〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』 作:やさぐれショウ
前回は、全く出番がなかった『青空 翔』ですが、今回からは出番あります。
『日差野 光(旧名、賢宮 ほたる)』が、影一(翔)の逃亡仲間になりましたが、他のメンバーも仲間に加わります。
では、どうぞ
影一side…
『日差野 光』が仲間に加わり、俺は孤独感から逃れることができた…と、思っている。
光「あの…隊長サン…?」
影一「光、俺はもう隊長じゃないんだ。普通に名前呼びな。」
光「あ、分かりました…えっと…」
影一「影一で構わないよ。」
光「はい…影一、サン。」
影一(呼び慣れないのも無理はないか…)
こんなやり取りをしながら、とある飲食店に向かった。
着いた飲食店は、バイキング系の店だ。多めに食事を摂るために、この店を選んだ。
影一「光、食べたいだけ食べな。遠慮しなくていいから。」
光「あ…ありが、とう…」
光は少し砕けた口調に変えていた。まだぎこちないが、これは俺の提案だ。普段の口調で生活していれば、奴らにバレるリスクが高まると感じられたからだ。
影一「そう言えば光…どうして俺の居場所が分かったんだ?」
俺はふと、光に訊ねる。
光「影一さん、実はあたし…モニカさんやあからさん達と、こっそり連絡先を交換して…それで…」
影一「そうか…ん?待てよ…」
俺は危険な事に気づき始める。
影一「おい、モニカやあから達、まだ五稜館学園に居るのか?」
光「…はい…」
影一「何!?…マズイぞ、助けに行かないと…!」
小声で話す俺と光。俺はモニカ達の身の危険を感じ、助けに行くと決めたが、
光「それはダメ!」
光は反対した。理由は勿論…俺があの学園の奴らに何されるか分からないし…折角奴らから逃げているのに、その決断はあまりにも無謀だからだ。それは、地獄に戻ることを意味しているから。
影一「光、気持ちは分かる。だけど俺は、あいつらを放っておく事はできない。あいつらが奴らから酷い目に合うのは嫌だし。」
光「…影一さん…」
影一「行こう…あいつらを助けに…!」
光「…分かりました…!」
俺達は食事を済ませると会計をし、店を出た後、モニカ達の救出に向かった。
影一side OFF…
その頃、五稜館学園では…
モニカ「白河隊長…ここに判子を…」
昇「モニカ…あからまで…」
あから「自分で決めたことだからね。」
昇「…分かった…」
モニカとあからも、ストライカー引退届けを書き上げ、隊長の『白河 昇』から判子を押してもらい、ストライカーを辞めた。
そして、使われていないチームハウスにいた。
モニカ「ほたる、隊長さんと合流できたみたいだけど、大丈夫かな…」
あから「ほたる君なら、きっと大丈夫だよ。」
モニカ「うん…でも、何だか寂しいね…」
翔の味方以外のストライカー達は全員…出払っていた。そのため、彼女達以外のストライカーは…誰もいないのだ。その時…
コンコンコンコンッ
窓を叩く音がした。モニカとあからは、音が聞こえた方に振り向く。そこには…
モニカ「!!…隊長さん…!」
かつての隊長がいた。あからは窓を開ける。
あから「隊長殿、どうして!?」
影一「話は後、とにかくここを出るぞ。」
モニカとあからは学園を出る準備をし、影一についていく。
モニカ「隊長さん、今ここにはあたし達以外誰もいないから。」
影一「あいよ!」
モニカとあからは、「自分はストライカーを辞めた」と影一に話し、彼の仲間に加わった。
影一「光、モニカと一緒に在来線で千葉駅に向かって。俺とあからはバイクで向かうから。」
光「分かりました。」
モニカ「えっ?ほたる、ほたるだよね?」
光「詳しい事は後で話します。」
影一「光、頼んだぞ!あから、行こう!」
あから「分かった!」
光とモニカは在来線で千葉駅へ、俺とあからはバイクで千葉駅に向かうことにした。
あから「隊長殿…?」
影一「詳しい事は光達と合流してから話す。」
あから「あ…あぁ…。」
俺はあからをバイクに乗せ、千葉駅に向かって走り出した。
数十分後、俺とあからは千葉駅で光とモニカと合流し、一旦俺はトラックを頼み、バイクを自宅まで運んでもらった。そして、駅の改札に入り、静岡の熱海駅まで向かった。
