目は翔を守るように、彼の右側に付き添った。
翔「…ドールハウスに戻る前に…この3人を送ってくれ。」
翔は言う。
春香「そんな…助けていただいて、悪いですよ。」
翔「バカ野郎…今日のことがあったんだ。この日は外を出歩かない方が良い。」
律子「…そうですよね…」
千早「では、お言葉に甘えて…」
春香達は、芸能事務所『765プロダクション』に送ってもらうことにした。
765プロダクション前にて……
斑目とカナが春香達と共に事務所に入り、Dolls、元ストライカー、翔は愛と専用車両内で待機することになった。
翔(ここが芸能事務所『765プロダクション』か…天海達はここに所属しているんだな…)
翔はそう思い、窓から眺めた。
レイナ「翔君、大丈夫?」
翔「…平気だよ。」
翔は不機嫌そうに答えると、
翔「ゴホッ!ゴホッ!」
咳をしてしまう。
レイナ「!!」
レイナは翔の背中を擦る。
翔「コホンッ…ふぅ…」
翔が落ち着きを取り戻すと、レイナはそっと右手を翔の背中から離した。
ミサキ「翔さん。」
ユキ「…翔さん。」
ミサキとユキも翔の近くに寄ってきた。
アヤ「ちょっと、あんまり大人数でいると、翔が怖がっちゃうじゃない。」
アヤはそう言うと、翔の近くに寄ってきた。
翔(お前も寄って来んのかい…)汗
心の中で突っ込みを入れる。
アヤ「翔、ケガもそうだけど、体調は大丈夫?喉とか渇いてない?」
翔「…平気だっつってんだろ。」
アヤ「良かった♪」
翔はアヤに吐き捨てたが、アヤは笑顔を見せた。
翔「それと、バカ面して寄ってくんじゃねぇよ、気分が悪いんだよ!」
翔は近くに寄ってきたメンバー達を罵倒する。
ユキ「…ごめんなさい……」
ミサキ「…ごめんなさい、翔さん…」
アヤ「あ、ごめんね…翔…」
近くに寄ってきたメンバー達は翔に謝罪し、翔から離れた。
翔「てめぇもだよ、金髪野郎!!」
レイナ「あ、ご…ごめんなさい…翔君…」
レイナも翔から離れた。
カナ「お待たせしました。」
その時、カナと斑目が戻った。
斑目「765プロダクションの社長とプロデューサーが青空に会いたいと言っていたが…青空の状態を見て、今会わせると青空に負担がかかると判断した。」
愛「分かりました。」
カナ「ところで、翔君…大丈夫ですか?」
カナが翔の側に寄ると…翔は眠っていた。
レイナ「疲れて眠っているみたいね。このまま寝かせてあげましょう。」
レイナの言葉に、全員が頷いた。その後、車両は発車し、ドールハウスへと戻っていった。
765プロダクション内にて……
???「青空 翔君か……」
???「社長、彼なら…“彼ら”の呪縛から解放してくれるかもしれません…」
???「ふむ、そうだな…だが、彼は大怪我をしている……もう少し、耐え忍ぼう…」
???「…そうですね…」
青空 翔の活躍を知った2人の男は…彼の存在に、希望を抱きかけていた。
いかがでしたか?今回はここまでです。
転生者 D…『ジャドウ』の1人。幾多の転生世界に勝手に入っては、ヒロインを寝とり…『仮面ライダーサガ』に変身し、他転生者や原作主人公を殺害し、転生世界を崩壊へと導いた。
アイドルマスター(765プロダクション)の関係者はまだ登場しませんが、いずれ登場させます。
仮面ライダーサガに変身したDによって、怪我を負った青空 翔は、ドールハウスに戻ることを決め、再び保護されることになった。
次回も、お楽しみに。
では、またね