”赤髪”に転生しようと思ったら”赤鼻”に転生してしまいました。   作:おタッチ

1 / 2
プロローグ

 

 

 

 

 

 

 拝啓、前世の俺。

  

 お元気ですか? 君は”あの事故”で死んで転生することになりました。

 転生した世界でも元気にやっているから、心配しないで。

 しかし、君がこの手紙を見ているなら、1つだけアドバイスをあげよう。

 

 ”神様と出会ったら、絶対に早口で話すことだ”

 

 

  

 

 

           *

 

 

 

 

 目を覚ましたら、知らない部屋にいた。”あの事故”で気を失ってからの記憶はない。しかし、あれから何処かにいたような記憶があるが、思い出せない。

 

 暗い部屋にも目が少しずつ慣れ、視界に入る変な物体に気付いた。

「なんだこれ」と呟いた俺は、視界に入る”けん玉のような赤い丸い物体”に触れた。不思議なことに”それ”に触れると自分の鼻を触っているような感触がした。

 流石に可笑しいと思い、重い腰を上げ近くにあった鏡の方に向かった。

 そこに映し出されたのは、記憶に残る自分の姿ではなく、全くの別人がいた。  

 

 青色の長髪をした190センチ以上はありそうな男性。特徴的な赤色のけん玉のような鼻で、額には骨のバッテンがあり、まるで”道化師”のようだ。

 

 ん?

 鏡に映し出された顔は何処かで見覚えがある。

 しかし、今は頭痛が酷く思い出せない。  

 

 まあ日が明けたら、元に戻っているだろう。

 寝ぼけているに違いないと思い、再びベットにもぐった。    

 

 

 

 翌朝 

 

 真っ暗だった部屋に日差しが入り、朝になった。  

 

「おーい!デカッ鼻起きろー」 

 

 いきなり、麦わら帽子を被った赤髪の男が部屋に入ってきてた。

 

「誰がデカッ鼻だァああ!!!!」

 

 反射的にそう言い返し、赤髪の男を見た。

 別に自分はデカッ鼻では無いが、自分のことを貶されていると感じた。

 

 「お前以外、デカッ鼻はどこの世界を捜してもいねーよ。船長の公開死刑までもう少しだ。準備をしろ」

 

 赤髪の男はそう言い部屋を立ち去った。

 

 

 あれ?

 今の男、見覚えがあるぞ。

 確か、人気漫画のONE PIECEのシャンクスに似てるな。

 あり得る筈が無いと、洗面所に向かい顔を洗ったその時、目の前に昨日の”夢”で見た赤鼻の男が映し出された。

 

 「バギーじゃねえか!!!!」

 

 おいおい、あり得ない。まるでネットで有名な転生者じゃねーか!!

 普段から、漫画やSSが大好きな俺はすぐに状況が理解できた。

 

 選りに選って、バギーは無いだろう。海賊がいるなんでもありな世界で、”最弱”の海賊が生きていける筈が無い。

 

 漫画やSSが大好きな俺はすぐに状況が理解できた。海軍大将、四皇。この世界は化け物だらけだ。せっかく転生できたのに、死亡フラグしか見えないんですけど。

 

  

 

 てか、俺死んだのか。”あの事故”で死なないほうが変だけどさ。

 

 

 現状に落胆している俺は、重い腰を上げ深く思考することにした。

 

 どうしてこうなったんだ・・・・   

 

 

 ”あの事故”が起きてからの記憶はない。まず、間違いなく死んだのであろう。転生していることが何より証拠だ。  

 別に前世に未練があるわけでは無い。悲惨で惨めな生活を送っていて、死んでるも同然だった。”あの事故”で転生できたのなら願ったり叶ったりだ。

 

 

 赤髪のシャンクスに赤鼻のバギーか。  

 いざ、目の前に”対峙”すると迫力やべー。

 

 赤髪のシャンクスは四皇であり大海賊である。そして俺が一番好きなキャラクターだ。いつも転生するなら赤髪だと頭の中で妄想を繰り広げていた。

 

 

 

 ん!? 待てよ。

 ”赤髪”という言葉に何かしこりを感じた。

 まるで、ついさっきまで頭の中で強く思考していたかのように。

 

 

 赤髪・赤髪・赤髪・・・

 

 そうか!!全て思い出したぞ。

 

 

 

 あのハゲ親父(神様)の野郎・・・

 

 

 

 

 

 

             

 

 

                  *

 

 

 

 

 

 知らない場所だ。目を覚ますと知らない景色が広がっていた。もし、死後の世界があるなら此処のことなんだろうな。

 そう呑気に考えながら辺りを捜索した。しかし、何もなく景色が変わることがなかった。

 時間という概念があるのかわからないが、刻一刻と体内時計が進むのが感じた。

 

