護が別の所に飛ばされ敵とモンスターに囲まれている時あかりは嫌な予感がして護の気配を辿り護の元へと向かっていた、突如胸のざわめきを感じ護に連絡をしてが通じずそれでいて護が力を行使している感じがする、それだけでもあかりが護の元に向かうには十分だった、気配を辿り着いた先には多くの敵とモンスターと戦っている護の姿だった加勢しようとするあかりに護は目を向けずに大声で叫ぶ
「お前は他の連中の援護に行ってくれ!俺もすぐ向かうけど少しでも戦力が必要なんだ!」
「…分かった!無茶しないでよ護!」
「あたぼうよ!」
そう会話をするとあかりは一直線にUSJへと向かう、そこでは丁度相澤が謎の敵によって重症を負わされていた
緑谷達は目の前の事態を容易には受け入れられなかった、プロヒーローであるイレイザーヘッド事担任の相澤が正体不明の敵によって一方的にやられていたのだ、その事実に峰田は怯え、無表情ではあるが蛙吹も手が僅かに震えていた、そこにモヤの敵が姿を現し、飯田が救援を呼びに行ったことを伝え、敵は帰ると言った直後蛙吹に手を伸ばす、1度目は相澤が力を振り絞り阻止する、そして再び触れようとした時ドアが吹き飛びそこから平和の象徴、オールマイトが憤怒の表情で立っていた、オールマイトは緑谷達と相澤を救出しそのついでに敵達を殴り飛ばす、その後正体不明の敵『脳無』との戦闘に入るが全くダメージが通らず不利な状況が続く、その時天幕を破り赤い槍が脳無とオールマイトの間に突き刺さる、上を見上げるとそこには赤い少女が空を飛んでいた
「急いできましたが少し遅れましたか?」
呑気なことを言いながらオールマイトの前に降り立つ、オールマイトどころか敵含む全員が目を点にしていた
「…なーにボケッとしてるんです?とっとと下がりやがってください、邪魔です」
「な、何を言うんだ君は!?君のような子が敵うような!」
「負傷してる貴方より私は強いです、何より兄さんから助太刀しろって言われてるんです怪我人は下がってください…時間もないでしょ?」
「…!?君は一体」
そこまで話すと身体中に手をつけた敵が喉を掻き毟りながら声を上げる
「なんだっていい!邪魔をするならそいつも殺すまでだ!殺れ脳無!」
命令を受け脳無が突っ込んでくる、呆れながらあかりは槍を呼び戻し臨戦態勢を取り接近し戦闘を始める、接近すれば当然脳無はその剛腕を振りかざす、そのスピードはオールマイトですら頬を掠めるスピード、波の人間では見ることすらできないスピードの拳、恐らくコンクリートすら難なく砕くであろうその拳をあかりは嘲笑うように避けて見せる、その表情には余裕の色すら見える、その態度にイラついたのか、敵が声を荒らげる
「なんなんだよアイツ…!あんな奴がいるなんて聞いてないぞ!」
「死柄木弔落ち着いて、攻撃は避けられてますが脳無もダメージは無い様子、これなら体力勝負で脳無に分があるはずです」
その会話を聞いてかあかりは脳無の一撃を槍で耐えてみせる
「確かに、パワーはあります、ですがそれだけ、スピードは見切れますね、まぁお遊びはここまでにして、お終いにしましょうか…!」
あかりはシェアを爆発させ吹き飛ばし自分も後方に下がる
「さて、一撃必殺、呪の朱槍をご覧に入れましょう!」
そう言うとあかりの持つ槍がより一層紅く光りだす、それと同時に天高く飛び上がり光が最高潮に達するとそれを力一杯に投げつける
「貫きなさい、ゲイ・ボルグ!」
脳無へと一直線に向かう槍は紅い線だけを残し脳無、いや全員が認識する頃には既に脳無の目の前へと迫っていた、避けようと体を後ろにそらす脳無、それも間に合わず心臓への直撃を避けるのが精一杯だった、串刺しになった脳無、脳無はその槍を引き抜こうと手を伸ばすがその手が止まり完全に動かなくなる
「…おい、何やってる脳無、とっととそれを抜いてその娘をぶっ殺せ…!」
「無駄です、言ったでしょ?一撃必殺だって、今のそいつは完全に死んでますよ、まぁ避けようと反応して見せたのは賞賛しますが」
あかりが手を引くと槍が独りでに脳無から抜き出てあかりの手元に戻ってくる、脳無は暫く仁王立ちすると膝から崩れ落ちるように倒れ起き上がることは無かった
「クソ!クソ!なんなんだよチートが!」
「倒せないからチート呼ばわりですか?ショック吸収に超回復なんて持ってるそいつの方がよっぽどインチキですよ、私が来る前なら貴方たちが束になればオールマイトだって殺せたでしょうに、虎の威を借る狐みたいに後ろでふんぞり返って…やれやれですね」
「死柄木弔落ち着いて、私たちにはまだこれがありますから」
「チッ!あんなわけの分からねぇ連中の力を借りることになるなんてよ!」
そう言って死柄木と呼ばれた敵はポケットからハードディスクのようなものを取り出す、それを見てあかりは驚くもあくまで冷静に問う
「それはエネミーディスク、なぜあなた達がそれを?」
