〜プロジェクト東京ドールズ〜『化け物とドールの絆』   作:やさぐれショウ

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やさぐれショウでございます。
前回は、全く出番がなかった『青空 翔』ですが、今回からは出番あります。
『日差野 光(旧名、賢宮 ほたる)』が、影一(翔)の逃亡仲間になりましたが、他のメンバーも仲間に加わります。
では、どうぞ


翔の辛き過去6

影一side…

『日差野 光』が仲間に加わり、俺は孤独感から逃れることができた…と、思っている。

光「あの…隊長サン…?」

影一「光、俺はもう隊長じゃないんだ。普通に名前呼びな。」

光「あ、分かりました…えっと…」

影一「影一で構わないよ。」

光「はい…影一、サン。」

影一(呼び慣れないのも無理はないか…)

こんなやり取りをしながら、とある飲食店に向かった。

 

着いた飲食店は、バイキング系の店だ。多めに食事を摂るために、この店を選んだ。

影一「光、食べたいだけ食べな。遠慮しなくていいから。」

光「あ…ありが、とう…」

光は少し砕けた口調に変えていた。まだぎこちないが、これは俺の提案だ。普段の口調で生活していれば、奴らにバレるリスクが高まると感じられたからだ。

影一「そう言えば光…どうして俺の居場所が分かったんだ?」

俺はふと、光に訊ねる。

光「影一さん、実はあたし…モニカさんやあからさん達と、こっそり連絡先を交換して…それで…」

影一「そうか…ん?待てよ…」

俺は危険な事に気づき始める。

影一「おい、モニカやあから達、まだ五稜館学園に居るのか?」

光「…はい…」

影一「何!?…マズイぞ、助けに行かないと…!」

小声で話す俺と光。俺はモニカ達の身の危険を感じ、助けに行くと決めたが、

光「それはダメ!」

光は反対した。理由は勿論…俺があの学園の奴らに何されるか分からないし…折角奴らから逃げているのに、その決断はあまりにも無謀だからだ。それは、地獄に戻ることを意味しているから。

影一「光、気持ちは分かる。だけど俺は、あいつらを放っておく事はできない。あいつらが奴らから酷い目に合うのは嫌だし。」

光「…影一さん…」

影一「行こう…あいつらを助けに…!」

光「…分かりました…!」

俺達は食事を済ませると会計をし、店を出た後、モニカ達の救出に向かった。

影一side OFF…

 

 

その頃、五稜館学園では…

モニカ「白河隊長…ここに判子を…」

昇「モニカ…あからまで…」

あから「自分で決めたことだからね。」

昇「…分かった…」

モニカとあからも、ストライカー引退届けを書き上げ、隊長の『白河 昇』から判子を押してもらい、ストライカーを辞めた。

そして、使われていないチームハウスにいた。

モニカ「ほたる、隊長さんと合流できたみたいだけど、大丈夫かな…」

あから「ほたる君なら、きっと大丈夫だよ。」

モニカ「うん…でも、何だか寂しいね…」

翔の味方以外のストライカー達は全員…出払っていた。そのため、彼女達以外のストライカーは…誰もいないのだ。その時…

コンコンコンコンッ

窓を叩く音がした。モニカとあからは、音が聞こえた方に振り向く。そこには…

モニカ「!!…隊長さん…!」

かつての隊長がいた。あからは窓を開ける。

あから「隊長殿、どうして!?」

影一「話は後、とにかくここを出るぞ。」

モニカとあからは学園を出る準備をし、影一についていく。

モニカ「隊長さん、今ここにはあたし達以外誰もいないから。」

影一「あいよ!」

モニカとあからは、「自分はストライカーを辞めた」と影一に話し、彼の仲間に加わった。

影一「光、モニカと一緒に在来線で千葉駅に向かって。俺とあからはバイクで向かうから。」

光「分かりました。」

モニカ「えっ?ほたる、ほたるだよね?」

光「詳しい事は後で話します。」

影一「光、頼んだぞ!あから、行こう!」

あから「分かった!」

光とモニカは在来線で千葉駅へ、俺とあからはバイクで千葉駅に向かうことにした。

あから「隊長殿…?」

影一「詳しい事は光達と合流してから話す。」

あから「あ…あぁ…。」

俺はあからをバイクに乗せ、千葉駅に向かって走り出した。

 