電車内にて…
影一「モニカ、あから、俺は今『黒野 影一(くろの えいいち)』って名前なんだ。」
光「あたしは今『日差野 光(ひざしの ひかり)』という名前なの。」
モニカ「二人とも名前を変えたんだ。でも、なんで?」
影一「前の名前で生活してりゃあ、アイツらにバレるリスクが高まるって思ってな。」
あから「そうなのか…あ、隊長殿。」
影一「影一って呼びな。俺はもう、隊長じゃないから。」
あから「あ、ごめん…影一…」
影一「それで、話はなんだ?」
あから「ストライカー達全員、あの樹海を探し回っているんだ。それを伝えたくて…」
影一「情報ありがとう。」
影一(それならゆっくり移動できるけど…東京からは特急に乗るか。)
モニカ「…影一さん?」
影一「東京から特急に乗り換えて、熱海まで行こう。そこに俺の自宅があるから。」
3人「分かった。」
その後、東京に着いた俺達は特急券を買い、特急(自由席)に乗った。そこで、モニカは『ジェシカ・キャリー』と名前を変え、あからは『日ノ本 勇華(ひのもと ゆうか)』と名前を変えた。
その後、熱海駅に到着した俺達は、俺の自宅に足を運んだ。そして、俺の自宅で身を休めようとした時…
ピンポーン
インターホンです鳴ると、ドアの隙間から1枚の紙が入ってきた。紙には…
〔あんたの味方の雪代マリだよ。〕
と書かれていた。その文字が、マリの文字であることを確信した俺はドアを開けた。
マリ「久しぶりだね。」
そこには、マリが1人でいた。俺はマリを自宅に入れた。
影一「マリ、よくここが分かったね。」
マリ「たまたま同じ車両に乗ってたんだ。あたしもあんたの逃亡を手伝うよ。」
影一「ストライカーは…」
マリ「もう辞めた。」
影一「そうか…ありがとう、マリ。」
マリ「気にしないで。後、私も名前を変えた方がいいだろう?車内であんたらのやり取りを聞いていたからね。」
影一「あぁ、そうだな…君の名は………『冬山(とうやま) セツナ』でどうかな?」
セツナ「良い名前じゃん。」
影一「良かった。俺は今『黒野 影一』って名前で生活している。影一で構わないよ。」
セツナ「分かった。よろしく頼むよ、影一。」
こうして、『雪代 マリ』改め『冬山 セツナ』が新しく仲間に加わった。その後、俺達は俺の自宅で身を休めることにした。
次の日…
俺は早く起きて、カーテンを開けると…自宅から見える景色が広がっていた。
影一(よ、良かった…今日も違うな…)
俺はホッとし、外出の準備をする。
勇華「影一、どこにいくんだい?」
影一「…?」
振り向くと、そこには…既に起きていた勇華達がいた。
影一「幸子と雪枝を助けに行く。あいつらともこっそり連絡を取り合っているんだろ?」
ジェシカ「うん…そうだけど…」
影一「だったら尚更だ。行ってくる。」
セツナ「なら、私がお供するよ。」
影一「…けど…」
セツナ「1人だと負担も大きい。2人の方が楽だろう?」
影一「あ、そう言えば…俺、バイクを持ってるけど…2人までしか乗れないからな…」
セツナ「だろう?」
影一「…セツナ、お願いしてもいいか?」
セツナ「了解。」
ジェシカ「幸子達から連絡が来たんだけど、ストライカー達はあの樹海にいるってね。行くなら今がチャンスだよ。」
影一「よし。じゃあ、行ってくる。」
光「お気をつけて。」
俺はセツナと共に、五稜館学園に向かった。
その頃、学園では…
幸子「白河隊長さん…」
雪枝「ここに判子を、お願いします。」
昇(幸子と雪枝もか…)
昇「…あぁ、分かった。」
幸子と雪枝も、ストライカー引退届けに判子を押してもらい、ストライカーを辞めた。その後、部屋に戻り、荷物を纏めていた。
幸子「隊長さん…無事でしょうか…」
雪枝「きっと無事ですよ…」
幸子「雪枝さん…そうですよね…」
2人は、寂しげなやり取りをしていた。その時、窓を叩く音が聞こえ、振り向くと…かつての隊長がいた。
雪枝「た、隊長さん…!?」
影一「早くここを抜け出すよ。急いで…!」
幸子「は、はい…!」
影一「セツナ、幸子と一緒に在来線で熱海に向かって。俺は雪枝と熱海に向かうから、駅で待ち合わせしよう。」
