トーナメント・マウンテンの切り立った断崖に設けられているリングに行くまでは何故か山の中に作られている迷路を通っていかねばならない。ちなみに何故そんな風に作られているのか未だもって謎である。
第4リングに出場する「ソルジャー・チーム」と「2000万パワーズ」もまた迷宮内にある案内板と先導するスタッフの案内に従って黙々と進んでいく。前もってスタッフたちが迷路内を調べたおかげでサクサク進む。
※トーナメント・マウンテンの入口は八つあるが、その入口全部が中で繋がっているという謎の作りをしているため入口が八つある意味がほぼない。
そのため迷宮内で対戦相手を任意で決めることができる可能性がある。そこでマンモスマンがその行いを防止するため迷路による対戦相手の抽選の廃止を提案。案内板の重要性と迷路の不必要を壇上の上で熱く訴えたのだ。スーツ姿で。
「お前とは一度戦ってみたかった」
リングに到着後、バッファローマンがリングの上で対峙するマンモスマンに向けてそう話しかける。
「いいだろう。あふれる野生で返り討ちにしてやろう」
対してマンモスマンはどこぞのあふれる知性を持っていそうな超人っぽいセリフで返し、まもなく試合のコングが鳴った。
「ハリケーン・ミキサ───ッ!!!!」
開幕からバッファローマンが頭部の、ロングホーンと呼ばれている大きな二本の角を突き立てながらの突進をマンモスマンに向けて繰り出す。
しかし、マンモスマンは腰をやや落としてその二本のロングホーンを素手で掴んで突進を止めてしまう。
バッファローマンの代名詞でもある必殺技がいとも簡単に止められてしまったことに技をかけた本人はもとより、見ていた観客たちも度肝を抜かれて驚く。
ついでにマンモスマンもびっくり。あれ? 止められた。ニャガニャガの人は止められたし、いけるかなー思っていたけど、マンモスマンパワーすげぇ、7800万パワーは伊達じゃねぇなぁ、と驚いていた。
とりあえずマンモスマン、バッファローマンのロングホーンを掴んだまま額にしこたま膝蹴りを叩き込み、次いで自身の鼻で相手の胴体を巻いて持ち上げた後にマットに何度も叩きつけ、最後に相手の背中を立てた膝の上に落としてパワフル・ノーズ・ブリーカー。
「ぐわぁぁぁー!!」
これにはバッファローマン堪らず声を上げる。キン肉マンも「バッファローマンがパワーで押されるなんて……」と戦々恐々、ついでにパンツを濡らす。モンゴルマンも心配そうにバッファローマンの名を叫ぶ。
「想像以上に想像以下だった」
マットに両膝をついた四つん這いの姿勢で顔中から汗をかいているバッファローマンに上から目線でそんな言葉をかけるマンモスマン。心に余裕ができたせいである。続いて「ガッカリした」と言おうとしたが止める。彼自身、II世のマンモスマンを見てガッカリしたからである。自分が言われて嫌なことは言わない。行動しない。それが彼のポリシーなのだ。
そしてマンモスマンはバッファローマンに語りかける。
己は画面越しでお前がミート君を躊躇うことなくバラバラにしたこと、その後、正義超人を次々と葬っていく悪魔超人という存在に恐怖したことがあった。彼らが何を思い何を考えているのかは理解はできなくともその信念に、確固たるものを感じ取り、それなりに敬意を表していることを…… なによりも強さを感じたことを延々と述べる。
「この俺を倒したければもう一度心身とともに「悪魔超人」に戻ることだな」
……のようなことを腕を組んで告げる。そこでキン肉マンが口を挟んでくる。お前は正義超人だ。悪魔超人に戻る必要はない云々。
「外野がうるさいようだが、何もリングの外でも悪魔になれとは言わん。それとも何か勝つ手立てがあるのか? もしかしてキン肉マンのようにある程度、痛め付けられないと力を発揮できないタイプなのか? ……だとしたら少々手伝ってやろう」
そう言ってバッファローマンのロングホーンの一本を左手で掴むと「マンモスの前足!!」と叫びつつ、ロングホーンの一本を右拳で根元から叩き折った。
「俺が命をかけることでようやくへし折ったバッファローマンのロングホーンをあんなにいとも簡単に叩き折るなんて……」
「あれほどの超人が未だ世に知られていなかったのが不思議なくらいだ。そして、あのソルジャーとかいうキン肉族の男、マンモスマンのタッグパートナーを務める男。ただ者ではないはずだ」
これには超人師弟の二人もビックリ。特にウォーズマンは過去にバッファローマンと戦ったことがあるだけに驚きを隠せない。ちなみに二人はマスクを剥ぎ取られているのでいつもとは違うマスクを着用している。(ロビンマスクは白覆面。ウォーズマンは穴の空いたズタ袋)
「複雑な気分だ。あのソルジャーとかいう男には助けてもらった恩があるから是が非でも勝ち進んでほしい面もあるが…… ラーメンマン──モンゴルマンにも勝ってほしいという思いもある」
リング上ではマンモスマンがバッファローマンの残ったもう一本のロングホーンを拳で叩きおろうとしている、その時にモンゴルマンが動き出す。
「レッグ・ラリアート!!!!」
マンモスマンの喉に脚を叩き込み、マンモスマンは堪らず、よろめき、掴んでいたバッファローマンのロングホーンを放してしまう。