 「此処"無の世界”は、天国みたいな特別な空間で、不幸なまま命を散らした憐れな者達を転生させるための場だ」

 

 目の前にいきなりハゲ親父が現れた。神秘的なオーラを放っており、如何にもこの世界の”神”だと感じれた。

 

 俺は”これ”を知っている。間違いなくネットで有名なSSの転生者だろう。まさか本当にあるとはな。

 俺は直ぐに状況を理解し、これから転生をさせてくれるのだろうと思った。

 

 

 

 

 「この世界の神であるわしは、お主を転生させてやれる。”あの事故”は世界の秩序を乱さないように、わしが殺った。さあ、好きな”世界”と”キャラクター”を述べよ」

 

 神はそう言いこちらを見ている

 

 「少し考えさせてください」

  

 答えは昔から決まっている。”赤髪のシャンクス”になって、世界を自由に冒険するんだ。待てよ。特典ありかな?もしそうなら、折角だし悪魔の実を食べてみたい。

 掲示板では、トキトキの実とか言われているけど、確証はない。

 

 うーん。どうしようかな・・・・  

 

 

 「まだか? わしは忙しいのだ。」

 

 シビレを切らした神様が、そう述べて答えを求めてきた。

 

 「はい。決まりました」

 

 ゴチャゴチャ考えても埒が明かない。なるようになるだろ。

 

 

 「”ONE PIECE”の世界で、大海賊の””赤髪”の「時間切れじゃ」

 

  

 「え?」

 

 神はシビレを切らしたようだ。

 最後まで言わせてもらえずに俺の意識は薄れていく 

 

 

 すると、青年の体が白く輝き始めた。

 どうやら準備は整ったらしい。

「――では、お主の幸運を祈る”赤鼻”」

 

「え、”赤鼻”」

 

 そして、青年は白く輝き消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              *

 

 

 

 

 

 

 全てを理解した俺は神を憎んだ。

 いやいやおかしいだろう。赤髪”と”赤鼻”はどう考えても違いだろう。天と地の差ぐらい実力差あるよ。

 転生早々、死亡フラグ立っちゃってるよ・・・    

 

 

 

 そもそもバギーって原作では、王下七武海の一人。元ロジャー海賊団見習い。

卑怯かつ残忍で利己的ながら派手好きでノリのいい間抜けな海賊で、場を盛り上げ煽り立てる才能は天才的。超人系悪魔の実「バラバラの実」の能力者で体をバラバラに分離させることができる「バラバラ人間」。若い頃はロジャー海賊団でシャンクスと共に見習いをしていた。「東の海」から「偉大なる航路」へ突入。一時はインペルダウンに捕らえられるもルフィらと共に脱獄、頂上戦争に参加し、その後海賊派遣組織の総帥となり王下七武海入りした。異名は「千両道化」。

しかも、原作の中ではピカイチで運がある。カリスマ性もあり、多くの実力者を配下にしている・・・

 

 

 あれ?もしかしなくてもバギーってすごくない?

 

 原作ではネタキャラだったけど、鍛えたら四皇になれるんじゃね。

 バラバラの実だってミクロぐらいに小さくなれれば・・・それに覚醒したら。

 

 

 

 

 

 バギー最強じゃねえか!!!!!!!

 

 

 いける。前世の記憶とバギーの記憶がある俺なら、この世界で海賊王になれる!

 

 

 この世の秘密はすでに知っている。海賊王?関係ないね。()()を知っていても関係ないんだよ。

 海賊は自由だ。海賊なら"ひとつなぎの大秘宝ワンピース"を目指さなくてはいけないと誰が決めた?

 何を目指そうと自由だからこそ海賊になる。

 頭がおかしいと思われようが・・・

 

 

 

 「俺は世界で一番自由な海賊王になる!!!!!!」

  

 

 

 

 「なーに言ってんだバギー?」

 

 ヘラヘラと腹を抱えながら、麦わら帽子を被っている”赤髪”の男がそういった。

  

 「船長と同じこと言うようになったなバギー」

 

 麦わら帽子を眺めながら、口角が少し上がったのが見えた

 

 

 「まあ、船長とお前じゃ言葉の重みが違うがな」

 

 ”俺”を小馬鹿にするような言い方で、また腹を抱えながら笑った

 

 

 憧れであり、”赤髪”になるはずだった俺はシャンクスの方を見た。

 

 すげーー!!本物のシャンクスだ!

