ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO Яe-birth~   作:白銀るる

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ラブオーズ!前回までのハイライト
女神ミコによって天界に召喚された耀太は、コアメダルを集める為にオーズとなって下界に降りた。
一方、地上では桜内梨子がコアメダルを発見し、ヤミーに追われることになってしまう。追い詰められ、もうダメかと思われたその時、ライドベンダーに乗った耀太が到着したのだった。

Count the Medals
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×1
カマキリ×1
バッタ×1
トラ×1


3/出会いとオーズと赤い腕

 法定速度を大幅に超え、沼津の町を疾走するライドベンダー。

 道行く人がみんな俺を見ている気がするが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。

 俺は更にライドベンダーの速度をアップさせた。

『戻って来てみればぬし……世界を渡って初日からスピード違反とは感心せんぞ……』

「俺だってこんなに飛ばしたかねーよ! けど、早くヤミーを見つけないと不味いことに……」

『なるほどな……。むむ? 確かにこれは不味いな。今、追われている女子(おなご)はコアメダルを持っておるようじゃ』

 マジかよ……ってことは、あのカマキリヤミーはウヴァの差し金か! 

『仕方ない。今回は特別じゃぞ』

「え? 特別って何が……」

 女神様との念話が切れた直後、「うわっ!?」「きゃー!?」という叫び声が四方八方から聞こえてきた。

 そして何が起きているのか理解出来ないまま、俺はライドベンダーごと宙に浮いた。

「た、タコカンドロイドの道!? って……うわぁぁぁぁぁ!?」

 そのまま俺はヤミーを見つけるまで空を疾走した。

 

 

 道無き道を飛んだ為、時間はさほどかからなかった。

「あっぶねー……女の子も……俺も」

 辿り着いた先にいたのは、カマキリヤミー1体と女の子が1人。……確かにこの図だけ見れば薄い本みたいな展開に見えなくないな。

「お前、何者だ? 何をしに来た?」

「何って、この状況でそんなの1つしかないだろ。その子と、ついでにその子が持ってるコアメダルを守りに来た!」

 俺はヤミーに向かって高らかに宣言し、同時にオーズドライバーを腰に当てて装着した。

「まさか!? それはオーズの!? よせ! それを使えばタダでは済まないぞ!?」

「ご忠告どうも。でもね、戦わない訳には行かなんだよ!」

 カマキリヤミーの忠告と同時にタカとバッタのコアを3つあるうちの両端のスロットにセットし、その間にトラメダルをはめ込む。

 それからオーカテドラルを傾け、最後にオースキャナーで3枚のメダルを読み込んだ。

「タカ! トラ! バッタ! 

 タ・ト・バ! タ・ト・バ! タ・ト・バ!!」

 脳内に響く例の変身音。

 3色の輝きが俺の体を包み込んで変化させる。

 赤のメインカラーに緑の複眼が特徴的なタカヘッド、両腕にかぎ爪「トラクロー」を装備したトラアーム、驚異的な跳躍力を誇るバッタレッグからなるオーズの基本形態。

 オーズ タトバコンボへの変身が完了した。

「良いだろう……。人間、後悔させてやろう!」

 カマキリヤミーは視界から女の子を外し、俺へと向きを変えて突っ込んできた。

 カマによる斬撃をかわし、腹部にパンチを叩き込む。

 後ろに仰け反った隙に接近し、追撃を加えた。

「ぐっ……調子に乗るな!」

 更に追撃しようと懐に入ったが、その瞬間にカマが胸部に炸裂する。

 俺は大きく吹っ飛ばされ、胸に激しい痛みを感じると同時にオーラングサークルのトラの模様が点滅し始めた。

「クッソ……ダメージを受け過ぎたか……」

 胴体部分のメダルを交換せざるを得ない状況となってしまった俺。

 トラさん、本当に不遇過ぎる……。モノローグで紹介したトラクローをまだ使ってないのに……。

 

 だが、このままではヤツの攻撃に耐えることは出来ない。

 俺は立ち上がりながらカマキリメダルを取り出し、トラメダルと交換した。

「タカ! カマキリ! バッタ!」

 黄色メインだったトラアームは緑のカマキリアームに変わり、オーラングのトラの部分もカマキリに変化する。

 亜種形態、タカキリバの完成だ。

 オーズの武装の1つ、カマキリソードを展開し、俺は反撃を開始した。

 バッタレッグの力を使ってヤミーをかく乱し、カマキリソードで何度も斬りつけた。

 斬撃が直撃する度、カマキリヤミーの体からセルメダルが零れ落ちる。

 ダメージが蓄積した所為か、足下がおぼつかない様子のカマキリヤミー。

 俺は、その隙に腕と脚にエネルギーを送り込み、ヤツにトドメの一撃を叩き込んだ。

「これで決まりだぁぁぁぁぁ!」

 エネルギーが宿った刃がヤミーに体をバツ字に斬り裂き、爆発を起こした。

 カマキリヤミーはセルメダルに還元され、そこにはメダルの山だけが残った。

 