数十分後、俺とあからは千葉駅で光とモニカと合流し、一旦俺はトラックを頼み、バイクを自宅まで運んでもらった。そして、駅の改札に入り、静岡の熱海駅まで向かった。

電車内にて…

影一「モニカ、あから、俺は今『黒野 影一(くろの えいいち)』って名前なんだ。」

光「あたしは今『日差野 光(ひざしの ひかり)』という名前なの。」

モニカ「二人とも名前を変えたんだ。でも、なんで?」

影一「前の名前で生活してりゃあ、アイツらにバレるリスクが高まるって思ってな。」

あから「そうなのか…あ、隊長殿。」

影一「影一って呼びな。俺はもう、隊長じゃないから。」

あから「あ、ごめん…影一…」

影一「それで、話はなんだ?」

あから「ストライカー達全員、あの樹海を探し回っているんだ。それを伝えたくて…」

影一「情報ありがとう。」

影一(それならゆっくり移動できるけど…東京からは特急に乗るか。)

モニカ「…影一さん?」

影一「東京から特急に乗り換えて、熱海まで行こう。そこに俺の自宅があるから。」

3人「分かった。」

その後、東京に着いた俺達は特急券を買い、特急(自由席)に乗った。そこで、モニカは『ジェシカ・キャリー』と名前を変え、あからは『日ノ本 勇華(ひのもと ゆうか)』と名前を変えた。

 

その後、熱海駅に到着した俺達は、俺の自宅に足を運んだ。そして、俺の自宅で身を休めようとした時…

ピンポーン

インターホンです鳴ると、ドアの隙間から1枚の紙が入ってきた。紙には…

〔あんたの味方の雪代マリだよ。〕

と書かれていた。その文字が、マリの文字であることを確信した俺はドアを開けた。

マリ「久しぶりだね。」

そこには、マリが1人でいた。俺はマリを自宅に入れた。

影一「マリ、よくここが分かったね。」

マリ「たまたま同じ車両に乗ってたんだ。あたしもあんたの逃亡を手伝うよ。」

影一「ストライカーは…」

マリ「もう辞めた。」

影一「そうか…ありがとう、マリ。」

マリ「気にしないで。後、私も名前を変えた方がいいだろう?車内であんたらのやり取りを聞いていたからね。」

影一「あぁ、そうだな…君の名は………『冬山(とうやま) セツナ』でどうかな?」

セツナ「良い名前じゃん。」

影一「良かった。俺は今『黒野 影一』って名前で生活している。影一で構わないよ。」

セツナ「分かった。よろしく頼むよ、影一。」

こうして、『雪代 マリ』改め『冬山 セツナ』が新しく仲間に加わった。その後、俺達は俺の自宅で身を休めることにした。

 

次の日…

俺は早く起きて、カーテンを開けると…自宅から見える景色が広がっていた。

影一(よ、良かった…今日も違うな…)

俺はホッとし、外出の準備をする。

勇華「影一、どこにいくんだい?」

影一「…?」

振り向くと、そこには…既に起きていた勇華達がいた。

影一「幸子と雪枝を助けに行く。あいつらともこっそり連絡を取り合っているんだろ?」

ジェシカ「うん…そうだけど…」

影一「だったら尚更だ。行ってくる。」

セツナ「なら、私がお供するよ。」

影一「…けど…」

セツナ「1人だと負担も大きい。2人の方が楽だろう?」

影一「あ、そう言えば…俺、バイクを持ってるけど…2人までしか乗れないからな…」

セツナ「だろう?」

影一「…セツナ、お願いしてもいいか?」

セツナ「了解。」

ジェシカ「幸子達から連絡が来たんだけど、ストライカー達はあの樹海にいるってね。行くなら今がチャンスだよ。」

影一「よし。じゃあ、行ってくる。」

光「お気をつけて。」

俺はセツナと共に、五稜館学園に向かった。

 

 

その頃、学園では…

幸子「白河隊長さん…」

雪枝「ここに判子を、お願いします。」

昇(幸子と雪枝もか…)

昇「…あぁ、分かった。」

幸子と雪枝も、ストライカー引退届けに判子を押してもらい、ストライカーを辞めた。その後、部屋に戻り、荷物を纏めていた。

幸子「隊長さん…無事でしょうか…」

雪枝「きっと無事ですよ…」

幸子「雪枝さん…そうですよね…」

2人は、寂しげなやり取りをしていた。その時、窓を叩く音が聞こえ、振り向くと…かつての隊長がいた。

雪枝「た、隊長さん…!?」

影一「早くここを抜け出すよ。急いで…!」

幸子「は、はい…!」

影一「セツナ、幸子と一緒に在来線で熱海に向かって。俺は雪枝と熱海に向かうから、駅で待ち合わせしよう。」

セツナ「分かった。」

影一「幸子、雪枝、事情は後で話すから。」

幸子&雪枝「分かりました。」

セツナは幸子と一緒に在来線で、俺は雪枝と一緒にバイクで熱海駅に向かった。

 

