【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景 作:イナバの書き置き
「ジクウドライバーに戻った……?」
一体どういう事なのか、ソウゴさんも困惑したまま、ベルトを手に取る。
「うん、間違いない。ジクウドライバーに戻ってる。何て言うか……力を無理矢理抑え込まれたみたいな感じがする」
「そんな……」
あの黄金のベルトは彼が最高最善の魔王である証で、それが消えたとなると余程の事が彼に起こったに違いない。
犬吠埼さん達も心配そうな表情でこちらを見守る中、部室の扉が勢いよく開かれた。
「新たな神託が降りました! 常磐さんにも関係のある事なので説明させて頂きます!」
何やら焦った様子の上里さんに全員が「はぁ」だの「ええ」だの「うん」だのと返事をしながら席につく。
「……結論から述べさせて頂くと、常磐ソウゴさん、あなたは神樹様から警戒されています」
「ッ! 何を言って──」
「千景、いいから」
激昂しそうになった私をソウゴさんが事も無げに制止する。この人には言われ慣れた事でも、やはりソウゴさんが悪く言われるのは許せない。──いや、何かおかしい。あまりに平坦すぎるソウゴさんの声に、背筋が凍る。
「あなたの力は世界を壊す。違いますか?」
「確かに『俺の力』は世界を破壊する力だ。それが?」
「魔王としての力、あなた自身の資質。それらによってこの世界その物、ひいては神樹様そのものが破壊される事を強く警戒しています。その為、神樹様はあなたの力を封印しました。──きっとその気になれば何時でも元の姿に戻れるのでしょうが」
「それで?」
「基本的には魔王としての力を行使しない事が神樹様との信用の証となります。造反神の襲撃がありますので絶対に使うなとは申しませんが、原則使わない事を推奨します。もし神樹様からの信用が失われた場合、即刻この世界から退去させられる事となると思います」
「……ああ、わかった。いいよ、約束する。魔王としての力はなるべく使わない」
────怖い。いつもの優しいソウゴさんに戻って欲しい。
一切笑う事なく会話を続ける2人に、私の知らないソウゴさんを見た気がした。『魔王』としての側面を以てこの場に臨むソウゴさんに、私は少しだけ恐怖を覚えてしまった。
「……眠れない……」
与えられた寮の自室、眠れずに布団の中から這い出た私は、電気もつけずに何をするでもなくただぼんやりとしていた。
この1日の目まぐるしい環境の変化に全く頭が追い付かない。そして先程の『魔王』としてのソウゴさんや私物も無く生活感の無い部屋に寂しさを感じていた。
──ソウゴさんは私の家族で、あんな怖い人じゃない。あんなに私に笑いかけてくれるのに──
居ても立ってもいられず部屋を飛び出す。走り出した私は5分もせずにソウゴさんの部屋の前に立っていた。控え目に扉を叩く。
「……ソウゴさん、いる……?」
「千景? どうした────ええっ、本当にどうしたの!?」
直ぐに開いた扉の向こうには先程とは違う、いつも通りのソウゴさんがいて、それにホッとして涙が零れた。
「あーそれじゃさっきの俺が怖くて、あんなになっちゃったのか……怖い思いさせちゃってごめんね……」
「……ううん、私も悪かったから……その、私が言える事ではないかもしれないけど、元気を出して……」
30分が経った。ソウゴさんの部屋で不毛な謝罪合戦を繰り広げ、お互いが悪かったと言う事で決着を付けた今も申し訳なさそうにしているソウゴさんを慰める。こんなたまに見せる子供の様な感情もまたソウゴさんらしくて、普段の彼を実感させた。
「ごめん……お詫びに出来ることなら何でも聞くから……」
「……なんでも?」
彼の発言に様々な欲望が脳裏に過る。そうだ。ソウゴさんと1日デートとか、悪くないかもしれない。だが、私が今一番やって欲しいのは────
「こんな事で良いの?」
「ええ……お願い、私が寝るまでいいから、手を離さないで……」
「うん、わかった。それじゃあお休みー」
ソウゴさんの布団の横に私の布団を敷き、手を繋いで寝る。少し気恥ずかしかったが、1人で殺風景な部屋にいるよりはずっと良かった。
・常磐ソウゴ
千景を一人ぼっちにしない事が重要なので特に逆らったりはしない。魔王モード全開すぎて千景に怖がられたのが少しショック
・郡千景
魔王モード全開のソウゴに恐怖心を覚える。それはそれとしてのわゆ千景と融合したため友奈、ソウゴへの依存(?)具合も2倍になる(謎理論)
・神樹
魔王別に悪い人じゃ無いけど何しでかすかわからん…取り敢えずオーマジオウに変身するのだけでも止めてもらおう…(事後承諾)
・上里ひなた
のわゆひなたはソウゴとの初対面が2話前のオーマジオウに変身している時なのでとても緊張している。神樹様が黙ってソウゴへ干渉したせいで焦る中間管理職みたいな人。