 

 ***

 

 

「ふう……命を助けるのって本当に大変なんだな……」

 変身を解いてみるとそこそこな数の傷があり、少量ではあるが流血もしていた。

 だが女の子の方は怯えている様子は少しあるものの、外傷などは全く見られない。

 俺はその姿に安堵し、溜め息を吐いた。

 そこでやっと気が付いた。

 赤紫色のロングヘアーに黄色い瞳。

 困り眉での微笑が印象強く残っている(作者の偏見)美少女、桜内梨子ちゃんだった。

 しかし、ここで彼女の名前を呼んだら俺は不審者以外の何でもなくなってしまう。

 そもそもオーズを知らない人から見たら、俺はヤバい姿に変わる不審者でしかないのだが。

「大丈夫だった? 怪我とか無い?」

 ここはセオリー通りの言葉を掛ける。

 それが正解のはずだ。

 まだ困惑している様子の彼女に、俺は「落ち着いて」と言葉を掛けた。

「た、助けていただいてありがとうございます……」

「うん、無事で良かった。俺、島村耀太。怪しいもんじゃないから」

「えっと……わたし、梨子っていいます……。その、傷の方は大丈夫ですか……?」

 怪しさしかないファーストコンタクトにも関わらず、彼女は俺の傷の心配をしてくれた。

「俺の傷は大丈夫。それより、君に聞きたいことがあるんだ。梨子ちゃん、こういうメダルに心当たり無い?」

「それ、持ってます。さっき砂浜で拾ったんです……。あれ?」

 俺にメダルを見せようと手を開いた梨子ちゃんだったが、彼女の手の中には何も収められていなかった。

「無い!? さっきまであったのに……」

 梨子ちゃんの反応を見る限り、嘘ではないことは確かだ。

 ではメダルはどこへ消えてしまったのか? 

 それは、口をパクパクさせている梨子ちゃんの視線が教えてくれた。

 おそるおそる振り返ってみると、先ほどまでカマキリヤミーだったセルメダルの山が集まってナニカを形作っていた。

 

 赤い腕──梨子ちゃんがそう言葉を漏らした。

「まさか……この時代にオーズがいたとはなぁ」

 俺の方に寄ってくる腕。

 その腕を警戒してか、あるいは恐怖心を抱いているのか、梨子ちゃんは俺の背後に隠れる。

「グリードのアンクだな」

「やっぱり知ってるか。まあ、メダルとソレの使い方を知ってる時点で察していたがな」

 俺と梨子ちゃんの周りをうろうろと浮遊するアンク。

 アンクが梨子ちゃんに近づくと、梨子ちゃんは更に警戒心を高めて俺の服を強く掴む。

「この腕だけのお化け、何なんですか?」

「コイツはアンクって言って……えーっと、さっきのカマキリの怪人、ヤミーの親分みたいなヤツかな」

「さっきの怪物の!?」

「おい、アレは俺のヤミーじゃないぞ!」

「分かってるって。あれはウヴァのヤミーだろ。だから何でお前のコアを狙ってたのか、少し気になるところではあるけど……」

「虫頭のヤミーは虫頭ってことだろ」

 アンクは、ウヴァの悪口を吐きつつ、梨子ちゃんの言葉を否定した。

 だからと言って梨子ちゃんの警戒心が解けたわけではないが……。

「それよりお前」

「耀太だよ。島村耀太」

「ヨータ、お前はこれからもオーズとして戦う、そうだな?」

「まあな。ついて来るって言うんだろ? 良いよ。っていうかそっちのが好都合だ」

「は、言ったな。なら、とことん利用させてもらうことにする」

「さあ、それはどうかな?」

 俺は、原典のアンクが一杯も二杯も食わされた火野映司の真似をし、「食えないヤツ」のような態度で言葉を返した。

 それから踵を返し、今度は梨子ちゃんの方に身体の向きを戻した。

「とりあえず、今日は送ってくよ。あんなことがあった後だしね」

「え!? でも……」

「あん?」

 俺は、梨子ちゃんに睨みを利かせているアンクを掴み、女神様から貰ったバッグに押し込んだ。

「お前、何のつもりだ!?」

「梨子ちゃんが怖がってるんだ。ついてくるつもりなら今日はこんなで我慢な」

「ちっ」

 コアメダルを集めるという共通の目的を持った俺とアンクの間に協定が結ばれた。

 

 異世界からやって来た俺、グリードのアンク、そしてこの世界の少女の桜内梨子。

 決して交わることのなかった3人の出会い。

 これが俺達(ライダー)と少女達の運命の物語の始まりだった。

 

 




耀太)これからはアンクも一緒か。心強いんだか、不安だかよく分からないけど、やることは変わらない。
女神)うむ。出だしは好調のようじゃの。アンクの住まいはわらわのい力で解決したし、次はいよいよ初の学校回……の前にこっちじゃの。
耀太)次回「幼なじみと巨大ヤミーとプレゼント」
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