 てか、若い!!バギーの記憶によると今日が船長の公開処刑の日だから、若くて当然か。

 言われっぱなしで反論せずにいると、俺の中の”バギー”がそうさせなかった。

 

 「シャンクスー!貴様は本当に人を怒らすのが得意なようだな」

 

 ”俺”はバラバラになった両腕でシャンクスを持ち上げてた。

 

 「悪かったな。そう怒るな。いつもふざけているお前が、真剣な目で船長と同じ言葉を言っていたから」

 

 

 「さあ、バギー。船長の最期を見に行こうじゃないか。最後は笑顔で船長と別れようぜ」

 

 

 「お前に言われなくてもわかってんだよ」

 

 

 

 

 シャンクスにそう言われ、俺たちはローグタウンの処刑台に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

処刑台に集まる人だかり。

 俺たちは、近くで見るのは不可能だと悟ると、壁際に行き、見やすい場所で胡坐を掻く。

「ここなら見やすいな……ちょっと遠いが……」

シャンクスがバギーの方を確認しながら得意な見聞色の覇気を使った。

 

「おいバギー。今この場に相当腕が立つ野郎がたくさんいるぞ。お前じゃ敵わないやつばかりだ」

 

「そんなことわかってるよ!! お前の覇気を使わなくても、この場の空気でわかる」

 相変わらずシャンクスの覇気はすごいな。俺もこの世界に来たからには覚えないとな。

 確か、クマやドフラミンゴ、ドラゴンやクロコダイルがいるんだよな。

 

 

 

 すると…。

「おい見ろ!! 海賊王だァ!!!!!」

「おおおおお!!!!」

 

 船長の登場に、人々は釘付けになる。

 

 船長・・・記憶では知っているが、生で見るとなんて言う化け物だ。強さの底が全く見えない。

 

「船長。あれは、これから処刑される人の覇気じゃないだろ」

覇気使いであるシャンクスは、ロジャーの覇気を感じ嬉しそうにしている。

 

 ”海楼石手枷”をはめられているのに、まるで凱旋した将軍のように歩く船長。

 船長が俺たちのすぐ近くを通り過ぎようとした時、時間にしたら1秒もないかもしれないが、ほんの一瞬こちらを向き笑った。

 覇気が使えないバギーだが、確かに”何か暖かい”オーラに包み込まれた気がした。シャンクスの方を見ると、麦わら帽子で顔を隠してやがる。

 「じゃあなガキども」

 確かにそう述べ、船長は処刑台の方に向かった。

 処刑台の階段を一歩ずつ上る姿は、”死”を前にしているとは思えない。

 覇気は使えない俺でもわかる。海の王者としての覇気と誇り高さ。富・名声・力……この世の全てを手に入れ、全ての海賊達の頂点に上り詰めた男の最期を締めくくる、相応しい舞台とも言える。

 

「さァ、とっとと済ましちまおうぜ」

 処刑台であぐらを掻いて座るロジャー。

 ロジャーの前で2本の処刑刀がクロスすると、人々は息を呑む。

 その時、一人の男が叫んだ。

「おい!! 海賊王!! 集めた宝はどこに隠したんだ!? やっぱり〝偉大なる航路(グランドライン)〟の中か!?」

 

「あんたは手に入れたんだろ!? あの伝説の大秘宝〝ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を!!」

 すると、それを聞いたロジャーは高笑いをした。

 そして、その質問に対し……死に際の「あの一言」を口にした。

 

 

 

「おれの財宝か?」

 

 

「許可なく喋るな!!!!」

 

 処刑人に刃を向けられても、意にも介さず笑みを浮かべて口を開くロジャー。

 

「欲しけりゃくれてやる……探せ! この世の全てをそこに置いてきた」   

 

    執行っ

 

  

    ザン…!!

 

 海賊王ロジャーの体を、二つの刃が貫いた。

 

 そして――

 

『ウオオオオオオオ!!!』

 喝采が響き渡る。

 船長の死により、大海賊時代という新たな時代が始まったのだ。

 

 「おい。何泣いてるんだバギー」

 かつての船長の死を目の前で眺めていたバギーは気付いたら涙が出ていた

 

 船長。俺はいつかあんたのような海賊王になるぜ 

 再び心の中でそう誓ったバギーであった。

 

 

 「ロジャー船長・・・。あんたの意思は俺たちに引き継がれていく。」

 

 さよならは言わないぜ。シャンクスは心の中でそう誓った。

 

 

 

 

           *

 

 

場所は変わりローグタウン港

 

 

「俺と一緒に来いよ!!バギー!!」

 

船長の公開処刑が終わり、シャンクスは今日この場で海賊団を結成することにした。

同じロジャー海賊団の見習いで同僚のバギーを誘うことは以前から決めていた。

もちろん、以前ロジャー船長が生きているときに、バギーを何度か誘っているが何度も断れていた。

 

「お前の部下なんざまっぴらだバーーカ!!!」

 

シャンクスはそう答えるとわかっており、それ以上言うつもりはなかった。

 

 

 

 

 

「だが、シャボンディ諸島に行く準備が整うまでなら”海賊同盟”として船に乗ってやる!!!」

 

 ・・・ドン!!!

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。