セツナ「分かった。」
影一「幸子、雪枝、事情は後で話すから。」
幸子&雪枝「分かりました。」
セツナは幸子と一緒に在来線で、俺は雪枝と一緒にバイクで熱海駅に向かった。
数十分後、俺と雪枝は熱海駅に着いた。数分後、セツナと幸子も熱海駅に到着し、合流した。そして、俺の自宅に向かった。
ガチャッ
影一「ただいま。」
勇華「お帰り、影一。」
影一「あぁ、幸子と雪枝は無事に救出できた。」
光「良かったです!」
ジェシカ「セツナも無事で良かった。」
セツナ「ありがとう。」
俺は幸子と雪枝を自宅に入れると、事情を話した。2人は納得し、幸子は『幸乃 静(ゆきの しずか)』、雪枝は『優木 心(ゆうき こころ)』と名前を変え、俺の仲間に加わった。そして、今後の事を話し、身を休めた。
数週間俺の自宅で身を休めた後、2つのチームに分け、別々に行動することにした。大人数で動くと、奴らに怪しまれるリスクが高まるからだ。現在、俺は光とジェシカ、心と行動している。在来線で関西に向かい、4日後には北海道に向かう計画を立て、それを勇華達にLINEで伝えた。
大阪にて…
大阪に着いた、俺と光、ジェシカ、心の4人。何故ここを選んだのかと言うと、ストライカー達は関西に来た事がないため、逃げ回るにはちょうど良いと思ったからだ。ただ、光達も来たことがない…そこで、俺は光達に地図を渡した。
ジェシカ「影一さんは地図、いらないの?」
影一「大丈夫、奴らから逃げている間に下調べはしたから。」
ジェシカ「なんか、ごめんね…影一さんに気を遣わせてもらって…」
影一「大丈夫だよ。それに、謝るのは俺のほうだから…」
光「そんな事はありません!あたし達が勝手にしているだけですから。」
心「影一さんも、そこまで気を遣わなくても大丈夫ですよ?」
影一「そ、そうか…」
そんなやり取りをしていると…遠くにストライカーチーム『アルタイル・トルテ』の奴らを発見した。
影一「アイツら…『アルタイル・トルテ』!?」
影一(奴ら…嗅ぎ付けてきたのか…!?)
ジェシカ「影一さん、ヤバいよ…」
影一「駅のホームに向かおう。」
光達は頷き、俺らは改札を通った。幸い、気づかれなかった。しかし、ホッとしたのもつかの間…奥のホームに『ココナッツ・ベガ』のストライカーチームがいた。
影一(マズイ…感付かれているのか!?…そんなバカな…!)
心「影一さん…どうしましょう…」
影一「落ち着け…このままやり過ごそう。」
ここで、次の列車の到着アナウンスが流れる。だが…不意に『東雲(しののめ) リョウコ』がこちらを見た。
リョウコ「あ!あそこに!」
イミナ「ホントだ!」
影一「しまった!」
光「次の列車、早く来て!」
奴らが走って、こっちに向かって来る。少しして、次の列車が到着したので、俺達は急いで乗り込んだ。奴らがこっちのホームに来た時、列車は既に発車していた。
影一「ヤバいな…次の駅で降りて、どこかでやり過ごそう。」
心「どこかって、どこですか?」
影一「近くに居酒屋があるんだ。そこでやり過ごそう。」
ジェシカ「駅から近いって、マズイんじゃ…」
影一「逆に離れたら危ないよ。流石のアイツらも、居酒屋には来ないだろう。」
光「あたしは影一サンに賛成します。だって影一サン…今まで的確な判断で、あたし達を引っ張ってきてくれたから…」
ジェシカ「…そうだね。あたしも影一さんに賛成する。」
心「影一さん、どこへでもお供します…!」
光達も、俺の案に賛成した。そして、次の駅で降りて、近くの居酒屋に入った。そして、小腹を満たすため、軽めに注文した。少しして会計を済ませました外に出る。
影一「やったな、バレなかったぞ。」
ジェシカ「上手くいったね。」
光「一時はどうなるかと思いましたけど…」
心「影一さんの判断のおかげですね…♪」
やり過ごす事に成功した俺達は、近くの安いホテルを予約し、そこで休むことにした。
いかがでしたか?今回はここまでです。
翔の味方のストライカー達を、駆け足で翔の逃亡仲間に加えさせました。プロローグストーリーも残り2話となりました。自分なりに急いで書いて、メインストーリーを書けるようにします。お楽しみに。
では、またね。