解放されたと同時にバッファローマンはリングのロープまで転がるように駆け寄り、そこでモンゴルマンとタッチし交代する。
もっともマンモスマンは彼らが交代するのを一切邪魔することなく、じっと凝視していただけだったが…… そこでふと思い出したかのように言う。
「……そう言えば、正義超人ってのは仲間が危機に陥ると強くなるんだったな……」
「試してやろう」とマンモスマンはモンゴルマンに襲いかかる。しかしモンゴルマン、慌てることなく蹴りや打撃を与えては距離を取る、という一撃離脱の戦法で少しずつダメージを与えていく。
延髄に蹴り、両足を揃えての飛び蹴り、胴体や首に打撃、等々の攻撃を繰り返すがマンモスマンが倒れる気配は一向に見えてこない。マンモスマンもまたリング内を素早く飛び交うモンゴルマンを捕らえられずにいた。
だがそんな状況も唐突に終わりを告げる。
宙を舞うモンゴルマンの足首をマンモスマンの鼻が捕らえたのだ。
「完武!! 兜砕き!!!!」
そこから、すかさずモンゴルマンの頭を掴んで膝に押し当て、その足で膝を立てるまでキャンバスを強く踏む、と同時に頭部に衝撃を与える。
「ぐぁぁぁ~~~っっっ!!!?」
「「 モンゴルマン!!!? 」」
その破壊力は凄まじいものだったらしく、モンゴルマンが被っていたマスクが粉々に砕け散るほどだった。
そしてマスクを破壊されたモンゴルマン──ラーメンマンをその場で息も絶え絶えに苦しそうに胸をかきむしって踞る。リングの外側にいるバッファローマン、ラーメンマンの名をさかんに呼ぶがおさまる素振りがない。
これにはマンモスマンどうしたらいいのかアゴに手を当てて悩む。そこにアタル兄さんが助け船を出す。「マスクの破片を傷跡のある左側頭部に当ててみろ」と、そこでマンモスマン思い出すモンゴルマンのマスクが生命維持装置みたいな役割を果たしていることを、ついでに、あれ? 「7人の悪魔超人編」のときマスク外した時があったけど平気な顔してなかったけ……? とも。
マスクの破片を持ってラーメンマンに駆け寄るバッファローマン、落ちないように身に付けている自身の肩当てのゴムを引き千切ってその破片をラーメンマンの頭部にくくりつける。やさしい。
そして、ようやく落ち着いたのか、その間に一切攻撃を加えてこないマンモスマンに疑問を抱いたのだろう、ラーメンマンは尋ねる。
「…………特に理由はない。強いて言えば俺の美学に反する行為だからだな」
急に尋ねられるとは思っていなかったのか、すぐに返事は返さなかったマンモスマン。ちょっと間を置いてから何かそれっぽいことを言ってみる。
そして今のままでは勝てないとバッファローマンは悟ったのか、気合いの入った雄叫びとともに表面の皮膚が弾け飛び、その下に隠されていた傷だらけの肉体をさらけ出した。7人の悪魔超人編で見せたあの傷だらけのボディである。心なしか顔も凶悪な面構えになっている。
ついでに隣にいるラーメンマンも影響を受けたのか、恐ろしい顔つきになっている。これには心臓の弱い観客はビビる。キン肉マンも彼らと戦った時のことを思い出したようで、パンツから開けっ放しの蛇口の如く小便を垂れ流している。ジョババー、と。すぐさまお付きのミート君が額に青筋を浮かべつつ窘めるがそうすぐには止まらないようだ。
さらにバッファローマンは身体中の傷を残ったロングホーンに集結させて、ロングホーンをさらに鋭く大きく変化させ、そのロングホーンでキャンバスに穴を空けつつ下へと潜り込んで姿を隠す。
「キン肉マン戦で見せた技か、確かに初見でこれを見せられたら並の超人は手も足も出ない。
そう考えればこの技を初見で攻略してしまうキン肉マンが如何に優れた超人であり、ポテンシャルを秘めていることが分かるというものだ」
キャンバスの下へ潜り込んだバッファローマンはロングホーンをマットの上に突き出させて、それがまるで海中に沈んだサメのヒレようにリング上を縦横無尽に駆け巡り、幾つもの細長い裂け目をキャンバスに作っていく。
「どれ、俺もそんな偉大な先駆者に見習うことにしよう」
腰を落として左腕の上腕部分を前面に出すマンモスマン。やがてバッファローマンのロングホーンがマンモスマンの腕に食い込み、そこでピタリと動きを止めてしまう。
「マンモス流、マグロの一本釣り!!」
キャンバスの下に潜り込んでいるであろうバッファローマンを引き摺り出すため、左腕に食い込んでいるロングホーンを食い込ませたまま高々と持ち上げるマンモスマン。
「「 な、なにぃぃぃっっっ!!!? 」」
しかし、マンモスマンが引き摺り出したのはバッファローマンのロングホーンのみ、持ち主であるバッファローマン本人の姿はどこにもなかった。
「お前相手に一度破れた技を使うとでも思ったか!?」
そう叫びながらキャンバスを突き破ってロングホーンのないバッファローマンが現れた。
「ハリケ──ン!! ミキサぁぁぁ~~~っっっ!!!!」
ロングホーンがないにも関わらずバッファローマンはマンモスマンに対して突進を食らわせて頭上高々に撥ね飛ばしてみせた。
( ´・ω・)にゃもし。
▪️決着がつかなかったよ。スマン。
▪️「ヤミヤミの実で宵闇の妖怪」と並行して執筆なう。
▪️転生者特有の俺TUEEE要素だわね。今回。最後に角無しハリケーン・ミキサー食らってるけど。
▪️とりあえず、地道に執筆する所存。