数十分後、俺と雪枝は熱海駅に着いた。数分後、セツナと幸子も熱海駅に到着し、合流した。そして、俺の自宅に向かった。

ガチャッ

影一「ただいま。」

勇華「お帰り、影一。」

影一「あぁ、幸子と雪枝は無事に救出できた。」

光「良かったです!」

ジェシカ「セツナも無事で良かった。」

セツナ「ありがとう。」

俺は幸子と雪枝を自宅に入れると、事情を話した。2人は納得し、幸子は『幸乃 静(ゆきの しずか)』、雪枝は『優木 心(ゆうき こころ)』と名前を変え、俺の仲間に加わった。そして、今後の事を話し、身を休めた。

 

 

数週間俺の自宅で身を休めた後、2つのチームに分け、別々に行動することにした。大人数で動くと、奴らに怪しまれるリスクが高まるからだ。現在、俺は光とジェシカ、心と行動している。在来線で関西に向かい、4日後には北海道に向かう計画を立て、それを勇華達にLINEで伝えた。

 

大阪にて…

大阪に着いた、俺と光、ジェシカ、心の4人。何故ここを選んだのかと言うと、ストライカー達は関西に来た事がないため、逃げ回るにはちょうど良いと思ったからだ。ただ、光達も来たことがない…そこで、俺は光達に地図を渡した。

ジェシカ「影一さんは地図、いらないの?」

影一「大丈夫、奴らから逃げている間に下調べはしたから。」

ジェシカ「なんか、ごめんね…影一さんに気を遣わせてもらって…」

影一「大丈夫だよ。それに、謝るのは俺のほうだから…」

光「そんな事はありません!あたし達が勝手にしているだけですから。」

心「影一さんも、そこまで気を遣わなくても大丈夫ですよ?」

影一「そ、そうか…」

そんなやり取りをしていると…遠くにストライカーチーム『アルタイル・トルテ』の奴らを発見した。

影一「アイツら…『アルタイル・トルテ』!?」

影一(奴ら…嗅ぎ付けてきたのか…!?)

ジェシカ「影一さん、ヤバいよ…」

影一「駅のホームに向かおう。」

光達は頷き、俺らは改札を通った。幸い、気づかれなかった。しかし、ホッとしたのもつかの間…奥のホームに『ココナッツ・ベガ』のストライカーチームがいた。

影一(マズイ…感付かれているのか!?…そんなバカな…!)

心「影一さん…どうしましょう…」

影一「落ち着け…このままやり過ごそう。」

ここで、次の列車の到着アナウンスが流れる。だが…不意に『東雲(しののめ) リョウコ』がこちらを見た。

リョウコ「あ!あそこに!」

イミナ「ホントだ!」

影一「しまった!」

光「次の列車、早く来て!」

奴らが走って、こっちに向かって来る。少しして、次の列車が到着したので、俺達は急いで乗り込んだ。奴らがこっちのホームに来た時、列車は既に発車していた。

影一「ヤバいな…次の駅で降りて、どこかでやり過ごそう。」

心「どこかって、どこですか?」

影一「近くに居酒屋があるんだ。そこでやり過ごそう。」

ジェシカ「駅から近いって、マズイんじゃ…」

影一「逆に離れたら危ないよ。流石のアイツらも、居酒屋には来ないだろう。」

光「あたしは影一サンに賛成します。だって影一サン…今まで的確な判断で、あたし達を引っ張ってきてくれたから…」

ジェシカ「…そうだね。あたしも影一さんに賛成する。」

心「影一さん、どこへでもお供します…!」

光達も、俺の案に賛成した。そして、次の駅で降りて、近くの居酒屋に入った。そして、小腹を満たすため、軽めに注文した。少しして会計を済ませました外に出る。

影一「やったな、バレなかったぞ。」

ジェシカ「上手くいったね。」

光「一時はどうなるかと思いましたけど…」

心「影一さんの判断のおかげですね…♪」

やり過ごす事に成功した俺達は、近くの安いホテルを予約し、そこで休むことにした。




いかがでしたか?今回はここまでです。
翔の味方のストライカー達を、駆け足で翔の逃亡仲間に加えさせました。プロローグストーリーも残り2話となりました。自分なりに急いで書いて、メインストーリーを書けるようにします。お楽しみに。
では、またね。

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