【嘘予告】EP00 2014:ソウゴと千景 作:イナバの書き置き
私が想像するよりずっと早く、ソウゴさんは勇者部と打ち解けていた。確かに高嶋さんそっくりの別人がいたり、全く同一人物(但し小学生と中学生の差はある)が同じ空間に存在したりもするが、基本的に彼女達は穏やかで、思い遣りのある性格だ。
魔王の状態が初対面だったとは言えソウゴさんの人となりを知れば特に怖がる必要も無いと考えたのだろう。
特に結城友奈────高嶋さんのそっくりさんとは頻繁に行動を共にする姿が見られ、その度に東郷さんが表情を百面相させているのも日常となってしまった。
「私が作ってきた押し花のしおりなんですけど……ソウゴさんもどうですか?」
「うわ、凄いキレイじゃん。こんなの貰っちゃっていいの?」
「はい! 是非使って下さい!」
「うわー、ありがとう! 大切にするね! それで──────うん? どうかした? 千景」
「いえ、何でも……」
今日も結城さんの趣味である押し花のしおりを貰って満面の笑みを見せている。何とも微笑ましいが、同時に少しモヤっとしたものを感じた。
近い内に新たな勇者が召喚されると神託が降った。「ひあ かむず あ にゅーぶれいぶまん?」等と可愛らしい英語遣いで上里さんと仲良くしている高嶋さんを見て、また少しモヤっとした気持ちになった。
「ぐんちゃん? どうしたの?」
「千景さん? 体調が悪い様でしたら、保健室に行った方が──」
「……いえ、大丈夫よ。きっと昼食のうどんを食べ過ぎたせいだから、少し待てば治るはず……」
「それならいいんだけど……」
────気付かれていた。そんなに私の表情は分かりやすいだろうか。大分苦しい誤魔化し方だったが、何とかその場を離れる事に成功した私は、廊下の壁にもたれ掛かって考える。ソウゴさんや高嶋さんが他の人と仲良くする度に増えていくこのモヤモヤ。恐らく、この感情は──
「きっと……嫉妬ね」
理解した所で、私は今嫉妬していますなんて言える訳がない。
私は、どうすればいい────
「諏訪の勇者、白鳥歌野です。皆さん宜しくお願いします。趣味は農業です」
「諏訪の巫女、藤森水都です。……趣味は特に無いかなぁ、と」
新しく召喚された勇者白鳥さん──白鳥歌野、そして巫女の藤森水都さんは乃木(若葉)さんの部屋に突如現れたらしい。
部室でぼんやりと彼女達の自己紹介を聞き流す。大体私は自らの世界で白鳥さんも藤森さんも知っているのだ。今さら聞く意味があるとは思わなかった。
ちらりと視線を横にやって────目を見張った。
「あなた、王様ね……?」
「そう言う歌野こそ、王様みたいな感じがする────農業王?」
「イエス! よく分かったわね! あなたも何か良い感じの王様オーラを感じるわ!」
「うたのん、王様オーラって何……?」
一体何をやっているのだソウゴさんは。この世界では初対面なのにも関わらず、非常に仲が良さそうなソウゴさんと白鳥さんを見て、少し、少しだけ嫉妬心が溢れた。楽しそうに話す2人の間に割って入る。
「……ソウゴさん。何を話してるのかしら」
「……千景? え、どうしたの急に」
「ええ、何でもないのよ、何でも……ただ、少し気になっただけで……」
「ほほぉ、お二人はそう言う関係でしたか……」
「え、何? どういうこと?」
白鳥さんが何やら誤解を生む発言をしているが、この際それでも良い。私達は『家族』なのだから。
だが──────────ソウゴさんの隣だけは絶対に譲れない。
・常磐ソウゴ
本編で初めて友達が出来たみたいな人がそれ以外の好意を判別できる訳ないよね…
王同士気が合う部分がある
・郡千景
寂しさ2倍依存2倍、なら嫉妬も2倍になるよね…
・結城/高嶋友奈
大天使2人
・白鳥歌野
農業王。王同士シンパシーを感じる。