怪しげな取引を目撃したけど、死なないし縮まなかった工藤新一を名乗る男   作:あがめにしき

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なんか体から黒いモヤが出たの巻

俺は工藤新一だが、永井圭でもある。

ある朝トイレで踏ん張っていたら黒いモヤが出た。

 

最初はばっちい何かと思ったんだけど、なんか操れるらしい。

 

「おい!焼きそばパン買ってこいよ!」

 

お金を渡すと焼きそばパンを買ってきてくれる便利な存在だったのだ。

 

俺はこいつを出前屋さんと呼ぶことにした。ばっちい何かということは忘れて。

 

工藤新一でも分からないことがある。

 

出前屋さんはどうやって焼きそばパンを買うのか分からないんだ。

 

工藤新一でも流石に通報するよ何か黒いし。

 

 

 

てことで出前を頼み、後をつけることにした。

 

今回はアンパンと牛乳を頼んだ。張り込みの時はアンパンと牛乳が必須なので。

 

 

小銭を握りしめた出前屋さん。

 

「アンパン...牛乳...」

 

少し距離はあるが何を言ってるのがわかる。

 

なんか健気ねえ。

 

「おい怪盗キッド何してんだ」

 

コナンくんが近づいてきた。でも怪盗キッドじゃないんだごめんね。

 

「コナンくんこんにちは」

 

「いいから答えろってバーロー」

 

その時工藤新一ひらめく。

 

実はコナンくん、バーローって言いたいだけなんじゃないか?

工藤新一である俺は地位も名声も思うがまま。憧れない方がおかしい。

いや間違いない。

でもなコナンくん、

…あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ

 

「(☝ ՞ ՞)☝」

 

クソガキは相手しないに限る

 

おっと?出前屋さんはコンビニを見つけたようだ。

 

だがしかし残念、モヤなので自動ドアに阻まれている。さあどうする?

 

「コナンくんはどう思う?」

 

「は?」

 

こんな簡単なことも答えられないのか?

やっぱ小学生だな

でも工藤新一である俺は優しいので、教えてあげることする。

 

「あんたバカァ?」

 

「は?」

 

コナンくんはフリーズした。

 

「出前屋さんは自動ドアをどうクリアするって聞いてんだよバーロー」

 

「?????」

 

おいおいIQ3か?それでも工藤新一グループかよ

 

「もういいやコンビニの自動ドア開けてきてよ面倒くさい」

 

「どういうことだ?」

 

「開けたらわかるよ」

 

謎解き大好きっ子コナンくんは開けに行った。

 

ウィーン

 

出前屋さんはコナンくんに会釈した。嬉しいんだねわかるわー

 

コナンくんはまだ分かってない様子。もう帰れよ。

 

出前屋さんはアンパンと牛乳を見つけ、手に取ったようだ。

 

レジ前へと進む。

 

回れ右。

 

自動ドアをくぐる。

 

店を出た。

 

おいおい万引きやんけ駄目じゃないか(憤怒)

工藤新一の名声が落ちたらどうするんだ。

 

コナンくんは出前屋さんにやっと気がついたのか、凝視している。

 

「どういうことだ?アンパンと牛乳が浮いている...?トリックか?」

 

ん?浮いているってどういうことだバーロー

 

工藤新一である俺はIQが高いのでひらめいた。

 

モヤは他人には見えない!!

 

今わかった。他人には見えないので工藤新一の名声は落ちない。

 

工藤新一である俺は知っている。

 

解けない謎はない。

 

つまり解けない謎は謎ではないのだ。

 

工藤新一である俺は胸を撫で下ろした。

 

 

 

おっと?出前屋さんと目が合ってしまった。後をつけたのがバレてしまったな。

出前屋さんが近づいてくる。

 

「出前お疲れ様」

出前屋さんを労うが、ここはコンビニ前、監視カメラがある。

おいおいアンパンと牛乳受け取ったらバレてしまうだろう。

 

「バーロー」

 

工藤新一の決めゼリフで叱ってやることにした。

 

 

 

 

 

 




なんで誰も書いてくれないん?

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