「言うわけないだろ、確かこれを掲げるんだったな」
そう言ってディスクを空に掲げるとディスクが光あかりと敵との間に大量のモンスターが姿を現す
「な、なんだよこれ!?変なのがいっぱい出てきたぞ!?」
峰田が遠くで悲鳴にも似た声を上げる、それ以外の生徒たちも驚きを隠せずにいた
「これはたまげましたね、ここまでのモンスターを蓄えているなんて…」
「ハハ!流石のチート女もこれにはお手上げか?」
「そうですね、私一人なら確かに面倒ですが、ジャストタイミングです」
「あぁ、遅れてすまない」
その声と共に空から紅い鎧を身に纏った護が姿を現す
「紅君!無事だったんだ!」
「あぁ、ちょっと色々してたら遅れちまった、遅れた分しっかり働くとするよ」
「あの数を突破してきたというのか!?」
「あんなんで俺が止まるかよ」
呆れるように首を振る護だがすぐに前を向きあかりに問う
「なぁ?もう変身していいか?そっちの方が手っ取り早いし…デメリット考えたら嫌だけど」
「うん、私も面倒だから一気に片付けよ?」
「あいよ」
そう言うと手元にシェアクリスタルを出現させ空中に浮く、するとそのクリスタルが複数のディスクとなって護を中心に回り出す、そのうちの一つを腕に付けそれを胸元に持って来て言葉を発する
「変身(アクセス)!」
その声と共に護を覆っていた鎧が弾け体を光が包む、その光が止むと中から赤い髪を靡かせる1人の少女が姿を現す、全身をボディラインがハッキリわかるような黒いスーツを身に付け背中には機械の羽根、手元には2振りの剣が握られており幼い見た目からは想像もできない威圧感を放出していた
「さぁ、ショータイムや!」
紅い少女となった護はそう言うとモンスターに突貫する、モンスターはそれに反応出来ず何体か轢かれそのままポリゴンとなって消滅する、それに続くようにあかりも槍を構えモンスターに突貫しなぎ倒していく、その動きを舞を踊るように洗練されてはいるが過激なものだった、そうして行くうちにモンスターの数は減り10分にも満たないうちにモンスターは全滅していた
「うーん、呆気ないなぁ、さて、次は君らやで?」
剣先を向け悪戯っぽく笑うも目は全く笑っておらず怒気を孕んでいるのがわかる
「クソ!役にも立たない連中しかない!」
「弔ここは撤退しましょう、ゲームオーバーです」
「逃がすわけないやん」
そう言って迫ろうとする護だったが護達と敵との間に壁のようなものが出現し護を阻む、その隙に敵たちは撤退を始める
「次は絶対殺すぞ、オールマイト!それにガキ共!」
そう憎悪を剥き出しにしたまま消えるとあたりは静寂に包まれる、その数分後に教師陣は到着し事件は収束の一途を辿る
「えっと…つまり貴方はA組の紅護くんだと?」
「だーから何回も言ってるやんか!正真正銘、本物の紅護やってば!」
「いや、お姉ちゃん、男が女になってる時点で説得力ないよ?」
「うーん、どう説明すればええんかなぁ…」
あの後到着した警官達によって残党の敵は拘束され点呼を取っている時に護が挙手するも誰にも信じて貰えないのだ
「なぁ!緑谷!お前は見とったもんな!うちがこの姿になるとこ!」
「うぇ!?あ、えっと、う、うん」
「ほら!緑谷だって言ってるんや!間違いないやろ!」
「男が女に…うーん、」
「ピチピチスーツ、いい、けどちっさい」
「おい峰田、お前どこ見てちっこい言うてんや?おん?」
剣先で頭の玉をツッツキながら問う護、そこに根津校長が護に質問する
「君が紅君だとして君に質問がある、いいかな?」
「んー、なんや校長先生」
「君は前に起きた紅事件の際姿を現した紅い少女…間違いないね」
「せやで、まぁ最初は隠すつもりやってんけど面倒やしどうせ勘づいてたんやろ?」
「薄らとね、どうしてあの時男を連れ去ったんだい?」
「あいつはうちらのシマのもんや、あいつには聞かなあかんことが多かったんや」
「あの場であの男は君の事を女神と呼んだそうだね?それに君はこっちの住民、そう言ったと聞く、その意味は?」
「悪い、それについては詳しく答えることは出来ん、ただ女神って言うのはうちの事で間違いない、うちはハートやからな」
「ハート?それは一体なんだい?」
「女神の総称、うちは紅の女神スカーレットハートって呼ばれてる」
「スカーレットハート、それはその姿での名前、それでいいね?」
「間違いないよ、ただうちの名前しか教えられん、堪忍や」
「詮索はしないで欲しいってことだね、分かったよ!君はどっちにしろうちの生徒だ!道を踏み外さない限り僕達は君の味方さ!」
「おおきに」
その後怪我人は護とあかりの治療の後病院へと搬送され事件は収束した
「やはり現れたか…」
「如何なさいますか?」
「今は様子見だ、そのうち利用するさ」
「御意」
別の悪意も動き出そうとしていた
という訳で今回はここまで!投稿送れてすいませんでした!
それではまた次回お会いしましょう!
『待て次回!!』